黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『甘い記憶』井上荒野、江國香織、川上弘美、小手鞠るい、野中柊、吉川トリコ(新潮社)

2008-10-02 | 読了本(小説、エッセイ等)
家庭教師先のマンションの上の階に住む人妻・鏡子に惹かれ、彼女に理不尽なほど突然呼び出されても出かけなければならないと感じる航。付き合っている千種には、既に辞めた家庭教師のバイトを続けていると嘘をついている。そんな鏡子の出かける先は……井上荒野『ボサノバ』、
恋人・至との旅から1カ月。それ以降、自分は世界から切り離されてしまった、と感じる橋本志那。
その旅で、志那は彼を食べたいという思いにかられ、それを告げると彼は指の皮を削ぎ、彼女に与えた。そのことがあってから、急に自分が大切だと思っていたものたちが色褪せて見え、彼がすべてになり……江國香織『おそ夏のゆうぐれ』、
暎子が5歳の時、母方のひいおばあちゃんが亡くなった折、斎場で初めて出会った、11歳年上のはとこ・治樹。人から軽んじられる事の多い彼だったが、大人なのに旅行が終わるのがつまらないと泣く姿をみて、何かを感じる暎子。やがて彼は結婚し、離婚。わたしは大学が入学した年に、7年ぶりに再会して……川上弘美『金と銀』、
かつての恋人・西嶋結城からエアメールを受け取った、宮下琴子。
伯父の経営する学生食堂の2階に間借りしていた琴子は、旅行好き。かねてよりインドに行ってみたいと思い続けていた彼女は、店内の張り紙で道連れを募集し、出会ったのが結城だった。その後2人でさまざまな場所に行ったが、ささいなことから喧嘩別れをしていて……小手鞠るい『湖の聖人』、
10日に1度、バーで出会う男性・安達から、チョコレートとウィスキーの相性の良さを教わった矢川由布子。彼に惹かれつつも、その思いを伝えることに躊躇する由布子。そんな中、バツイチ子持ちの親友・洋子から新たな恋愛に踏み出した話を聞く……野中 柊『二度目の満月』、
恋人と別れ、自分の部屋に居候をしているダメな妹・りみ子の言動に、苛立ちつつも何故か負けている気がする、堅実な姉・カヤ乃。そんな中、りみ子の友人で、妊娠中のレゲエダンサー・吉村ユイから、りみ子も妊娠してるらしいと聞き……吉川トリコ『寄生妹』の6編収録のアンソロジー。

森永製菓が商品(チョコレート)のキャンペーンのプレゼントとして配布した“ひとり時間にカレ・ド・ショコラ 6ショート・ストーリーズ”を元に単行本化されたアンソロジー。故に、“チョコレートのある風景”がさりげに登場(笑)。
概ね恋愛ものですが、いろいろなテイストが楽しめるチョコレートアソートのような趣き。
個人的には『金と銀』『二度目の満月』あたりが好きかな。
特に、『二度目~』の中で語られている“寝室風のパティスリー”が何処なのか気になります~(笑)。

<08/10/2>


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