■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

■ 【 オモイデノイロ 】 (3)

2010年08月14日 | へたっぴな小説もどき



______________________________________________________________________________

 【 オモイデノイロ 】 (3)
______________________________________________________________________________


 夏休み前。やはり気になるのは部活のない日のスケジュールだった。運良く同じ部活の

サイクルが重なり、恋敵であるヤツも休みとなる。

 あの事以来、不可侵条約は結んでいても、見えないところでの冷戦状態は継続していて

既に学校では 【 バカの2トップ 】 と不名誉な呼ばれ方をされていた。

 ココに来て学校行事と家の行事しか体験していない彼女の休みが重なった。彼女とドコ

かに行くチャンスが出来た!!


 ボク : 【 あの、来週末って部活休みだよね。 】

 彼女 : 【 えぇ、お休みです。 】

 ボク : 【 もし家の予定とかなかったら花火見ない!! 】

 彼女 : 【 えっ、花火が上がるんですか?? 】

 ボク : 【 数は、少ないけど上がるよ。 】

 彼女 : 【 あっ!!行きたいです!! 】


(あぁ、一緒に居られる...。そう、これで...。)


 男子1 : 【 抜け駆けはズルいなマイブラザー!! 】

 ボク : 【 誰が、マイブラザーだ!! 】

 男子1 : 【 不可侵条約の仲だ、オレも同席する!! 】

 ボク : 【 どんな理由だ!!と言うか何の権限があって!! 】

 男子1 : 【 オマエの行動は独占禁止法に抵触しているから止めて
         やってるだけだ。 】

 ボク : 【 どんな理由だ?!って、独占禁止法には抵触してないぞ。 】


 と押し問答をしていると、そこに絶対権力者(生徒会長)がやってきた


 生徒会長 : 【 そこのストーカー2人組みなにやってるの?? 】

 二人 : 【 ストーカーじゃない!! 】

 生徒会長 : 【 似たようなモンでしょ。 】


事のなりゆきを聞くと、やはり、彼女は言った。


 生徒会長 : 【 ストーカー二人と彼女だけで花火を見に行くですって!! 】

 二人 : ( いや、だから、ストーカーじゃないってば....。 )

 生徒会長 : 【 冗談じゃないわ!!そんな事許さないに決まってる
          じゃない!!】】

 二人 : ( いや、その権限って何の権限なんだ?? )

 生徒会長 : 【 ワタシも同伴させてもらうわ!! 】

 二人 : 【 エッ!! 】

 生徒会長 : 【 当然でしょ!! 】

 生徒会長 : 【 ストーカーなんて一人でも大変なのに同時に二人で強制的に
          同伴されるなんてありえないでしょ!!】

 二人 : (凄い言われようだ...。昔っからだが、流石にコレは傷付くぞ...。)

 生徒会長 : 【 だから、ワタシも一緒に行くから!!文句はないわよね。】

 二人 : 【 ....。 】

 生徒会長 : 【 返事は??】

 二人 : 【 ハイ、王の命ずるままに!! 】

 生徒会長 : 【 アンタ達、本気で張っ倒すわよ!!】


              :
              :
              :


 そして、迎えた休みの日、花火を見に行くことにした。待ち合わせの場所は彼女の家の

近くという事で、生徒会長の家の前になった。

 男子1 : 【 やぁ、出家信者君!! 】

 ボク : 【 誰が出家信者だ!! 】

 男子1 : 【 今日もボウズが似合ってるじゃないか!! 】

 男子1 : 【 まるで、宗教勧誘のようだ。言ってしまえば、ブラック★ロック
         宗教だな...。 】

 ボク : 【 そんなのは、テメーのナリ見てモノを言え。オマエの場合は出家信者
        通り越して、その道入ってしまっている”入道”だろうが...。】

 男子1 : 【 誰が入道だ!! 】

 ボク : 【 誰がブラック★ロック宗教だ!!! 】

と何時ものような冷戦状態が続いていると、彼女がやってきた。

 彼女 : 【 お待たせしました!! 】

彼女はショートなんだが、その髪を少しまとめて清楚な感じにしていた。

二人 : ( 女神が舞い降りてる...。ウ、ウツクシスグル...。 )

