Opal・オパールやドイツ毛糸のお店「けいとや」の店長ブログ

Opal/オパール、Schoppel/ショッペル、Regia/レギア、addiのお店「けいとや」店長が綴るドイツ発ブログ

Opal毛糸のラベルと読む「星の王子さま」

2013年07月05日 | 各種情報
Opalブランドで知られるドイツのTUTTO社が、2013/14年シーズンの新作
毛糸第一弾として、名作「星の王子さま」をモチーフにした靴下用毛糸
(全8種類)を発表しました。


「星の王子さま」の名シーンをモチーフにした各毛糸のラベル(帯)も趣向
を凝らしてあり、そのシーンでの名台詞や挿絵を印刷した特別仕様となっ
ています。


「けいとや」では、「星の王子さま」のストーリーを追いながら、毛糸のラベル
にドイツ語で書かれた文章を、日本語の文章に置き換えて、ここにご紹介
いたします。



青い字で書かれている文章が、Opal毛糸の新作第一弾「Der kleine Prinz/
星の王子さま」のラベルの絵に添えて書かれているドイツ語文章に対応す
る岩波少年文庫版での文章となります。


同毛糸の販売は2013年7月上旬を予定しております(7月5日現在)。




星の王子さま

ゾウを飲み込んだうわばみ(大蛇)の絵を描いて見せても、まったく理解
しようとしない大人たちにがっかりした「ぼく」は、絵描きになることを止め
て、しかたなしに飛行機の操縦士になることにしました。



「6歳の『ぼく』が書いたゾウを飲み込んだうわばみの中身」(何故か向きが本とは逆・・・)


そんな「ぼく」がたったひとりで操縦していた飛行機が、サハラ砂漠に不時
着してしまいます。次の朝、小さな声に気が付いて目をさますと、その声は、
「ね・・・ヒツジの絵をかいて!」と言っています。おどろいて辺りを見回すと、
とっても変わった「ぼっちゃん」が「ぼく」を見ていました。



「『ぼっちゃんにせがまれて描いたヒツジの絵』」右下の二匹は、ぼっちゃんに描き直しを言わ
れてしまった「病気のヒツジ」さらには、このヒツジもぼっちゃんは気に入りません。頭にきた
「ぼく」は箱の絵を描いて、「ヒツジはその中にいる」と言うと、ぼっちゃんはそれをとっても
気に入ってしまいます。


こうして「ぼく」は王子さまと知りあいになりましたが、王子さまとは、6年前
に別れなくてはなりませんでした。「ぼく」は友達になった王子さまを忘れ
ないために、王子さまのことを書くことにしました。そして、6歳の時に止め
てしまった絵も添えることにしました。



「ぼく」はその話をこんなふうに話しはじめたかったのです。

「むかし、むかし、ひとりの王子さまがおりました。その王子さまは、じぶん
より、ほんのちょっと大きい星を家にしていました。そしてお友だちをひとり、
ほしがっていらっしゃいました」



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。


友達になった王子さまとの回想が始まります。

「ぼく」は毎日王子さまと話しているうちに、王子さまの星のことや、地球へ
到着するまでの旅のことなどを知るようになります。そして、王子さまが自
分の星に、大切な大切な一輪の花を残してきたことも知るのでした。



「ぼく」は王子さまが自分の星を出発する場面を話しはじめます。

「渡り鳥たちが、ほかの星に移り住むのを見た王子さまは、いいおりだと
思って、ふるさとの星をあとにしたのだとぼくは思います」



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。



旅立った王子さまは、4つの星を見物して、4人の「ばかばかしい」大人た
ちと会います。そして、5番目の星に着くと、そこは街燈と点燈夫しかいら
れないような小さな星で、街燈や点燈夫がどんな役目をするのかは分か
りませんでしたが、それでもこう思います。



「街燈に火をつけるのは、星を一つ、よけいにキラキラさせるようなものだ。
でなかったら、花を一つ、ぽっかりとさかせるようなものだ」



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。



王子さまは6番目の星に着きます。その星には他の星から来た「探検家」
の話を聞く「地理学者」が住んでいました。早速、王子さまは自分の星は小
さな星で火山が3つあることを話します。そして、「花も一つあるんです」と
言うと、「地理学者」は、

「花っていうものは、はかないものなんだからね」と言いました。



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。


「はかない」という言葉の意味を知った王子さまは、自分の星にひとりぼっ
ちで残してきた花のことを考えながら地球へと向かいます。


王子さまが着いたのは、だれもいないアフリカの砂漠でした。そこで、初め
て合ったのは一匹のヘビでした。ヘビに花といざこざを起こしてここへきた
事を告げて話していると、ヘビは、自分が人を運ぶ事に関しては船にもか
なわないと言うと、王子さまの足首に巻きつきました。そして、こう言います。

