本当のヨーガを体得しましたので皆さんにご紹介したいと思い、これからいろいろと活動していきます。

 私の体験したヨーガの創始者はゴータマブッダ、即ちお釈迦さんで、日本には大正時代に中村天風によってもたらされました。

日頃の心の持ちようについて

2013-07-26 10:09:24 | 日記
 4禅の第3禅は5感を完全に消滅させた、意識だけの状態です。

 第4禅の「空」とは、その意識までも消した精神状態です。ここで重要なのが、決して眠った居るのではないという事です。だから、空、即ち無我の境地に入る直前の意識状態のままで時間のみが過ぎていきます。

 空を無我と言うのは「貴方の自我、貴方と言う存在自体が五蘊によって作られている」という事が分からなければ成り立たない話です。別の言葉で言えば「自他一如」です。

 さて、第3禅、第4禅の精神状態で日常を生きてゆくのはいけません。日常、仕事をしていたり、家事、学問に没頭している時、5感を無くしたり、意識までをも無くしていたらまともに生きてはいけませんでしょう?だいたい危険です、危ない。


 では日常における精神状態はいかに有るべきか?
 まず第一に、5感をはっきりと、明瞭にして置く事。その為には体をちゃんと保っておくことが必要です。
 
 次は精神状態。坐禅をちょっとでもおやりになった方はお分かりでしょうが、じっと座っていると眉間の前に、まるで虫が這いずっているようなむずむずとした感覚が生じます。これが良いのです。

 何かの作業をしている時、本を読んでいる時、料理を作っている時、等々このような感覚を伴っていると、その人は精神を統一して使っています。
 精神集中では有りません。ですから、周りの音も完全に聞こえています。ただ、遠くに聞こえるのです。

 以前、中村天風サンが電車に乗っておった時、連れの人にこう言った。
 「あの人はどこどこの駅で降りるよ。隣の人はどこどこの駅だ」
結局、そのグループ全員の下車駅を当ててしまった。車両の真反対に坐っていたのに。


 このような事は起きるのものなのです。聞こえるはずの無い離れた人達の会話が聞こえたり、話の内容がぱっと分かったりするようになるのです。4禅の空を体験しておって、精神を統一して使う事に慣れてくると。


 もう一つ天風さんの例。
 ある日、天風さんが道を歩いていると向こうから巡査が「危ない!危ない!」と大声を出している。ふと前を見ると狂犬病にかかった犬がふらっふらとやって来る。逃げようたってもう間に合わない。
 そこで天風さん、傍に立っている電信柱にひょいと手を当てて意識を電信柱に移した。すると狂犬は天風さんの足に体を擦らせて行ってしまった。

 警官は「大丈夫だったか?」と尋ねた。「いくら狂犬でも電信柱に噛み付いたりはせんよ」という天風さんの返事に気の毒がって、「君、しっかりしなさい!」と言ったそうだ。気がふれたとでも思ったのでしょう。

 天風さん「分かるかなぁ~」と言っていたが、分かる人は分かるものです。

 全く別の話。天風さん、講演会の前日、抜歯する事になったのだが「講演に差支えてはいかんから麻酔なしでやってくれ」と言った。歯茎をちょいちょいとメスでそいで歯を抜く。ところが根元の方が曲がっていて抜けない。歯医者が苦労して居るのに気付いた天風さん、自分で歯を抜いてしまった。

 天風さん、その時の事を全部感じているのだけれど、痛いという感覚から意識を飛ばしているんです。私も数年前、不摂生が元で4,5本歯を抜きました。私は麻酔をされたのですが、麻酔の針が歯茎に刺さってくるのをはっきり分かっているのだけれど痛みは全く感じませんでした。意識を外の花に於いていたからです。

 この辺の事を分かって頂けると、大変嬉しいのですが。

 日常に於ける有るべき精神状態と、三昧境における精神状態(=涅槃)とはまるで違うものです。





コメントを投稿