黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『マリア様がみてる 卒業前小景』今野緒雪(集英社)

2008-10-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
卒業式前日、ミルクホールでランチを食べていた、令と祥子。その最中に、祥子ふと思い出し笑いをしてしまう。
食べ終え、教室へ向かう彼女たちの前に下級生がやってきて、令にサイン帳を頼む。ふと以前、自分がサイン帳を断った下級生のことを思い起こし、後悔してしまう祥子だったが……『思い出し笑い』、
ラケットについて悩むあまり、いろんなものがラケットに見えてしまう桂。
それは1週間ほど前、妹の瑞絵が、桂のお姉さまのラケットを持っているのを見てしまったから。しかし昨年、自分もお姉さまに内緒で2つ上の憧れの波留先輩からラケットをもらっていた後ろめたさから、それを問いただせずにいて……『お姉さまのラケット』、
ここ2、3日、視線を感じていた三奈子。そんな彼女は、後輩・真美に出会い、パンをもらう。編集会議を開く予定が、中止になったのだという。そのパンを食べ終え、歩いていた彼女の前に祥子が現れ、話したい事があるという。人のいないところで、という祥子のリクエストで新聞部の部室にいくが、そこには真美と令もいて……『私とインタビュアー』、
写真部恒例の卒業生集合写真を撮る役に指名され、プレッシャーを感じる蔦子。そんな彼女に出された条件は、“号令に合わせてシャッターを1回切る”というものだった。ところがそこにはある策略が……『卒業集合写真』、
午後2時の美術室に居残っている2人の美術部員……明日卒業してしまう美礼と、その後輩・藻音。一度くらいはデッサンの余り物のパンではないパンを、という話になり、菓子パンの宴を行なうことに。その後、残ったパンをモデルに、スケッチブップに絵を描きはじめた2人だったが……『菓子パンの宴』、
薔薇の館で恒例となっている、3年生の忘れ物捜索が行なわれたが、出てきたのは黒いリボン。しかもそれは祐巳が自分のものだと名乗り出て、捜索を終えた。その後、それを手にした祐巳は何故か足早に館を去り、残された瞳子に、志摩子は追いかけたかったら遠慮しなくてもいい、というが……『支えとスキンシップ』、
聖に訊きたいことがあり、彼女の元を訪れた由乃。卒業する時点で孫のいない、今の令と同じ立場に置かれた人の意見を聞きたいのだという。その問いに聖は……『忘れた忘れ物』、
薔薇の館を後にした瞳子と乃梨子は、その後同じバスに乗り合わせるが、その後ろの席には偶然、聖が。後輩2人は彼女に気づかないまま、かつて蓉子が口にした“妹は支え”“お姉さまは包んで守るもの”という言葉について語り合ぅて……『隣は何をする人ぞ』、
薔薇の館で見つかった黒いリボン。それはかつて祥子と分け合った思い出のリボンの片割れだった。何故そんなところに、と思う祐巳は、祥子を探して校内を回るが、その足はこれまでの数々の思い出の残る場所へと向かう。そんな彼女が最後に辿りついたのは、ビスケット扉の前……『リボンの道』を収録。

卒業式前日のリリアンで繰り広げられる、小さな光景を綴った、連作掌編集的長編。
いろいろ楽しい場面もあるのですが……やはりちょっと寂しくもあり、切なくもあり;
さて次巻はとうとう祥子さまたちが卒業です…。

<08/10/19>


最新の画像もっと見る

コメントを投稿