メキシコの隅っこ

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グアダルーペ寺院

2006-04-27 06:51:05 | 観光
こないだの三文化広場の続きで立ち寄った、
グアダルーペのマリアの寺院、Basílica de Guadalupe です。

ここの聖母出現は、カトリック三大奇蹟のひとつらしいです。
他のふたつは何か?
うーん、興味ある人は調べてみてください。
(調べました。ルルドとファティマだそうで。なるほど~)

ともかくもここでは、
アステカ王国が滅亡して10年後の1531年、
インディオのフアン・ディエゴがテペヤックの丘を歩いていると、
聖母が出現して、ここに寺院を建てさせるようにと告げたと言われています。
フアンは教会へ行ってそのお告げを伝えましたが、司教が信じなかったので、
もう一度聖母のところへ戻りますと、
彼のマントにあふれるばかりのバラの花が与えられたとか。
時は12月、ありえない花に、司教も奇蹟を信じる羽目になったそうで。
そのときのマントに、グアダルーペのマリアの姿が浮き出して、
今でもそのマントは寺院のご聖体として崇められてます。

ああ、大事なことを書き忘れてましたが。
出現したマリアは褐色の肌で、そのことによって
白人に虐げられていたインディオたちにも親しまれる聖母となりました。



そのときに建てられたのが、丘のてっぺんにある小さな教会。
以前、ダンナとふたりで来たときにはちゃんとそこまで登りました。
途中に巨大な真っ黒のマリア像と、その前にひざまずくアステカ族の戦士たちの像があって、
それがすごく印象的だったので、もう一度見に行きたいと思ったんですが、
ツアーだとそこまで行ってくれません。ケチッ。
バシリカの中はもう見なくていいからそっちに走って行ってくる、と言ったんですが、
団体行動を乱すな、って、メヒコ人に言われたくないなあ(笑。
しかしもっともな言い分ではあり、自分がやっちゃうと今後文句が言えなくなると思って諦めました。

写真では、手前のふたつの教会のちょうどあいだから見えている、
緑に囲まれて、四角っぽい教会です。
わかるでしょうか。
これが、16世紀に建てられた分。



それから、この写真左手にある黄色い屋根の教会が17世紀に建てられましたが、
地盤沈下で傾いてきて危険なので、その隣の赤い屋根の教会が建てられたのが18世紀、
さらにそれも傾いてきたので、19世紀に建ったのが



この右手奥にある白い屋根の教会で、
しかしこれは傾いたためなのか、それとも小さすぎるということか、
20世紀になって、というより1976年になって作られた実に現代的寺院が、こちら。



いやいきなりモダン過ぎやしませんかね?

しかしメキシコ人の信仰は薄れることなく、
いつ行っても、遥か遠くから巡礼にやってきたらしい人たちが、捧げものを手に、
両膝で地面をすり歩きながら寺院へと入っていく姿が見られます。

また、19世紀の教会だったと思いますが、
そこで私は初めて、金で作った足や手やの身体部分のメダルを見ました。
これはメキシコの教会のどこでも見られますが、
体の悪い部分を治してくださいとお参りして捧げるものだそうです。
たいてい、赤いビロードなどを張った板が立てられ、そこにピンでひとつひとつ留めてあります。

さて、最新の寺院に入っていくと、



なかなかオシャレです。
12月12日のグアダルーペのマリアの祝日にはここで盛大なミサが開かれ、
入りきらない人たちが前の広場にあふれます。
その様子はテレビでも実況中継されます。

この祭壇の裏っ側の通路に入っていくと、
え~、ベルトコンベアがありまして、観光客もとい礼拝者を運んで行きます。
右から左へ、そして左から右へ。
ありがたい聖母様の前を二度横切って拝むことができるわけですが、
立ち止まることは叶いません



これが、奇蹟に出会ったフアン・ディエゴのマントだそうです。



去年辺りでしたか、
アメリカのどこやらで地下トンネルの壁にこのグアダルーペのマリア像が出現したと
ニュースになってましたね。
確かにそれっぽく見えてましたけど、
結局湿気によって生えたカビだということで塗りつぶされてしまったとか。

