KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

マーミット 食人植物トリフィド

2012年08月27日 | 特撮・SF








こんなキャラがソフビになったら、というのがインディーズソフビメーカーの
役割の原点にあると思うのですが、これもその1体としてコアなモンスターファンたちの
渇望を満たしています。

マーミットさんが発売した、恐怖の食人植物トリフィド。



SF小説家、ジョン・ウィンダムが1951年から英国でも指折りの一般週刊誌
「コリアーズ」誌上に連載形式で発表した「Day of the Triffids」の
主役であり、人類が私欲から自ら生み、全世界に趨勢を広げてしまった
最大最悪の天敵です。
神々の黄昏、人類が戦慄する悪夢の「トリフィド時代」がおしよせる!

その名の語源は、「3本足」のThreeと「戦慄」を意味するTeriffiedに
由来する造語です。もっとも作中で、この植物に相応しい名がつく頃には
人類はその名の響きの通り、社会・経済が崩壊しすでに
滅亡に向かっている頃だったわけですが。。。









60年以上前と古い小説でありますが、今読んでも人類の文明がもたらす科学の誤用から
自らをおびやかす恐怖を全世界規模で描いており、あたかも警告の書のように
染み入る文脈が何箇所もある、機知とサスペンスに富んだSF小説の
マスターピースのひとつといえます。
すでに3度も映画化されており、映画人からの本小説へのリスペクトぶりも
うがかがえようというもの。

そこはトリフィドのデザインやキャラクター設定のミリキが大きいがゆえと
いえます。
マーミットさんからこのたび発売されたトリフィドは
トリフィドという文字世界の優れたキャラクターのユニークさを
うまくソフビTOYとしてカタチにしています。









全5パーツで2つの枝の部分に2パーツを振り分け、つぼみのような顔に可動させ
表情をつけられるように1パーツを振り分け、
残りの2パーツを胴体と、根っ子の株の部分とで分断し振り分けているのですが、
構成をよく考えてあると思います。実際にソフビを手にとって
キコキコとカンチャクを動かすとそれはよくわかります。

地面から値を上げて足のようにぎこちなく動き、人間を捕食しようと静かに移動する
不気味な植物という設定通り、ポーズごとに植物らしい枝ぶりの表情を
楽しむことができます。とくにこのソフビ化されたトリフィド君の右手には
獲物を捕らえる時に使う毒の棘がついているので、ここは可動必至ですね。

このトゲで「えーかげんにせーや!」パーン!と食虫植物の反射行動のように人類を
ひっぱたいて殺し、捕食するわけDeath。というか死んだ人間や動物の死体が腐るのを
待って腐敗した養分を吸う。。。と書くと、ただ肉を食べるよりも
気持ち悪いですね・




品種改良により人類の食や住、生物燃料などを満たす資材をもたらすべく
生み出されたトリフィド。
人類に幸をもたらすはずが、毒のトゲを持つことから、家庭では猛獣のような扱い
となり、トゲを抜いた状態に剪定されて、多くは家の子供たちの慰み者になっている
のですが、彼らは虎視眈々と自分を生み出した人類への逆襲の瞬間を
うかがってきました。

ある夜、大量の流星群を目撃した人類はすべて盲人となり、
あたかも目を持たない植物のようになって暗黒の世界でのた打ち回る人間たちの
苦境を見計らったかのように世界各地のトリフィドは地面に張られた根を
引き抜いて一斉蜂起。
じわじわと人間たちを襲撃し、捕食していきます。
人類と植物が入れ替わるときがやってきたのです。

トリフィドが決してスピーディーな襲撃ができないところがまたブキミで、
作中では気がつくと背後に何株か迫っているといったシーンが多い感じです。
一説によるとゾンビ映画の始祖・ジョージ・A・ロメロ監督も、
一体一体は強くないが、のろのろじわじわと数の趨勢を広げて世界を支配していく
生きている死体=リビングデッドの不気味なイメージをこの小説のトリフィドの生態に
一部、材をとっているともいわれています。




部屋の資料整理をしていたら割とさくさく出てきたので、
トリフィドに関する資料まとめ。やはり時々書庫は本の分散をチェックして
整頓しないといかんなー。
上は東京創元社から出ている原作小説。井上清氏訳。表紙のイメージイラストが
公式という感じです。



80年代に発売されたマニア向けの怪獣図鑑に載っていたトリフィド。
アメコミチックで洗練された絵柄のコミックアーチスト、板橋しゅうほう氏の
描くトリフィドはこんな感じです。




SF小説に登場する宇宙怪獣を集めたイラスト本に描かれていたトリフィド。






最初の映画化である「人類SOS」のポスターで描かれていたトリフィド。
このポスタービジュアルで描かれるトリフィドが多く、今回のマーミットさんから
発売されたトリフィドソフビも製品化にあたりイメージの下敷きにしているようです。





80年代のビジュアルSF世代向け雑誌「宇宙船」で読者投稿されたトリフィド。
この立体化は小説劇中のトリフィドのイメージを中核におき作られたようです。

宇宙船の誌上ではマーミットの赤松社長も当時立体関係の連載を担当していた
経緯があり、SF小説の怪物たちをいつか製品化し流通させたいという
構想はすでにこのころからあったのかもしれません。



こちらは2度目に英国BBCで映画化(連続TV作品)された
「Day of the Triffids」のDVD。
輸入ビデオやのセールで安く買ったのですが、英語字幕がついていてわかり
やすく、英語の勉強がてら時々見返しています。小説をほとんど忠実に映画化して、
トリフィド地獄でカオスな状況に追い込まれた人間たちのいさかいや
逃走劇に重点を置いており、トリフィドを遠隔地から倒すブーメランとボウガンを
混ぜたような特徴的な武器も小説どおりのものが登場します。話自体も最後まで
英国TVらしく品とウィットに富んで、けっして退屈しないのですが、
肝心の劇中に登場するトリフィドのビジュアルが、ランの花のような
不安定な植え込みがフラフラしながら揺れている(歩いてるシーンはほとんどなく
頭がカクカクしている前で役者が演技しているだけなシーンがほとんど)
貧弱なビジュアルなのが非常に残念です。
本作は日本でもDVD化されていますがすでに絶版のようです。

そしてリメイク3作目も日本でDVDがリリースされているようですが
タコも未見です。ダイジェストを見たら、トリフィドの登場場面は多くが
CG表現されているようです。
ロンドンが制圧され街中で無数のトリフィドが獲物を待ちじっと佇んでいるような
シーンは原作の破滅的なイメージをよりスケール感たっぷりに映像化していて
まあまあ良さそうなのですが、トリフィドのビジュアルがアロエの株みたいに
なっており、怪物としての作り込みが軽めで好き者目線では色気が乏しい感じカナ。

やはり映画化1作目「人類SOS」のレトロで凶暴そうなトリフィドが
ビジュアルとしての存在感は今も大きいですね。「人類SOS」のポスターアドを
イメージソースに敷いたトリフィドをフルCGで製作して登場させてくれたら最強かも
しれません。

映画「人類SOS」のラストは、一応人類がなんとかトリフィドを排除できそうな
希望がうかがえるハッピーエンドです。しかし、なんと近年ネット社会に
なって海外作品のデータベースも増えたことで調べることができたのですが、
映画の穏便なラストは当初映像化した主人公たちの全滅エンドが悲惨すぎるとして
後から差し替えたものなんですね。どうも大衆的な娯楽としての評価を意識して
変更したようです。

「人類SOS」は終盤、灯台に立てこもり、どうにもならないところまで
追い詰められた主人公たちがラスト3分前くらいにトリフィドの弱点が判明して、
たちまち倒しちゃうんですから、唐突過ぎます。
でも、その撮り足し部分は、じつは監督でない映画会社サイドの
スタッフが用意したものだそうです。つまり元のヘビーなラストを撮った監督は
ウインダムの原作に漂う悲壮感をよくわかって映画化していたということ
なんですね。小説の最後はトリフィドに対抗できるほど生き残った人間同士も
うまくいってないし、トリフィドも世界に広がってしまい秩序が崩壊して
対策もとれないけどやっていくしかない、的なペシミスティックな結末です。



イラストの達者な外人さんのHPから引用させていただいたのですが、
小説の忠実なビジュアル化が左端で、ついで一回目、二回目、数年前の三回目の
映画化におけるトリフィドのビジュアルが変遷していることがよくわかりますね。




ハニービーさんにここらでお庭のトリフィドと戯れてもらいます

「トリフィドに触れるなんてこんな行幸が訪れるとは思ってもみなかったわね!
こらこら、人類をなめちゃいかんぜよ、ほら、お手!」

トリフィド「。。。」



パアーン!ええかげんにしいやー!!



ハニービー「たまにタコブログに出てきたと思ったら犠牲者役かい!
この前出たときは原発ステーションに行く役だったし。
ああ~腐っていくワタシ、トリフィドに養分を吸われていくワタシ~」




レトロSFとしての小説の中で練り上げられ、60年代に映画化されたときの
ビジュアルイメージを源泉に持ちつつ、ファン各人の間で
イマジネイティブの余地を残しつつ現在でも根強い支持を持っている
キャラクター、トリフィド。
今回のマーミットさんによるソフビ化は
オリジナル解釈によるSFモンスターオブジェとして
デスクにもちょっと飾れる渋めなソフビといった仕上がりですね。

非常にソフビ向けなキャラクターでありながらこれまで立体化の機会が
得られなかったのですが、ようやく遊べるアイテムとして
SFキャラの立体化に目がないファンたちの手元へと届くことになりました。




人類と生存をかけた死闘を繰り広げるトリフィドが、静かに攻撃の機会を
待っている。。。そして獲物を追ってじわじわと動き出し間合いを詰めてくる恐怖。
ソフビのカンチャクによる可動で、独特の習性を持つ
食人植物の静と動の双方の状態を再現できる
このトリフィドは、小説世界から飛躍してソフビのカタチになったソフビのリメイク
映画とでもいえる、有意義な製品化を果たすことになったのではないでしょうか。

