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観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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大河市場に輝くのはやはり「黄金の日々」

2007年05月27日 | 映画・ドラマ
  NHK大河ドラマが初めて民間人を主役に選んだって話題にもなった「黄金の日々」。個人的には、オンエア時、1話も見逃さなかったくらいに力が入った作品だった。
 戦国時代末期・自由都市堺から海外へ雄飛する呂宋助左衛門を若き日の市川染五郎(現・松本幸四郎)が演じ、その思い人に栗原小巻。石川五右衛門(根津甚八)、五右衛門の恋人役は故・夏目雅子さんだ。これはかなりきれいだった。そして、杉谷善住坊(故・川谷拓三さん)、豊臣秀吉(緒形拳)らが主軸に構成されているのだが、声を大にして言いたい。
 言いたいんだから聞いてほしい。この時の織田信長を演じたのは高橋幸治。この信長は「本物だ」(会ったことないけどね)。どこから見ても信長だった。後にも先にも。高橋幸治ほど、信長だった俳優は見たことが無い。この信長を見るだけでも十分に価値ありなのだ。
 緒方拳の秀吉もこの時点では、ナンバーワンだったが、今時点では、「利家とまつ」の香川輝之に軍配。
 さて、主役の呂宋助左衛門。名前が示すように呂宋(フィリピン)に渡り、呂宋壷などの焼き物を持ち帰り豪商へとなっていく様を描いている。
 が、そこはたかが庶民の貿易商。1年間の連続ドラマで主役はれるほどのエピソードもなかったのだろうよ。秀吉や五右衛門なんかと友達付き合いってな感じで、彼らの持ち技(出来事)に絡んでいくいく。
 例えば、鳥取城の兵糧攻めの折にはなぜか城内にいるし、叡山焼き討ちの折も、叡山にいるのだ。そして「ひーひー」言いながら逃げまどう。五右衛門の釜茹でだって見に行っちゃう。
 へなちょこ振りで逃げまどいながらもなんとなく成功しちゃった市川染五郎(現・松本幸四郎)。息子の現・市川染五郎が最終回に左衛門の息子役でデビューも飾っちゃった。息子よりも親父の方が格段男前。
 一番印象的だったシーンは、信長狙撃犯として追われる善住坊が助左衛門と共に呂宋に渡り、その地で生涯を閉じることを決心するものの、やはり「日本に帰りたい」と、処刑されることを覚悟して帰国する。そして、のこぎり引きの刑という重刑にかけられる。
 かなり怖いシーンであると共に、望郷の念を感じて胸を打たれたものだった。
 次第に常軌を逸して行く秀吉に対する助左衛門。
 実話の部分と、歴史的背景をよくマッチさせただけでも脚本家の手腕が買われる。
 ほかに故・丹波哲郎さん、林隆三 故・鶴田浩二さん、李礼仙、竹下景子などが脇を固めている。
 わたくしの評価はNHK大河ドラマ史上No.1。

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