家事塾ブログ~家のコトは生きるコト~

家事塾代表・辰巳渚の、講座日誌や家事エッセイ、お知らせなどを掲載します。

筑波大付属小学校の家庭科の授業がNHKで放映されます

2010年01月20日 | 家庭科ムーブメント
家庭科ムーブメントの会を作っている話を、ご報告していますね。

その会の勝田先生(筑波大付属小の家庭科の先生)から、「明日21日夜9時のNHKニュースで、授業を取り上げていただくことになりました!」とのご連絡です。

「子ども達が、「昭和の家事」の映画を高齢者の皆さんとご一緒に見て、お手玉を作って交流するという授業です」とのこと。
勝田先生もちらっと映るそうなので、興味がある方は見てください。
家庭科の授業を増やすことの意義を伝えたそうですが、その部分ははたして放映されるのでしょうか……。

政治やJALなど、突発的なニュースが入りやすい時期なので、なにかあれば放映は延期になるかもしれないそうです。
放映されるのを楽しみにしましょう。

家庭科ムーブメントのメンバー

2009年12月02日 | 家庭科ムーブメント
家庭科ムーブメントのメンバーは、こんな人たちです。

T大付属小学校の家庭科教諭
家庭科教科書版元の編集者
テレビ局ディレクター
外資系企業社員
経営コンサルタント

もちろん、私も。
いずれ、ご本人たちに自己紹介を書いてもらおうとも思っています。

家庭科こそは、生活哲学を身につける場だと信じて、もっと家庭科を盛り上げようとしています。
賛同してくれる方は、ご連絡くださいね。

久しぶりの家庭科ムーブメントの会!

2009年10月27日 | 家庭科ムーブメント
今日は久しぶりに家庭科ムーブメントの会で集まりました。

銀座の、モンゴル鍋のお店。「天香回味」で、おいしい薬膳鍋を囲みながらの、楽しい4時間でした!

スープを楽しむ鍋ですというとおり、人参をはじめとして漢方薬につかわれるような材料がぐつぐつ煮える鍋を食事ながらだったからでしょうか、いつもにもまして会話の舌が滑らかだったような……。

写真の鍋がそうですが、真中が曲がっているのは、陰陽を表しているとか。

家庭科ムーブメントで、何をアウトプットしていくのか。
今日は、ほんとうはそれを考える会でしたが、鍋のおいしさにうれしくなって、話が半分で終わった気がします。
でも、それもまたよし。家庭科的ですよね!

家庭(科)と科学(的であること)

2009年07月12日 | 家庭科ムーブメント
このところ、いくつかのことがありました。それで、かねてからの疑問が、はっきりと腑に落ちたのです。

疑問とは、「家庭科はなぜつまらなかったのか」という私の経験。理科実験はあれほど楽しかったのに、家庭科の実習はつまらなかった。今日の私があるように、家事は好きなはずなのに。
それは、現在、家庭科があまり重視されていないことと通じるように思います。

次に、いくつかのできごと。

1.理科の実験教室「サイエンス倶楽部」の先生とお話していました。
 会員誌で辰巳のエッセイを、というお話です。
 「では、家事を科学的に書くという感じかしら」と言ったらば、先生は、「いや、その必要はありません。理科というと、みなさんすぐに科学的な説明を、と言うけれど、なにも化学式や化学物質名を出して説明することが、科学的であるわけではないですよ」
 とおっしゃるのです。

2.ある日、テレビの情報系報道番組を見ていたら、「梅雨時の衛生対策」をやっていました。
 台布巾には、こんなに雑菌が。室内干しの洗濯物のいやな臭いは、バクテリアが繁殖しているから。
 顕微鏡写真やバクテリアに反応する特殊な光を使っての説明で、「科学的」でした。
 でも、聞いている私は、だんだん疲れてきてしまったのです。かつて、「科学者」としての地位を得る前の錬金術師や魔術師が、素人にはわからない「科学的」な言葉をあやつって人の不安をかりたてた構造と、同じ気さえしてしまいます。