まあ……信仰心を持って見れば何でも聖母やキリストに見えるんでしょう。
トーストの焦げとか、植木鉢の汚れとか、
よくありますよね、そんな話。



実は、本当に面白いのはこのグアダルーペ寺院そのものより、
そこへ行くまでの道に並ぶお店だと思ってます。

それを見たのはもう10年くらい前で、写真がないのが残念ですが、
つまりいろいろな宗教的ガラクタ、失礼、宗教的商品を並べています。
聖書はもちろん、ロザリオとか十字架とかイエス像とか。
すごいのは等身大、もしくはそれ以上の豪華イエス像・マリア像でして、
後光が電気でピカピカ光るのとかは序の口。
両の目玉自体が電球でできていたり、
ペンキで描きいれた睫毛の驚くばかりの長さに笑ってしまったり……。

一度はこっそり撮影したいと思ってるんですが、
いつのことになるやら……。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
行って見たいのですが・・・ (NANAO)
2006-04-28 00:25:37
グアダルーペ寺院、とっても行って見たいと常日頃から思っているのですが、主人が(めずらしく)あそこら辺は治安が悪いから・・・とあまり気が進まない様子なのです。普段私が「そこって危なくないの?」とか心配しても「注意していれば大丈夫だよ」と楽天家(数年前、バスジャックにあって身包みはがされた経験まであるのに)の主人が「治安が悪い」と言うと、よっぽどなのかな・・・と思ってしまいます。



亀さんは旦那様がメヒコの方だし、こちらに住まれて長いし、私たちと違って言葉も堪能なわけですが、やっぱりグアダルーペ寺院のある地区は危ないですか?まあ、危なかったら観光では行かないですよね。気をつければ大丈夫かな?
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そうなんですか? (せにしえんた)
2006-04-28 02:40:20
あの辺って危ないのかな。

私の知り合いのメキシコ人で、シティは危なくて絶対に行かないけど、グァダルーペ寺院(通称ビジャ)だけは、一年に一回、必ず行くという人もいます。

信仰心のなせる行いでしょうか。

君子危うきに近寄らずという言葉もあります。

NANAOさんのご主人、バスジャックでみぐるみ剥がれたことがあるんですよね・・・

たいへんでしたね。
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うーん? ()
2006-04-28 06:58:07
確かに、貧しい人たちも大勢集まるし、

地区自体あまり治安がいいとは言えないかもしれませんが……。



危ないところと言っても、行けば100%危ない目に遭う、というわけではないんですよね。

だから、危ないと言い切ってしまっていいのかどうか、

だからと言って大丈夫と言い切るのもむにゃむにゃむにゃ……

ということになっちゃいますか。



初めて、個人で行ったときはメトロの駅から歩いたんですが、

確かにちょっとヤバい雰囲気はありました。

その分、すごいショーウィンドウのマリア像とか眺められたわけですが(笑。

テオティワカン行きのツアーで立ち寄るときは、

バシリカの駐車場にバスを停めて、少し歩くだけなので、

そんなに感じませんでしたね。

NANAOさんたちも、できるだけ近いところに車を停められるようなら、

そんなに怖がらなくても大丈夫じゃないかと思いますが……。

ただあの周辺はかなり入り組んでいるので、様子を知らないと迷っちゃうかも。



そう、このグアダルーペ寺院の辺りはLa Villa(自治市)と呼ばれて、

特別地区なんですよね。

中に入ってしまえば安全、神の目の真ん前で悪いことする人もいない、

んでしょうか……???



しかしホント、NANAOさんのご主人、バスジャックですか~。

まあ身包み剥がれたくらいで、怪我もなかったならよかった、

と言っていいんでしょうかね??
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黒いマリア像 (africa)
2006-04-28 20:44:22
黒いマリア像って、スペインにもあるんですよー。

うちの住んでるグラナダに、ヒターノ(ジプシー)達に我らが神様として崇められてます。

そんなもんでしょうかねえ??

日本の仏像って白木で作ったのが一番本当の肌に近いかな?でも金箔のが崇められてるしなぁ。

って、根本的に信仰心ない単一民族国家で育った私には理解できない感情なんでしょうねぇ。



しかし、豪華目玉電球のイエス像マリア像って、恐すぎるっ(汗)
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そうそう ()
2006-04-28 22:11:13
元はスペインとかのほうが古いんですよね。黒いマリア。

でも日本にもあるそうですよ、黒い肌のマリア像。

秋田県だったかなあ?

血や涙を流すという現象が昭和40年代50年代まで起こっていたとかで有名みたい。

黒い女神というのはエジプトなど、古くから世界各地にあるそうで、

黒という色には人間、特殊なパワーを感じるようですね。



africaさんたちは、バシリカ行かなかったんでしたっけ?



>豪華目玉電球のイエス像マリア像って、恐すぎるっ



夜中に遭遇したくないですね(笑。
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