そんなこんなで待っていると、絶対権力者がやってきた...。

 生徒会長 : 【 お待たせ!!みんな揃ってる?? 】

出てきた瞬間一斉に固まる....。

 男子1 : 【 親戚の方ですか?ボク達待ち合わせしてるんですけど。 】

 ボク : 【 みんな揃ったので呼んできて貰えませんか。 】

 生徒会長 : 【 ...。何?!バッカじゃないの?? 】

 生徒会長 : 【 ワタシ以外の誰でもないでしょ!! 】


              :
              :
              :
              :


同じだったら全員が固まるか!!!ソコに立っていたのは別人だった。学校ではノーメイ

クなんだが、ナチュラルメイクをして少し印象が違っているのもそうなんだが、何時も下

ろしている長い髪をツインテールにして、シュシュで止めていた。そしてそれに浴衣。

 見たことないぞ...。そんなの...。って、誰なんだ...。本当に同一人物なのか??


 男子1 : 【 ヲイ、オレは幻覚を見ているのか?? 】

 ボク : 【 わ、解らんが、同じじゃないのは解る...。 】

 男子1 : 【 ハッ、解ったぞ、オマエのブラック★ロック宗教だろ!! 】

 ボク : 【 何言い出すんだ!!オマエの謎のオカルトパワー・オブ・入道だろ!! 】

 生徒会長 : 【 ハイハイ、そこにハゲのストーカー二人組み。コントはその
          辺にしときなさい。。 】

 二人 : 【 本物だな...。 】

 ただ、メイクとヘアアレンジだけでこんなに可愛くなる訳がないんだから、元が余程

良くなければこうはならない筈だ...。街で見かけたら、フツーに振り返るぞ...。

 そんなこんなで、花火を見に行く事に。夜店などを練り歩き、花火を見た。


 彼女 : 【 綺麗ですね。 】

 ボク : 【 そうだね。 】

 男子1 : 【 もうすぐ大玉があがりますよ。 】

 生徒会長 : 【 やっぱ、花火ってこうダイナミックじゃないとね。 】

 二人 : ( あなたの豪快さの前ではその花火もかすむけどね...。 )

 少し早く出て場所取りが良かったので、しかけ花火まで見れた...。


 彼女 : 【 私、花火は2年ぶりなんです。 】

 男子1 : 【 そうですか...。 】

 ボク : 【 やっぱり家の関係...。 】

 彼女 : 【 えぇ、まぁ...。 】

 生徒会長 : 【 ふ~ん。イロイロ大変なんだね。 】

 生徒会長 : 【 引っ越す前の思い出とかもあるんでしょ。 】

 彼女 : 【 いや、それは....。 】

 生徒会長 : 【 少ないんだったら作ればいいのよ!! 】

 生徒会長 : 【 折角ここに来たんだからいっぱい思いで作りましょ!! 】

 彼女 : 【 生徒会長さん....。 】

 そんなこんなで、夜店を歩く。たこ焼きを食べ、水風船を釣り、射的をやり...。

 そして、イロイロ歩いていると、彼女が言った。


 彼女 : 【 私、金魚すくいした事がないんですけど...。 】

 生徒会長 : 【 じゃあ、やりましょ!! 】

と言う事で、彼女と一緒に4人で金魚すくいをすることになった。

 生徒会長 : 【 いい、見本見せるわね!! 】

 生徒会長 : 【 こうやって...。 】

 とすくおうとすると、一発で撃沈....。

 男子1 : 【 いや、見本になってないし...。 】

 ボク : 【 むしろ思う壺だし、いいお客さんだよ...。 】

 おじさん : 【 ボク達面白いね!! 】

 生徒会長 : 【 ねぇ、おじさん!!コレ薄いんじゃないの!! 】

 おじさん : 【 酷い事言うなあ...。お譲ちゃん良く見といて!! 】

 と言うと、神業的に金魚がすくいあがって行く....。


 一同 : (な、何者なの??コノヒト...。)


 おじさん : 【 ホラ、破れてないだろ。コレでやってごらん!! 】

 生徒会長 : 【 おじさん、ありがとう!! 】

とやってみるも一撃で撃沈...。

 男子1 : 【 おい、やっぱり入射角とそこからの慣性の法則に順ずるモノ
         なのか? 】

 ボク : 【 オレは、速度だと思う。 】

となんだか、解らん会話をしていたら、絶対権力者(生徒会長)が凄く悔しがっ

ていた。

 生徒会長 : 【 こんな...。取れないなんてありえない...。 】

 ボク : 【 どうも向いていないようですね。私が代わりに彼女の金魚を
        すくって上げましょう。】

 生徒会長 : 【 アンタ取れるの??? 】

 ボク : 【 見てのお楽しみです!!】

 生徒会長 : 【 自身満々ね。お手並み拝見といこうかしら!! 】

 ボク : 【 ま、ボクの妙技に酔い知れてください!!】

 金魚すくいは入射角と速度だ...。そして金魚が暴れないうちにシフトさせる。

イメージはできた。金魚の居る水槽のから金魚を乗せ、そして、シフトさせる。

 一匹目ゲット!!