3.友人が私の家に遊びにきました。
 少し年上で、家事大好きな、すてきな友だちです。
 とても仲良しの友人なのですが、彼女が来ると、我が家の物の配置ややり方を変えていくのです。
 「ブイヨンは、ここよりも冷蔵庫にあったほうが便利よ」
 「布巾は、使ったら石鹸で洗って干しておかなきゃ」……
 ありがたいのですが、私としては、ちょっとメイワクでもあります。
 私は、ブイヨンを乾物といっしょに置いておくほうがわかりやすいし、布巾はキッチンに干しておくのはイヤで、洗濯したあとはお日様に干したいのです。
 正直なところ、彼女が帰ったあと、配置の変わっているものをみて、イライラすることもあるのです。

……

私が「腑に落ちた」のは、こんなことでした。

家庭科がつまらなかったのは、「こうでなければ」という強制だったから。
もうひとつは、その強制が、人の実感に基づいたものではなく、やや安易な「科学」の衣をまとっていたから。

サイエンス倶楽部の先生もおっしゃっていたことですが、科学的であるとは、仮説を立て、実験し、検証すること。つまり、「私はこうだと思う」と考え、やってみて、「たしかにそうだった」「違っていた」とわかる。
その姿勢というかステップを踏もうとすることが、科学なのだと思います。

だから、「私は、台布巾を日に干したほうが清潔だと思う」と考え、日に干す方法と、キッチンに干す方法と、乾燥機にいれる方法とをやってみて、その台布巾を使ってみたら「やっぱり、私にとっては日に干す方法の台布巾が気持ちいい」「でも、乾燥機に入れても、けっこうさっぱりしていい」などと納得する。
それも充分に科学的なのだと思います。

そして、家庭科が、そのように個々人の経験や疑問や思いから発し、実験と検証の場となっていれば、それはほんとうにわくわくする、そして腑に落ちる、すてきな科目なのになあ、と思うのです。
そして、そこで学んだことは、そのまま生活に反映されていくはず、と。

ちなみに、これは家庭科だけの話ではありません。
「つまらない」と感じている家事についても、同じではないでしょうか。

技術・家庭分野の「学力調査」の報告がありました

2009年05月20日 | 家庭科ムーブメント
国立教育政策研究所が、中学校の技術・家庭科についての学力調査(特定の課題に関する調査)を行い、報告が出ています。
興味がある方は、ぜひごらんになってください。なかなか大部ですが、細かく見ていくとおもしろい調査です。

調査の方法も、ペーパーテストのほかに、実技、コンピューター画面、ビデオ映像と、さまざまな方法を使っています。技術・家庭科の学力調査は41年ぶりだそうです!
そして、実技調査は初めての試みだとも。

家事塾では、とくにお手伝い塾やお片づけ塾など、お子さんになぜ家庭の仕事をさせてほしいのか説明するときに、「生きる力」や「見えない学力」の話をします。
このような調査がなされたこと自体、生活体験に基づく思考力が重要なのだ、という認識が定着していることの表れですね。

私も、もう少し読み込んだら、また改めて内容についての分析を書きますね。

家庭科をもりあげよう!運動

2009年04月16日 | 家庭科ムーブメント
このブログを読んでくださっているみなさんは、家庭科の授業についてどんな思い出があるでしょうか。調理実習が楽しかった、技術と家庭が分かれていたからつまらなかった、家庭科の先生がオバさんだった、運針とかめんどうくさかった……。
いい思い出も、よくない思い出もあるのが学校の授業ですが、まあいま思い返しても、家庭科の地位はそれほど高くなかったように思います。

そして、学校教育の内容が大きく変わろうとしている現在もまた、家庭科の地位は高いとはいえません。いや、低いと言ったほうが正確でしょうか。

けれども、それは家庭科を「裁縫と料理」の科目という先入観で見ていたり、「家庭のことは社会のことよりも地位が低い」「体のことは頭脳のことよりも地位が低い」という旧来の考え方に固定していたりするから。このブログでしきりに書いているように、家庭科、つまり家事・暮らしの秩序づくりの技術とそれを支える哲学は、この消費社会でほんとうに豊かに生きていくために、いちばん必要な教科だとさえ思います。

家事塾の活動を通して知り合った方たちに、「家庭科を盛り上げよう!」というムーブメントをはじめようと声をかけました。今日は、そのミーティングの1回目。
チェコ料理の店で、ビールとソーセージを前に、それぞれがたくさんおしゃべりして、たくさんアイディアを出して、楽しい時間でした。

そのうち、成果を世の中に送り出せるようになると思います。どうぞお楽しみに。