人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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新日本フィル定期第513回(アルミンク ラストステージ) 週間フォト日誌

2013-08-05 05:00:00 | 音楽

8月3日(土) 新日本フィル(NJP)トリフォニー定期第2日--文字どおり
アルミンクのラストステージ、マーラーの3番(36歳時の作品)である。

アルミンクは、10年前の平成15(2003)年9月、新日本フィルの音楽監督
就任記念特別演奏会(*)で、この曲を取り上げている。
アルミンクは当時32歳だった(1971年3月生まれ)。

(*)平成15(2003)/9/26(金)特別演奏会 於すみだトリフォニーホール 
  アルト;カタリーナ・ビーツ 栗友会合唱団 TOKYO FM少年合唱団
  (--私は聴いていない。)

アルミンクがNJPの音楽監督に就任したのは、私が約20年ぶりに新日本
フィルの定期会員に復帰した、ちょうどその年(シーズン)であった。

当時はまだブログ「人生ブンダバー」を開設していなかったので、演奏会の
詳しいレポートは残していないが、そのシーズンのコンサート・オペラ--
R.シュトラウス「サロメ」は今でも印象に残っている。(**)

ちなみに、マーラーはザルツブルクの東、アッター湖畔のシュタインバッハ
に作曲小屋を建て、毎夏に作曲。「夏休み作曲家」と自称していた。

13時30分、アルミンクが薄いブルーのブレザー、ノーネクタイで登場。この
日の曲、そして今までの演奏などを振り返り、10分間のプレトークを行った。
--ドイツ語のアオフヴィーダーズィーエンは、日本語で「さようなら」と訳し
ますが、「またいつかお会いするのを楽しみに・・・・・・」という意味でもありま
す。アリガトウゴザイマシタ。
と同時に盛大な拍手が起こった。

会場は「満員御礼」--車いす席を含め、トリフォニーホールが1階まで埋
まることはNJP定期では初めてではないだろうか。演奏に力が入ることは
間違いない!だろう。

14:02 栗友会の女声合唱団が入ってきた。80人強かしらん。
14:04 2ndヴァイオリンの佐々木さんを先頭に左右からオーケストラが入
場した。
14:05 コンマス崔さんが登場。オケ、合唱団、全員起立。
14:06 正装に着替えたアルミンクが登場。両手を前に重ね、深々とおじぎ
すると、大きな拍手に包まれた。

<プログラム>
G.マーラー 交響曲第3番 ニ短調
第1楽章 力強く、決然と
第2楽章 メヌエットのテンポで、きわめて中庸に
第3楽章 心地よく、スケルツァンド、急がずに
第4楽章 とてもゆっくりと、神秘的に。一貫してpppで
第5楽章 テンポは快活に、表情はずんで
第6楽章 ゆっくりと、落ち着いて、感情をこめて
指揮;クリスティアン・アルミンク
アルト;藤村実穂子
女声合唱;栗友会合唱団
合唱指揮;栗山文昭
児童合唱;東京少年少女合唱隊
児童合唱指導;長谷川久恵
コンサートマスター;崔 文洙

トロンボーン;箱山芳樹
ポストホルン;服部孝也
ホルン1;井手詩朗


各楽章の調性、私のコメントなどは次のとおり。
( )内は当日の大まかなタイミング
第1楽章 ニ短調 4/4 拡大されたソナタ形式(36分)
 弦が好調。ホルンをはじめ、管楽器も頑張っていた。明るいマーチ部分は
 気持ちいい。ハープ募金で購入された、金色のハープも活躍。コンマス崔
 さんのヴァイオリン・ソロがすばらしい。ピッコロも効いている。始まって25
 分過ぎにパーカッションの3人が足早に退場、バンダ--裏舞台での演
 奏を1分ほどで終えると戻ってきた。段取りを間違えると大変。
 冷房は26℃だろうか、涼しくて老人の咳払いが目立つ。
 (第1楽章が終わると、開演に間に合わなかった聴衆が入る。)

第2楽章 イ長調 3/4 ABABA(12分)
 美しく明るい楽章。古部さんのオーボエソロも好調。エキゾチックなメロディ
 ーも出てくる。アルミンクがしなやかに踊る。アルミンクの音楽もしなやか
 だ。なるほど角笛交響曲。管楽器のからみがすばらしい。
 (第2楽章が終わると、藤村さんが楽譜を持って下手より登場、拍手に迎え
 られる。楽譜は譜面立てへ。児童合唱も2階上手に入った--約30人。)