マーミットの8月ソフビ新製品

2012年08月09日 | 特撮・SF

8月のお盆休みももうすぐ。いろいろな夏らしい場所への行楽やイベント巡りなどの
計画を立てながら休みに向けて仕事をペースアップしている頃ですネ。
子供時分は親に連れられて遊びに行った行楽先で怪獣ソフビを買ってもらい、旅の間
いっしょに怪獣と随伴していた、そんな思い出があります。でも、旅先で売っていた
のは版権怪獣のブルマァクソフビでなく、大協の恐竜ソフビだったり
三浦トーイあたりのパチ怪獣だったりマルサンオリジナルのようなメーカーオリジナル
怪獣だったりしたりすることもしばしばだったのですが。

行楽地というと店の軒先に怪獣ソフビらしきものを置いとけばある程度は売れると踏ん
でその手のメーカーの営業マンがせっせと出張して無版権の怪獣やポリ玩具の
ヒーローなどを店の親父をあおりつつ、店の軒先に並べさせていたんでは
ないでしょうか。

そんな昭和当時の暑いさ中、陽に照らされた観光旅行先の
みやげ物屋の店頭、得体のしれない怪獣たちの並んでいた、
あったかもしれないそんな風景を夢想しつつ
カキ氷でも食べながらたたみの部屋で怪獣ソフビと戯れるのも楽しい季節と
なってまいりました。夏のテレビ映画劇場もゴジラやガメラなどの怪獣映画が
流れていましたね。今のようにオンデマンドな配信やビデオソフトもなかったから
やはり連休頃のTVでラジオテレビ欄にチェックを入れつつ、怪獣に再会できるのが
毎年楽しみでした。この時期はブラウン管や映画館で怪獣がお盆の特番などにも登場し
さながらお祭りのようでした。


マーミットさんから8月の受注ソフビ新製品のリリースをいただきましたので
ご紹介~。今回はウルトラや東宝怪獣の記憶に残る名獣・第1話やターニングポイントに
登場した有名怪獣/強敵怪獣たちをメインに据えたラインナップ、といった印象です。

すべて通販限定品。8月31日受注締め切り、11月上旬発送予定です。
商品の問い合わせ及び代引き申し込み ㈱マーミットまで
(電話=03-5648-6535)





怪獣天国 ゴジラ(1962)

税込み5250円全高約23センチ。映画「ゴジラ対キングコング」登場。
ダークブラウン成型にメタリックブルーの彩色。
ぼちぼち2014年に公開予定といわれるアメリカのゴジラ映画のビジュアルが
出回り始めてますね。フェイク画像かもしれないですが、ミレゴジみたいなトゲトゲ
したルックスのゴジラの画像もネット上でさまよっていると見出せます。しかし
トライスターゴジラで現地のゴジラファンにも日本のゴジラファンにも不興を買った
のに、ほんとにまたゴジラを映画化するんでしょうか。それよりも日本でまた
ゴジラが復活してほしい感じです。すでに新作として、過去の東宝怪獣を敵に回して
戦う新ゴジラのストーリーが提出されて製作検討されていると聞いていますが。。。

今年の夏は「特撮博物館」で久々にデスゴジや84年ゴジラのサイボットの骨格、
ギニョールのゴジラなどに会えるのがうれしいですね。




怪獣天国 ムルロア(2期)税込み5250円、全高約23センチ
「ウルトラマンタロウ」登場。グリーン成型にダークシルバーの彩色。
実在する原水爆実験を実施したムルロア諸島の名を冠する宇宙大怪獣。
宇宙蛾の群れを従えて地球を暗黒に包む黒煙をもたらす強敵。
ルックスはややユーモラスな表情の鳥系怪獣といった面持ち。
そういえば、タロウは羽のある怪獣が多いですね。




アーストロン 税込み6825円、全高約32センチ
「帰ってきたウルトラマン」第1話登場の凶暴怪獣。
リアルソフビモデル。塗装済み完成品
原型は浅川洋(アス工房)未塗装キット版。4725円もあり。

アーストロンはやはりこの精悍な顔の表現が肝です。新マンの1話は
高度成長期への反省として、公害や人間がもたらした地球環境の変動がもたらした
怪獣たちの復活劇がタッコング、ザザーン、アーストロンと3匹の怪獣により
描かれる豪華な構成なのですが、タッコングとザザーンもミリキはあるのですが、
やはり1話を代表する正統派の怪獣としてアーストロンの放つ存在感が大きいですね。
聞いた話だと当時新マンの番組がスタートした時に発売されたゼンマイ歩行の
3怪獣ではやはりアーストロンが各おもちゃやでも早くなくなったそうです。




怪獣天国 トリゴラス(ギガラメグリーン)税込み5250円
全高約23センチ 長谷川集平著、文研出版の絵本「トリゴラス」登場。
カラーイラストに準じたラメグリーンが映える。

トリゴラスはマーミットさんのビニパラ時代からのソフビの形態から辿ってみると
「ラドン」「大コンドル」、そして怪獣天国シリーズとして発売された、
ラドンのソフビを模した「ラルゲユウス」まで脈々と受け継がれるレトロ造形による
鳥怪獣ソフビの系譜に並べて見れる仕上がりになっているのがいいですね。
実際、長谷川氏の絵本を見ると東宝怪獣を強く意識した夜の都会の襲撃シーンが
描かれており、作家さんがインパクトを受けた怪獣映画の原体験がすべて視覚的に
描出されたのが「トリゴラス」であると見てよさそうです。

特にビルの窓から人間をさらうシーンなど、昭和の怪獣映画の本編にはないが
写真のコラージュや着色作業をもって描かれた独特な広報用スチール写真を
イメージした、日本怪獣映画のモンドな部分を集結させた怪獣として、
トリゴラスも他の鳥怪獣と並べて飾るのが相応しいのではないか、と思います。



怪獣天国 ゴメス(3期)税込み5250円。全高約23センチ
「ウルトラQ」登場の古代怪獣。

ダークブラウン成形にメタリックグリーンの彩色。
ゴメスはモスゴジを改造して出演させたスーツバリエーション系怪獣である事実が
有名ですが、新規きぐるみでないにしてもやはり番組の第1話にふさわしい正統派の
怪獣でもあります。モスゴジの表情がそのまま生かされているので表情も猫のように
愛嬌があり、ソフビでも愛嬌のある仕上がりのものが多く今回の怪獣天国も同様です。

自分はQ当時、リアルタイムで生まれていないのではじめて視聴したのは70年代に
入ってからと記憶しています。やはり当時、新規の怪獣がテレビで見れるというのは
ブラウン管の前にいた子供たちにとっては驚嘆のイベントだったんでしょうね。

子供時分に見た再放送のウルトラQや悪魔くん、河童の三平は白黒の映像が
とにかく怖かった記憶があります。炭鉱の地下、奥底でゴメスがうごめくショットが
得も言えず怖かったです。まだカラー版のQは未視聴ですが
あの白黒オリジナルの迫力を超えることがあるのかどうか。。。
ウルトラQは基本モノクロームならではゆえに得られた濃密な怪獣遭遇番組
だったのではないかと現在でも思うところです。

個人的にゴメスで忘れがたいのは、黒崎出版の怪獣絵本で
「怪獣を人間のために役立てる」というテーマで描かれたイラストグラビアで、
テレスドンとかマグラとかが落盤した鉱山を掘り進んで人命救助するといった
絵柄のがあったんですが(描いたのは梶田さんだったかな)
このゴメスもレスキューチームの一員として活躍しているん
ですが、食料と水の入った包みを飛脚みたいな格好でホイホイ
とした足取りでトンネルの中を歩いている絵があったんですよ。



アークデーモン アバドーン 税込み18000円全高約30センチ
KARZWORKSの塗装済み完成品モデル。赤松和光氏本人の手作り塗装仕上げ。
未塗装キット版5500円もあり。

イナゴ=悪魔の使徒というイメージの連想から生まれたカーズワークスオリジナル悪魔
シリーズのキャラクター。80年代以降のモンスターからクリーチャーという
名称へと怪物の造形物がよりリアルに生命感を帯びていった変革期に、東映のライダー
などにも影響がくっきり現れた、リアル志向の造形表現によるヒーローや怪人デザイン
の系譜が存在するんですが、
赤松氏のオリジナルデザインワークにより、「イナゴ」「バッタ」といった
怪人のデザイン史上で何度となく多彩な先人によりアプローチされてきたモチーフを
再度深く掘り下げていって生まれたのが、このアークデーモンではないかと
思います。つまるところ、赤松和光氏オリジナルの悪魔キャラ以外に、
怪人からクリーチャー的方面へのアプローチで再構築された、ダークヒーロー系
バッタ怪人としてダブルミーニングに見ることができるアイテムではないでしょうか。

庵野秀明 特撮博物館

2012年07月10日 | 特撮・SF



東京都現代美術館で7月10日よりスタートした「館長庵野秀明 特撮博物館 
ミニチュアで見る昭和平成の技 」初日にさっそく行ってまいりました。
特撮作品に登場したスーパーメカやスーパーヒーロー、怪獣、そしてミニチュア
セットや特撮現場で使用された小道具類など、新旧そして製作プロダクションを問わずに
大量に集められた大博覧会として開催前から気になるイベントでありました。



過去作品本編使用のプロップ類は撮影不可だったのですが、とにかくあるわあるわの充実ぶり。
実際に本編で使用された超兵器群が今回キレイに修復されたもの、
または新規で当時の設計のまま再製作されたもの、撮影の火薬の爆発に巻き込まれて
生々しいダメージ状態のもの等とりまぜて大量展示。
メーサー車も昭和の「特撮大会」で展示されていたものなどは「ゴジラ対ガイガン」の撮影で
だいぶ痛んでいたのですが、今回は完動品の外観に整えられたものが展示されていました。

マットジャイロなどは展示品の製作が間に合ってなく公開予定日が記されて空席でしたが、
そんなところも館長・庵野秀明ならではのこだわりゆえなのかなと思ったり。
とにかくマニアックなスーパーメカの集結ぶりは監修がこのヒトならではという感じですね。
庵野監督の奥さん・安野モヨコさんが添えた監督のイラストつきで、
各展示品の横にコメントとして展示品の見どころを説明しているのも
「このヒト、ほんと根っからの特撮オタだな~」と大いにシンパシーを持てます。



ウルトラマンタロウのキュートなZAT車両・ラビットパンダの
劇中ミニチュアなんて素材は木とかで作ってたんですね。現物を観れてよかったです。
素材もそれぞれ明記されており時代ごとの変遷もうかがえて、また興味深いです。
特撮映画と呼ばれる映像作品も昭和の怪獣映画から平成の世ではエンタメ映画へと
変遷を遂げており、「アナザーウェイD機関情報」の潜水艦、「ローレライ」の伊507号や
「日本沈没(2006)」の新わだつみ等、一般映画の特撮プロップ、
最近作のミニチュア建物類もカバーしております。
マニアックなところでは「怪獣総進撃」でマンダにグルグル巻きつかれたモノレールの車両や
「妖星ゴラス」の南極基地で稼働していたブルドーザー、「惑星大戦争」の敵戦闘機
なんてのまでありました。そうそう、樋口監督絵と文による場内解説リーフレットを読むと
TV「日本沈没」のケルマディック号の現物も会場のどこかに飾ってあったらしいんですが、
見つかりました?

