ジウン監督インタビュー

［Hot Trash］『グッド・バッド・ウィアード』キム・ジウン監督が韓国映画の現状やCG時代にモノ申す！
2008年韓国映画興行収入1位、韓国史上最高額の制作費、韓国映画史上最多の銃器・空砲弾・・・
映画『反則王』『甘い人生』のキム・ジウン監督が『続・夕陽のガンマン』（The Good, the Bad
and the Ugly）をはじめ往年のマカロニ・ウエスタンにインスパイアされ「ムチャクチャ」痛快な
コリアン・ウエスタンを完成させた。韓国映画の記録を塗り変え日本に上陸した鬼才に話を聞く。
―見せ場となるアクションシーンは一切ＣＧを使っていませんよね。撮影段階で工夫したこと、
苦労されたことを教えて下さい。
監督：『マトリックス』『トランスフォーマー』『ターミネーター』『スパイダーマン』など現代
の最高のＣＧ技術を駆使した作品というのは、豪華で面白くて楽しませてくれるが、観客のハートを
揺さぶるとか、衝撃を与えるほどの力はない。やはり生身の人間が肉体と肉体でぶつかりあうことで
生まれる迫力や迫真の演技には到底追いつかないということだ。だから、今回は極力ＣＧは使わず、
なるべく俳優自身が演じるということを目標にした。
たとえば『ベン・ハー』や『ブリット』なんかはＣＧは使っていないが、おもしろさ、迫力でいけば
ＣＧを駆使したような作品では追いつかない。そういう作品を私も作りたいと思ったんだ。
だが現代の観客の目線に合わせたようなシーンも撮らなければいけない。例えば空撮をするときには、
実際にはカメラマンがワイヤーに吊られながらカメラをもち、俳優と一緒に飛びながら撮影をすると
いうバカげた撮影方法をすることで観客に合わせたシーンを作り上げたよ（笑）
―イ・ビョンホン、チョン・ウソン、ソン・ガンホ、3人の名優を起用するにあたり、演出面で特に
意識したことや気をつけた事は何ですか？
監督：今回の映画は、この３人の大スターにとって今まで一度も経験したことのないような体験に
なっただろう。長い間待っていなければいけなかったり１シーンも撮れずに帰ったり・・・
周囲の人達は「撮影ではすごく苦労すると思うよ」と言われたが、彼らとは本当の兄弟のように和気
あいあいと良い雰囲気の中で撮影を終えることができた。その秘密は撮影が終わった後のソン・ガンホ
が開いていたビールパーティのおかげだ（笑）。それがあったから３人の絆が深まったんじゃないかな。
―『甘い人生』でイ・ビョンホン、『反則王』でソン・ガンホを主人公に作品を撮りましたが、
そのときと比べて本作の二人の演技や存在感に違いはありましたか？
監督：一番の違いは存在感だ。今の二人の存在感や地位というのは当時より格段に増した。ソン・
ガンホは今や韓国を代表する俳優になったし、イ・ビョンホンは韓国や日本のみならずハリウッドに
まで進出する俳優になった。
演技は二人とも当時から上手かったけれど、さらに老練なものが見られる。品格もさらに備わったよう
に思える。演技が上手になると、品格も良くなるのかな（笑）
―最近の韓国での映画製作の現状をどう思いますか？
監督：90年代の半ばから00年代半ばごろまでの間に、韓国の映画は急成長したが現在は小康状態では
ないだろうか。今までずっと上がってきたのが、維持している状態だ。これまで、宇宙的な量で作ら
れてきた韓国映画のインフラが整理されてきている、次の跳躍の為の整理、そんな感じがする。

［asiancrossing］グッド・バッド・ウィアード

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