川田順のことは既に書いた。実業人にして歌人であった。昭和11(1936)年住友本
社常務理事にあった54歳で退職、以後歌人として活躍、昭和17(1942)年第1回芸
術院賞受賞、昭和38(1963)81歳で日本芸術院会員。
川田順『住友回想記』もご参照→こちら
その川田順の、戦後の「恋愛事件」(*)を題材にした『虹の岬』を読んだ。
(*)川田順は、京大夫人との恋愛に苦しみ、昭和23(1948)年66歳にして自殺未遂
事件を起こし、「老ひらくの恋」とスキャンダラスに報道された。
著者辻井喬は、セゾングループの経営者だった堤清二である。辻井はこの「恋愛事
件」をテーマに小説化しているが、自身同様実業家であり文人(歌人)であった主人
公にひきつけられたのではあるまいか。難しいテーマを俗に堕さず、冷静な筆致で
説明調も駆使して描いている。
川田が何回となく語る「歌は、うまいへたじゃない、心なんです」という言葉にひきつ
けられた。
本書は、平成10(1998)年三國連太郎、原田美枝子主演で映画化されている。
ちなみに谷崎潤一郎賞は中央公論社の文学賞であるが、この文学賞は評価が高い
ようだ。
社常務理事にあった54歳で退職、以後歌人として活躍、昭和17(1942)年第1回芸
術院賞受賞、昭和38(1963)81歳で日本芸術院会員。
川田順『住友回想記』もご参照→こちら
その川田順の、戦後の「恋愛事件」(*)を題材にした『虹の岬』を読んだ。
(*)川田順は、京大夫人との恋愛に苦しみ、昭和23(1948)年66歳にして自殺未遂
事件を起こし、「老ひらくの恋」とスキャンダラスに報道された。
著者辻井喬は、セゾングループの経営者だった堤清二である。辻井はこの「恋愛事
件」をテーマに小説化しているが、自身同様実業家であり文人(歌人)であった主人
公にひきつけられたのではあるまいか。難しいテーマを俗に堕さず、冷静な筆致で
説明調も駆使して描いている。
川田が何回となく語る「歌は、うまいへたじゃない、心なんです」という言葉にひきつ
けられた。
本書は、平成10(1998)年三國連太郎、原田美枝子主演で映画化されている。
ちなみに谷崎潤一郎賞は中央公論社の文学賞であるが、この文学賞は評価が高い
ようだ。
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