 生徒会長 : 【 な、なかなかヤルじゃない!! 】

 ボク : 【 ま、実力かな!! 】

 男子1 : 【 ブラック★ロック宗教のくせにヤルじゃないか!! 】

 ボク : 【 誰が、ブラック★ロック宗教だ!!! 】

二匹目。入射角と速度だ!!と思ったのだがあえなく撃沈!!

 生徒会長 : 【 何やってるの!! 】

 生徒会長 : 【 何が酔いしれろよ、1匹しか取ってないじゃない。 】

 ボク : 【 いや、誰かさんみたいに0匹じゃないし...。 】

 生徒会長 : 【 似たようなもんでしょ。 】

 ボク : 【 違います!! 】

 彼女 : 【 それじゃ、私がやってみますね。 】

 生徒会長 : 【 ゴメンね。見本になんなくて 】

 ボク : 【 すみません!! 】

そして、彼女がやってみたのだが、あえなく撃沈。

 彼女 : 【 金魚すくいって難しいんですね。 】

 生徒会長 : 【 そう、難しいのよ。おじさんが尋常じゃないのよね。 】

 ボク : 【 同感...。 】

 男子1 : 【 キミ達、誰かを忘れては居ないかい?? 】

 生徒会長 : 【 さぁ、誰か居たっけ。 】

 ボク : 【 さぁ...。 】

 男子1 : 【 アマエらそのノリはヤメレ!!!真剣に寂しいだろうが!! 】

 生徒会長 : 【 いや、冗談、冗談!! 】

 ボク : 【 居るよ、ずっと居るから、入道は!! 】

 男子1 : 【 誰が入道だ!! 】

 鳴り物入りで登場したんだが、本当にできるんだろうか??

 男子1 : 【 デジタルとアナログの決定的な違いをここで教えてやろう!! 】

 ボク : 【 何ぃぃ~~?!金魚すくいにデジタルもアナログもあるか!! 】

 男子1 : 【 あるんだよ。繊細な微調整が実在する物体では必要になる。
         そのパズルのような組み合わせがアナログだ!! 】

 ボク : 【 に、入道のクセにかっこいい事言いやがって!!見せてもらおうじ
        ゃないか?!アナログの繊細さとやらを!! 】

 男子1 : 【 貴様は、この妙技の前で敗北感を味わう事になるんだ!! 】

 生徒会長 : 【 ハイ、ハイ、ハゲの掛け合い漫才はいいからさっさと
          やりなさい!! 】

 二人 : 【 ハゲじゃない!!ボウズだ!!しかも校則だ!! 】


あれだけの啖呵切ったんだ、妙技とやら見せてもらおうじゃないか!!

 持ち手は浅く。そしてしなやかに水面を切り抵抗を最小限にして、流れるように

金魚が運ばれる...。その入道と言う風貌からは考えられない繊細且つ精密な動き...。


 【 う、美しい...。なんて美しいフォームなんだ...。 】


ムダのない動きで、金魚がどんどん運ばれる...。まるであの金魚屋のおじさんのよ

うだ...。

 彼女 : 【 凄いですね。こんなに取れちゃうなんて...。 】

 おじさん : 【 にいちゃん!!もうやめてくれる..。それあげるから...。 】

 おじさん : 【 それにしてもにいちゃん。タダもんじゃないなぁ。 】

 男子1 : 【 妥協したらエンジニアじゃないですから。 】

 おじさん : 【 先が楽しみだなぁ。 】

 男子1 : 【 どうです。教えてあげますからもう一度やってみません?? 】

 彼女 : 【 あっ、よろしくお願いします。 】

 あぁ、なんて事だ...。入道の思惑に嵌ってしまった...。ここは挽回を...。

と行こうとすると、袖を引っ張られた。


 生徒会長 : 【 アンタ、今行って何する気なの?? 】

 ボク : 【 いや、入道が...。 】

 生徒会長 : 【 って言うか、あんた惨敗だったじゃない...。 】

 ボク : (いや、見本と言ってもっと酷かったヒトに言われたくないよ。)