第3楽章 ハ短調 2/4 複合三部形式(18分)
 ポストホルン(?)のバンダ演奏が入り、弦が弓をハイフィニッシュさせて終
 わる。

第4楽章 ニ長調 2/2 (10分)
 藤村さんが立つ。緊張のpppの中、第一声 「O Mensch!」がすばらしくい
 い声だった。はっきり聴き取れるドイツ語--私にいわせればD・F=ディ
 ースカウのようだ。藤村さんはいま絶好調ではないかしらん。
 (4楽章の最後の方で児童合唱が起立した。)

第5楽章 ヘ長調 4/4 三部形式(4分)
 すぐに児童合唱がビムバム、ビムバムと歌い出す。女声合唱もいい声!
 (よく長い時間(1時間15分以上)待っていられるものだ。)もう少し子音が
 強いといいのだが、聴いている座席にもよるのかもしれない。もっとも藤村
 さんの子音ははっきり聴こえるが・・・・・・。
 児童合唱、女声合唱とも暗譜だった。歌詞は「少年の魔法の角笛」の「3人
 の天使は歌う」から。

第6楽章 ニ長調 4/4 自由なロンド形式ABCABCACA(24分)
 第5楽章に続けるかのように、弦楽合奏による真に美しい主題!藤村さん
 は第6楽章が始まってから、ゆっくりといすに座った。演奏はゆっくり時を刻
 む。
 アルミンクは何を思う?--いよいよアルミンクともお別れだ。と思うとステ
 ージがにじんできた。この感情は録音には入るかしらん。終盤は「希望の
 光」--人生を信じよう!と。涙があふれ出た。

 Codaは徐々に盛り上がり、いったん静かになった後、大きく盛り上がって
 終わった。いきなりブラボーとなってもおかしくない場面だが、1秒、2秒、
 ・・・・・・だれも拍手しない。静まり返る長い時間--10秒ほどたって、一気
 に大きな拍手となった。ブラボーが飛び交う。

 アルミンクが立ち上がった藤村さんとしっかり抱き合った。そしてコンマス
 の崔さんとも。下手に退場する際、藤村さんは涙をぬぐった。
 カーテンコールに移り、藤村さん、長谷川さん、長身の栗山さん、アルミン
 クと登場。合唱に盛大な拍手が送られた。

 4人が下手に下がるも、藤村さんとアルミンクがまた登場に、拍手が大きく
 クレッシェンドする。聴衆が立ち始めた。トロンボーン、トランペット、ホルン
 と管楽器などが立たされていった。(この曲のカーテン・コールで立たされ
 る順番は常に決まっている?)合唱団も一緒に拍手している。アルミンク
 が弦の各パート首席たちと抱擁する。
 いつの間に用意されたのだろう、崔さんから大変大きな花束がアルミン
 クに手渡された。

 再び長谷川さん、栗山さんも含め登場。その頃には1階の聴衆が私を含
 め総立ちとなった。こんな光景を見るのはカラヤンの普門館演奏会以来
 である。ではこれにてお開きとなったが聴衆は帰らない。
 オケも退場したステージにアルミンクが崔さんに手をひかれて登場した。
 ものすごい拍手。アルミンクは両手を前に重ね、深々とおじぎをした。最
 後はバイバイをしながら、下手に退場していった。

(演奏時間合計1時間45分 15:52演奏終了~16:03総終了)

これほど長い曲(--真夏は冷房がきついことがあるので服装にご用心!)
を聴いたのは初めて!

