ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

人事異動内示~市長が撤回。

2007-03-30 01:45:44 | 市議会議員として
以前のブログ記事「人事異動内示~市長の人事権の範囲。」で危惧していた通りに、議長との合意のないままに木下市長が議会の人事を一方的に内示してしまいました。まったくこれは前例のない、木下市長の遵法精神を疑わざるを得ない暴挙です。

■草加市役所からの出向職員の任命権。

草加市に採用された職員でも、市議会、教育委員会、監査委員事務局、市立病院などに出向している職員は、出向先の最高責任者である議長、教育委員会、代表監査委員、病院事業管理者が任命権者となります。

■木下市長の越権~人事の常道を無視した暴挙。

今回内示された市長の人事はその意味で、明らかに越権行為であり、法で定められた議長の人事権を無視した行為であり、法の遵守を使命とする市長としてはあるまじき行為でした。

■市議会全会派も木下市長の手続きに誤りがあったと認識。

議長を無視して見切り発車したかたちで発表された人事異動内示は、その中身が仮に十分に考慮されたものであったとしても、木下市長の手続きに重大な誤りがあったと市議会の全会派の団長たちが認識しています。

■木下市長、議会関連人事異動部分を撤回。

みなさんに結論からご報告すれば、木下市長は、先日発表した人事異動内示に含まれている議会事務局関連の異動を撤回。再度、調整し直す事としたようです。

■昇格と発表された職員の不利益があってはならない。

現在、私が危惧しているのは、今回の人事異動内示で昇格と発表された人材の昇格までも白紙に戻されることです。特定の人材を異動させることが目的で、その異動が実現しないことが、昇格を約束されたほかの職員の不利益の原因であるかのような言い分は、笑止千万。それはあくまで任命権者であり予算編成権者である市長の責任において処理すべき問題です。

※全ての外部組織の任命権者がその組織全体の人事権を握ってはいるものの、草加市全体の予算編成権は市長にしかないために、事実上、昇格や定員増加などの判断は、それぞれの任命権者だけでは決められません。だからこそ、市長は全ての任命権者との調整が済んでいない人事を発表することは組織の形骸化を招くことであることを自覚し、丁寧な手続をひとつひとつ確認する責任があるのです。

■草加市政最大の問題点~市長&助役の甘えの構造。

自分の意にそぐわない人材を遠ざけ、思い通りにならないことを議会のせいにする。何でも強行に行えば、何でもなし崩し的に通っていくという市長と助役の精神的な甘えの構造がこれまでも混乱の原因でした。

今回の事件のすべては、平気で人のポケットに手を突っ込み、勝手に財布を抜き取っていくがごとき、議長無視、議会軽視の人事異動を強行しようとした、強行できると考えた、市長、助役の姿勢の問題であったということを、市民も議員も職員もきちんと認識しておかなければなりません。

■議会は筋と手続き~今後とも厳正に対応していく。

議会は筋と手続きをチェックするために存在しています。目の前で起きている理不尽な権力者の横暴を見逃すことはでません。結果的にそのような行為は今回のように、何の罪もない善意の第三者である一職員に迷惑をかけることになるからです。

※仮にこれを見逃せば、善意の第三者の不利益を盾にした「脅しの政治学」(Black-mailing Politics)を容認することになりかねません。

今後、さらに木下市長が調整しようとしている人事の中身を厳しくチェックするとともに、一議員として職員が不利益を被らないように見守っていくこととします。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Council


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4 コメント

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市民にとって (ジェイコブス)
2007-03-30 22:53:52
「何の罪もない善意の第三者である一職員に迷惑をかけることになるのだから。」とありますが、議会の客観的(第3者的)とはいえない立場からの主観的な意見をこういった媒体で公表してしまうことはどうでしょうか。

機から見ていて、政治のごたごたで一番被害をこうむっているのは、一般市民のような気がします。いったい、市民の意見や考えは本当に反映されているのでしょうか?広く一般的な市民はどう政治を捉えているかご存知ですか?知っているのならば、どのように認識していらっしゃるのでしょうか?
草加に限らず、今の日本の政治にはほとほと愛想が尽きますが、そんな市民の考えを一番市民に近い政治のフィールドにいらっしゃる市議会議員の方々は、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。はなはだ疑問です。

ただただ、このような政治の危機的な状況に改善のきざしすら望めない市民は、どうしたら希望をもてるのでしょうか?やはりこれまでの歴史同様、外圧によってしか変化を望むことができないのでしょうか?

