ミハ缶ブログ

ヘタレ大学院生が綴る日常と非日常。
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近未来の交通はこうなる?!

2007年02月17日 | 2010年以前の記事

2010年に自動車はこうなる予定だそうですが・・・(動画百式)


 2001年に放送された番組のようです。「21世紀はこうなる!」といった内容の番組の一部みたいですが、けっこうツッコミ所があります。


 なんだか、昔の子供向け雑誌にあった「21世紀はこうなる!」みたいです(笑


近未来自動車kinmiraoijidosya【You Tube】
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 自動運転については、愛知万博でも自動運転バスが披露されていましたし、すでに自動で縦列駐車をするような自動車や車間距離が近すぎると警報を出す装置は市販されていますよね。
 そのうち、高速道路などは自動運転が一般的になるかも知れません。


 


 しかし、後半でエアロトレインが紹介されていますが、その際「リニアは新幹線の三倍の電力を使って環境に悪い」といった言われ方をされていますが、これについては、大いに心外です。


 そもそも、鉄道という交通手段自体がエネルギーを殆ど使わなくて済む交通手段なんです。「リニアは鉄道の三倍もの電力を使うから環境に悪い」と言うのならば、航空機は鉄道の六倍、自動車に至っては鉄道の九倍です(ソース:国土交通省『交通関係エネルギー要覧(2000)』Wikipedia『ジェイアール式マグレブ』記事内で引用されていたデータ)。しかも、N700系に至っては座席毎のCO2排出量は航空機(B777-200)の十分の一です(ソース:会員情報:東海旅客鉄道(環境パートナーシップ・CLUB))。どことなくミスリードの臭いを感じます。
 で、リニアというものは、速度からしても明らかに飛行機の代替です。東京~名古屋~大阪の国内便利用客をリニアに移し、高高度でのCO2排出を抑える事ができます。
 さらに、マグレブについては、常温超伝導が実用化すれば、今よりもっと速度を上げて消費電力も抑えれる見込みもあるそうです。


 で、エアロトレインですが、これ、一両で何人乗せれるの?  どんなにエコロジーでも、東海道区間の代替をするのなら、せめてTGV並の輸送力ぐらい無いとダメです。
 それに、勾配やらトンネルやら駅間距離やら加減速の事が全く考えられていないような気がします。都心部(東京・名古屋・大阪)はどうしても大深度地下を通らないといけません。そして郊外では大深度地下から一気に地上に上げないといけないんですから、登坂能力は必須です。緩やかな勾配にしても良いですけど、建設費を抑える為にはどうしても急勾配にせざるを得ない訳で。
 トンネルにしても、車両の横幅が大きいと、どうしてもトンネルを大きくしなくてはなりません。大深度地下トンネルや鈴鹿トンネルを掘る費用を考えると、できるだけトンネルの大きさが小さい方が良いでしょう。
 そして、日本は駅間距離が短いんです。のぞみ号みたいな列車なら比較的問題にはならないでしょうが、各駅停車の場合は、最速列車が追いつく前に待避線へ逃げ込んでくれないと困る訳でして。そうなると、どうしても加速度が求められます。
 さらに、何か異常があった際に列車を安全に止めるためには、減速能力も無いとダメです。マグレブなら、回生ブレーキも発電ブレーキも使えますが、エアロトレインは?


 そもそも、「沿線に設けた風力発電所と太陽光発電所で自給自足」って、そりゃ電気を使う他の輸送機関でもできる事でしょうに。それに、日本野鳥の会は「風力発電施設に野鳥が衝突する事故が多く、一概に環境に良いとは言えない」とする見解を持っているようです。イメージだけで「環境に優しい」と思い込む。日本人の悪い癖です。


 という事で、エアロトレインはあまり実用的とは言い難いと思います。まあ、今後の研究結果如何によっては変わるでしょうし、加速度の問題も、駅間距離長いアメリカ辺りの都市間輸送なら問題にならないかも知れませんが。



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