黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『the TEAM』井上夢人(集英社)

2006-02-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
バラエティ番組で人気の霊導師・能城あや子。盲目難聴の彼女は、相談者の悩みを優れた霊視の力で解決していたかに思われているが、その影で彼女のマネージメント務める鳴滝昇治、ピッキングを用いて対象者の調査を担当する草壁賢一、インターネットを駆使して調査活動を行う藍沢悠美らの『チーム』が彼女を支えていた。そんな彼等の活躍を描く連作短編集。
能城あや子の嘘を暴こうと、ライター・稲野辺と謀り罠を仕掛けてきた桂山博史。そんな彼を調査した賢一たちは、昔、彼の妹が自殺していたことを知り……『招霊(おがたま)』、
毎晩金縛りに遭い、起きると痣や傷ができているという主婦・杵淵珠絵。杵淵家の隠しカメラが捉えたその真実とは……『金縛(かなしばり)』、
友人に連れられあや子の元を訪れた松原三智子。彼女はある事件から過去を捨てて生きてきたが……『目隠鬼(めかくしおに)』、
偽名を使い相談にやってきたライター・稲野辺。彼は、以前あや子が霊視した女性・品田澄子がその助言の所為で亡くなったというのだが……『隠蓑(かくれみの)』、
自宅に幽霊が出るとの相談に、調査を開始した賢一。原因は隣家にあると見た彼が忍び込んだ先で見たものは……『雨虎(あめふらし)』、
調査を予定した女性・恩田光枝が自殺した。気になり、一人調査を開始した悠美は、彼女のしていた内職に着目する……『寄生木(やどりぎ)』、
あや子の過去を知る男・五十嵐匡弘が現れた。しかも彼が持参した盗撮ビデオに映っていたのは賢一の仕事中の姿で……『潮合(しおあい)』、
すべて処分したはずの例のビデオが残っていた。その存在を知った稲野辺は彼等を探り始めるが……『陽炎(かげろう)』の8編収録。

探偵と同じように調査し、問題を解決しているけれど、その表し方として『インチキ霊能者』という形を用いているのが、おもしろいですね~。
最後、引き際は潔いですけど、読者的にはちょっと寂しいです(笑)。

<06/2/28>

『でりつま』山名沢湖(双葉社)

2006-02-26 | 読了本(漫画)
団地妻一年生の専業主婦・ももえさん(旦那様はサラリーマン)と、彼女の高校時代の友人で、男子高教師・すみこさん(旦那様はナイスミドルの大学教授)、同じく友人でフリーライター・たまよさん(旦那様は少女漫画家)たちの日常を描くショートコミック集。

『でりつま』は、『デイリー妻』の略。
主人公は主婦ですが、雰囲気はいつも通りほのぼのな感じ(笑)。
個人的には、ももえさんが主婦なのに、幼児体型なのでサイズのあう水着がなく、友人たちと海に行くのに子供向けの水着(戦隊ものがプリント……しかもサンダルもお揃い/笑)を着ているお話とか、『団地妻』に対する旦那様の呼び方について、あれこれ話し合った結論が『団地GUY』(だんちがい)……の話とかお気に入り(笑)。

<06/2/26>

『拝み屋横丁顛末記 六』宮本福助(一迅社)