展示ブースの中ではトタン板で囲まれた薄暗い照明による東宝特美倉庫風のステージで
見れる箇所もあり、雰囲気満点です。

怪獣のキグルミは物性が変化しやすいラテックスにより出来ているので
現存しているものは少なく、展示はあまり多くは無いですが、
デスゴジやGMKの魏怒羅、モスラ、1983サイボットゴジラの頭部骨格、
平成ガメラなど公開当時劇場で目に出来た怪獣たちとファンがまた再会できる
ウレシイ機会にもなっておりました。

その分ヒーロー関係では、ウルトラファミリーはもちろん、レッドマンやグリーンマン、
ライオン丸、トリプルファイターやロックバットなど、開米プロダクションに現存する
多彩なヒーローの頭部マスクが大量に展示されていました。




今年初頭に画集が発売されたものの惜しくも同じころに亡くなられた井上泰幸氏、
平成ウルトラや東宝の超星神シリーズなどでの美術デザインで特撮ヒーローの
ビジュアルイメージを支えた、同様に故人である大澤哲三氏のデザイン画展示も
迫力の原画を間近で見れるチャンスですね。
ここのところ昭和から平成にかけて橋渡しをした特撮の立役者にあたる方が相次いで
亡くなられている中、追悼的な意味合いでも
先人の方たちの仕事ぶりをじっくり振り返れる良い機会になりました。


















今回の展示に華を添えたのが10分程度の短編映画「巨神兵東京に現わる」。
巨神兵の登場する劇場アニメ「ナウシカ」のスピンオフ的な内容で、スタジオジブリとの
コラボレーション企画にもなっており、庵野監督と宮崎駿氏の「ナウシカ」製作
以降からつづいている親交ぶりもうかがえます。
「ナウシカ」当時の庵野監督作画パート原画、絵コンテも展示され、宮崎氏が描いた庵野氏の
似顔絵入りで「原画を早くあげろ」と催促していたときのメモなども添えられて
生々しい当時の製作状況を伝えてくれます(微笑)。今回の映画用にキャラ設定を起こした
前田眞宏氏によるイラストや設定資料、竹谷隆之氏による造形検討モデルや
作業用のイラストも展示。

そして本編ですが、渋谷の街中でのロケも行われてちょっと庵野監督の実写映画
「ラブ&ポップ」を思わせる、けだるい朝の都内を映す冒頭。人々の間で
ある日、何の前触れもなくこのセカイの滅亡が噂されるようになる。
そしてついに、早朝、街の上空を覆うように羽を展翅したおぞましい姿の巨大な巨神兵が
漂っている。巨神兵を目撃した女の子(CV・林原めぐみ)の、淡々とした独白によって
進行するストーリー。
実写風景と樋口眞嗣特技監督による特撮部分とで構成された巨神兵の群れによる
東京襲撃シークエンス。終わらないはずの日常がある朝、予期せぬ「火の七日間」へと
突入していく大状況、
イベント的つくりながら、従来の特撮作品ではまったく使用されていない
新奇な特撮技法をいくつか多用しております。

ただしあえて昨今多用される3DCGには一切頼らず、
基本アナログ特撮的な昔から有る技術の延長から編みだされた方法を模索することによって
描かれる、壮絶な都市破壊図絵がスクリーン上に展開されます。
「ナウシカ」の冒頭にあった巨神兵たちが横一列に並び歩みながら都市を粉砕し
人類を蹂躙していく恐るべき伝説の「火の七日間」が初めて実写映像化され、
来場者は自分たちの住む安全だったはずの街の崩壊とセカイの終末を、息を飲み見守るしかない
のです。

あのエヴァンゲリオンも「ナウシカ」劇中最強の究極生物兵器である巨神兵の存在なくしては
生まれなかったでしょうからね。
庵野監督が関わったことで、本作はいわばエヴァを発想したミッシングリンクに観るものを
いざなう映画となっています。












本作の製作に関する樋口監督のメッセージボードには印象的な言葉が綴られています。
「いつのまにか特撮作品は作る手段が目的になり、
作品自体が映像の作り方に囚われて作られるようになってしまった、そうなってしまったことには
自分たちも関与してしまっていたのかもしれない」的なことがしたためられているのですが
それは特撮モノがジャンル映画化してしまって活躍の場を狭められて作られなくなって
しまったということも暗に示されているんでしょうね。

多くのスタッフが優れた映像表現の匠の技を持ちながら
「特撮映画の灯が消える」そんな危惧感を持って作られたのが本作です。
今はエンタメ映画というジャンルの中で多くのカタルシスシーンにおいて、CGによる表現が
中核に置かれて製作されているのですが、本作では「特撮映画でしかできない表現で観客を
驚かす」ことが主眼に置かれさまざまな技術が編み出されています。

きのこ雲、巨神兵の伝家の宝刀とも呼べるプロトンビームで切り口がアメのように溶けて
ドロッと崩れるビル、そしてCGでなく操演でもないアナログ技術により、
あたかもいきもののような表情を見せる巨神兵。。。
それぞれの見せ場は従来の特撮映画では見られない、メイキングを見ると
非常にシンプルで驚かされるような新技法によって生み出されたものです。

映画本編の後に特撮のメイキング映像も別室でオンエアされているんですが、
「ガメラ3」の時のあの面白かったメイキング映画「GAMERA1999」
(庵野秀明監督作品)を思わせる、特撮技法をスタッフ皆でコンセンサスをとって
編みだしていく過程をドキュメントで見せていき、
映画の中のあのシーンはこうして作ったのかという驚きをお客に提供する上で
このメイキングもいわば映画本編の一部といえるものとなっています。
映画づくりの面白さがよく伝わってきますね。





















お客さんが帰り際、実際に特撮セットの中に入って自由にミニチュアセットの中でアングルを
決めて撮影できる特撮撮影体験展示コーナーがあるのもお楽しみのひとつですね。
この記事に貼ってある風景も、そのミニチュアセットの中に入って撮ってみたものです。



↑街中で巨神兵を目前にした人々が最初に取りそうな行動。これも本編で使用された
人物用プロップです。実写版ネギまのOPみたいですね(笑)。














劇中で巨神兵が佇む街中をロングで据え、手前にアパートの室内ショットが
あるのですが、そのシーン用のミニチュアセットがとくに人気で、
皆、小人の部屋でも覗くように楽しんで撮影していました。
しかし「ガンヘッド」とか「日本沈没」「デスレース2000年」のポスターが貼ってあって
エレキギターが立てかけてあり、コケシ等郷土民芸品の置いてある部屋の住人って、
どんなライフスタイルや、Gジャンズでしょうか(微笑)。




たしか、「ガメラ3イリス邪神覚醒」公開当時の「大ガメラ展」でもこういう体験撮影形式の
ミニチュア展示内容で来場者を楽しませてくれたことがあったのですが、
本展は一般の人にも今一度、CG映像とはまた違ったエモーショナルなミリキを
持った「怪獣映画」や「特撮映画」に興味喚起してもらえる
いい機会になったのではないでしょうか。

ここ数年の特撮怪獣映画というと、ウルトラやライダーのようなシリーズ作でない
個別オリジナル作品では、3年前にNHKの製作で15分ほどの短編ですが本格的怪獣特撮映画
「ゲハラ」が撮られ、樋口監督がプロデューサーを務めました。
その後原口智生監督により骨太な怪獣バトルシーンのある「デスカッパ」が撮られたりも
していますが、「デスカッパ」ではすでに過去に特撮映画で使用されたプロップをかき集めて
一本映画が撮れてしまうほどに、特撮映画界は製作プロダクションの垣根もない
くらいに業界内に存在するプロップやビルのミニチュアの互換性などで見通しが利く状態と
なっている。それは、悪く言えばすっかり現場とそれに携わる人たちが限られたミニマムなセカイと
なってしまっているという側面もわかります。
本展は特撮映画ファンのみならず、広く一般に向けて特撮の技術伝承、分野再認知を図るための
イベントとしての意味合いもあるといえるでしょう。








樋口監督には、斯様な環境にあっても日本特撮映画を再び一般大衆娯楽として
楽しめるような位置づけにできるような意味も込めつつ、是非また
特撮怪獣映画のメガホンもとってもらいたいです。
今回のメイキングでも想像していた以上の絵が撮れた時の樋口監督はじつに楽しそうだったな。
この監督が自身で楽しそうに撮っている映画は是非観たいです。
今回のこの「特撮博物館」がエールとなって一般的な関心を高めつつ、
新たな特撮映画が作られる一歩につながっていくといいですね。
とにかく特撮、怪獣好きのヒトには今夏の語り草になるであろう、
タコもオススメのイベントDeath。





イベント限定のガチャポンとFIGMA巨神兵のパッケージ。










●館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
会期 2012年7月10日(火)~10月8日(月・祝)
休館日 月曜日(ただし、7月16日、8月13日・20日、9月17日・24日、
    10月1日・8日は開館。7月17日、9月18日は休館。)
入場時間 午前10時〜午後6時 (入場は閉館の30分前まで)

東京都現代美術館 企画展示室1F・B2F
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1
TEL:03-5245-4111(代表)


