黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『鷺と雪』北村薫(文藝春秋)

2009-04-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
教文館に兄・雅吉と出かけた花村英子。そこで一昨年の夏、軽井沢で会った川俣氏と再会、農林省鳥獣調査室の嘱託をしている彼から、ブッポウソウの話を聞く。
思いがけない再会、ということで雅吉が連想し、思い出した出来事を語る。
英子と親しい桐原侯爵の令嬢・道子とも関わりのある、子爵・滝沢吉広を浅草の暗黒街で歩いている、ルンペンの中に見かけたというのだ。道子と共に話を訊きに行った英子は、彼が神隠しにあっていたのだと知り……『不在の父』、
和菓子の老舗<鶴の丸>の奥方と親しい叔母・松子から相談された英子。鶴の丸の小学生になる息子・巧が、夜に出歩いて補導されたのだという。心配した彼女は、息子の日記帳を覗いたのだが、そこには<ライオン><浅草><上野>などと記されていたのだという。何か悪い組織に関わっているのでは、と調べる英子だったが……『獅子と地下鉄』、
銀座の画廊へ能面の展覧会を見に出かけた英子。そこで同級生の小松千枝子に出会うが、彼女はある面を見た途端、倒れてしまう。
その後の秋、修学旅行に出かけた彼女たち。英子は千枝子を写真に誘うが断られてしまう。その後その理由を語る千枝子。
修学旅行に備え、写真機を購入する為、有川家の八重子と銀座に出かけた彼女は、その折に写真を写したのだが、その背後に彼女の婚約者・淡路邦豊の姿が写っていたのだという。しかし彼は台湾にいて、その場にいるはずはなく……『鷺と雪』の3編収録。

ベッキーさんシリーズ・第3弾。完結編。予告通り、2.26事件が起きる不穏な空気の漂う中で終わってます。
今回、ベッキーさんの活躍はあまりありませんでしたが、彼女の「何事も――お出来になるのは、お嬢様なのです。明日の日を生きるお嬢様方なのです。」という台詞が印象的でした。

<09/4/30>


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