8月3日(土) 新日本フィル(NJP)トリフォニー定期第2日--文字どおり
アルミンクのラストステージ、マーラーの3番(36歳時の作品)である。
アルミンクは、10年前の平成15(2003)年9月、新日本フィルの音楽監督
就任記念特別演奏会(*)で、この曲を取り上げている。
アルミンクは当時32歳だった(1971年3月生まれ)。
(*)平成15(2003)/9/26(金)特別演奏会 於すみだトリフォニーホール
アルト;カタリーナ・ビーツ 栗友会合唱団 TOKYO FM少年合唱団
(--私は聴いていない。)
アルミンクがNJPの音楽監督に就任したのは、私が約20年ぶりに新日本
フィルの定期会員に復帰した、ちょうどその年(シーズン)であった。
当時はまだブログ「人生ブンダバー」を開設していなかったので、演奏会の
詳しいレポートは残していないが、そのシーズンのコンサート・オペラ--
R.シュトラウス「サロメ」は今でも印象に残っている。(**)
ちなみに、マーラーはザルツブルクの東、アッター湖畔のシュタインバッハ
に作曲小屋を建て、毎夏に作曲。「夏休み作曲家」と自称していた。
13時30分、アルミンクが薄いブルーのブレザー、ノーネクタイで登場。この
日の曲、そして今までの演奏などを振り返り、10分間のプレトークを行った。
--ドイツ語のアオフヴィーダーズィーエンは、日本語で「さようなら」と訳し
ますが、「またいつかお会いするのを楽しみに・・・・・・」という意味でもありま
す。アリガトウゴザイマシタ。
と同時に盛大な拍手が起こった。
会場は「満員御礼」--車いす席を含め、トリフォニーホールが1階まで埋
まることはNJP定期では初めてではないだろうか。演奏に力が入ることは
間違いない!だろう。
14:02 栗友会の女声合唱団が入ってきた。80人強かしらん。
14:04 2ndヴァイオリンの佐々木さんを先頭に左右からオーケストラが入
場した。
14:05 コンマス崔さんが登場。オケ、合唱団、全員起立。
14:06 正装に着替えたアルミンクが登場。両手を前に重ね、深々とおじぎ
すると、大きな拍手に包まれた。
<プログラム>
G.マーラー 交響曲第3番 ニ短調
第1楽章 力強く、決然と
第2楽章 メヌエットのテンポで、きわめて中庸に
第3楽章 心地よく、スケルツァンド、急がずに
第4楽章 とてもゆっくりと、神秘的に。一貫してpppで
第5楽章 テンポは快活に、表情はずんで
第6楽章 ゆっくりと、落ち着いて、感情をこめて
指揮;クリスティアン・アルミンク
アルト;藤村実穂子
女声合唱;栗友会合唱団
合唱指揮;栗山文昭
児童合唱;東京少年少女合唱隊
児童合唱指導;長谷川久恵
コンサートマスター;崔 文洙
トロンボーン;箱山芳樹
ポストホルン;服部孝也
ホルン1;井手詩朗
各楽章の調性、私のコメントなどは次のとおり。
( )内は当日の大まかなタイミング
第1楽章 ニ短調 4/4 拡大されたソナタ形式(36分)
弦が好調。ホルンをはじめ、管楽器も頑張っていた。明るいマーチ部分は
気持ちいい。ハープ募金で購入された、金色のハープも活躍。コンマス崔
さんのヴァイオリン・ソロがすばらしい。ピッコロも効いている。始まって25
分過ぎにパーカッションの3人が足早に退場、バンダ--裏舞台での演
奏を1分ほどで終えると戻ってきた。段取りを間違えると大変。
冷房は26℃だろうか、涼しくて老人の咳払いが目立つ。
(第1楽章が終わると、開演に間に合わなかった聴衆が入る。)
第2楽章 イ長調 3/4 ABABA(12分)
美しく明るい楽章。古部さんのオーボエソロも好調。エキゾチックなメロディ
ーも出てくる。アルミンクがしなやかに踊る。アルミンクの音楽もしなやか
だ。なるほど角笛交響曲。管楽器のからみがすばらしい。
(第2楽章が終わると、藤村さんが楽譜を持って下手より登場、拍手に迎え
られる。楽譜は譜面立てへ。児童合唱も2階上手に入った--約30人。)
第3楽章 ハ短調 2/4 複合三部形式(18分)
ポストホルン(?)のバンダ演奏が入り、弦が弓をハイフィニッシュさせて終
わる。
第4楽章 ニ長調 2/2 (10分)
藤村さんが立つ。緊張のpppの中、第一声 「O Mensch!」がすばらしくい
い声だった。はっきり聴き取れるドイツ語--私にいわせればD・F=ディ
ースカウのようだ。藤村さんはいま絶好調ではないかしらん。
(4楽章の最後の方で児童合唱が起立した。)
第5楽章 ヘ長調 4/4 三部形式(4分)
すぐに児童合唱がビムバム、ビムバムと歌い出す。女声合唱もいい声!