【あのすばらしい愛をもう一度(映画「ラブ&ポップ」エンディングテーマ)】

http://www.youtube.com/watch?v=GWM5oUXbits&feature=related

【彼氏彼女の事情 エンディング詰め合わせ1~9話】
じつはこの実写エンディングが本編みたいな。紙芝居回のVHS、手が空いてる時に
エンコードしたい。

http://www.youtube.com/watch?v=LvU5s3hrKjk

マーミットの7月受注ソフビ新製品

2012年07月01日 | 特撮・SF





マーミットさんから7月の通販限定品情報をいただきました。早いものでもう7月か。
今月の受注品は特撮界の版権怪獣としては「こんなキャラまで立体化しちゃうの」「いつか立体化
してほしかった」的なカルトで濃いメンバーが勢ぞろいした印象です。遮光器土偶や
ドロメダ星人などマーミットさんらしいアイテムチョイスの逸品も。
7月30日受注締め切り12年10月上旬発送予定。商品の問い合わせは㈱マーミット
(電話 03-5648-6535)まで。





怪獣天国ガンザ(2期)税込み5250円 全高約23センチ
ウルトラマンタロウ登場の大カニ怪獣。オレンジ成型にレッドのカラーリング。

カニ怪獣って子供心に萌える存在ですよね。ウルトラマンタロウオンエア当時、
ブルマァクからガンザのライバル怪獣にあたる大ダコ怪獣タガールがソフビ金型は
できていながら、すでに怪獣の製品化に熱心でなくなっていた背景から結局発売され
なかったのですが、ガンザも当時タガールといっしょに金型が製作されていたらどんな感じの
仕上がりになっていたのでしょうか。シリーズ最初の大がかりな水ものの回だけに
タガールやガンザをソフビとして手にしてみたいというのはテレビの前の子供たちも
きっと夢想したんじゃないか。中でもガンザの無人島のような背中の甲羅に
ZAT隊員たちが気づかず上陸してのんびり日光浴するシーンなど、「タロウ」ならではの
コミカルな怪獣接近遭遇シーンとして、視聴者にも番組のテイストを放送初期話数から
強く印象付けたことと思います。
映像の作り手としては亀の怪獣トータス夫婦につづいて、初期登場怪獣としては
ソフビおもちゃが売れやすくなるような水辺の怪獣を配置したつもりだったんじゃないかな、
このガンザとタガールも。残念なことにおもちゃメーカーサイドが果たせなかった感じです。

このマーミットさんのガンザはレトロ造形の甘味を強く打ち出したことで、
お風呂のお供に連れていく動物のおもちゃみたいなかわいらしさも
持たせているのが面白いアプローチになっていると思います。

本編のガンザは東宝怪獣のガニメのように本来は地面を這う甲殻類の怪獣を
きぐるみとしてタロウと戦わせやすいよう2本足歩行に仕立てた造形なのですが、
カニ怪獣のキグルミとしてディティールはリアル寄りなんですね。
新マン本編の同じカニモチーフの怪獣、ザニカあたりと比べると
怪獣というよりは巨大生物的なリアルを追求したということで、当時の
ウルトラ怪獣中では実は本編のガンザは異質な、リアル方向性でまとめた
カテゴリーに入るキャラクターとなっています。

手元に1期のガンザがあるので眺めていると、そんなリアル系のカニ怪獣を
ソフビにする上であまりトゲトゲしいカニらしさを強調せずマイルドでゆるめなレトロ方向に
アレンジを入れたのはマーミットさん的な大胆な解釈が施されたな、と思います。
思うにブルマァクのカメーバが映画本編の亀の巨大生物なのに
ソフビは2本足のトカゲ的な怪獣人形として趣を変えて製品化した事実と真逆に考えるなら、
ブルマァクのガニメだってもし2本足形態でカメーバのソフビと戦わせやすいように
計算して製品化してたら、今回のガンザみたいな形態に仕上がっていたかもしれない
ということです。

ガンザは平成の世に生まれたレトロカニ怪獣ソフビとして、昭和のカニ怪獣ソフビ造形の
あったかもしれないIFをいろいろ想像しつつ手にとって楽しめる一体ではないかと思います。







怪獣天国ファイヤー星人(2期)税込み5250円 全高約23センチ
ウルトラマンA登場の火炎人。レッド成形にメタリックブルーの彩色。
ファイヤー星人はタコも1期を持っておりますが、よく立体化してくれたという
アイテムです。今回の2期は本編登場キャラによく似せたカラーになっていますね。
正月シーズンの放映なのでファイヤー星人とファイヤーモンスの強力星人、超獣コンビが
Aを追い詰める北斗SOS編です。ファイヤー星人は自分的には装飾過剰に再構築された
メトロン星人、といった印象があります。

しかしA後期の超獣、宇宙人はビジュアルがアコーデオン状の体表や
棒状の突起が出て、その先にさらに飾りがついていたりと
地球生物と宇宙生物の合体といった設定を廃した以降はデザイナー各氏の無意識から
創出されたフォルムが次第にビジュアル設計の自走性、即興性を醸し出して
いくことになります。

デコラティブかつモチーフのない無機物として線と面、突起から生みだされた
「派手に見えること」を要請されて生みだされた怪獣デザインは、
第一次ウルトラでの空間的な設計の法則性を
もって生みだされた成田亨デザインのエイリアンとは異彩を放つ新たな造形の方向性を
見出していたように思います。そしてAからタロウまでは複数のデザイナーによって
カオスな方向に装飾過剰な怪獣、宇宙人のデザインを追求していき、
やがてそのデザイン路線はウルトラシリーズの一旦の終焉=レオの頃になって
製作上のストレスとして途中で試行錯誤を放棄されてしまった印象です。

しかし現在においてもそれらAからタロウに至るデザインワークスの妙味は
造形面での評価にまで結びついていないのが実態です。
こうしてある程度のサイズで手に取れるソフビプロダクツとなると
そのデザイン、造形の妙味をつかみやすく、よりファンの間でも
評価が定まるところとなるのではないか。このファイヤー星人も
デコラティブ化が最も進んでいた時期の宇宙人デザインワークとして
ソフビを眺めると一興ではないかと思います。







怪獣天国 ゴジラ(VSメガギラス)税込み5250円 全高約23センチ
映画「ゴジラ×メガギラス」登場。ダークブルー成型にメタリックグリーンの彩色

「ゴジラ×メガギラス」。アキバのパーツ街が主人公(スーパーハッカー)の生活場所
として出てきたり、もう10年以上も前だと時の流れを感じとれる作品にすでになっている
のですが、同じ手塚監督の「戦国自衛隊」とプロットが似ていたりする辺りも見比べると
一興かと思います。この「メガギラス」や一作前の「ミレニアム」ではゴジラのビジュアルが
製作直前まで伏せられていて、毎回今度のゴジラはどんな形態になるのだろうといろいろ
事前にファンの間で予想するのが楽しかったですね。
幼年雑誌にいち早くゴジラ映画情報が載ると(一般雑誌より情報の公開が早い)
早売りで買ってきた人がネットに画像をアップして、
総ルビ入りのグラビア写真を見て皆で盛り上がったりとか。
機龍のビジュアルが初公開されたときも幼年雑誌での発表が早く、大騒ぎだったな。
ミレゴジの時もまだ製作ニュースがあまり出ていない頃に別の特撮作品のトークイベントで
当時、造形スタッフの方が仕事の合間にコメンテイターとして顔を出したら、
「新ゴジラ見せて~」とファンたちがせがんでいて、
スタッフさんが「スマン!守秘義務でまだ早い!」とかおっしゃっていたのを思い出します。

一作一作でゴジラのビジュアルが先鋭的でシャープなビジュアルになっていくのですが、
海の向こうでトライスターゴジラの製作もあって多少意識したというのもあるでしょう。
この頃のゴジラは顔がトカゲのようにトンガっており、昔からのゴジラファンから見ると
当時異質と捉える向きもあったのかもしれませんが、一方でデザイン的な進化としてみるなら
カトキハジメのリデザインモビルスーツのように、一度は再構築するラインに到達する
必然性をもって公開当時は強烈なビジュアルインパクトを放っていたと記憶しています。
セビレもこのころから背中の中央部のみ、飛び出してトンガっていましたね。

斯様にゴジラが既存のデザインを離れてトゲトゲしい過激なビジュアルにメタモルフォーズする
過渡期を象徴するのがこのメガゴジといえるでしょう。
背中のトゲトゲ突起部分にGグラスパー隊員のキリコがしがみついて決死のサンプル採集を図る
シーンがロングから接写をつなぐ豪快なCGアングルによる映像の使い方も巧みで、
忘れられない名場面です。
「×メガギラス」から機龍頃によく見られた戦うヒロインとゴジラの関係を扱った
ドラマは新しく洗練されたゴジラ映画エンタメの大衆的に訴える方向性を模索していたことが
わかります。今後新作が作られる時はこの頃の平成ゴジラ映画が培った作劇のノウハウも
うまく生かしていってほしいです。

なにかネット上で今度の新作ゴジラは対戦怪獣がまた過去の敵のリニューアルと読んだのですが
本当なんでしょうか。気になります。真偽問わず情報が出てくるたびにファンはやきもき。
ゴジラ映画は一種のお祭りですね。






ビニパラリターンズ ブラックジャイアント税込み5250円 全高約23センチ
マグマ大使登場。ダークブルー成型にメタリックブラックの彩色。
これも1期を持っておりますが、マグマ大使の怪獣コンプを標榜してビニパラ当時から
10年以上も経って「海坊主」とともに補完リリースされたアイテムです。

ブラックジャイアントは昭和当時のマグマ大使の怪獣が載っている怪獣図鑑でも
スチール写真が掲載されていることが多かったように思うのですが、ほんとうに真っ黒い
ぬっぺらぼうでマツカサのような体皮をしているという造形的パーソナリティしかない
キャラクターで、図鑑上でも異様なインパクトがありました、
アメリカのB級映画に出てくるビジュアルのユルいモンスターみたいな
感じですね。ビニパラ当時もリリースされなかったのですが、
個人的にはダコーダがリリースされたのなら相棒のブラックジャイアントも
是非ソフビとして欲しいと思ったものの、このデザインでソフビ化というのは
ちょっと考えにくい感じがしました。
しかし想い同じくするソフビファンが居たのか、怪獣天国シリーズに移行してからも
マーミットさんには製品化リクエストが寄せられていたようですね。
マニア向けソフビに本来あるべき、送り手と受け手双方のインタラクティビティが
為し得た奇跡というところでしょう。

