上越市家族会 ~ひとりで悩まずみんなで支え合って~

この会は、こころの病を持つ人を身内に抱える家族の集まりです。みんなで支え合って精神障害者の福祉向上を目指します。

平成29年度第3回研修会が開催されました。          No70

2018-02-23 16:45:33 | 日記
◆今年度3回目の研修会は2月19日(月)10時より福祉交流プラザで開催されました。
 当日は生憎の雪、参加者の出足が心配されましたが何と25名の参加をいただきました。
 悪天候の中、参加者の皆様に感謝・感謝でありました。

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◯今回は、昨年11月13日に開催した「統合失調症の人の回復力を高める家族コミュニケーション」の続編です。前回はDVDを観てその対応について研修をしましたが、今回は具体的な実践方法について講師に著名な前田ケイ氏をお招きし楽しい研修会となりました。
◯講師紹介:前田 ケイ氏 (ルーテル学院大学名誉教授、SST普及協会認定講師)
SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)をアメリカから日本に導入したメンバーの
一人で、著書に「基本から学ぶSST~精神の病からの回復を支援する~」等がある。
注)SSTとは
ソーシャル・スキルズ・トレーニングSocial Skills Trainingの頭文字をとってSSTという。わが国では「生活技能訓練」と訳されているが、普通はSSTとよばれることが多い。精神障害者の社会復帰を可能ならしめるために、主として対人関係技能の改善を目ざして、それらを合理的に訓練していく治療的技法である。精神療法のなかでは認知行動療法の一種と考えられている。
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当日のテーマは「精神保健福祉:家族のための講座~毎日の生活を安心して送るには~」、参加者の皆さんと講師の先生も椅子に座って輪になり、上越メンタルネットの青木美代子さんの進行で始まりました。
講師は前田ケイさんです。
【はじめに】
前田さんは自己紹介も含め、SSTに関わって来た経緯、そして身近に障害者を抱え、その人の素直な表現力等を紹介し、障害の有無に関わらない人間の素晴らしさについて語られました。何より前田先生の豊富な経験と人間性、そして巧みな話術にまさにスペシャリストであることを実感した楽しく、意義ある研修でした。

◯当日の内容について簡記します。
【家族へのすすめ:レジメより(1~8)】
※補足として前田先生のお話しを付け加えました。
1:悩みのない人生はありません。自分のせいと自分を責め続けることはやめましょう。ひとりで悩みを抱えないで!!
2:同じような状況の人はたくさんいます。他の人の話に耳を傾けましょう。自分の心を開いて、少しずつ、自分の話も聞いてもらいましょう。家族同士の助け合いから希望が育ちます。
3-1:当時者が相手にするのは、いったいどんな病気なのか。病気について、少しでも多くの知識を持ちましょう。研究は日進月歩です。
3-2:統合失調症は約100人に1人がかかると言われています。病気の理解を助ける「弱さ+ストレス」理論があります。生物学的な脳の弱さに生活のストレスがかかると精神病的な症状が出やすくなるという考え方です。
(補足:例えば正月が過ぎると病気が多く発生する。⇒人との接触が多い時期であることから、人との対応に緊張感が起きてしまう。これの解消策は会話のコツをつかむことが大事であり、その為には「行動リハーサル」を行いストレスに備えることが大事である。これがSSTである。)
3-3:脳の働きを強くするためには、医師から処方される「薬」を飲みますが、薬だけでは病気は完全にはよくなりません。ストレスに会うと再発しやすいです。ストレスにうまく対処できるようになる事が大事です。
(補足:昔に比べて社会資源が多くなり、障害を持つ人への理解は深まって来た。しかし先進国の中では日本はまだまだ低い。例えば、「精神障害者」という言葉はその人の全て人格までを表している。
そうではなく、「精神障害を持つ人」或は「精神の疾患を持つ人」と言う方が正しい。普通の病気と同じ考え方に立ってほしい)
3-4:あらかじめ、人との上手な付き合い方を練習して力を蓄えておくとストレスに役に立ちます。専門家と一緒に安心できる環境で、人との付き合い方を一つひとつ学んでいく方法をSST=ソーシャル・スキル・トレーニングといいます。精神科専門治療法のひとつで、効果が証明されています。
(補足:全国にSST普及協会があります。)
4:当事者の問題ばかりでなく、当事者の魅力、長所を見つけましょう。また、自分の家族の素晴らしい点をたくさん見つけましょう。
5:リフレッシュできる自分だけの時間、活動を見つけましょう。そんな時間は無いという方には「プチ家出」をお勧めします。
6:家族と当事者が使える地域の適切な相談基幹・医療機関・教育施設、自分の地域や他の地域にある支援制度やサービスを知りましょう。
7:これまでのすすめを全部やっているという方へのお勧めです。地域のメンタルヘルス向上のための活動にご協力ください。
8:地球規模で障害を持つ人々に対する考え方が変化しています。日本では障害者差別解消法が2016年4月から施行されました。また、従業員50人以上の企業では今年の4月から精神障害者を2.2%以上雇用する事となりました。実施状況に注意しましょう。

【SSTを参加者が実践しました。】
ここでは、当事者と家族との対応を実践方式で学びました。
当事者がイライラして何も出来ずにいる時の親の対応についての事例が取り上げられ、参加者が当事者と親の役割をし、自分ならどう対応をするか実演が試みられました。(以上)

当日のレジメと研修会の写真です。
コメント
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