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ダ・ヴィンチ・コード (上)

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 結構以前からの話題作。ずっと気になっていたが、ようやくBook Offで古書を入手。ダイイングメッセージ、アナグラム、暗号、秘密結社、カトリック、聖杯、テンプル騎士団、死海文書、そしてレオナルドの「最後の晩餐」・・・。たたみかけるような知識の奔流、目もくらむような仕掛けのオンパレード。そして、無実の罪で警察から追われる身となった主人公たち。一読、非常に知的好奇心をくすぐられ、ミステリーとしてもいい線を行ってると思った。しかし・・・
 扉には「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている。」とあり、教養小説の大作であることも匂わせている。もちろん自分は、西洋・キリスト教文化の知識をわずかしか持ち合わせていないので、ここまで書かれるとただ頷くしかない。が、首をかしげる記述が一箇所あった。
 【本文からの引用】
(ソフィーとラングドンが「最後の晩餐」を見ながら話すシーン)
・・・つづいてラングドンは、ペテロとほかの弟子たちのあいだを手で示した。
「いささか不気味だろう?」
 目を細めたソフィーは、そのあたりから一本の手が出ているのに気づいた。
「この手が持っているのは短剣?」
「そうだ。さらに奇妙なことに、手の数をかぞえてみれば、これがだれの手でもないのがわかるだろう。体がないんだよ。謎の手だ」

 ここで指摘されるまで、自分も「最後の晩餐」に短剣が描かれているとは知らなかった。そこで問題の箇所を本の口絵で確認したのだが・・・短剣はあった!だがどう見てもペテロの手だ。年の為、ネットでほかの図版にもあたってみたが・・・やはりペテロの手だとしか思えないし、そう解説してある文章もある。→「最後の晩餐」の謎
 この一事をもってすべてを推し量ることはできないが、エンタテインメントとしてはともかく、書かれていることは相当なでっちあげなのかも。本邦の「源義経が大陸に渡ってジンギスカンとなった」というレベルだったりして(^^;)
(ちなみに、この話では高木 彬光に『成吉思汗の秘密』という傑作がある。)

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