(よく長い時間(1時間15分以上)待っていられるものだ。)もう少し子音が
強いといいのだが、聴いている座席にもよるのかもしれない。もっとも藤村
さんの子音ははっきり聴こえるが・・・・・・。
児童合唱、女声合唱とも暗譜だった。歌詞は「少年の魔法の角笛」の「3人
の天使は歌う」から。
第6楽章 ニ長調 4/4 自由なロンド形式ABCABCACA(24分)
第5楽章に続けるかのように、弦楽合奏による真に美しい主題!藤村さん
は第6楽章が始まってから、ゆっくりといすに座った。演奏はゆっくり時を刻
む。
アルミンクは何を思う?--いよいよアルミンクともお別れだ。と思うとステ
ージがにじんできた。この感情は録音には入るかしらん。終盤は「希望の
光」--人生を信じよう!と。涙があふれ出た。
Codaは徐々に盛り上がり、いったん静かになった後、大きく盛り上がって
終わった。いきなりブラボーとなってもおかしくない場面だが、1秒、2秒、
・・・・・・だれも拍手しない。静まり返る長い時間--10秒ほどたって、一気
に大きな拍手となった。ブラボーが飛び交う。
アルミンクが立ち上がった藤村さんとしっかり抱き合った。そしてコンマス
の崔さんとも。下手に退場する際、藤村さんは涙をぬぐった。
カーテンコールに移り、藤村さん、長谷川さん、長身の栗山さん、アルミン
クと登場。合唱に盛大な拍手が送られた。
4人が下手に下がるも、藤村さんとアルミンクがまた登場に、拍手が大きく
クレッシェンドする。聴衆が立ち始めた。トロンボーン、トランペット、ホルン
と管楽器などが立たされていった。(この曲のカーテン・コールで立たされ
る順番は常に決まっている?)合唱団も一緒に拍手している。アルミンク
が弦の各パート首席たちと抱擁する。
いつの間に用意されたのだろう、崔さんから大変大きな花束がアルミン
クに手渡された。
再び長谷川さん、栗山さんも含め登場。その頃には1階の聴衆が私を含
め総立ちとなった。こんな光景を見るのはカラヤンの普門館演奏会以来
である。ではこれにてお開きとなったが聴衆は帰らない。
オケも退場したステージにアルミンクが崔さんに手をひかれて登場した。
ものすごい拍手。アルミンクは両手を前に重ね、深々とおじぎをした。最
後はバイバイをしながら、下手に退場していった。
(演奏時間合計1時間45分 15:52演奏終了~16:03総終了)
これほど長い曲(--真夏は冷房がきついことがあるので服装にご用心!)
を聴いたのは初めて!