劇中のブラックジャイアントはバックに青空のホリゾントが広がる空港の滑走路に
彼がヌボーッと佇み旅客機を手にして手を挙げているスチール写真で見れるように、
まさしく異形ともいえる存在感を放っており、怪獣ブームの洗礼を受けた世代人的には
忘れがたいキャラクターではないかと思います。

このブラックジャイアントは怪獣ダコーダの放つ有毒スモッグから生まれた怪獣
という設定で、間タイプの軟体動物のような姿のダコーダと
ペアで暴れる、マグマ大使との対戦担当として配置されたのであろう人型怪獣でありながら、
ダコーダ自身も最終戦ではあの異様な姿ながら劇中でちゃんとマグマ大使とくんずほぐれつで
戦っていたりと、怪獣たちのもたらすビジュアルの異様さがとにかく忘れられない
エピソードです。コンビ怪獣だと一匹は正統派なデザインのキャラになることが
普通なのでしょうが、そこはピープロなので定型に収まりません。
ダコーダもミクロ化・等身大化して人間にも襲いかかったり、甲高い
鳥のような声を上げたりと、また白昼、空港の滑走路を跳躍するシーンは悪夢のようで
忘れられない名キャラクターとなっています。

このブラックジャイアントは、いわば「公害巨人」、そして「海坊主」は交通事故で
死んだ少年を悲しむ父の潜在意識が怪獣化したキャラクターとして、これら
マーミットさんでビニパラアフターで補完された彼らには「スペクトルマン」的な
文明の業獣を描こうとしたピープロがまだ「公害を怪獣化する」イメージを
つかみきれない状態で先行してビジュアル化してみたような共通感があって
興味深いところですね。まだマグマの頃は明確に公害が取りざたされる頃
ではなかったですから。だから共にこの2体は目鼻もない曖昧模糊な
あたかも異形の偶像を思わせる姿なのかもしれません。

そう、ブラックジャイアントや海坊主は、のちのスペクトルマンの公害怪獣、
ダストマンやネオヘドロンなどでビジュアルが明確化するピープロスカム怪獣系の
系譜で見るとプロトタイプ的存在に位置づけられるのではないでしょうか。

造形はビニパラを担当した太田工房さんが担当。これは造形ラインをそろえてくれて
よかったと思います。ビニパラマグマ怪獣は、テラバーデンやキンドラなど
後期のマグマ怪獣は特に大ぶり感が強く醸し出されてイイ味が出ているんですが、
彼らとこのブラックジャイアントを並べても造形的に違和感がないですね。





ミステリアスソフビ 遮光器土偶 税込み4200円 全高約23センチ
国立博物館所蔵の土偶を徹底リサーチして立体化。
よく言われる話ですが、この遮光器土偶くんは宇宙服を着た人物を模して造られたと
されることが多いアイテムです。目がゴーグルで体は肉襦袢みたいな宇宙服に
見たてられるからです。

「実際に世界で目撃された宇宙人」のソフビ化で会社をスタートして
今でも3mの宇宙人のソフビなどを販売している同社としてはこの土偶も作らずには
居られないアイテムだったというところでしょうか。
自分も子供の頃ですが、文具のおまけだったか
世界の遺跡シリーズみたいな消しゴムのプレゼントキャンペーンがあり
この遮光器土偶の消しゴムもイースター島の石像やスフィンクスなどといっしょに
製品化されていて、妙に欲しかったのですが、店頭に行くと
目ざとくももうそういう面白いアイテムには皆、目がないらしくすでに店頭のプレゼント
在庫から姿を消しておりました。遮光器土偶をいつか手頃なサイズで製品化してほしいと
いう考えがあったのでこの土偶ソフビはベストマッチチョイスだったと思います。




ドロメダ星人 税込み4200円 全高約16センチ 
グロブスターズのオリジナルソフビ。ギガラメグリーン成型。
ごぞんじプラモ宇宙人にデザインの材を取り、オリジナルアレンジを加えたアイテム。
同社のマグラン星人、バルデン星人と並ぶアイテムといえます。

たしかドロメダ星人の初売りは2007年頃のスーフェスだったのですが、数個しか販売せず、
深緑のグリーンで塗装されていて、体についているキバの生えた口も塗ってあったと思います。
今回の受注品は比較的いままで出たドロメダの中ではその初売り品に色が
近い感じがします。放射状に手足や目がついていて、クトゥルー神話に出てくる
地球の先住民族の宇宙人みたいな面持ちもある怪奇宇宙人です。
しかし昭和40年代頃の駄玩具やビニール玩具で多用された宇宙人や宇宙生物のデザイン
というのはどこか「妖怪」的なビジュアルが入ってるものが
多いですね。原点はアメリカのオールドSF雑誌的なイメージが日本やメイドインホンコンの
駄玩具のセカイでの造形モチーフとして取りこまれ、独自の進化を遂げた感じです。
ドロメダ星人もそんな宇宙人が妖怪と結びついていた時代の残り香を放つ
昭和的ビジュアルアイコンをもって世代人にひっかかりのある存在の宇宙人であると
いえるでしょう。







宇宙怪獣 カトラン 税込み4200円 全高約12センチ
スカルヘッドバットのオリジナルソフビ。ドールアイ使用。
最近凶悪B級モンスター「Xシリーズ」「コングシリーズ」を一挙に複数展開して
イベント会場を恐怖のずんどこに陥れたマニア泣かせなインディーズソフビブランドとして
返り咲いた感もあるSkull HEAD BUTTブランド。

このカトランは以前、「モグロンシリーズ」として展開してきた流れの延長に当たる
アイテムです。モグロンシリーズはメカ化した公害怪獣風味だったり
一つ目カネゴン風味だったりとパチ怪獣のビジュアルモチーフの源泉を辿るようなアイテムを
リリースし、駄玩具にありそうな取りとめもない感じで造形された
怪獣たち独特のスカム感を出そうとしている節があります。
そもそもこのSKULL~ブランドはドールアイを使ったBUG EYED系のモンスターが
多いですね。今回は目が4つになり、今までのモグロンシリーズの中で
一番目が多くなり、モグロンのボスキャラ?のようなイメージで作られたのではないかと
思います。

マーミットの6月受注ソフビ新製品

2012年06月02日 | 特撮・SF






もう6月か~。5月前半、怒涛のイベントラッシュが終わってあっという間に
梅雨のシーズンですね。
マーミットさんから6月受注ソフビの新製品リリースをいただきました。
今月もセンスオブワンダーあふれる古典SFキャラクターあり、特撮番組のインパクト
満点なトラウマキャラクターあり、有名特撮怪獣のアニメイテッドキャラを3D化した
アイテム、そして宇宙からの奇怪な来訪者として人々の脳裏に浮かぶ
異星人のビジュアルアイコンになっているキャラクターと、あたかも立体版SF怪獣図鑑を
眺めているようなにぎやかなラインナップとなっています。ちょっと各製品を
見てみましょう。



ヒストリーモンスター ジェイムスン教授 税込み4500円、全高約15センチ。
SF小説の名手、ニール・R・ジョーンズが1930年代に有名なSF雑誌「アメイジング
ストーリーズ」で執筆した「ジェイムスン教授シリーズ」に登場する機械化人。
小ぶりだが12パーツ構成という凝った仕様。春のスーフェスでも少数が販売されましたが
SFファンからの反応もあり、受注製品としてさっそくの登板となったようです。

このキャラクター、最後の地球人であるジェイムスン教授が宇宙の放浪の旅を続ける中で
他星の知的生命体によって体をサイボーグ化されて新たな命を得て数々の宇宙での冒険を
繰り広げるというユニークな設定で知られています。

日本のSF界から見ると斯様な姿の主人公は、日本で本書が紹介された時はおそらく読者にとって
かなり異質だったと思います.しかしSFの母国ともいえるアメリカのSF文壇界では
身体が機械化され人間とは似つかない姿になって活躍するような設定は少なくないです。
この「ジェイムスン教授」はその始祖的存在とも言えるキャラクターです。
日本のコミックで有名作としては石ノ森章太郎氏の「サイボーグ009」に出てくる脳だけを
機体に埋め込まれた00ナンバーの蜘蛛型サイボーグや、サンガッツ本舗さんがソフビ化して
いる水木短編漫画の名キャラクター「ベーレンホイターの女」の設定もジェイムスン教授を
イマジネーションの源泉にしているのではないかと思われます。

鉄箱の中に脳を閉じ込めて体を擬態化するというイメージはこの後の多様なSF映画や特撮作品
等で見られるキャラクターモチーフのオリジンと言えるでしょう。
たとえば麻薬バイヤーのボスの脳をロボットに移植した「ロボコップ2」のロボコップ
2号ことケインモンスターなんかもそうだな。最近のアニメだと擬体が日常的に登場する
「甲殻機動隊」にも確かジェイムスンに似たようなキャラクターが出てきましたね。
とにかく枚挙にいとまがない、映像やコミック、文字世界を問わない、いろんな作家に
インパクトを与えたキャラと言えるでしょう。



そもそもこの教授のビジュアルは原作でも明示されており、四角い鉄箱状のボディと円錐
状の頭部、そして触手のようなマニュピレーターと、あらゆる読者は読み込めば容易に
文字から教授のこの特異なルックスを脳裏で組み立てることができると思います。
しかしやはり絵として見れるようイメージを形作ったのはハヤカワ文庫の表紙絵や口絵、
本文イラストを描いた藤子不二雄先生(まだ2人ペンネームで描いてたの頃の)でしょうね。
藤子先生(特にF)は本人もSFファンだったからな~。ハッ、そうだ タコが使ってるこの
ハンドルネーム、タコペッティ(モジャ公の登場人物より命名)も脳以外は全て擬体化して
宇宙の残酷ドキュメントを撮って廻ってるんでしたな。劇中で壊れた頭部を取り替えてた。
ジェイムスン教授がいなかったらモジャ公のタコペッティ氏も違うものになっていたのかも
しれぬ。やはりルーツ オヴ サイボーグ・ジェイムスン教授の存在感は恐るべし。



