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◆花冠年間賞/2014年~2016年◆

2015-06-22 15:31:00 | 日記

●2014年
【第1席】
★牧に風立ちて殖えたる赤蜻蛉/佃 康水
牧場の赤蜻蛉を詠み、一味違った赤蜻蛉の句になっている。赤蜻蛉という日本の抒情を詠みながら、「牧」「風立つ」の言葉が牧歌的雰囲気を醸し、それらがよく調和している。(高橋正子)

【第2席】
★黒光りして児の掌にかぶと虫/河野啓一
子ども、特に男の子は、虫の中ではかぶと虫がとりわけ好きだ。黒光りする胴体、たくましい角、決して敏速には動かない堂々とした様子。そのかぶと虫を掌に乗せて、王者の気分だ。(高橋正子)

【第3席】
★幟はためき刈りたての田が匂う/藤田洋子
幟は秋祭りの幟で、そもそも秋祭りは収穫に感謝する祭りだ。稲が刈られたばかりの田が匂い、墨痕鮮やかな幟がはためき、祭りの気分も盛り上がる。在所の秋祭りの雰囲気がよく出ている。




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■2015年月間賞/高橋正子選評

2015-01-26 10:28:28 | 日記

四月賞
★風音の野を渡りゆく仏生会/ 柳原美知子
仏生会と思う一日、心静かに耳を澄ませば、野を風が吹き渡る音が聞こえる。野を渡る風音に万象の小さな声があるような気がする。(高橋正子)

三月賞
★青畳匂う座敷に雛飾る/佃康水
青畳は、藺草の匂いが芬々としてすがすがしい。そして畳替えをした新鮮さがある。その座敷に雛が飾られ雛飾りが力強く印象づけられる。(高橋正子)

二月賞
明日寒明け青空市に花並ぶ/祝恵子
明日は寒が明ける。暦の上のことであるが、「寒明け」には、厳しい寒さに耐えたことから解放される喜びがある。青空市には、とりどりの花が並び、春はそこに来ているではないか。(高橋正子)


一月賞
★正月の山葵を納め灯を消しぬ/安藤智久
正月用の山葵を納品し、今年の仕事がすっかり終わった安堵と充足に灯を消した。働くことへの真摯な姿。(高橋正子)
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■2014年月間賞/高橋正子選評

2014-10-17 16:22:36 | 日記

十二月賞
★手袋の手で鹿を描く幼子ら        川名ますみ
動物園で鹿の絵を描いているのだろう。手が冷たいので、手袋をはめたまま絵を描く光景はほほえましい。幼い絵にも愛らしさが加わったことであろう。

十一月賞
★銀杏黄葉地に降り子らに拾わるる      小西 宏
銀杏黄葉は、地面に降って、きれいなうちに子どもたちに拾われる。銀杏黄葉は散るだけでない。子どもたちを喜ばせている。「銀杏の葉」は、季語ではない。


●10月
○最優秀/3句

★風澄みて濠の蓮の実飛ぶを見る/小川和子
蓮の花が終わると、蜂の巣状に穴の開いた花托(かたく)となって、中の実が熟すと穴から飛び出て水に落ちる。この句の蓮は濠に咲いていた蓮。「蓮の実飛ぶ」を眼のあたりにした驚きでもあるが、「風澄みて」によって、いっそうクリアに「蓮の実飛ぶ」を見たことになった。

★幟はためき刈りたての田が匂う/藤田洋子
幟は秋祭りの幟で、そもそも秋祭りは収穫に感謝する祭りだ。稲が刈られたばかりの田が匂い、墨痕鮮やかな幟がはためき、祭りの気分も盛り上がる。在所の秋祭りの雰囲気がよく出ている。

★爽やかに大東京を一望す/多田有花
東京が一望できる超高層ビルやタワーに上ったのだろう。秋気が澄み、大東京が一望できることに、爽やかさを感じ取った。また、句意がはっきりしていることも、爽やかさの一つとしたい。

●9月
○最優秀/3句

★高原の空へ手を伸べ林檎もぐ/柳原美知子
「高原の空」が「太初の空」を連想させる。冷やかな高原の青空へ手を差し伸べてもぐ林檎がやはり原初の林檎のようだ。素直な表現ながら、句意のレベルは高い。(高橋正子)

★色鳥や心楽しむこと多し/小口泰與
大気が澄み、よい季節になった。いろんな小鳥の鳴き声や羽の色、仕草ひとつひとつがかわいらしく、楽しませてくれる。この気持ちのありように、心楽しいことが他にもいろいろある。(高橋正子)

★子らの乗る土管の汽車や秋の風/内山富佐子
秋の風が心地よく吹くようになると、子供たちはいろんなものを見つけて遊ぶようになる。土管を汽車に見立て、土管にまたがって遊んでいる。かわいらしい風景だ。(高橋正子)