それにしてもこの日の、NJPの演奏、そして、すみだトリフォニーの聴衆は本
当にすばらしかった。
※参考までに・・・・・・マーラーは各楽章に次のような標題を付けようとしてい
たが、最終的に出版した時には削除した。
第1楽章 (序奏)牧神は目覚める~夏が進みくる(バッカスの行進)
第2楽章 野の花が私に語ること
第3楽章 森の動物たちが私に語ること
第4楽章 人間が私に語ること
第5楽章 天使たちが私に語ること
第6楽章 愛が私に語ること
(**)私が聴いたC.アルミンクの演奏会オペラ
2004/3 R.シュトラウス「サロメ」(平成16年)
2005/3 ベートーヴェン「レオノーレ」
2006/2 オネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
[2007/3 ワーグナー「ローエングリン」](INF治療のため未聴)
2007/9 J.シュトラウスⅡ「こうもり」
2008/9 R.シュトラウス「薔薇の騎士」(平成20年)
2010/5 ドビュッシー「ペレアストメリザンド」
2011/7 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」
etc.
こうして振り返ると「ああ、そうだった」となる。
アルミンクさん、たくさんの思い出をありがとう!また会える日を楽しみに!
「たくさんの 思い出作り アルミンク」
「いざさらば 再度立つ日は アルミンク」
このデケイドはNJPの一つの時代となった。
8月の演奏会はこれだけである。のんびりとしたい。
錦糸町駅前北口 アルカキット錦糸町 アド街ック天国第2位
アド街ック天国第1位 錦糸公園
このような「広場」があると、昔はなんだったんだろうと考えてしまう。--昔
は陸軍糧秣廠倉庫だった。
第68回国体 フットサル、ハンドボールなどすみだで開催
この日の東京スカイツリー
入口の混雑ぶり
先にトイレを済ませる。
開演前のロビーも混んでいる。
プログラム
定期会員チケット B席(定期会員になると1回4000円弱とお安い。)
9月のインゴ・メッツマッハー
87歳の叔母さんと「反省会」(つばめグリル)
叔母さんは生ビール、私はノンアルコール・ビール(逆にあらず)。
ソーセージ盛り合わせ
* * * *
週間フォト日誌
7月30日(火) 今週は『古代天皇制を考える』を読む。難しい。
簡単にいえば豪族→大王→天皇(7世紀?)ということかしらん?
奥は喫煙ルーム
7月31日(水)
1年以上にわたった工事が終了間近となった。
暑い時期も長袖で作業、お疲れさま!(右は本郷通り)
東京メトロの出入口ができている。
ジニ係数を調べる。この20年間で多少格差が広がっているようだ。むろん
日本はUSAや中国ほどの格差社会ではないのだが・・・・・・。
北欧はジニ係数が低いが、一方では消費税率は高い。
*ジニはイタリアの統計学者の名前である。
8月1日(木) OB練習日。この日は久しぶりの文京シビック--間違わない
ように確認!
今日は五目チャーハン 美味なり。
会社近く、連合のビル
「安心して暮らすには雇用あって!」(民主党の主張と同じカナ?)--その
とおりだが、経済学的には生産のアップがなければならない。
練習前にひと息。年中、ひと息?
