何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

心光寺門前の石仏

2017年12月11日 | 石仏巡り

【神奈川・三浦市】車がやっと通れるような狭い坂道を下ると、門前の石段の両脇に庚申塔など十数基の石仏・石塔が整然と並んでいる。 左手には6基の庚申塔があり、庚申塔に隠れるように後方に小さな馬頭観音・牛頭観音・豚頭観音などの家畜供養塔が鎮座している。 仏界に馬頭観音は存在するが、牛頭観音と豚頭観音は存在しないはず。 ただ、頭に牛冠を頂き、左手に斧、右手に索をとる牛頭天王(本地仏は薬師如来)が存するようだ。
明治時代造立の青面金剛庚申塔が2基あるが、いずれも迫力のある像容で見応えがある。 その内の1基は腰に龍を巻き、髪の毛を掴んだ女人を激しく振り回しており、同じ三浦市の十劫寺近くにある庚申塔(明治五年造立)と酷似しているので同じ石工によるものと見られる。 (2016年12月30日投稿「十劫寺近くの庚申塔」)

心光寺の境内に上る石段の左右に石仏や供養塔などが鎮座している

石段の左側に並ぶ6基の庚申塔..後方に諸観世音が立つ

迫力がある右3基の庚申塔..右2基は明治時代、左は元禄時代の造立
 
明治四十一年(1908)造立の駒形角柱型青面金剛庚申塔(日月瑞雲、2鶏、邪鬼、3猿)..合掌女人の髪の毛を掴んで吊り下げている/青面金剛の大きな目は目力を感じさせる
 
明治四十一年庚申塔の邪鬼と三猿..左手で吊り下げられて合掌する女性
 
明治二十四年(1891)造立の駒形角柱型青面金剛庚申塔(日月瑞雲、2鶏、邪鬼、3猿)..腰に龍を巻き付け、左手で人の髪の毛を掴んで吊り下げている/十劫寺近くの庚申塔(明治五年造立)と類似している
 
腰に巻き付けられた龍..髪の毛を掴まれている女性は激しく振り回されて横向きに!

明治二十四年庚申塔の邪鬼と三猿..三猿は互いに目口耳を押さえあっている
 
元禄十一年(1698)造立の駒型青面金剛庚申塔(日月瑞雲、3猿)

左3基の庚申塔..左から宝永年間(宝永五年(1708)?)造立の駒型青面金剛庚申塔(邪鬼、3猿)/元文五年(1740)造立の丸肩角柱庚申供養塔/寛政五年(1793)造立の笠付角柱型庚申供養塔(日月瑞雲)

左側庚申塔の後方に6基の石仏が一列に鎮座している..馬頭観音2基、豚頭観音1基、牛頭観音1基、墓石1基、不明1基
  
大正十五年(1926)造立の牛頭観世音/明治三十年(1897)造立の馬頭観世音/造立年不明の馬頭観世音
  
造立年不明の豚頭観世音/舟形墓碑(合掌する観音像とみられる)..享保か享和年間の造立/下部に三猿のような形跡があるので笠付角柱型の庚申塔か

石段の右手に並ぶ石仏と標石
 
造立年不明の巡拝塔..蓮華座間の基礎に「奉納大乗妙典六十六部供養塔」の刻/上の蓮華座に舟形光背観音菩薩立像..頭光、天衣を纏い、右手与願印、左手に宝珠を持つ
 
天保四年(1833)造立の舟形光背地蔵菩薩石仏..蓮華座に立ち、宝珠と太い錫杖を持つ/造立年不明の霊場標石..「三浦三十三番目」銘
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