黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ア・ソング・フォー・ユー』柴田よしき(実業之日本社)

2008-05-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
元刑事で、現在は無認可保育園・にこにこ園の園長をしながら、副業で私立探偵を営む花咲慎一郎。そんな彼の元にハリウッドスター、リチャード・バーナビーの妻となった日本人女性・丸山恵美子から名指しの依頼が舞い込む。以前、日本で美容師として勉強していた彼女に、電車で藁人形をくれた男子高校生を探して欲しいという。依頼自体に問題はないものの、恵美子が花咲を指名した理由が、彼を憎んでいるはずの刑事・安岡の姉から聞いたという事実に悩む花咲だったが……『ブルーライトヨコハマ』、
にこにこ園が入っているビルと隣のビルとの合間に、生後間もない赤ん坊が置き捨てられていた。その手口の幼稚さから、まだ年齢的に幼い少女が産んで捨てたのでは、と危ぶむ花咲。しかし、警察に届けたその赤ん坊からは、北朝鮮産らしい覚醒剤が発見されたらしい。一方、いつも仕事を回してもらっている城島から、姪・田所夢乃が飼っているオカメインコ・ラムの行方を捜して欲しいと頼まれる。彼女のラムへの依存度に不審を持った花咲は、たまたま彼女のマンション付近で見かけた、関わりのあるらしい男……彼女の婚約者・外村真治に事情を聴く……『アカシアの雨』、
自分を育ててくれた靖子と共に暮らすヨーコは、得意のクレーンゲームで手に入れた景品を売って、金を得ていた。そんなある時、家路を急いでいたヨーコは、勢いで靴磨きの老人を突き飛ばしてしまう。一方、その老人・カンちゃんはその衝撃で骨折してしまい、その突き飛ばしたとされる少女の身元を捜して欲しいと依頼された花咲。そんな中、先の赤ん坊を置いていったのは少年だったという目撃証言が現れる……『プレイバックパート3』、
レストランのオーナーシェフを務める花咲の恋人・佐々里理紗から店の常連客がらみで、遺骨が盗まれた事件の捜査を依頼される。どうやら盗んだのは故人の疎遠になっていた息子の子供・神保ひかるらしいのだが、彼の後をつけた花咲は、彼がつぶれた小料理店に入るのを目撃する。そんな中、先のヨーコを一件に絡み、山内から仕事を請けるハメに。ヨーコを痛めつけたのが、春日会系の花筏組の若いモノだったのだが、その組長・花筏啓祐は、実は世間で名の売れた時代小説家であった為に、彼の名に傷がつくことを恐れた山内は裏でいろいろ手を回し、花咲には靖子のヒモだった元木の行方を捜すようにいう……『骨まで愛して』の4編収録の連作短編集。

園長兼探偵の花咲シリーズ・第4弾。
今回はあまり保育園がらみではない事件が主。
いろいろ痛い気持ちになるエピソードが多くてアレですが、そんな中で“エピローグ”がちょっと楽しいかも(笑)。

<08/5/24>


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