カタスミ

『ひとんち』澤村伊智著

短編集です。この方のぼぎわんシリーズが無茶好きなので
買ってみました。以下ネタバレあり。



















●ひとんち
学生時代から疎遠になっていた女性三人が久々に出会い
一人の女性の家に遊びに行くが
そこで飼っている犬がどうもおかしい…

犬ってのが人間のことらしいのだが
なんかちょっとよく分からないんだけど。
最初恵ちゃんの娘の怜ちゃんに何かあるのかと思ったのだが
全くそんな事も無く、年齢もよく分からないし
言葉は一切発しないし、なんでこんな思わせぶりな書き方したの…
そう思わせといて実は…って感じにしたかったのかな?
あんまりできてないけど。

●夢の行き先
老婆に襲われる夢を学校のクラスの席順に見ている事が判明。
そして別の順路で犬に襲われる夢を見ている生徒達もいて、
最後に老婆VS犬に当たる生徒はいじめっ子の宮尾であった…

クラスの端と端から順々に悪夢を見ていくって設定は面白い。
結局誰も死なないし、良かったのでは。
しかし宮尾がどういう夢を見たのかも知りたかったかなぁ…

●闇の花園
世界征服を企む闇の帝王みたいなのが
人間に乗り移って機会をうかがう話。

一番なんじゃこれって感じの話でした。
母親が闇の帝王と思わせつつ、娘の方でしたって
思わせたかったのだと思うのだけど、それだけの話で
闇の帝王はなんか厨二病みたいな単語羅列してるし
先生は全然役立たずだし
ただ厨二病の帝王が覚醒して人間界を乗っ取ったって話なので
あほみたいな話だなぁ…と思って読みました。

●ありふれた映像
町の何気ない映像の中に死体が映り込み
それのせいで町に流れる映像が見られなくなる主婦の話。

これも結局の所映像監督がやったって事なのかねぇ?
だったら霊的なものはなにもないし
悪趣味な輩がいるなぁ…で終わる話だなぁ…
もう一発展あっても良かったのかなぁと思う。

●宮本くんの手
地震が起こる前に手がガサガサに荒れまくる宮本くんのお話。

たまたまなのか、本当にそうなのか
地震が起こる前にえげつなく手が荒れる宮本くんは
結局自分の手を切断するのですが
まぁ、本人がそれで解放されるならそれも一つの選択かもね…

●シュマシラ
昔の食玩のUMAモチーフのロボットシリーズを集めている人が
そのロボットのモデルのUMAを調べていくうちに
シュマシラという謎のUMAの存在が気になり始める。
各方面に聞き込み正体を知る事が出来たが
その後、一緒に調べていた一人が行方不明になってしまい探しに行く。

どうでも良いけど、今回猿って書いて『ましら』って読むの始めて知ったわw
結局探しに行った人も二人のうち一人は行方不明になり(多分死んだ)
後味の悪い話となりました。ホラーだから仕方ないか…

●死神
友人が家の都合で長期実家に帰る事になり
その間いろいろな生き物を世話する事になった主人公。
しかし預かった動物や植物がどんどんと不可解な死に方をしていく。

そもそも、生き物を預かって死なせてしまったら大変なので
私だったら絶対に預からない。
結局主人公が良い人だったが為に
持ってたら死に追い込まれるよく分からない生き物を押しつけられ
死んでしまう事になる。
人に渡さないと手放せないし、手放しても死に追い込まれるのは
理不尽だなぁ…と思いつつ、ホラーだし仕方ないのか…

●じぶんち
修学旅行から帰ってきた主人公だが
家の様子がおかしい。
家族はいないし、いろいろな物が2つになってしまっている。
帰ってきた家族の中に自分がいて、どうやら自分も2つになってしまった模様。

宇宙人みたいなやつらに乗っ取られたって事?
転送が完了したら主人公の方は消えちゃうって事よね?
すっきりしないなぁ…


なんか思ったけど、ホラーって曖昧な怖さだけが演出され
結局なんでこうなったの?みたいなのがぼやかされてるせいか
不完全燃焼が多いんだよなぁ…
設定は面白いんだけど、最後が…って感じ。
後なんですぐ人死んでまうん…
だってホラーだから…
ホラーだからってある種良い逃げ文句になるなぁw
自分はホラーはあんまり合わないかもしれないなぁ…
やっぱ白黒はっきりして欲しいw
星は3つ。
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