●hp Veer(およびwebOS)について
Palmのクラウドに特化されたOS、それがwebOSです。残念ながら私はこれまでwebOS搭載機を入手できないでいました。
このたび、Palmを買い取ったhpがwebOS事業を投げ出してしまったこともあり、今後、新品のマシンを入手する機会が失われる可能性があると恐れた私は、ついにhp Veerの購入に踏み切りました。
入手してからまだ2週間ほどしか経過しておりませんので、誤って思い込んでしまっていることなど多々あるかと思うのですが、とりあえずのレビューということで...。
ではまずhp Veer(webOS)の良い点、悪い点
(良い点)
○2.6型液晶を搭載した小さいスマートフォンでキーボード内蔵というギミック
iPhoneは、情報を認識するために必要な液晶のサイズを考えて作られたデザインだと思います。これ以上小さい画面では、見る(読む)ことに意識を集中させなければならないからクリエイティブな作業に向かないなどとジョブズは考えたんでしょうね。
Appleに追随したAndroid陣営のスマートフォンがiPhoneの大きさと似たようなサイズになってしまうのも仕方ないことなんでしょう。
でも私は手が小さいんです!
また、携帯電話で文字入力するのが苦痛だった私は、QWERTYキーボードが付属したスマートフォンが欲しかったんです。
私の買ったのは、こんな白と黒のパンダみたいなマシンではなくて黒一色のヤツなんです。うー、これを見ていると白いiPhoneがなかなか発売されなかったのかが分かります。顔を美白するのは難しい技術なんですね。
○マルチタスクの使い勝手
iPhoneでもマルチタスクモードがありますが、裏側になるタスクについての情報がわかりにくいです。これはメモリ容量と要相談という面とやはり情報を認識させるためにはあまり多くの情報を見せない方が良いという配慮なんだと考えています。
でも私はクリエイターじゃなくてモバイラーなのでいろいろしたいんです。だからマルチタスクをイメージできるwebOSのようなUser Interfaceが好ましいのです。
★マルチタスク(アプリ)
アプリを複数立ち上げるとアプリが横に並ぶ画面が出ますので、使いたいアプリを選択します(裏側では選択されなかったアプリも終了となりません)。また、液晶の下の部位を押すと、このアプリが複数並んだ画面に戻りますので他のアプリを選択することも可能です。
★マルチタスク(データ)
ひとつのアプリの中にある複数のデータを立ち上げた場合、データは横に並ぶのではなく扇形になります(写真はWebというアプリで複数のサイトを立ち上げてみた場合です)。扇形がいい感じ。
と思っていたんですが、webでブラウザを複数開いたときだけしか再現できていないのでweb限定かもしれません。
Evernoteで試したらできました。やはり同じアプリの複数データを立ち上げた場合は扇型に並ぶようです(2011.10.06)。
○クラウドの意味をよく理解した人が作ったOS
以前から、iOSやAndroidって何か違うって思っていたんです。具体的に言えばアプリを作るためのプログラミング言語についてです。
iOS (Apple) → Objective-C
Android (Google) → java
クラウドというのはデータをサーバにおいて、端末からサーバにアクセスすることにより運用するということが想定されていますから、ざっくり言うと各アプリはインターネットブラウザが変形したものと考えられます。
つまりインターネットブラウザ上で標準的に動くプログラミング言語を用いてアプリを作成するのが「趣旨」にそったやりかただと思うのです。
よってアプリは、HTML5、CSS3、JavaScript によって作成されるべきです。
パソコンの世界では、AppleはSafari、GoogleはChromeというブラウザが標準ブラウザとなっています。このブラウザはHTML5と親和性があるように作られたものであり、つまり両社ともHTML5推進派なのです。
しかし、クラウドの世界(の中のアプリ作成という点)ではどうしてそうなっていないんでしょうか。
webOSはのアプリを作成するためにHTML5やJavaScriptを用います。そういうところが趣旨一貫していて気持ちいいのです。
(悪い点)
○日本語入力機能の貧弱さ
壊滅的にダメダメです。現在のところVeerで使えるIMEは
Mini’s IME (gooブログの事情でサイトのURLをリンクすることができませんでした。興味のある方は検索して下さい。バージョンは1.4.0です)。
の2点だけです。両方ともフリーウェアなので贅沢なことはいえない(こんなこと書いたら作ってくださった方に失礼です。大変有意義に使わせていただいております。ホントだよ)ですが、
原則、日本語入力はこのアプリで入力を行い、目的のアプリに貼り付ける(コピーアンドペースト)という形をとります。
正直満足に使えるというレベルではありません。だから日本のキャリアから発売されることを切望していたのですが、その可能性が無くなった今、そんなことを言っても仕方がありません。前を向いて行くしかないんです。
○アプリの少なさ
アプリを導入するにはVeer本体のApp Catalog というアプリ、またはWeb上から見つけたアプリをパソコンからインストールするという流れになります。
しかし、iPhone や Android に比較して問題にならないほど少ないです(10,000程度と思われます)。このような携帯端末はゲームの世界と同じで、キラーアプリの存在がハードのシェアを向上させます。
例えば、webOSのアプリでメジャーなものは、Evernote と YouTube ぐらいだけじゃないかなー?