2006-02-26 | 読了本(漫画)
拝み屋横丁の大家・文世の元に、友人・伊堂寺が相談にやってきた。どうやら彼の結婚に関することらしいのだが、肝心な相手がわからない。それぞれが立ち聞きした内容から、相手が誰かを推理する横丁の面々だったが……第二十七話、
横丁に住む小説家・東子が、彼女の小説の舞台にした村・印賀村から招待を受けた。彼女とともに出かけた文世、正太郎、三爺。ところが、以前彼女が訪れた時とは村人の態度が一変。折しも村では“村に入った者は二度と外に出られない”という噂が流布、行方不明者まで出たという……第二十八・二十九話、
突然、文世の父である先代大家が、一枚の肖像画を持って横丁に現れた。その肖像画に描かれているのは一人の老婆。その絵は、見たものの若さを奪い、描かれている老婆自身が若返っているのだという。うっかりそれを見てしまった横丁の人々は……第三十話、
東子がネットオークションで高額で落札したドールハウス。早速届いたそれを鑑賞すべく集まった面々だったが、何故か皆、そのドールハウスの中へ吸い込まれてしまい……第三十話、
正太郎と里加子の中学時代の同級生・綾が交通事故でなくなった。その昔、正太郎を巡って攻防を繰り広げていたり里加子と綾。その葬式の帰り、現れた綾の霊から、彼女が正太郎に渡す為の編んでいたセーターの続きを引き継ぐことになった里加子は……第三十二話、
プラスおまけマンガを収録。

おまけマンガで、何で大家さんがお赤飯を炊いてるのかなぁと思っていたら、その前ページ(第三十二話)の最後のコマを受けてるんですね(笑)。
コミックス購入時にもらった『拝み屋横丁顛末記すごろく』にも、ちょっと笑ってしまったり(笑)。

<06/2/26>

『ギブソン』藤岡真(東京創元社)

2006-02-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
8月2日午前6時。
ゴルフに行く為、上司・高城秀政と待ち合わせをした日下部。
ところが彼は待ち合わせ場所には現れず、そのまま姿を消した……。
高城の行方を追う日下部と部下・笹崎は、高城家周辺での聞き込みの結果、町内に出没する謎の消防車の存在と、ひきこもりのストーカー青年・今泉の爆竹事件、そして血痕を残し消えた老人・加賀美の事件を知ることに。
やがて高城の日記から、初恋の女性・片桐志寿子の娘の存在が明らかとなり……。

タイトルと表紙で、てっきり外国が舞台の話だと思い、ちょっと敬遠気味でした(笑)。
レッドへリング満載で、くるくると変わる状況がおもしろかったです(翻弄されまくりなわたし/笑)。

<06/2/25,26>

『蟲師 6』漆原友紀(講談社)

2006-02-25 | 読了本(漫画)
大桜の木を見に行ったギンコは、そこで目と耳を病んだ佐保という女性に出逢う。彼女はその木のそばに住む庭師の一族に代々養われており……『花惑い』、
池に棲む“水鏡”という蟲に影を取られた少女・真澄。しかし失恋したばかりの彼女は、なげやりで……『鏡が淵』、
雷を呼ぶ蟲が宿った少年・レキ。その母・しのは、実母ながら彼を愛することができずにいた。そんな少年が、雷が鳴ると木に登る真意は……『雷の袂』、
狩房家に仕える蟲師・薬袋一族。その昔、大天災の折に現れた禁種の蟲を完全に絶やす使命を追った彼等は、その為に生涯をかけてきた。狩房家の淡幽から、薬袋の跡継・クマドの調査に立ち会うよう頼まれたギンコが見たものは……『棘のみち』の4編。

表紙が美しいです~♪
アニメの『蟲師』も評判が良いようでとても気になりますが、こちらでは見れないし(涙)。

<06/2/25>

『レオンと魔法の人形遣い 下』アレン・カーズワイル(東京創元社)

2006-02-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
最終試験の課題、マスター・ピースとしてレオンが作ったのはハグマイヤーの人形。本物そっくりにできたその人形だったが、いじめっ子のランプキンの悪戯がきっかけで、不思議な力を持ってしまう。
レオンとその親友たち……体操の名手リリィ・マティスと、ものの組み立てが得意なP・Wは、その力を利用しつつ、課題として作成されたぬいぐるみたちの行方の追跡を開始した。
そして、人間カタパルト計画を進める彼等は……。

良くいえば子ども目線、なお話ですね……;
大人の考えだったら、小学生が作ったぬいぐるみを売って大儲けしてるなんて妄想は抱かないでしょうし(笑)。

<06/2/24>

『レオンと魔法の人形遣い 上』アレン・カーズワイル(東京創元社)