同時にこのアイテムは原型を担当した赤松社長にとって思い出深いキャラクターとなっている
ようです。SFビジュアル雑誌「宇宙船」の連載においてもかつて作例を製作しており、
立体化されたジェイムスンがグラビアに掲載された時に文字派の怪獣ファンは作例の
ジェイムスン教授をあたかも特撮映画に出てくるような存在として
イメージングできたのではないでしょうか。

今回のソフビ化では作中でも特徴的な全身のマニュピレーターを全て可動にして
製作したことなど見ても教授を決定版としてソフビ化したいということで
先月のトリフィドに続いて、赤松社長のモチベーションのほどがうかがえようというところ
ですね。同好の士への頒布も込めた自分の趣味性も入っているアイテムという点では
ガレージキットならぬガレージソフビといった位置づけになるでしょう。
いわばジェイムスン教授は平成の世にソフビの擬体を与えられて
再びコールドスリープを解かれ、地球に帰還し探索活動を開始した、というところ
でしょうか。





怪獣天国 バルタン星人・アニメ版(2期)税込み5250円、全高約23センチ
アニメ「ザ・ウルトラマン」登場の宇宙忍者。劇中に準じたオーソドックスなカラーリング。

「ザ・ウルトラマン」最初の実写版オリジナルからの起用敵キャラクター。しかし単独でなく
ミコノスという宇宙怪獣を連れていたり、メディアを使ってヒカリ隊員の正体=ウルトラマン
という事実を暴こうとしたりと実写ウルトラのバルタン星人一族とはまた異なるイメージを
持つ侵略者となっています。
「ザ」の後の「80」でブタ鼻になり、動物園作戦とかすっかりお茶目さんになってしまう
バルタンを思うと本作でのバルタンはまだまだシリアスです。
当時、ザ・ウルトラマンの怪獣ソフビはシーグラ、レッドスモーギ、ワニゴドンなどが
ポピーからリリースされていましたがこの中盤のバルタンなどまでは製品化
まで叶いませんでした。人気がもっと出てキグルミ製作面での制約の無いアニメならではの
異形ぞろいな中盤以降の怪獣たちも発売されていたらどうなっていたのでしょうか。消しゴム
怪獣はこのアニメバルタンはもちろん、2クール後半の山場、ウルトラの星編に出てくる
ジャニュール、ゲラド、ベラドンなどまでかなり頑張って製品化してくれていたのですが。
このバルタンもアニメならではのイメージで細身でデフォルメの入った姿を上手く製品化して
おり、バルタンアイテムの中でも異彩を放つ存在に位置づけられると思います。
やはりバルタンはアニメでも実写版でもウルトラマンの永遠のライバルということですね。






怪獣天国 ボビー(2期)税込み5250円、全高約23センチ
スペクトルマン登場の犬怪獣。ダークブラウンの成形色。「スペクトルマン」の中でも
人気のエピソード「ノーマン前後編」に登場する悲しき天才犬がミュータント化して暴れる
犬怪獣ボビー。最近トラウマ系、黒歴史系のエピソードから昭和の特撮作品に興味を持つ
新世代の特撮ファンも生まれているのですが、新マンの「怪獣使いと少年」あたりと双璧を
為すインパクトのエピソードですね、このノーマン編は。

高山良策さん製作によるキグルミはこの犬怪獣も劇中で看護婦を捕まえて頭部を食いちぎり
放り投げるある程度大人に成長した目で見てさえ、のけぞるような過激な描写があるくらい
凶暴さがむやみにアピールされているのですが、その表情の中にも高山さんならではの
愛嬌があり、このエピソードの最期、スペクトルスライスを喰らい犬の鳴き声を上げて倒れる
ボビーの最期を足元で看取った三吉の哀しみをドラマとしてより高めました。

当時マスダヤで発売していたスペクトルマン関係のソフビは本編より凶暴な表情をした
ダストマンが非常に印象的ですが、当時マスダヤのスペクトルマンソフビを手掛けていた
太田氏による原型がベースに使用されていることで昭和の当時感も受け継ぎ、
犬怪獣が当時出ていたらどうか?というソフビフリークの妄想に応えるべく製品されていると
言えます。









怪獣天国 ビオランテ成体 税込み6300円、全高約23センチ
映画「ゴジラvsビオランテ」登場。スタンダードサイズながら11パーツ構成という
デラックスなソフビ。

ビオランテというと公開前の「超ゴジラ」というキャッチフレーズが横に添えられた、
ゴジラの倍は余裕で有る大きな口でゴジラに襲いかかる、ビオランテの威容を初めて
ポスターで目にしたときの衝撃が思い出されます。従来のキグルミ怪獣に加えて当時
洋画のモンスターがクリーチャーへと呼び名を変えていた頃の「触手」「歯列が大量に
並んだ口」「ラテックス独特の被膜に覆われた粘液感」などをリアルタイムの
グローバルスタンダードなモンスターのイメージを
機敏にデザイン上での形質に取り込んでいたという点でもビオランテは今見ても十分
ハイセンスの怪獣であると思います。あれだけたくさんのNGデザインが生み出された
だけあって、無駄がないですね。たしか映画製作に実質3年かかったんだっけ。
そう、ビオランテは日本の怪獣映画の枠だけでは見えにくいのすが、
洋物のモンスターと並んでも決してひけをとらない存在感を放っています。

平成ゴジラと言うといろいろ好きな敵キャラクターは居ますが、その正体が人間(の女性)
でもあるという面も含めてビオランテの持つイメージの鮮烈さは忘れられないです。
実際植物として芦ノ湖の水辺に根を張って佇んでいたり、幽玄なイメージがミリキとして
今までの怪獣映画にないビジュアルを提供していましたしね。

科学の誤用がもたらす悲劇としては原爆投下後の戦後=ゴジラの放射能、高度成長期の
消費社会=ヘドラの公害、人間が神に近づく脅威=ビオランテの遺伝子工学やバイオ技術
というメタファーとして、ハイテク技術が徐々に社会でも一般的となりつつあった
平成ならではの「人間がどう生きるか?」という問題提起を体現している
怪獣となっていました。
今後ゴジラ映画が作られる時も、強く原発問題などを扱えとまでは望みませんが、
同時代の社会事象をうまく絡めてこの「vsビオランテ」の時のように
見終わってしんみりと、じっくり考えたくなるような新怪獣を生み出してほしいですね。
怪獣映画はどこまでもテーマがずしりと重たくココロにのしかかってきてもらいたいと思います。

同時代と言えば、本作はテーマ、コンセプトだけでなく大森一樹監督の当時若手俳優や
アイドルを使った青春映画などで磨かれた同時代の空気をよくスパイスした作風も
ゴジラファンだけでなく一般の観客が見ても楽しめる映画になっていたと思います。
映画館でも出し方の巧い斎藤由貴やデーモン小暮の登場はお客さんが喜んでいましたね。
ヒロインが、最後にゴジラの背中を浜辺から見送った後、主人公の男性に
ベッドのあるところで自分たちのこれからをゆっくり考えよう、なんて言ったりする作品は
昭和のゴジラ映画では絶対臨めなかったセンスでした。沢口靖子がラストの
ビオランテ散華のさい空から微笑んでいるイメージシーンも賛否あるのですが、
大衆的な娯楽映画としてはあのくらい大仰な「昭和映画的な」イメージシーンが
あってよかったと思うし。
ゴジラの生みの親、田中Pが試写会の後に大森監督に「よくやってくれた」と握手して言った
意味もわかる感じですね。

色々な意味で昭和から平成にかけて劇場映画が変容しつつある中、「都市の感受性」とか
トレンディドラマ的な要素を取り込み新しい遺伝子をツイストしている時期の試行錯誤感が
映画を今見ても華やかで面白くしています。タコは冒頭の新宿副都心の駅構内で展開する
自衛隊、米軍とサラジアのバイオメジャーによる三つ巴のG細胞争奪戦で
テクノミュージックアレンジのゴジラのマーチがかかる辺りとか
ゴジラ映画もここでリニューアルされたんだな~と今でもしみじみ思えて好きですね。
でも、思うに平成怪獣映画の復興は、バブル当時ならではのあだ花だったんでしょうかね。
逆に日本がハングリーな環境にある今でこそ新しい視点の怪獣映画が生みださせそうな
気がするんですが。

今回発売のビオランテのカラーは劇中で川北特技監督が現場即興で演出を追加したという、
映画をより面白くした「歩くビオランテ」のシーン、全身から煙と火花を
出して根を足のようにくねらせ地鳴りを立てながら前進するあのサプライズショットを
想起させます。
静かに湖畔に佇む花獣と最終形態で静と動を対比させ、後者のビオランテは特に
アクティブで熱い存在感を放っていましたね。実際、一度は完全にゴジラを追い詰めますし。






ミステリアスソフビ フラットウッズ・モンスター 税込み5250円、全高25センチ 

1952年にアメリカのウエストバージニア州で目撃された有名な怪物。グリーンラメ成型。
すっかりおなじみの3Mの宇宙人。タコも普段ソフビ棚でなくSF映画のビデオDVD棚に
これと同じアイテムのスカート部が緑で顔が赤に塗られたヤツ(たぶん最後のトイフェス限定品
だったと記憶)を飾っていますが部屋の不思議感や妙さをステージアップ
させるインテリアとしてとてもいい感じです。SF映画でUFOマニアの研究家の家とかに
ひっそりと彼が置かれていそうでしょう。

そういえば、最近「調査当局のMIB風の男たちに捕まった小人宇宙人」と称され世界的に
たいへん有名な目撃写真が当時のタブロイド紙のスタッフが作ったものであることが
暴露されてしまいましたね。たしかドイツ発信だったか。
なんでも、かわいそうな発育不良児みたいな捕まった宇宙人は写真が生成された時期に
活躍していて全然売れなかった歌うローラースケートユニット(だったカナ?とにかく
アイドルグループ)のメンバーの一人なんだとか。メディアにも知られていないくらい知名度の
ないタレントだったのだろうか?こうなると今度はそのグループの活躍時の写真が
見たくなるってものですよね。しかしこうなると画像の元になった人間のほうが
未確認動物みたいな話になってたりしませんか。