それにしてもこの日の、NJPの演奏、そして、すみだトリフォニーの聴衆は本
当にすばらしかった。

※参考までに・・・・・・マーラーは各楽章に次のような標題を付けようとしてい
 たが、最終的に出版した時には削除した。
第1楽章 (序奏)牧神は目覚める~夏が進みくる(バッカスの行進)
第2楽章 野の花が私に語ること
第3楽章 森の動物たちが私に語ること
第4楽章 人間が私に語ること
第5楽章 天使たちが私に語ること
第6楽章 愛が私に語ること

(**)私が聴いたC.アルミンクの演奏会オペラ
2004/3 R.シュトラウス「サロメ」(平成16年)
2005/3 ベートーヴェン「レオノーレ」
2006/2 オネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
[2007/3 ワーグナー「ローエングリン」](INF治療のため未聴)
2007/9 J.シュトラウスⅡ「こうもり」
2008/9 R.シュトラウス「薔薇の騎士」(平成20年)
2010/5 ドビュッシー「ペレアストメリザンド」
2011/7 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」
etc.
こうして振り返ると「ああ、そうだった」となる。

アルミンクさん、たくさんの思い出をありがとう!また会える日を楽しみに!

「たくさんの 思い出作り アルミンク」
「いざさらば 再度立つ日は アルミンク」

このデケイドはNJPの一つの時代となった。

8月の演奏会はこれだけである。のんびりとしたい。




錦糸町駅前北口 アルカキット錦糸町 アド街ック天国第2位


アド街ック天国第1位 錦糸公園 
このような「広場」があると、昔はなんだったんだろうと考えてしまう。--昔
は陸軍糧秣廠倉庫だった。


第68回国体 フットサル、ハンドボールなどすみだで開催


この日の東京スカイツリー


入口の混雑ぶり


先にトイレを済ませる。


開演前のロビーも混んでいる。


プログラム


定期会員チケット B席(定期会員になると1回4000円弱とお安い。)


9月のインゴ・メッツマッハー



87歳の叔母さんと「反省会」(つばめグリル) 
叔母さんは生ビール、私はノンアルコール・ビール(逆にあらず)。


ソーセージ盛り合わせ


        *        *        *        * 

週間フォト日誌

7月30日(火) 今週は『古代天皇制を考える』を読む。難しい。
簡単にいえば豪族→大王→天皇(7世紀?)ということかしらん?








奥は喫煙ルーム


7月31日(水) 


1年以上にわたった工事が終了間近となった。
暑い時期も長袖で作業、お疲れさま!(右は本郷通り)



東京メトロの出入口ができている。




ジニ係数を調べる。この20年間で多少格差が広がっているようだ。むろん
日本はUSAや中国ほどの格差社会ではないのだが・・・・・・。
北欧はジニ係数が低いが、一方では消費税率は高い。
*ジニはイタリアの統計学者の名前である。

8月1日(木) OB練習日。この日は久しぶりの文京シビック--間違わない
ように確認!



今日は五目チャーハン 美味なり。


会社近く、連合のビル
「安心して暮らすには雇用あって!」(民主党の主張と同じカナ?)--その
とおりだが、経済学的には生産のアップがなければならない。


練習前にひと息。年中、ひと息?

 
東京都交通局のポスター 2題


「確認、確認、確認、そして確認」(東京メトロの広告)


後楽園駅前の花壇にサルビア
「♪サルビアは赤い花だわ/その花は血の色だわ」


「54年ぶり 東京国体開催」




佐藤先生編曲「ローエングリーン」の1.「前奏曲」、2.「導入」に先日やった
4.「結婚行進曲」を練習。この日、Topは12人、全体では70人弱の参加。
今月の「練習費」(3000円)は徴収せず。(=8月分はなし。)


8月3日(土)

プレヴィン/ロンドン交響楽団でラフマニノフの交響曲第2番を聴く。
「ラフ2」はプレヴィンの十八番(おはこ)。彼は3回録音しているが、これは
2回目の録音(1973年)。適度なアゴーギクにより、しつこくならなずに、か
つザッハリッヒではなく、仕上げている名盤。第3楽章は映画のワンシー
ンが思い出されるかのよう。
ラフマニノフのピアコン2番ではアシュケナージを持っていたハズだが。


You Tubeで「仰げば尊し」を視聴していたら、中学校の卒業式が思い出さ
れ、涙が出てきた。
当時、1番を卒業生、2番を在校生、3番を全員で歌っていたのではないかし
らん。卒業生だった時は泣きじゃくっている同級生がいた。先生方も泣いてお
られたのかしらん。

