蹴野球迷想日記

小学生へのフットベースボールの指導通じて感じること、迷い、想いを綴った日記

時代

2006-08-26 06:30:35 | スポーツ
 病室から見えるグラウンドは、小学校の頃ラジオ体操とソフトボールの練習場所であった。本当は地元企業の社有地なのだが、午前か午後には集まって練習したものである。今のように保護者が指導するということもなく、上級生が練習をしきっていた。大会の時だけ保護者は来ていたように思う。
 まわりの風景は変わり、遊ぶ子ども達もいない。

 病院のエレベータホールからは、出身中学校が見える。一番近いところにバレーコートがある。年月は経ち、子どもの数は減り、子どもや保護者の考え方も変わった。わが心の故郷であるバレー部も何年も前になくなったという。他のクラブも夏の昼間に練習しているところはない。静かな学校の風景である。
 保護者が練習や試合に来ることもほとんどない時代であった。たとえ来ても、声をかけることなく遠くから見ていた気がする。家庭科教室で合宿した時に食事を作りに来てくれたことが思い出深い。

 時代は変わり、子どもよりも保護者が熱心な時代になった。
 練習がある、試合があると言えば、弁当を作ってくれた母の時代とは違う。見守る時代から積極的に応援する時代になったのだろう。ありがたいことである。

 親の時代はいつかは終わり、子の時代を迎える。
 そのとき、子は何を引き継ぐのだろうか。
 親ではないが、監督として自分は今の子達に何を伝えられているのだろうか。
 今日があるから明日はある。
 しかし、明日が必ずあるわけではない。
 結局は、今を大切に生きることしかないのだろう。

 見栄をはることなく、家族の世話をすることに生涯をささげた母は、これ以上息子達の世話になるのを嫌うかのように先日旅立っていった。世話はするものとでも言いたかったのだろうか。

1 コメント

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久しぶりです! (はせっち)
2006-08-28 10:18:57
文面を読むとMさんが入院されてたのかと最初は思いました、次に感じたのは本の一部を抜粋されたのかな?とも、最後の文を読んでお母様がお亡くなりになられたと分かりました。

ご愁傷様です。

意味深い文を読ませていただき、ありがとうございました。

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