あ ど れ な り ん

主にブルベを中心に趣味と日頃の鬱憤を晴らすために書こうと思います。

2018 RM0810 R札幌 2400 / Around Hokkaido 2400 その9 紋別~斜里

2020-05-05 10:39:12 | ブルベ
8月16日。スタートしてから7日目。
ちなみに、この日は写真を1枚も撮っていなかった。
本当にそれどころでは無かったということを分かっていただければと思う。

1時間半寝る予定だったが、寒さでそれより早く起きてしまった。
熟睡も出来なかった気がする。しかし、寝てもいられない。
時間は3時。寒さに震え、体を擦りながら準備を整えて再スタートを切った。

今日は260km先の羅臼(知床半島の東側)まで行く予定だ。
まずは宿泊予定だった紋別のホテルへと向かう。
1番近いコンビニで朝食を済ませ、紋別の街中に入ってから、またも雨脚が強くなった。

ホテルに着いて、カクカク云々説明した後、泊らず、部屋にも行かず、着替えたら直ぐに出ることを伝えると、当たり前だが驚いていた。

なる早で準備したが、ここは最後のドロップバッグ地点。
入れ替えるものが多く30分ほど掛かってしまった。

北海道へ来る前に厚床で一桁の気温を記録したというニュースを見て北側は寒いと予想し、
長袖ジャージを用意しておいて助かった。
しかし、雨は普通にザーザーと降っているし、相変わらず向かい風及び横風で
時より台風のような強い風が吹付け、引き続き苦行を強いられた。
そして寒い。
相変わらずの厳しい天候にイライラして、ついには

 ちくしょう!

と、叫んでしまった。

 何だこの土地は…

ブツブツと、独り言が続く。
もっと景色が良く、走っていて気持ちの良い北海道を期待していたのに、気持ちよく走れたのはまだ1日だけ。。
台風の影響で納沙布1200が途中でキャンセルになったことは知っていたが、
こんなにも寒さと雨が続くとは予想だにしていなかった。

道中のことはもう細かくは憶えていないが、網走までの区間は空が薄く白く薄暗い途中の景色だけが印象に残っている。
途中のコンビニでは後に知り合いになる小径のMさんにコンビニですれ違ったり、
前日、数分だけ前を引いて貰ったお二人に抜かされたりした。
網走のクローズタイムが迫っており、雨の中でパンクが有るとギリギリになってしまうので、着実に前に進む必要があった。
眠気は思ったより無く、なんとか先に進めていた。

1808.9km地点。PC6のローソン網走大曲店。
クローズ38分前になんとか滑り込んだ。
吉田さん他のスタッフが待機してくれており、この先は通過チェックのみで良いと伝えられた。
とりあえずは食事を取って少し休憩した。

上記のお二人と一緒に走っていた女性は握力が落ちてしまい、自分を抜き去った先の紋別でDNFしていた。
このブルベで知り合いになった道民のNさんは寒さに対する装備が足りないということで、
彼もここでDNFするとのことだった。
先に来ていた上記二人のうち一人はAJの副会長さんなのだが、
「行かざるを得ないんです!」という言葉を残し、休憩もそこそこにWさんと一緒に再出発していった。
小径のMさんは後から来たのに、小休憩だけで再出発していった。
上記の3人はがっしりした体型で体が太い。早いというより、強い人達だ。
自分はというと、もう皮膚の方まで雨が染み込んでおり、
止まって暫く経ったら体が冷えてしまい、なかなか再出発できないでいた。
体を拭いたりしたが、ウェアも濡れているため気休めでしかない。

体の前にタオルを入れ、気合を入れて再出発することにした。
近くに作業着などを売っている店が有るようだったので、そこで服がバタつかないようにするためのベルトを購入した。

網走の町中を抜け、涛沸湖へと向かうが町中を抜けてから台風のような突風が吹き付けてきた。

 う 、うぐぅ…

さらに濤沸湖の前から強烈な向かい風が吹き付けて、湖の横では時速が12kmまで落ちてしまった。

 先に進まねえ…

なんだこの天候は?
台風なんじゃないか?
こんな向かい風の中を進み続けるのは無理だ。
これはもう自転車に乗るどころではないんじゃないか。
というか乗り続ける事が出来ない。
今日は知床の峠を越えた羅臼までの予定だったが、とてもそれどころではないぞ?!
ゆっくり進んだ先に「はなやか小清水園」という道の駅が有ったので、一旦避難することにした。

このままではまともに先に進めない。体も冷えているし、昨日はまともに寝ていないし、膝だって相変わらず痛い。
この先に進む自信がない。
座りながら途方に暮れた。

DNFも考えたが、とりあえずは今日中に知床峠を越えるのは諦め、その手前で宿を取って休むことにした。
スマホで検索した結果、斜里という街のホテルに宿が取れた。
比較的近くなので直ぐに出発した。

出発した直後、道の駅の本の数十メートル先に、なんとモンベルショップを発見する。

 こんなところに!?

紛れもなくモンベルだ(モンベル オホーツク小清水店)。
喜び勇んで店に入り、アームカバーと太めの裾バンドを購入した。
裾バンドは腕に巻いてレインウェアのバタつきを抑えるためで、それとともに防風にも役に立つ。
早速身につけて斜里に向かった。

斜里第一ホテルに着くと、ホテルの方が良くしてくださり、汗と雨でぐっしょりした靴を乾燥室に入れてくれたりした。
実は自分の下調べと焦りのせいで、斜里が知床峠の手前かと思っていたら、37kmも手前だった。
(PC7が「セブンイレブン斜里ウトロ店」という名前だったので斜里とウトロがこんなに離れているとは思わなかった)
間違ってしまったが、途方に暮れていたところから40km以上を走る気力は無かった。
時間は16時前。少し早いと思ったが、3時発でほぼ200km走ったので十分だろう。

一つ分かったことは、濤沸湖の様に海沿いに有る湖と、海の間に有る土地が低い場合はとても風が通りやすいということ。
そこに有る道路は海の上を走っている様なものだ。
だから、その区間は猛烈に風邪が強いが、湖の脇の区間を抜けると風はそこそこ弱まる。
その区間は我慢して走れば良かったのだ。

どこかに食べに行きたかったが、着替えもないのでホテル内でゆっくりして、また明日から頑張ることに決めた。
夜になると、またショートメッセージが来て「知床峠付近で熊の目撃情報があり、夜間の走行を控えること」と有った。
更にその後、吉田さんから直に電話が有り、今どこなのか、宿が無ければ取る。
明日の朝はまとまって走り、車で前後に付くといったことを伝えられた。
現状を伝え、明日の朝の出発時間を伝えると、(一緒に走れないの)で吉田さんは一瞬固まってしまった。
そして時間延長をさらに10時間プラスするとも伝えられた(合計12時間の延長)。

そうなったら、思ったよりもゆっくりできる。
少しだけ落ち着きを取り戻した。
予報だと明日の朝もずっと雨だが、少しでも好転するよう祈りながら眠りについた。


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