○日本語での情報の少なさ
ここまで読んでいただければお分かりでしょうが、Veer に限らずwebOS搭載機というのは、日本で使うのにはまだまだ超えなければならないハードルが多いため、所有しているのは一部の好事家のみです。そのため、日本語での情報が他のスマートフォンと比べて少なすぎます。
それだけに素晴らしい情報にはドキドキさせられるんですけどね。
●各アプリについて
○Memos
残念ながらwebOSのアプリの中にBasicでプログラミングできるものは無いようです。仕方がないのでMemosという標準アプリに入力だけしています。忘れないように...。
配列のDIMを入力するとギュルルンという嫌な音がしてIM(Dが消えている)になってしまいます。これは何なのでしょうか?
○System
システム関係のアプリが集まった画面です(うっすらと下にアプリ画面が透けています。これがマルチタスクの証拠)。
○Extras
エキストラという画面なのですが、このページをわざわざ作る必要があるのか不明です。
YouTubeとかPDF View、Quickofficeなんかは通常のアプリケーション画面に分類すればいいのに。
Quickofficeは新規ページをつくることができませんでした(できるかもしれませんが)ので、パソコンから持ってきたデータの閲覧用ということでしょうか。
○Applications
いろいろなアプリが集まった画面です。
○Videoplayer
MP4形式の動画を観ることができます。旧Palmでは見たい動画はAVI形式のファイルに変換していましたが今後はMP4で変換することにしましょう。
○jpReader
テキスト形式のファイルだけでなく、旧PalmのPDBファイルを読み込むことができるというのがうれしいです。過去の資産を有効利用できます。ただ、あまり大きなファイルの扱いは苦手なようです。
○Calender
シンプリーです。クラウド重視のOSだけあり、Googleカレンダーを読み込むことも簡単です。
○Calculator
なぜか11桁の電卓です。関数電卓機能は無いようです。
○Clock
わーい!寝坊助な私に目覚ましがもうひとつ増えました!
○Web
インターネットブラウザです。いちおう当ブログを立ち上げてみました。フラッシュが見えない...。iPhoneなら当たり前のテキストの折り返しの最適化?が行われないです。
○デスクトップ画面
Appleを意識してんなー...。MacOSXでいうドックに入れるアプリを変えることも可能です。
OS自体の使い方はこの動画を参照下さい。
○YouTube
日本語もちゃんと通ります。
やっぱりS学生は最高だぜ!
○Pre2ch
2ちゃんねるビューワです。iPhone や Android のアプリと比べて使い勝手はだいぶ劣りますが。
○フォト
関西の鉄道路線図です。
○Music
Veerって小さいのはいいんですが、イヤホンを刺す部位が本体に無いのです!
そのためマグネットのバッテリー端子にイヤホンジャックをくっつけてなければなりません。
とりあえず結論。マシンは性能じゃねぇ!気に入るか気に入らないかだ!