You Tube、そこからダークダックスへ・・・・・・「銀色の道」「男が酒を飲む夜
は」に聴き入った。


産経新聞「主張」(社説)が
「麻生太郎副総理兼財務大臣が、憲法改正をめぐる発言で、ドイツのナチ
ス政権を引き合いに出した。お粗末な湿原であり、撤回したのは当然であ
る。(中略)
もう一つの麻生発言の誤りは、ナチス政権がワイマール憲法を改正し、新
たに憲法を制定したかのように理解していることだ。そのような史実もない
ことも指摘しておきたい。ナチスは1933年、暴力を背景にドイツ国会にお
いて全権委任法を成立させ、ワイマール憲法を死文化させて独裁につな
げたのである」
と批判。


8月4日(日) You Tubeでマーラー交響曲第3番を
バーンスタイン/ウィーン・フィル
アバド(*)/ベルリン・フィル
マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団(BRSO)
アバド/ルツェルン祝祭(※)
で視聴。いずれもライブ映像で、それぞれの、すばらしい演奏。

(*)C.アバドって、練習中ほとんど口をきかないって本当かしらん?本番
 では口をきかないのは当然として(笑)。

(※)アバド/ルツェルンはなかなかにすばらしい演奏。暗譜での指揮かし
 らん?

YouTubeは結構楽しめる。


楽天が1イニング7本(!)の二塁打新記録。打たれる方も打たれる方。
楽天は優勝できるか?楽天的?


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6 コメント

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マーラー3番 (SIRANO)
2013-08-06 00:00:38
新日フィルのマーラー3番は感動的な演奏だったようですね。今年の3月に行われた名フィルの第400回記念定期演奏会もマーラー3番でした(指揮:モーシェ・アツモン、アルト:福原寿美枝)。女声合唱は佐藤正浩先生も指導しておられた愛知県立芸大の学生たち。こちらも合唱を含めて素晴らしい出来でした。8番程ではないにしても、大規模な編成で宇宙を表現する3番は、オケや指揮者にとって区切りにふさわしい曲目なんですね。
返信する
Re;マーラー3番 (katsura1125)
2013-08-06 20:26:33
SIRANOさん、さっそくのコメント有難うございます。

3番は(生まれて)初めて聴きましたが、よかったです!

アツモンは、2007/9/29(土)にN響でブラ1を聴きましたがうまいですね。いかにもイスラエル人の名前ですね~(笑)。
返信する
仰げば尊し (sho)
2013-08-06 22:29:34
高峰秀子の二十四の瞳のシーンでしょうか。やはりあの映画が最高と思います。ある意味で反戦映画でもあります。
ユーチューブは本当に面白いです。ワグネルも沢山入っています。OB合唱はまだありませんね。
返信する
Re;仰げば尊し (katsura1125)
2013-08-07 19:58:05
shoさん、コメント有難うございます。

木下恵介監督「二十四の瞳」は観たことがないし、本も読んだことがないのですが、戦前の昭和が舞台だったんですね~。壺井栄のご主人は繁治氏でしたか。
返信する
ある記憶 (minorer)
2013-08-08 15:26:44
なにしろギネスに載るほどの長大な作品ですから
わずか15分足らずの出番のソリストがどこで登場するかが問題
バーンスタイン/ウィーンフィルのライヴでは3楽章の終わったところで
指揮者が一旦上手に引っこんでソリスト(クリスタ・ルートヴィヒ)と共に再登場しますが
これが順当と思われます

アルミンクが敢えてこの方法を採らなかったのは
どこで登場するかではなく、楽章間のどこを切りたくなかったか、ということでしょう

自分の知る限り最も印象的だったのは若杉弘指揮東響の演奏
3楽章の2度目のポストホルンソロの後、オーケストラが急激に盛り上がるところで
独唱者(奥様の長野羊奈子さん)がドレスの裾を翻して
鮮やかに登場されました
いかにも若杉先生らしい「演出」と言えましょうが
これもソリスト登場への拍手(により緊張感の中断すること)を嫌ったのではないかと思います

なお、私がこの曲を(録音により)初めて聞いたのは学生時代、故福永先生のお宅でした
福永先生は終楽章の大ラスでティンパニが連打するところを
「いかにもユダヤ人だよね」と面白そうにおっしゃってました
返信する
Re;ある記憶 (katsura1125)
2013-08-09 20:37:46
minorerさん、ご無沙汰です。猛暑、ですね~。

さて、見つけました。こちらの演奏会でしたか?
    ↓
http://i.t-bunka.jp/pamphlets/9209

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