上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

秋田内陸縦貫鉄道

2007年02月10日 01時37分47秒 | テツ

 朝起きると駅前の色が一変していた。暴風警報が暴風雪警報に替わったとかで、たしかに強い風が吹き荒れているようだが、青空が見えたかと思えば、急に雪が舞ったりとめまぐるしい。


 今日は秋田県の北半分をくるりと廻るルート。まずは10時過ぎの電車で鷹ノ巣まで。奥羽本線の各縁停車だが、停まる駅毎に天気が違った。



 鷹巣では駅の内外をもうちょっとじっくり眺めたいところだったが、15分ほどの好接続で秋田内陸縦貫鉄道の旅の始まり。


 この路線の起源は大正時代に計画された鷹ノ巣~角館を結ぶ鷹角線(ようかくせん)。まず鷹ノ巣から南に延びていって昭和38年に比立内まで開通、これが国鉄阿仁合線、角館からは昭和45年に松葉まで、こちらは国鉄角館線として、ともに昭和61年に廃止されてしまい、秋田内陸縦貫鉄道が経営を引き継いだ。この鉄道がエライのは、3年半後に二つの線路の間30km弱をつないで、当初計画を実現したところ。社名は昔の鉄道名にありがちな夢物語ではなく、具体の計画があったということだ。それが国鉄線としての廃止の見返りのひとつだったんだろう。しかしもともとが過疎地帯を走る赤字ローカル線だけに、数年前から廃止が取りざたされている様子。まだ決まったわけではないが、失礼ながらその日は突如やってきたりもしそうだし、当方の意欲のあるうちにと乗りに来た次第。だから今回は「葬式鉄」ではない。


 三セク鉄道によくある単行の気動車、車内はこんな様子。ほとんど乗客が見えないが、鷹巣を出てまもなくは15人くらいは乗ってたかな。


 内陸線でもはじめのうちは晴れたり曇ったり。


 が、次第に雪深くなっていく。


 内陸線の中心的な駅、阿仁合では15分ほど停車。車両基地があってカラフルな車両がずらり。ホームはパウダースノー。駅前を軽く眺めてきたりとかすればよかったのだが、あまりの雪にやや気後れした。暖冬でなければもっとすごいことになってるんだろう。


 比立内を過ぎ、平成になって開通した区間は一段と雪深い。しかし並行する国道を宅配便のトラックが雪道などものともせずに追い抜いていく。これはまずい。もっと雪が積もらないと鉄道の面目躍如とはならないのか。


 松葉駅を過ぎた時点では、ここがかつて角館線の終点だったとは知らず、どこまでだったっけなあなんてぼんやり考えながら、1時間半以上の長い道のりにそろそろ飽きてきたところ。


 終点角館では帰りの田沢湖線普通までの2時間弱、遅い昼食をとってから雪の中せかせかと武家屋敷まで往復してみた。角館は3度目だが駅から歩くのは初めて。雪景色も初めて。夏場と違ってさすがに人気がない。混雑は嫌だが次回こそは桜の頃に来てみたいものだ。
 帰り道、昨日新幹線がスイッチバックした大曲駅で普通列車を乗り継ぎ。新幹線のせいで駅の中はなかなかややこしい構造になっていた。30分あまりの待ち時間、日は暮れてすることもなく、改札からは出られず着いたホームの待合室でぼけっとしたり、壁にずらりと貼り出してあった小学二年生の手紙にほのぼのしたり。どうやら駅に社会見学に来たらしい。「きっぷのかいかたをおしえてくれてありがとうございました。こまちの長さやいろいろおしえてくれたおかげでえきいんさんのことがよくよくわかりました。」どれも思わず頬がゆるむ文面。


 秋田まで帰ってきたら、電車の後ろはこんなになっていた。いい顔だ。
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