欠ノ上田んぼ

欠ノ上田んぼ様子をお知らせします。

稲作法

2017年11月08日 | 日記

欠ノ上田んぼ 全景 南側に久野川があり、小高い丘が続く。日照は少ない。手前のように水が所々で湧いてしまう田んぼである。

欠ノ上田んぼの稲作法を書きとめて置く。自然農法でも、有機農法でも稲作は畝取りができる。小田原市久野での3反の谷戸田での20年近い実践結果である。過去5年間の平均収量がほぼ1反600キロである。全国平均は過去五年が540キロである。小田原市は500キロに達していない。

稲作9か条

1、「苗作り」

苗は苗代直蒔きで作る。5葉期の苗で田植えをする。種籾は冷たい川での1か月の浸種を行う。滞りなく、順調に育てることが後々の成果につながる。播種後は、ぼかし土と燻炭を上から蒔いておく。

2、「水管理」

良い水を十分にいれる。良い水とは春は冷たくなく、夏は暑すぎない水。生きた水の流し水が良い。水のタテ浸透も大切である。ざる田は管理によっては良い田になる。水管理は矛盾した判断になる。深水も良ければ浅水も良い。湛水管理も良いし、干しを入れるのも良い。稲の生育を見ながらの細やかな管理が必要になる。

3、「草取り」

草は出来る限り取り除くことが良い。一本あるだけでも収量は確実に減る。トロトロ層。浅い代掻き。深水。流し水。緑肥漉き込み。抑草は総合対策である。

4、「発酵土壌づくり」

田んぼの土壌は、水底の土壌での微生物の活動で出来る。良い水中発酵型土壌になれば、腐敗が起こらず、微生物が稲に栄養を与えてくれて、多収が望める。腐植の増加が重要である。

5、「緑肥栽培」

冬は必ず緑で覆う。晒された土壌は疲弊する。緑肥は肥料ではなく腐植の増加と考える。レンゲやクローバーも良いが、菜の花、麦も土壌分析を行いながら、判断する。

6、「適合品種の自家採種」

自分の田んぼに適合する品種がある。それを自家採取を繰り返しながら、自分の作りやすいものにしてゆく。

7、「疎植、一本植、開帳型」

 尺角、1本植は土壌が出来れば、可能になる。

8、「コロガシは土づくり」

草抑えで使う田車で、縦横2回の合計4回の田んぼ土壌の耕転を行う。これで分げつを取る。土壌に酸素を供給することが初期生育には特に重要。コロガシは抑草だけでなく、土の活性化でもある。

9、「天候を読む」

天候を読んで、先を見る稲作を行う。近年の荒い天候をこなさなければ良い稲作は出来ない。

 

実際の耕作の流れ。年々変化している。

1、立春 海水に田んぼの泥を加え海水選をする。その後13度以下の冷たい川に種籾を種まきまでつけて置く。

2、4月中旬 田んぼ全体にそば糠、そばかす、(米ぬかでも良い)を撒く。1反200キロ程度。緑肥の出来具合で土壌の様子で撒く量を変える。

3、4月中旬 荒起こし、代掻きを行い苗代を作る。場合によってはこの時に田んぼ全体を一度目の代掻きを行い、2度代かきにする。苗床のベット部分だけは丁寧に深く代かきをして置く。苗床はトンボを使い出来る限り均平をとる。

4、4月下旬(田植え5週前)苗床に直播で種を蒔く。自然農法では苗の状態が一番重要になる。昔の苗代が最善である。苗床は穴あきビニールでトンネルで覆う。。苗は5週間育苗する。4.5葉期を目標とする。苗は20グラム撒き以下のばらまきとする。バラ蒔きした後、ぼかした土と燻炭を覆土として上から撒いて置く。良い苗とは滞りなく生育した苗。

5、6月初め 田植えを行う。田植え直前に代掻きを行う。代掻きをしたらすぐに田植えをする。田植え直後にそばかすをミジンコの餌のつもりで撒く。4.5葉期の大苗を、1本植にする。分げつがすぐ来る。30㎝角植えにする。補植を丁寧に行う。

6、田植え1週間後からコロガシを縦横2回づつ行う。コロガシは多いいほど良い。コナギが発芽出来ないようにひたすらころがす。草が出ないでも分げつの為にコロガス。ヒエは8センチ以上の深水にすれば出ない。一度出ない田んぼになれば、その後は浅水でも出ない。