 生徒会長 : 【 それに、楽しそうじゃない。だからそんな事しないの。 】

 ボク : 【 仕方ないか...。 】


入道に負けたというのもあるが、デジタル否定された気分が少し釈然としなかった

が、彼女の楽しそうな笑顔があったのでヨシとした。

 そして、花火も終わり解散することになった。とりあえず、一旦彼女のとこまで

お見送りをする事になったのだが


 生徒会長 : 【 流石に女の子2人だけで帰らせはしないわよね。 】

 二人 : (いや、一人と円卓の騎士だと思いますけど...。)

 生徒会長 : 【 だから、彼女の家まで4人で帰って解散しましょ。 】

 生徒会長 : 【 流石にオカルトハゲ2体は職務質問はされても襲われは
          しないから...。】

 二人 : (行く時より、モノが酷くなってないか??)


と、行く前よりもなんだか酷い扱いになっている事が釈然としなかった。

 そして帰る前に円卓の騎士(生徒会長)から提案が...。


 生徒会長 : 【 ねぇ、記念写真撮らない?? 】

 男子1 : 【 いいね。 】

 生徒会長 : 【 思い出を一杯作らなきゃいけないんだからこう言うのは
          残さないと。】

 ボク : 【 そうだね。 】

 生徒会長 : 【 ねぇ、どうかしら。 】

 彼女 : 【 うれしいです。 】

そして、4人の集合写真となったのだが、立ち居地でもめたのだが...。


 生徒会長 : 【 あんたらが彼女の両脇に立ってそれで撮ればいいでしょ。】


と言う事で決定した。タイマーで4人並んだ写真を幾つか撮影したのだが...。


 彼女 : 【 あの、お一人づつ並んで撮って貰えますか? 】


と言うリクエストが彼女から来た。ハァ~ッ。2ショット...。ん、2ショットって


 【 入道もなのか!!orz 】


すこし釈然としない中、生徒会長が撮ってくれた。


 生徒会長 : 【 折角の写真なんだから笑って、笑って!!】


 入道...。笑顔が違和感ありすぎだ...。むしろ心霊写真じゃないか....。orz

そして、生徒会長にカメラを渡された。


 生徒会長 : 【 こう言うの得意でしょ。アンタがやりなさい!! 】

 ボク : 【 えっ?! 】

 生徒会長 : 【 えっ?!じゃないの。ヤルと言ったらヤルの!! 】

 ボク : 【 わ、解ったよ...。 】

 ボク : 【 はい、綺麗なお二人さん。最高の笑顔でコッチ見て...。 】


             :
             :
             :


って、どうすんだ...。コレ...。良すぎるぞ...。あぁ、射抜かれる...。ダブル

で射抜かれる...。


             :
             :
             :


 とりあえず、シャッターを切ったが、コレは貰えるんだろうか??と言うのが一

番気がかりだな事った。

 これを欲しがると、ストーカーから変態に格上げされそうだったので結局自分の

ケータイでも撮らせてもらう事にした。


 生徒会長 : 【 ちょっと、何、アンタ。ヘンタイじゃないの...。 】

 ボク : 【 やっぱり言われた...。orz 】

 男子1 : 【 仕方ないさ、出家信者だから俗世とは離れてるんだから...。 】

 ボク : 【 誰が出家だ!!オマエは異世界の住人だろうが!!! 】

 男子1 : 【 誰が異世界だ!! 】

 ボク : 【 オマエだ!! 】

 生徒会長 : 【 ハゲのヘンタイが揃って騒がないの。ケーサツ呼ばれるわよ。 】

 二人 : 【 ヘンタイは余計だ!! 】

 生徒会長 : 【 これでみんなのが撮れたわね。じゃあ解散しますか。 】

 彼女 : 【 あの、あと一人づつのとちょっと一枚だけ...。 】

 生徒会長 : 【 あと一枚って?? 】

______________________________________________________________________________
次のページへ
前のページへ
目次へ

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
blogram投票ボタン  




最新の画像もっと見る