東京都交通局のポスター 2題
「確認、確認、確認、そして確認」(東京メトロの広告)
後楽園駅前の花壇にサルビア
「♪サルビアは赤い花だわ/その花は血の色だわ」
「54年ぶり 東京国体開催」
佐藤先生編曲「ローエングリーン」の1.「前奏曲」、2.「導入」に先日やった
4.「結婚行進曲」を練習。この日、Topは12人、全体では70人弱の参加。
今月の「練習費」(3000円)は徴収せず。(=8月分はなし。)
8月3日(土)
プレヴィン/ロンドン交響楽団でラフマニノフの交響曲第2番を聴く。
「ラフ2」はプレヴィンの十八番(おはこ)。彼は3回録音しているが、これは
2回目の録音(1973年)。適度なアゴーギクにより、しつこくならなずに、か
つザッハリッヒではなく、仕上げている名盤。第3楽章は映画のワンシー
ンが思い出されるかのよう。
ラフマニノフのピアコン2番ではアシュケナージを持っていたハズだが。
You Tubeで「仰げば尊し」を視聴していたら、中学校の卒業式が思い出さ
れ、涙が出てきた。
当時、1番を卒業生、2番を在校生、3番を全員で歌っていたのではないかし
らん。卒業生だった時は泣きじゃくっている同級生がいた。先生方も泣いてお
られたのかしらん。
You Tube、そこからダークダックスへ・・・・・・「銀色の道」「男が酒を飲む夜
は」に聴き入った。
産経新聞「主張」(社説)が
「麻生太郎副総理兼財務大臣が、憲法改正をめぐる発言で、ドイツのナチ
ス政権を引き合いに出した。お粗末な湿原であり、撤回したのは当然であ
る。(中略)
もう一つの麻生発言の誤りは、ナチス政権がワイマール憲法を改正し、新
たに憲法を制定したかのように理解していることだ。そのような史実もない
ことも指摘しておきたい。ナチスは1933年、暴力を背景にドイツ国会にお
いて全権委任法を成立させ、ワイマール憲法を死文化させて独裁につな
げたのである」
と批判。
8月4日(日) You Tubeでマーラー交響曲第3番を
バーンスタイン/ウィーン・フィル
アバド(*)/ベルリン・フィル
マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団(BRSO)
アバド/ルツェルン祝祭(※)
で視聴。いずれもライブ映像で、それぞれの、すばらしい演奏。
(*)C.アバドって、練習中ほとんど口をきかないって本当かしらん?本番
では口をきかないのは当然として(笑)。
(※)アバド/ルツェルンはなかなかにすばらしい演奏。暗譜での指揮かし
らん?
YouTubeは結構楽しめる。
楽天が1イニング7本(!)の二塁打新記録。打たれる方も打たれる方。
楽天は優勝できるか?楽天的?
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- 9/30 第1回早慶連合演奏会 時事余談
3番は(生まれて)初めて聴きましたが、よかったです!
アツモンは、2007/9/29(土)にN響でブラ1を聴きましたがうまいですね。いかにもイスラエル人の名前ですね~(笑)。
ユーチューブは本当に面白いです。ワグネルも沢山入っています。OB合唱はまだありませんね。
木下恵介監督「二十四の瞳」は観たことがないし、本も読んだことがないのですが、戦前の昭和が舞台だったんですね~。壺井栄のご主人は繁治氏でしたか。
わずか15分足らずの出番のソリストがどこで登場するかが問題
バーンスタイン/ウィーンフィルのライヴでは3楽章の終わったところで
指揮者が一旦上手に引っこんでソリスト(クリスタ・ルートヴィヒ)と共に再登場しますが
これが順当と思われます
アルミンクが敢えてこの方法を採らなかったのは
どこで登場するかではなく、楽章間のどこを切りたくなかったか、ということでしょう
自分の知る限り最も印象的だったのは若杉弘指揮東響の演奏
3楽章の2度目のポストホルンソロの後、オーケストラが急激に盛り上がるところで
独唱者(奥様の長野羊奈子さん)がドレスの裾を翻して
鮮やかに登場されました
いかにも若杉先生らしい「演出」と言えましょうが
これもソリスト登場への拍手(により緊張感の中断すること)を嫌ったのではないかと思います
なお、私がこの曲を(録音により)初めて聞いたのは学生時代、故福永先生のお宅でした
福永先生は終楽章の大ラスでティンパニが連打するところを
「いかにもユダヤ人だよね」と面白そうにおっしゃってました
さて、見つけました。こちらの演奏会でしたか?
↓
http://i.t-bunka.jp/pamphlets/9209