7、水管理は初期は深水管理で進める。流し水管理で行う。徐々に間断灌水に変える。花が咲くようになったら、水は切らさないで土壌を固めるという、矛盾した水管理をしながら、稲の顔色を見て進める。干田は倒さないための必要悪。倒れないなら行わない。乾かない場所は決まっているからそこが乾くような干田をする。また乾きすぎる場所は病気が出やすので、乾きすぎる場所も作らない。

8、稲の姿は開帳型で、太茎、硬い弾力の強い株。大きな止葉。サトジマンで100センチ以下。分げつは25本を目指す。穂は100粒以上平均120粒。

9、出穂3週前にそば糠(米ぬか)の追肥を行う。昨年から取り入れた。

10、穂揃い後1か月たったら水を落とす。水尻を開け、畔を切る。排水を徹底する。水を落とし10日後に稲刈り。

11、秋起こしを行う。緑肥作物の播種を行う。藁を散布する。ソバカスの散布も行う。

12、そばかすは緑肥に肥料を与えるつもりで、緑肥の様子によっては冬の間もう一度そばかすを撒く。肥料は田んぼの耕作をしながら作る。田んぼを堆肥場と考えた方が良い。

13、水底での発酵型土壌を作ることを目標とする。土壌が出来れば、肥料も削減出来て病気が出にくくなる。健全な稲作になる。


はざがけについて

2017年10月13日 | 日記

10月2日のはざがけのされた田んぼ

はざがけは竹を組んで行っている。今年もぬかるんだ田んぼで竹の足を立てるのはかなり大変だった。と言っても私はバインダー中心でほとんどやってはいない。竹は腐るので毎年新しく足して行かなければならない。それでも今年も足りないで、急きょ岡本さんの足を借りて、何とかしのいだ。岡本さんには運んできてもらうところまで頼んでしまい、申し訳なかった。倒伏寸前の状態なので、手間のかかる稲刈りだった。それでもなんと30人もの人が参加してくれての稲刈りだから、2日で終わった。はざがけをする理由もいろいろあるが、一番ははざがけの美しさにある。田んぼをやるという事は風景を作るという作業でもある。以前、景観を大切にしろ、という事を神奈川県の方から言われた。その方は田んぼの冬にレンゲや菜の花を植えることを景観と考えていた。そもそも田んぼそのものが日本の景観を作り出している。はざがけの田んぼの美しさこそ、大切にしなければならない景観だと思っている。

はざがけは1年に一度、10日ほどの眺めである。この美しさを味わえるのはここに暮らす人たちだけだと思う。そしてこの、達成感、安堵感、漂う美しさは田んぼを耕作するものだけが知ることだろう。1年の田んぼが終わりを告げようとしているという事だ。よくやったという事と、まだ油断できないというすこしの不安。もうすぐ新米が取れるという希望が具体化された姿だ。田んぼはまだ日本全国にあるが、このはざがけの姿は風前の灯火である。最も農家的には割に合わない作業なのだ。コンバインで刈れば、この作業は無くて済ますことができる。刈って機械乾燥すれば終わる。それでもはざがけをすることには理由がある。お米が美味しいくなる。天日乾燥の干物と、機械乾燥の干物では味が違う。お米は天日で乾燥されている間に、うまみを凝縮している。それは一種の発酵作用なのだろう。太陽と風と時間が作り出す風味である。

 

一番手前の田んぼは冬水田んぼ。こうして一年中水が湧いてきて、止まらない。白く見えるところで水を抜いて、何とか排水をして稲刈りをした。はざがけの棹は立てられないので、上の田んぼのタテのはざがけが下の田んぼの分だ。これから、白い点に見えるところが排水溝なのだが、ここを閉じればすぐに水が溜まる。はざがけには各地域のやり方があるようだ。地域地域でその土地に合ったやり方が生まれた。それがその地域の景観になったのだろう。南足柄の内山では、地面に直接並べるはざがけ法だったそうだ。これは竹が要らないので楽だが、乾くまで何回も動かさなければならない。この地域のこの景観を守りたいと思う。このはざがけは小田原のはざがけである。小田原では棹は竹なのだ。地域によっては杉丸太を使うところも多いい。足も杉丸太を使う。孟宗竹の細いやつが一番良いとされている。しかしそんなものはまずないので、真竹を使っている。この美しさが地域の愛着の一つになってほしい。