2006-02-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
ニューヨークのマンハッタン。一つ星ホテルで働く母と共に、そのホテルに住んでいる少年・レオンは、タクシーの運転手の(出身国)コレクションを趣味とする小学4年生。
そんな彼の通うクラシック学院は、中世からの伝統に則り、指先の器用さを重んじる校風。しかも新しい担任・ハグマイヤーは、裁縫にとり憑かれていて、毎回授業でぬいぐるみを作らせるのだ。
裁縫が苦手な上に、『氷の女王』(※ホテルの製氷器)の騒音による万年睡眠不足状態で、集中力を欠くレオンは上手に縫えず、留年ぎりぎりというピンチに。
だが、騒音問題を克服したレオンの裁縫の腕前は、みるみる上達し……。

上巻のほとんどはたいした事件もなく進むので、読んでてちょっと弛みがち;
この厚さだったら、上下1冊でまとめてもよいと思うのですが……。

<06/2/23>

『風雲縛魔伝 7 北斗復活!の巻』桑原水菜(集英社)

2006-02-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
神剣『北斗』とともに、風音と天丸が姿を消して一年。
『北斗』復活を断念するよう幸村から命じられた葛葉だったがあきらめ切れず、遊郭で御園太夫として働きながら、情報収集の日々。
そんな時、男女の生き神様を奉っているという噂を聞き、早速、日向・高千穂峰へ向かう。
そこでは天孫アマテラスの子だという生き神様のもとで、新しい国を作ろうという動きが起きていた……その中心にいるのは、風音と天丸。
そしていよいよ最後の鬼神を封じるときが……。

『風雲縛魔伝』完結編です。
敵味方入り乱れての大混戦で、どうなることかと思いましたが、無事決着がついてよかったです。
前巻で数年ぶりに復活して、今度はそう間を置かずに怒涛のように終わってしまったので、個人的にはちょっと「……え、もう終わり?」という感じですが(笑)。

<06/2/22>

『月神の統べる森で』たつみや章(講談社)

2006-02-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
はるか太古の昔。
山や、川、木々や獣、それら万物には心があり、神が宿ると信じられていた。そこに暮らす人々は、月神の統べる森の恵みを受け取ることに感謝をしつつ生きていた。
ところがある時、海からやってきたヒメカの民たちは、土地を囲ってクニを形成。獲物や自然の恵みも根こそぎ奪い、それまで住んでいた人々のムラを襲ってきた。
そして、ムラの若き長・アテルイと、美貌の巫者シクイルケは、彼等に追われる流亡の旅の途中、翡翠色の目をもつ少年・ポイシュマと出会う。
ある事情から、他人と交わることなく育てられたポイシュマは、やがて彼等と共に旅に出ることに……。

ずっと読もうと思いつつ、読みそびれていた一冊。
たつみやさんは別名義では有名なBL作家さんですが、こちらは至って真面目なファンタジー。
今後の展開も楽しみです(笑)。

<06/2/21>

『光降る精霊の森』藤原瑞記(中央公論新社)

2006-02-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
ある事情から、貴族の出身でありながら身を隠し、森番として働く元修道士・エリ。
そんなある夜、行き倒れ寸前の半妖精の少女ファティと大きな黒猫(精霊)・ゼッテと出会う。
ゼッテは、彼に憑きている精霊を落とす代わりに、自分たちを鷹の女王・エカラートの元へ送り届けるよう依頼する。
しかたなく彼らとともに旅をすることになったエリだったが、訪ねた鷹の女王は留守中。折しもその姿をエリが去った故郷・ダロレーユで見たという噂が……。かつて犯した罪の為、その地を離れた彼は、そこで思わぬ事実を知ることに……。

第一回C☆NOVELS大賞受賞作。
良くも悪くも、月並みな印象。新人としては、もうちょっと勢いというかインパクトが欲しい気もします。タイトルも、(投稿時から)変更されている割に、今一つ印象に残りにくいし;

<06/2/20>