●8月
○最優秀/3句

★牧に風立ちて殖えたる赤蜻蛉/佃 康水
牧場の赤蜻蛉を詠み、一味違った赤蜻蛉の句になっている。赤蜻蛉という日本の抒情を詠みながら、「牧」「風立つ」の言葉が牧歌的雰囲気を醸し、それらがよく調和している。(高橋正子)

★子らの絵の行灯並び地蔵盆/黒谷光子
地方によって地蔵盆の送り方はいろいろであろうが、光子さんの地方は、行灯に子どもが絵を絵を描き、それを幾灯も灯しているようだ。微笑ましい行灯の絵に囲まれた本当に子どものための地蔵盆だ。(高橋正子)

★蝉時雨その真ん中に座りけり/福田ひろし
情景は、「蝉時雨が四方八方から聞こえる」なのだが、「蝉時雨の真ん中に座る」と作者の行為を中心に捉えて、作者の存在感が強く打ち出された。(高橋正子)

●7月
○最優秀/4句

★水辺より生れて蜻蛉日に透ける/藤田洋子
水辺から生まれた蜻蛉の羽が日に透けている。透明な水から生まれたものが、日にも透明である。造化の不思議。(高橋正子)

★黒光りして児の掌にかぶと虫/河野啓一
子ども、特に男の子は、虫の中ではかぶと虫がとりわけ好きだ。黒光りする胴体、たくましい角、決して敏速には動かない堂々とした様子。そのかぶと虫を掌に乗せて、王者の気分だ。(高橋正子)

★畑よりスイカ抱く人現れる/祝恵子
スイカを抱いて畑から出てきた人がいることへの驚き。懐かしい光景だったかもしれない。熟れ具合を確かめ、大事に抱いて出てきた。団欒に冷やして食べらるのだろう。(高橋正子)

★茄子苗の花の咲きつつ売られけり/桑本栄太郎
茄子の苗が売られているが、はや、紫の花がついて、みずみずしく勢いがある。植えればすぐに根付き、よく実を結ぶそうだ。(高橋正子)

●1月
○最優秀/4句

★真っ先に日矢の射し込む注連飾り/佃 康水
朝日は先ず高いところから当たる。注連飾りが玄関などの高い位置にあって、真っ先に日矢が射し込んだのだ。元旦の明け初めが手堅く詠まれた。(高橋正子)

★波近き風の自在に冬鴎/小西 宏
鴎が波に低く飛ぶ。風は自在に波をあそばせ 鴎をあそばせている。こんな渚の風景は屈託がなく楽しい。(高橋正子)

★信貴生駒高く上がれる初日かな/河野啓一
大阪府と奈良県の県境の信貴生駒の山並。信貴生駒スカイラインや寺もある。その山に高く上がった初日に目出度さがある。(高橋正子)

★元日に空の碧さは極まれり/友田 修
テーマは「元日の空の碧さ」。そのテーマを「元日の空の碧さは」と「は」でもってきっぱりと限定したところに、この句の良さがある。元日だからこそ、「極まれり」に、強い実感が読み取れる。(高橋正子)
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◆花冠年間賞/2011年~2013年◆

2014-04-19 13:36:37 | 日記
●2013年
【第1席】
★柳青みて水に照り水に垂る/藤田洋子
「柳青みて」の上七に力強さがある。以下「水に照り水に垂る」の五・五と続く五音のリズムも力強い。柳はしなやかなものとして詠まれることが多いが、この句は柳を力強く詠んで成功した。(高橋正子)

【第2席】
★秋空は高き欅の触れる処/小西 宏
秋空は高い欅の聳えるところにある。秋空の青さに欅黄葉が触れているのは美しいがそれを見事に詩的表現に変えた。(高橋正子)

【第3席】
★稜線のくっきり帰燕の空となり/佃 康水
山の稜線がくっきりと見える空気の澄んだ季節。空の色は深まり燕は南の国へ帰ってゆく。さびしさとともに色の深まる空である。(高橋正子)

●2012年
※作業中!

●2011年
【第1席】
★セロファンを鳴らし秋の薔薇解く/藤田洋子
秋の薔薇のくっきりとした色をさらに引き立てる透明なセロファン。「セロファンを鳴らし」で、薔薇の色にセロファンの鳴る軽い音が加わり、立体感のある句となっている。薔薇を解く美しい仕草が見える。(高橋正子)

【第2席】
★見ゆるものみな新涼の影を持つ/多田有花
秋に入ると、目に映るものが新鮮に捉えられる。見えるものの影にも夏とは違った新しい涼しさが加わる。(高橋正子)

【第3席/2句】
★雪を掻く真白き光りを乱しつつ/黒谷光子
雪掻きの作業は労働だ。一面に積もった雪に身を置き、白く輝く光を乱して、もったいないように雪を掻く。清潔で、かがやく雪に接すれば、雪掻きもいとわない。(高橋正子)