はざがけが終わってからは雨と風が心配だ。特に台風が来ればこれがすべて倒される。雨の重さで竹が折れることもある。あと1週間の祈りである。

 


稲の種取りについて

2017年10月12日 | 日記

種取りの予定の田んぼ、左半分が一本植。1本植の方がくっきりと緑が残っている。4本植えは実りが早い。たぶん1本植の根にまだ活力があるのではないか。何故こういう違いが起こるかが稲作の面白いところだ。これを見ても1本植の方が良い稲作になるのかと思える。左側から100株を種として残すつもりだ。種取りは当然だが、1本植でないとできない。

稲作では種取りを毎年してきた。今年もするつもりだ。しかし種取りと言っても今までのやり方はいい加減なのものだったとことを痛感している。昨年は種籾の更新をした。サトジマンなのに背丈が110センチ以上になるので、不安が生じた。倒伏した一つの原因ではないか思われた。出穂の時期や分げつ数にも乱れがあるのを感じた。サトジマンは良い品種である。この品種を長く作り続けたいと考えている。有機農業で作りやすく、畝取りができる。その上おいしくなる特性がある。味は好みだから、私の好みの味の品種と考えた方が良いのかもしれないが。ある程度のさっぱり感が好きなのだ。昨年種取りは種取り用の田んぼで、心してやらなければだめという事が分かった。サトジマンは90㎝の品種と言われているが、それは間違いだと今は考えている。慣行農法でのサトジマンは90㎝という事だ。

稲は遺伝的変化が起こりやすい作物のようだ。背の高くなる株。分げつしない株。小さい穂の株。粒張りのそろわない株。出穂が早まる株など様々である。種取りは普通の株で行いたいと思う。分げつしない株の種を種取りしてしまえば、分げつしない株が一気に増えることになる。8キロの種もみを使う。おおよそ100株の稲から採ることになる。100株のうち1株に分げつしない株があれば、1%の稲は分げつをしない株になりかねない。これは大打撃だ。現在分げつが10以下の株は0.1%ぐらいか。分げつの事だけではない。1穂が100粒を超えないような株も困る。普通120粒ぐらいになっている。これは幼穂形成期に根の活力が最高の状態になっている事も作用している。幼穂には120粒は超えるお米になる資質がある。ところが幼保が形成するころに十分に根の活力がないと、あるいは肥料がないと、80粒ぐらいまでで後は退化してしまう。この退化してしまう傾向や分げつしない事が肥料の問題だけなら良いのだが、稲の遺伝的な性格であって、それが種籾に含まれることも困る。

1本苗でも25分げつし、120粒の大きな穂を20以上つけてくれる株を選抜する。それでいて、味もそこそこであれば願ったりかなったりだ。病気に強いという事も重要だから、病気が出たような株は用心深く種籾から外さなければならない。粒張りが良いという事も必要である。100粒重量がどの位になるかも測定の必要がある。今年は、種取り用の田んぼで種を取る。1本植である。確かに分げつの少ない株もある。これが一つでも混ざれば大変なことになる。手刈り、手で脱穀して、種もみ分だけ別扱いしてみたい。

来年は田んぼ全体を1本植を中心にしてみたい。かなり地力が出てきたようで、1本植でも25分げつが取れるようになってきた。1本植の方がいくらか背丈が低くなる。出穂も数日遅くなる。色が浅くなるのも遅い。3~5日間ぐらい差があるように見える。1本植の方の方が下葉枯れも少なく見える。出穂のばらつきにも、植え付け本数の影響が出るようだ。その意味では水口には多く植えるというのは一理ある。1本植の方が種取りがしやすい。2本植えてあれば、どちらかの株に遺伝的な偏りがあるが、見た目で分からなくなっている場合がある。当然種取りするなら1本植でなければならない。何年も種取りを継続していたので、品種特性が揺らいだのはここにも原因があったのだと思う。他の品種からも距離がある場所が良い。苗床だった場所もダメだ。よその田んぼの苗も作っているので、他の品種が混ざる可能性がある。

