私が今まで様々な物事を見聞きして思ったことを集約する文章があります。
池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」という短編の冒頭部分です。
「自分って何なんだろう?」「生きているってどういうコト?」という素朴な疑問を持った時…、
以下の文章が(仮にも)答えの一つでした。私が星空を観察する動機でもあります。
↓
世界はきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。
世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。
きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。
世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。
でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。
きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。
きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。
大切なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、
きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、
一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。
二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。
水の味が分かり、人を怒らせることが少なくなる。
星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果が上がるだろう。
星ではなく、せせらぎやセミ時雨でもいいのだけれども。
↑
32年前の春に高田馬場の書店で平積みになっていたこの本をたまたま手に取ったのですが…
これ程長い付き合いになるとは思っていませんでしたとさ🎵
池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」という短編の冒頭部分です。
「自分って何なんだろう?」「生きているってどういうコト?」という素朴な疑問を持った時…、
以下の文章が(仮にも)答えの一つでした。私が星空を観察する動機でもあります。
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世界はきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。
世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。
きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。
世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。
でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。
きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。
きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。
大切なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、
きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、
一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。
二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。
水の味が分かり、人を怒らせることが少なくなる。
星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果が上がるだろう。
星ではなく、せせらぎやセミ時雨でもいいのだけれども。
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32年前の春に高田馬場の書店で平積みになっていたこの本をたまたま手に取ったのですが…
これ程長い付き合いになるとは思っていませんでしたとさ🎵