とにかく、正直なところタコ的にはあの捕まった宇宙人の写真が嘘でも真実でも
どうでもよかった。
あの写真は地球に不時着した宇宙人の迎える運命というストーリーへの
想像力を強力に喚起するものだったのに。
いったい捕まった宇宙人はどうなったのか、どこかハンガー18みたいな軍の
重要拠点に連れこまれて解剖されたり標本にでもされて保存されているのか、とか
いろいろと妄想できて楽しかったじゃないですか。アダムスキーUFOしかり
ネッシーしかり雪男しかり、自分から愉しんで釣られたくなる過去のビジュアル素材が
昨今の情報化と当時の愉快犯たちの突然なカミングアウトによって、どんどん減って行くのは
残念な限りですね。。。

しかし人間、そういう告白をいつかはしたくなるというのがあるのかなあ、タブロイド紙に
ネタリークして小銭稼ぎしたいと言うのもあるのだろうけど、ここまで全世界に
知られていると、自分が有る程度年が経ったりした上で、総決算的というか解決編みたいな
感じで、つい真実を種明かしもしたくなる時が来るというものなんだろうか。

しかしこの3M ALIEN=フラットウッズモンスターのビジュアルアイコンは
こうしていろんなネット時代前と後でいろんな写真やビデオなどの物証が贋モノと
判明してさえもいまだに強烈なインパクトで見る者をひきよせるものがありますね。思いだすと
鴨川つばめ先生(最近どうしているかというと肉体労働をして生計を立てている説あり)
の「マカロニほうれん荘」では目撃談と同じで宙をういてそうじ君やキンドーさんを
追っかけていたけど、鴨川先生のフラットウッズの移動に関する描き方もリアルだったな。

このフラットウッズもたとえ創作であったといつか誰かに明かされたとしても、
アジアオリエンタルな仏像的なイメージを宇宙人のデザインに
取り込んだりと、宇宙人イコールブッダとでもいわんかのような当時としては
たぐいまれな連想力に富んでいる。創作者の仕事ぶりはいわば名も知れぬ
パチ怪獣造形職人の作業に近い。
戦慄すべき異形に神々しさも加味した得もいえないミリキを漂わせた
フラットウッズモンスター。その背後に居た名も知れぬ創作者にあたる人物の
ビジュアルセンスと娯楽供給力は、宇宙人の神秘性を一瞥したビジュアルのみで
大衆に強く印象付け、著名な映像モンスタークリエイターである成田亨氏や
H・R・ギーガーにまさるとも劣らない、ハイスキルなものであることはおそらく
これからも未来永劫不変であると思われます。

【ゴジラvsビオランテ Godzilla 1989/すぎやまこういち】

http://www.youtube.com/watch?v=W5Vm8bErkXg

【ビオランテ&レクイエム/すぎやまこういち】

http://www.youtube.com/watch?v=88_mhsGcWXQ&feature=related

パチサミ番外地3丁目

2012年05月20日 | 特撮・SF








ソフビにやさしいイベント、本家パチモンサミットは残念ながら休眠に入ったのだけど、
唐沢・堤・Keyパチモン3傑によるトークイベントは趣味人のささやかな愉しみとして
幅広い内容をテーマに掲げ、手を変え品を変え続いていくのだ。

新宿のネイキッドロフトで本日、パチサミ番外地3丁目が開催されました。
この「番外地」イベントは今回が3回目。おなじみパチモン3傑が各人の執筆活動や映像界で
さまざまな分野のヒトたちとの交流を通して得られた、残念ながらこれからも
活字にはしえないものの、このまま眠らしておくにはあまりにもったいなさすぎる
ちょっと面白い話、気になる話などを披露するトークイベント。
KEYさん「自分たちが聞いたまま、お墓に持っていってしまうのは実にもどかしい」と
王様の耳はロバの耳、とばかりにエピソードの数々が披露されました。



映像やキャラクターなど、自分のこだわりの対象を細かく見ているマニアにとっては
何事においても「どうしてあれはああだったのかな?」とか
思うことが多々あるわけですが、
今回の3丁目でもその舞台裏や黒歴史ともいえるリアルな話が披露されるたびに
えーっ!と驚きの声が上がったり、なるほど、とお客さんサイドからも思わず
納得の声が一斉にもれるような場面もしばしば。今回も会場は満員の盛況となり、
3傑の披露する話題に固唾を呑みつつ聴き入りました。







(会場に映っているソフビはタコの私物です)

会場でのトークは例によって緘口令が敷かれております。
「撮影・録音・模写など記録&流出いっさい禁止の特撮業界暴露トークショー!
驚天動地!日本特撮の闇、ここに暴露!」うっひょー。厳戒態勢ってヤツですな。





基本インディーズ、アングラマイナー分野メインの話題を可能な限り記す
ブログを標榜するタコブログでも、今回はさすがに事細かに書くわけにはいかないのだけど
とにかく行って耳を傾ける価値のあったトーク内容だったというのは確かデシタ。
駆け足ながら、昭和のはるか遠くの闇の中に消えかけていた映像界の
ミッシングリンクの存在がたくさんの人たちの目に、耳に触れることになりました。
今では当たり前になっている事実には、実はいろんな深い事情が絡んでいたりするものです。
逆も真なりで、こんな適当な、またはしょーもない事情により、
今あるアレはこんなことになってしまったのか!なんてこともあったりするものです。




さらに本イベント名物ともいえる、うれしい操作ミス。
この種の機材を扱うプロなのにKeyさんがうっかり操作ミスで
自分のコレクション映像の入った機材を作動させてしまい
OHP上に流して機材の止め方がわからないまま、
しばらく映してしまうといった緊急事態も発生したのですが、
それをうっかり観てしまった酔っ払いのお客さんたちもこのハプニングに顔を緩ませつつ
画面に見入っておりました。ま~ミスじゃしょうがないよね。
しかし、いつも観てるヘボ画質と違って綺麗だったな~。そして改めて大画面で見て思うに、
やはり面白い作品だ。封印しとく手はないわ。




そういえば今回誤動作で見てしまった作品と
同じ版権所有会社による人気OVAの5話目が完成、きのうからこの新宿でも
ソフトリリース前に先行上映して大入り満員だったりして、奇しくもという感じ。
華やかな宴の影で黒歴史が自動再生、これぞ◎プ◎スの亡霊ですな(笑)。
「まあ、今でこそかの会社も◎◎◎◎(ビッグタイトル名)で潤ってるわけですが、
もしあちらの作品の人気が落ちてきたら封印同様のこちらの作品も日の目を見ることになる、
かもしれません」なんておっしゃってましたけど
是非期待したいですね。まあタコはどっちの作品も好きなのですが。
なんとかならんかねえ、かの会社にちゃんとフィルムはあるんだから。
まあ今までももう観れないと思っていた作品が封印解除になった実例は枚挙にいとまがない
ので、この作品の主人公みたいに1万年も寝て待つことになる、なんてことは無いだろう。
少なくともリアルタイマー世代が生きてる間ならなんとか実現するんじゃないカナ?と
タコは比較的楽観視していますが。最近は封印作品も減ってきたし、われわれも
かなり多くの旧コンテンツと再見できている。逆に気長に復活の刻を楽しみに待つ
タイトルだって少しはあったほうがいい。







実際、ここ数年は映像界でも当時の製作者やアクターの方たちでも
キーパーソンにあたる方での故人が多くなっています。
思い起こすと去年は訃報続き。亡くなったヒト多かったですよね。
すっかり昭和は遠くなりけり、ということで歴史の証言者にあたるヒトたちが
ポツリ、またポツリと居なくなっていくのはファンとしてはさびしい限りです。
そして黄金期のさまざまな事実が、時間の波に押し流されて消失しようとしている。

永遠に生きる人間はいない。証言者たちの喪失が続くさ中にあって、
作品の足跡を辿る上で今はひとつでも厳然たる事実を知る場が欲しい。
しかし全ての事実が公けにされることはない。この世に残しておいたほうがいい現場の事実も、
さまざまな事情からこよなく作品を愛している真なる情報が必要なヒトたちにも
徐々に届きにくくなっている現状がある。この「パチサミ番外地」こそ、マニアの
頭の中の霧を取り払う知識の補完場所としてこれまで以上に重要な使命を帯びてきている、
いわば記憶を次世代に伝える最後の砦といっていいのではないか。



今回と次回は地続きで、とある歴史的シリーズの舞台裏と現場の紆余曲折を追う内容と
なりました。
たぶん次回はそのトーク対象のシリーズがもっとも激動期にあたる頃の話題に触れることとなり
今回以上にコアな内容が披露されることになりそうな気配。次回も楽しみですね。



なお次回のパチモンサミット番外地はダイナミックコグマさんが大陸から集めてきたユニークで
ノイジーな電動TOYプロダクツをフィーチャーしたトークイベントを企画中。
タイトルも正式決定したようです・トークバラエティ「違法商品ちゅうかなパチパチ」
9月9日、会場を変えて同じ系列店の阿佐ヶ谷ロフトA(杉並区阿佐谷南1-36-16-B1 
電話=03-5929-3445)で開催予定だそうです。
イベントの最後には、タコブログでも先日のスーフェス59ルポで紹介した、
あの「タイサーマスク」(本名セミ・フロンタル)が会場に登場しあやしげな点滅を伴って
爆音をなびかせパワフルに机上を走り、是非来場を!とばかりにアジっておりました。

マーミットの4月受注ソフビ新製品

2012年03月26日 | 特撮・SF

 

エクスプロージョン!!
「ドールになっても私のことをいつも見守っていてくれないと絶対に許さないんだから!!」
舞台をロマリア連合皇国に移し、才人との恋模様も山場を迎えつつただいまファイナル
シーズンオンエア中の「ゼロの使い魔」、ルイズドールがマーミットさんからリリース。

マーミットさんから4月受注製品リリースをいただいたのでご紹介~。
今月も妖怪あり、ドールあり、メカ怪獣あり、マイナー宇宙人ととってもにぎやかな
ラインナップDeath。
通販限定品です。2012年4月30日受注締め切り、7月下旬発送予定。
商品のお問い合わせ及び代引き申し込みは㈱マーミット(03-5648-6535)まで。