★葺き終えて霧を一吹き花御堂/佃 康水
小さな花御堂の屋根は、いろいろな花で葺かれる。葺き終わった花に最後の仕上げとして霧を吹きかける。この一吹きの霧によって花がいきいきとし、花御堂も花にかがやくばかり。(高橋正子)
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◆花冠年間賞/2006年~2010年◆

2014-04-19 13:07:50 | 日記
●2010年
【第1席】
★薄立つ高さよ向こうの山よりも/多田有花
小高い丘などに登ると、薄が向こうの山よりも高く立っている。見晴らしのよさにも秋の深まりがある。(高橋正子)

【第2席】
★一しきり霰の音を硝子戸に/藤田洋子
急な冷え込みに、霰が一しきり降り、硝子戸を叩く。家居の静かさを驚かす天気の荒れに、冬の緊張がある。「一しきり」が詩情を生んだ。(高橋正子)

【第3席/2句】
★春鳥の飛び去り棒の揺れるのみ/祝恵子
たとえば、畑に突っ立っている棒に、鳥が飛んで来て止まり、辺りを見たり、鳴いたりして、飛び去る。飛び去るときのはずみで棒が揺れる。春になると特に小さな生き物がいきいきと動き始める。春らしい景色。(高橋正子)

★ひとつ落つ音につづきて木の実落つ/桑本栄太郎
木の実が落ちるひとつの音を聞きとめると、次にまたひとつ落ちる音がする。木の実が落ちる時間と空間が詠まれて、奥行きのある句。(高橋正子)

●2009年
【第1席】
★子が発ちし八十八夜の月明り/藤田洋子
「八十八夜の月明かり」の美しい抒情に、旅立つ子を送り出す母の一抹の寂しさが添えて詠まれた。(高橋正子)

【第2席】
★朝日浴びわが影冬田越えゆけり/小口泰與
写生句で、特に人を驚かすような句ではないが、作者の素直な感動があって、作者の姿がありありと見えてくる。冬朝日差し来る田園地帯のひろびろとした中で、「わが影」は印象的であり、作者の主体性が強く出た。俳句は、独創性といったことよりも「私」の主体性が重要だ。(高橋信之)

【第3席】
★山眠る余呉の百戸と湖を抱き/黒谷光子
琵琶湖北部の余呉。やがて来る雪の季節を前に余呉の山は、百戸の家と湖を抱いて静かに眠る。「湖を抱き」が大きく、山のあたたかさが感じられる。(高橋正子)

●2008年
【第1席】
★猪狩を外れし犬と出会いけり/多田有花
猪狩をしてきた犬と山道で出会った。「外れし」が犬をうまく言いえている。猪を追い、山中を駆け回った犬と、今は静かに山を下る犬との対比が読み取れるのである。(高橋正子)

【第2席】
★桜咲く島へと長き水脈を曳き/柳原美知子
島に桜が咲くこと自体に抒情がある。その島まで船が長い水脈を曳いて、穏やかなみどり深き海が想像できる。島へゆくのは生活の船であろう。一景の画だ。(高橋正子)

【第3席】
★秋冷やポケツトに拳しまいけり/宮本和美
「しまいけり」が面白いです。たしかに昨日、今日は、9月とは思えない、それほどの秋冷ですね。(高橋正子)

●2007年
【第1席】
★冬野行くうしろへ轍残しつつ/池田加代子
冬の野は、今雪であるのか、ぬかるんでいるのか、あるいは、道なき道の枯草に覆われているのか。いずれにせよ、自分の乗る車が、あきらかに轍を残して行く。実在感、また荒涼感をない交ぜに感じさせてくれる。(高橋正子)

【第2席】
★桐一葉どこからか来て日に軽し/竹内よよぎ
大きな桐の一葉。それがどこから来たのか、日に当たって、浮くように軽がるとしている。桐の一葉の乾いた質感、しずかな日当たりの様子が快く伝わってくる。(高橋正子)

【第3席】
★桜咲く朝日が初めにあたる木に/藤田荘二
朝日が先ず差すのが、花を咲かせた桜の木。清らかな朝日に桜はいっそうに輝いている。(高橋正子)

●2006年
【第1席】
★山清水幾たび両の手に溢る/池田多津子
山清水を、幾たびも幾たびも両手に溢らせる心地よさ。汲めどつきない清水の恵みに、心身がが澄んでゆくようである。(高橋正子)

【第2席】
★新しき色へすすきの開きけり/古田けいじ
ほどけたばかりのすすきの穂は、くれないとも言えるようなみずみずしい色である。それを、「新しき色へ」と詠んだ。この「へ」は、一句のなかで、重要な一語となっている。(高橋正子)

【第3席】
★雪吊りを晴れたる空に成し終えぬ/池田加代子
雪吊りは雪が来る前にし終えなければいけない。晴れた日を選んで仕事もはかどることであろうが、出来たばかりの新縄の雪吊りが青空に映えて美しい景色となっている。(高橋正子)
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