非常に批判的な私見で申し訳ございませんが、統一地方選で政治が注目を集める今年、ふるさとである草加の政治が日本をよくするきっかけとならんことを切に願うばかりです。

しかし、どうしたら本当に市民が誇りを持てるふるさとや国になっていけるのでしょうか。政治を生業とする皆さんのご検討をお祈りするばかりです(当然、市民としての責任を果たすつもりではいますが...)。

若干、批判的な投稿となりましたが、是非、地元と国を改善(改革)するためにご尽力いただけることを願うばかりです。
情報は受け取り手次第? (パペポ)
2007-03-31 02:03:08
ジェイコブスさん、はじめまして。ジェイコブスさんのおっしゃるとおり、私も一連の草加のごたごたは、結局市民が一番迷惑だと思います。

ただ、どんな政治でも広報などの権力者側の情報だけでは、何が問題か分からないことが多くて、瀬戸さんの発信する情報がある一面の捉え方だという点で、私は有益だと思いますよ。特に、議会や教育委員会の人事が実質的に市長が決めてるのはおかしいっていう瀬戸さんの意見は不思議と新鮮でした。
発信側の努力 (ジェイコブス)
2007-03-31 19:31:38
情報発信されるソースが豊富であればばるほど、客観的判断が受け取り手にもできるように思います。現在のテレビなどに代表されるメディアによる情報があふれている現在、その真意や本質の判断は、おっしゃるとおり受けての責任でもありますよね。

今年が政治に例年に比べ注目される年であるだけに、もっと地元の政治にも市民やメディアの注目が集まり、もっと情報があふれ、市民にとって有益な議論につながればと切望します。
議員の皆さんも新聞等で騒がれているテーマについてもっと情報発信してみてはどうでしょうか。皆さんのご健闘を期待します。
ご意見、ありがとうございます。 (瀬戸健一郎)
2007-04-01 12:00:19
ジェイコブスさん、パペポさん、コメントを頂戴し、ありがとうございます。

私の会派の幹事長でもある同僚議員の佐藤勇さんからも、このようなブログ記事をアップするのは自重したほうがいいのではないかとのご意見をいただきました。

恐らく、多くの皆さまも同じように感じておられることと思います。ジェイコブスさん、正直なコメント、本当にありがとうございました。

私の正直な気持ちとしても、できれば政治の裏側を暴露するような記事だけにはしたくはないというのが、本音です。

しかし、ジェイコブスさんの2つめのコメントの通り、市民であり有権者である、何よりも主権者である皆さまからは政治がまったく見えない世界での出来事であり続けているわけです。

ですから、せめてこのブログ(私的な日記)という媒体に、私が日々遭遇するさまざまな出来事のほんの一部をあまり不快感を与えない程度に、解説を加えてお伝えすることは、私のひとつの使命だと感じてもおります。

事件そのものがあまり耳あたりのいいものばかりではありませんが、現場ちかくに居たものの証言のひとつとして、受け止めていただけたら幸いです。

批判的なコメントも肯定的なコメントも、そんな私に対する叱咤激励として受けとめてまいりますので、今後とも、よろしくお願い申し上げます。

異例ではありますが、ブログ記者本人からコメントさせていただきました。

http://blog.goo.ne.jp/ken-seto/e/5dd80db7442074728a59215145cd1b56
「オーラルヒストリーって?」をご参照下さい。

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