黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『しずかに流れるみどりの川』ユベール・マンガレリ(白水社)

2008-11-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
どこまでも広がる草原に囲まれた小さな町に、父と2人で暮らす少年・プリモ。
父は勤めていたコンプレッサー工場を解雇され、無職。以来、芝刈りなど近所の手伝いをして、わずかな金を稼いで生活していた。電気さえ止められてしまうほどの貧しい生活の中で、家の裏庭に生えている“つるばら”を100個の空びんの中で育て、それを売ることでお金を得ようと考える2人。
生い茂った草むらの中に長いトンネルを作り、その中でお金の使い道を夢想するプリモは、かつて彼らが暮らしていた町にある、しずかに流れるみどりの川へと、そしてそこで父が捕まえた青いマスへ思いを馳せる……

貧しい父子の、倹しいけれどちょっと温かく、ほのぼのな日々のお話。
派手さはないけれど、目に浮かぶみどりの光景と相俟って、やわらかく温かな感じが良いです。

<08/11/5>


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