ヒューム━【知覚】━

一神教(絶対主義)は熱狂と不寛容の塊だよ
多神教(相対主義)が一神教に取って代わられてしまうのは
道徳的後退と言わざるを得ないね
キリスト教の蔓延が嘆かわしいよ

人間の理性なんてものは
他の動物のそれに
言語能力を加えたものにすぎない
その程度の理性で
一体何が分かるというのか

この思想はカントにも影響を与え
「～理性批判」の元となりました
しかしカントがクリスチャンであるのに対し
ヒュームはあくまでも無神論者です

人間に自我なんてないよ
あなた方が心と呼んでいるものは
知覚の束に過ぎない
私たちは見えたり聞こえたり感じたりしているだけだ
何が言いたいかというと
別に心なんてものは全く必要ないし
哲学的ゾンビであろうとなかろうと
どうでもいいことじゃないか、ということだ

私は懐疑論者だ
因果関係なんてものは存在しない
我々は知覚による印象を記憶し
それを後から想像する(思い出す)ことで
そこに観念を見出す

今まで寝たら必ず目が覚めた
→だから今から寝るけど必ず目が覚めるはずだ
とは限らないでしょう？
あなたが寝ている間に家がガス爆発して
あなたは永遠に目覚めなくなるかもしれません
寝る→目が覚める、というのは
単なる確率的現象にすぎません
あなたは何度も同じ経験を繰り返すことで
因果関係を認識する【習慣】を身につけたにすぎないのです
科学なんて根拠のない因果関係を元に構築された【幻想】です
有限個の偶然から真理を導き出せるはずがない
そんなものは【気のせい】なんですよ

まあ、私たちが物事を考える際には
【経験】と【観察】が必要なだけだから
残りはおまけだし、無くてもいいや
とにかく、知覚なしには何も語れないんだ

関連：眠りのパラドックス