「おれがさわったやつぁ、そいつが出てきた地面にもどしてやるんだ」
「だけど、あんたは、むじゃきな人で、おまけに、星からやってきたんだか
ら・・・・・・」


そして、王子さまが、自分の星が懐かしくなって帰りたくなったら助けてや
ると、なぞのような言葉を残します。


長いこと歩いていくと、バラが咲き誇る庭に着きました。その花は自分が
残してきた花に似ていましたが、遠くに残してきた花は、

自分のような花は世界のどこにもない、と言ったものでしたが、それだの
に、どうでしょう。見るとたった一つの庭に、そっくりそのままの花が、5千
ほどもあるのです。



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。


この世にたった一つの花を持っているつもりだったのに、じつは、なんの
変哲もない花を一つ持っているだけだったことを思い、王子さまは泣き出
してしまいます。

そこに、一匹のキツネがあらわれます。

気落ちしていた王子さまは、賢いキツネから様々な話を聞いているうち、
すっかりキツネと仲良くなりましたが、別れも刻々と近づいてきます。

キツネは王子さまに、もう一度、あのバラの庭に行くことを勧めます。
行けば、王子さまのバラが世の中に一つしかないということが分かると
言うのです。そして、戻ってきたら秘密の贈り物をするとも言いました。

バラの庭に行った王子さまは、キツネの言うとおり、自分のバラがたった
一つのバラであることが分かりました。たとえ、咲き誇った5千の花があ
ろうと、ただ咲いているだけで、だれも仲良くしようとはせず、だれとも仲
良くしようともしなかったバラに対して、王子さまの花は、王子さまが色々
と世話をして大切に育ててきた花だったからです。


キツネのところに戻り、キツネとさよならの挨拶を交わした後、キツネが
こう言いました。

「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、
ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。


キツネはさらにこう続けます。「人間っていうものは、このたいせつなことを
忘れてるんだよ。だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。めんど
うをみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなけりゃならない
んだよ、バラの花との約束をね・・・」

「ぼく」の飛行機が、砂漠の中で故障してから8日が経ちました。飲み水が
無くなった「ぼく」と王子さまは井戸を探しに出かけることにしました。そして
とうとう井戸を発見するのでした。


綱に手をかけて、井戸の車を動かすと、車がうめくようにひびきます。そこ
で王子さまはこんなことを言いました。

「ほら、この井戸が目をさまして歌ってるよ・・・」



ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。


王子さまに代わって「ぼくが」水を汲んであげると、王子さまはその水を欲し
がります。「ぼく」が飲ましてあげると、王子さまは、ごちそうを食べるように
水を美味しそうに飲むのでした。けして、喉が渇いていたからではありませ
ん。その水は、長い間探し回り「ぼく」が苦労して汲み上げた水だったから
です。

地球の人々が何が欲しいのか分からずにいることに対して、王子さまは、
「さがしているものは、たった一つのバラの花のなかにだって、少しの水に
だって、あるんだがな・・・」と言うと、「ぼく」も「そうだとも」と答えます。

ある日、「ぼく」が飛行機の修理に行って帰ってくると、王子さまが石垣の
上に座っているのが見えます。近づいてみると、誰かと話しているようで、
話し声が聞こえてきます。


王子さまは、ヘビと話していました。そして、石垣から下りてきた王子さま
は、なぜか、「ぼく」の飛行機の修理が終わったことを知っていて、自分も
今日、家に帰ることを「ぼく」に告げるのでした・・・


(このラベルの絵に添えられている言葉は、ヘビが王子さまと初めて合ったときに言った
言葉
です。)


ラベルの画像をクリックすると毛糸の画像に飛びます。



さて、いかがでしたでしょうか?

これからエンディングストーリーが始まるのですが、ここから先だけでなく、
全編を通してぜひ本でお読みすることをお勧めしたいため、ここで要約を終
えたいと思います。





「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずに
いるおとなは、いくらもいない。)」(筆者献辞より)





「星の王子さま」 岩波少年文庫


出典:サン=テグジュペリ作 内藤濯訳 『星の王子さま』 岩波書店 2012年11月15日発行





Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 全8種類



Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7764



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7763



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7760



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7767



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7761



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7762



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7766



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Opal Der kleine Prinz/星の王子さま 色番: 7765



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なんて、素敵! (shuko)
2013-07-05 11:23:21
知っているお話なのに、ついつい引き込まれて最後まで読みました。
編み物しながら、このお話に思いをはせて編むのもいいなぁ。
Opalって素敵な会社ですね。
でしょ! (けいとや店長)
2013-07-05 11:30:26
shukoさん、こんにちは!

実は、このラベルのことは、入荷して初めて知ったのです。

お話をモチーフにしているのは想像していたのですが、これは意外でした。

ということで、あわてて書き上げたので、今、朝の5時前です (笑い

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