今年は意識して10番田んぼでは半分は1本植にしている。そこから良い株を100株選ぼう。それで何キロのお米になるかを計れば、一粒の種から、何グラムのお米になるのかが正確に確認できる。これを毎年確認すれば、その年のお米の出来が良く見えることになる。ではどういう100株を選ぶべきかと言えば、25分げつ以上の株。背丈の普通の株。止葉の大きく葉巾があり、葉の厚みのある株。穂の120粒の株。無効分げつのない株。病気のない株。出来れば出穂の遅い株。欲張れば切りがないが、種籾はそれだけ力を入れて、選抜した方が当然良い稲作が継続しやすくなる。しかし、気お付けなくてはならないのは、良いもの良いものと選抜するのも危ういことになる。特殊な素晴らしさより、普通に可能性を安定して発揮している株を選びたい。

 

 


2017.7.20の記録

2017年08月01日 | 日記

田んぼは例年7月20日に定時定点観測を続けている。田植えから50日たった。穂揃いまであと30日。以前の写真はここにある。同じ場所で写真を撮り、過去の写真と比較して、その年の生育の判断をする。穂ばらみ期である。その年の分げつが定まるころでもある。最後の仕上げに入る。今年の7月20日は干しをしていて水のない状態だった。順調な生育と見ていいだろう。初期生育はとても良かった。しかしその後の生育は意外に収まりつつある。穂肥を少しは入れた方が良いのかもしれない。稲の背丈は90センチに達したものもすでに出てきている。13枚目の葉の時期である。あと2枚葉は出る。止葉が出たらまた、1メートルを超えるのは確実になった。背が高くなるのは、栽培の結果だったことがはっきりとした。迷いは尽きない。水がない為に、例年の写真と写りが違うようにも見える。風の強い日だった。

1番田んぼ全景 

一番田んぼ南東角。例年写真はこの位置に決めている。手前に小さな株が一つ見える。捕植したものなのだろう。何故か、生育しない株というものがある。

2番田んぼ全景 北東角からの写真だが、例年このあたりに水が枠が今年はないようだ。

2番田んぼ北東角 この付近は分げつが25本ぐらいになっている。

3番田んぼ全景 苗床を行った田んぼである。肥料が残り他と変わるかと考えていたが、生育は特に変わらない。水口の方は生育が遅れていたが、ここにきて分げつが取れてきた。

3番北東角 23本前後の分げつ。

4番田んぼ全景 右側の石垣の下から水が湧いていて、水を止めることができない。干しができない田んぼになった。干した田んぼとの比較はできる。

4番田んぼ 北東角 

5番田んぼ全景 小さな3各田んぼ 水は入りにくい。代掻きはしていない。緑肥もよく茂っていた。

5番田んぼ 北東角 20分げつ位の普通の成育

6番田んぼ 全景 手前からの沸きが強く。生育が例年一番遅れる場所。今になって分げつが始まっている。

6番田んぼ 北東角 この付近はかなり茂ってきた。

7番田んぼ全景 成育が比較的整っている。

7番田んぼ北東角

8番田んぼ 全景 今年は一部が早く黄色くなり始めた。緑肥が不足した当たりかもしれない。穂肥を入れるならここかもしれない。

8番田んぼ 北東角

9番田んぼ全景 ここも色ムラがある。ここは稲わらを出した田んぼ。

9番田んぼ北東角 例年一番旺盛な田んぼになるのだが、今年は他と比べてそれほどの差はないようだ。

10番田んぼ 1本植も、4本植も差は無くなった。例年より少し生育が早い感じはする。

10番田んぼ 北東角 風が強くて葉がなびいている。このあたりは1本植である。

11番田んぼ 全景 全体に他よりは遅れている。例年こうなる。湧水中心の田んぼなので、遅れる。それでも今年はここからまだよくなりそうな感じがする。

11番田んぼ北東角 生育は落ち着いているが揃っている。

12番田んぼ北東角 ここだけ喜寿糯 他より10センチほど背丈が低い。この田んぼは始めて耕作する場所。初めての田んぼはやはり把握するのが難しい。ここも追肥の候補の田んぼである。

これで同じ日の、同じ場所での記録が、4年目になる。一番良いように感じていたが、実際はそうは変わらない。良いところもそうでもないところもある。

 


流し水管理

2017年07月03日 | 日記

ここが全体の水口になる。生育も遅れている。これでも例年よりましかもしれない。この水口の3番田んぼは苗床にしている。苗床なのでどうしても、肥料が多めになる。水の冷たい田んぼは少し多めの肥料が必要になる。そこでちょうどつり合いが取れる。写真ではわかりにくいが、常時、稲が押し倒されているくらい水が入っている。田んぼは流し水管理である。常に水を入れている。その水の量毎秒2リットルくらい。これを24時間続けている。水は最初に2系統に分かれるので、毎秒1リットルづつと言う位か。それでも一番下の田んぼでの排水はない。水が行き着く、最後の田んぼが3か所あるのだが、何処でも排水をすることはない。たまに水尻の堰を超えていることはあるが、基本の水管理としては水尻の水を出さない管理である。流し水管理という水の入れ方がある訳ではない。この田んぼの構造状流し水で入れるしかなかった。それをしている内に、この田んぼでは流し水の管理の方が良いという事が分かった。理由は水は流れていると生きた水になるという事だと思っている。

これが2番目の田んぼへ水が落ちるところである。一番目の入水口の稲と較べると、成育の違いがよく分かる。この水が落ちているあたりが案外に成育が良い。水口田んぼで水が暖められて落ちるから状態が良くなる。この水がこの下11番まで行くのだから、ここも相当の水が流れ込んでいる。流れ込んでいてもここは水温が高いから、生育が遅れるという事はない。そして泡立ち水の中に酸素が供給される。水を活性化させる。これが下の田んぼにとって良い効果が出ている。下の田んぼでは水口周辺が生育の良い場合が多いいのだ。

これは3番の水尻である。板を超えている水の量でどれほどの水が流れているかが少し想像できる。

このようにどの田んぼもかなりの水が流れ続けている。以前、平地の鬼柳境でやった田んぼは幅5メートルの長さ50メートルとかいう田んぼだったがここなどは水路で田んぼをやっているような感じだった。これは抑草を期待して、流れ水管理にしていた。全体を緩やかな川状態にして、酒米の山田錦を作ったが、畝取りが出来た。田んぼの水は常に変わっていた方が良いという考えでやるのが、流し水管理である。朝夕だけ水を入れるとか、様々な水管理があるが、水が充分にあるなら流し水管理が優れていると考える。流れ水では雑草が発芽しにくい。特にコナギは生えにくいと考えている。実際に鬼柳境の田んぼでは前年まではすごい雑草田んぼだったのに、ほぼ草を抑え込むことに成功した。稲刈りも水の中という状態ではあった。

これは5番から6番に落ちるところだが、4番からこのぐらいの水が流れ込みそのまま流れ落ちている。田んぼの中をこれだけの水が常に動いているという事になる。ここでも700CC/秒ぐらいの水はある。

ここは10番の里地里山の田んぼ、ここは入る水はたぶん50CC/秒になっているぐらいに見える。水がここまでくる間に、それだけ減る。それがタテ浸透の水になる。その上の田んぼが9番だがここはどん図まりの田んぼで、ここにも50CC/秒の水が入るが流れ出ることはない。この最後の田んぼが一番できる田んぼだ。出来過ぎで倒れる傾向がある。一昨年秋に病気が出た。過密になり蒸れたのだと思う。ここでも水を流して落とせばいいのだが、それだけの水がないという事でもある。

12番の田んぼだけ糯米のマンゲツモチを作っている。成育がおとなしい感じがある。また、今年初めて作っている田んぼなので、土壌の状態が良くない。この長い塩ビ管は動くことになっていて、今は12番に落としているが、初期段階では、7番に落としていた。13番14番の代掻き田植えが終わってから、12番に水が落とせるようになった。

これは2番から12番田んぼへの水。水が落ちているあたりの方が生育が良いのが分かる。このあたりは地面から水が湧いている。その為土が冷えている。上からの温かい水が落ちてそのあたりが生育が良くなってきた。酸素が供給されることも良いのではないかと考えている。

これは1番から2番への落水口。

これは3番の上から見た稲。稲はこのように上から見ると様子がよく分かる。3番の方が2番の方が生育が進んでいる。