MOD-60 ルイズ 39800円(税込み)全高約60センチ

フル可動オビツボディ使用。ウィッグはゼファー製。「ゼロの使い魔F」登場
アニメの表情を忠実に再現したドール。本編を見ると線画で輪郭一本描きなんですが、
ウィッグの質感が立体になったら確かにこんなふわーんとした感じになるでしょうね。





怪獣天国 メカゴジラ5250円(税込み)、全高約23センチ

通常通販初登場。レトロスタイルのブルーグレー成型。メカゴジラというとソフビでは
シルバー成形のものが主流ですけど、やはりソフビになるとグレーの色合いが記号的な
金属の解釈として目になじむ気がします。
メカゴジラもすでに平成になってVSメカゴジラ、機龍と、より洗練されたフォルム、リアルディ
ティールによって何度もリクリエイトされています。ガンダムアフターな人型超兵器的デザイン
ラインもとりこまれるなど時代のニーズに即したビジュアルはどれも素晴らしいのですが、
昭和のメカゴジラの全身ビスに覆われた武骨かつスパルタンな完成度はいまだ日本の
メカ怪獣の代表的な一体といっていい存在感を放っております。
鉄人やメカニコングといったレトロロボに注目が集まっている昨今、昭和メカゴジラの持つ
ミリキが原点回帰的な目線で注目されている気がします。




怪獣天国 ズール星人(2期) 5250円(税込み) 全高約23センチ

帰ってきたウルトラマン登場の宇宙参謀。レッドキラーを操る。
宇宙参謀っていう肩書は、あの多々良淳氏扮する紙芝居やさんの通信装置のモニターに映ってる
ズール星人の上司のほうをイメージして命名されたんだろうか。帰ってきたウルトラマン後期の
宇宙人は成田ラインの宇宙人デザインを離れて、ややレトロSF的な方向のセンスが混入された
宇宙人も出てきたあたりがビジュアル面でカオス感があって面白かったですね。
このズール星人もよく見ると顔の部分の甲殻類っぽい処理など、昔のパルプSF小説の
挿画に描かれていた宇宙人を人型キグルミにリイマジネートして作られたっぽいです。
このズール星人しかり、メタルナミュータント的な風貌を持つメシエ星雲人しかり
ファンコレ発売以降のウルトラ再評価時代は、デザイン的に後退した時期のスタッフの拙速さを
表したキャラであるとマニアに一刀両断されていたふしもあるんですが、今見ると彼らは
ウルトラ的エイリアンの多様性がさまざまなデザイン的方向性を模索していた感じで
興味深いです。そしてこのズール星人もそんな一体です。
服も出来合い衣装だったりするのが御愛嬌ですけど、
70年代の海外SFTVシリーズに出てくる宇宙人的というか、マニアはそういうなんとも
はかない「画面にちょっとだけ出てくる」宇宙人に、またしびれるものです。
このソフビは非常にキュートでヌボーッとしたポリ人形のような仕上がりで
スーフェス限定品として買った1期はタコのお気に入りです。
同じ時期にマーミットさんからリリースされたブラック星人もまさかの製品化で嬉しかったな。
あー、そういえば新マン後期の宇宙人で未ソフビ化のストラ星人の製品化は結局なんとかならない
のだろうか。。。何度も書いてる話だけど下半身が消えている状態で出現して明確なデザイン画が
見つからないらしいんですが。ズール、ブラック、ブルマァクのバルダック星人、メシエ星雲人、
ベアモデルさんのグロテス星人、そしてストラ星人と出ると新マン後期のゆるエイリアン
そろってマイナー星人好きにはたまらんことになるのですが。




怪獣天国 グモンガ(2期)5250円(税込み)全高約22センチ

ウルトラセブン登場の宇宙蜘蛛。ベル星人の作った疑似空間に潜み、落ちてきた者を襲撃する。
顔のイボのような突起から何か黄色いガスのような有毒な気体を吹いて敵を捉える。
劇中を見ると複数生息している模様。これは1期を持っていますがスタンダードサイズで
よくリリースしてくれたなと思うキャラですね。操演でチャカチャカ動くのですが気色悪くて
絶妙でしたね。屋外撮影で操演はなかなか手間がかかったのではないでしょうか。
当時の怪獣図鑑で石の上に置かれたスチールがあるんですが、彼はプロップとしても
惹きつける存在です。




ビニパラリターンズ マグマ大使5250円 全高約23センチ ギガラメゴールド成型。

ここのところ井口昇監督の「ザボーガー」のリメイク映画化でピープロ作品が再注目されている
感じです。人気作のマグマ大使やスペクトルマンも新しい世代の視聴者が生まれている
ようですね。
ピープロ作品はトラウマ度が高かったり、原水爆問題や公害等、リアルタイムの世相を捉えた
プロットも多く導入されており、現在ではTV作品上で描写できないようなシーンも真摯に
描いており、かえって新鮮ではないかと。「怪獣王子」などを見ても土屋監督は職人監督として
ピープロ作品で
常に手際が良く、最高の仕事をされていると思います。
マグマ大使では、昭和の平和で裕福な家族を絵に描いたようなマモル一家の描写が、
今見るとすでに失われた懐かしいパストフューチャーな家庭像にさえ見えます。
そこに出現したゴアの手下、にせ家族が本物か贋モノかマモルがとまどう、シミュラクラの恐怖を
描いた人間モドキ編など、アバンギャルドなプロットでした。当時の子どもは人間モドキやママに化けたルゴス2号には恐怖のどんぞこに陥れられたそうです。自分は再放送世代ですが
マグマのいくつかのショックシーンが夢に出てきましたね。マネキンになったママたちが空き地に
無造作に転がされているシーンなど、大人になって見返しても悪夢のようでした。

今回リリースされるマグマはマーミットさんお得意のラメ仕様ですが、実際のマグマが劇中
アップになったシーンで見ると、こんな感じでキラキラと表面が美しく光っており、妻のモルも
衣装だけでなく顔もメイクによりキラキラしてたり、細部にまで凝ってるなと思ったんですが、
そんな劇中でのロケット人間の体表を再現したギガラメver.というところでしょうか。
自分はこの太田さんが原型を担当したビニパラマグマの顔の表情がとても好きです。
ギガラメ仕様は宿敵のゴアも本編の被り物がキラキラテカっていたので、似合いそうだな~。

KARZWORKSオリジナルソフビ トンブアナ 4200円(税込み)全高約18センチ

水木しげる氏の紹介で有名なニューギニア トライ族に伝わる精霊。これぞまさにゲゲゲの神様。映画版の「ゲゲゲの女房」にも確か出てきました。19歳で赤紙召集され太平洋戦争の真っただ中に送り込まれた水木しげる先生が南方のラバウルで地獄のような戦争体験を味わい、友軍も失ってマラリアに罹りジャングルの中をひとり死地をさまよった時に島の現地人たちに助けられました。そして自分の命を救ったのは傷ついた体を癒してくれた自然の恵みをもたらしたラバウルの自然、
そして大地の神=トンプアナの存在を信じるに至ります。
人間は自然と調和して生きていかなくてはならない。そんな思いがトンプワナをめぐる逸話から浮かび上がってくることでしょう。
マーミットさんによると、このトンプアナは2体を並べて飾るのが本式であるとしています。


ゆたり 恐獣スパイダウロス

2012年03月11日 | 特撮・SF

 

 

3・11の日、当日で各テレビ局も震災での故人の方々への追悼と復興を追う趣旨の特別
番組を放映していますが、とりあえずは本日多くの地域で平穏のままに震災一年目を迎える
ことができた事実を今はかみしめつつ、今日は普通にタコブログもソフビネタです。
今回は2011年冬のワンフェスでデビューしていたアイテムなのですが、直後に震災もあって
その後タコもブログを一旦休止し記事に扱いそこなっていたソフビ。

ゆたりさんの流星人間ゾーンスパイダウロス。こちらもワンダーフェスティバル2012冬で
カラフルなセカンドカラーが登場し再び評判になったアイテムです。この画像のスパイダウロスは
ワンフェス2011冬で発売されたファーストカラー。あわせて今回は流星人間ゾーン
関係のアイテムでタコフェバリットな亀マークの中嶋製作所製・ゾーンエンジェルドールを紹介。

複雑なデザイン、造形の恐獣が多い「流星人間ゾーン」。いしづき三郎さんの指揮で
アーク(オレンジ)から昭和50年代にリリースされた恐獣シリーズでもデストロキング、ジキロ
といった番組の代表的な存在といえる複雑な形のキャラはリリースされていなかったのですが、
ゆたりさんはワンフェス版権品という展開ゆえにあえてこの辺りの全身武装した攻撃的な
ルックスの、あたかも恐獣の醍醐味とも言えるキャラばかりをセレクトし渾身でリリース。
このスパイダウロスは「ソフビースト」ブランドのゾーン恐獣シリーズ3作目にあたります。
今回はジキロやデストロキングをリリースしたときに蓄積したスキルを踏まえて、接着箇所もなく
完全にソフビTOYとして製作している点も注目したいところです。

クモ恐獣としてゾーンと同じ東宝怪獣であるクモンガ、カマキラスなどの系譜も踏むスパイダ
ウロス。一度目の地球攻撃では地球の生物、ゴリラを変異させたガロガコゴリラを送りこみ、
二度目の攻撃ではジキロ、カブトギラー、ガロボーグなどとともに恐獣軍団を結成して地球を
攻撃してきました。世代人には忘れがたい昭和の怪獣の一体といえるでしょう。

8本足を、当時もしソフビがでていたら肩の第1足などは角状にしてカンチャクをオミットしてしまい
そうなところですが、今回ゆたりさんはこだわりでしっかりポージングできるよう独立した
各足をパーツで構成。第1足はスチールによってはダラーンと下に垂らしているような
現場スチールも現存しているのですが、スパイダウロスのミリキはこの多足生物を怪獣にした
重厚さがポイントとして指摘できようところであり、完成したソフビもそのスパイダウロスの
いかにも第二次怪獣ブーム時のキグルミ怪獣が百花繚乱でテレビに登場したときの空気を
ポイントとしてしっかり捉えたパーツ分割、造形になっていると思います。

クモの怪獣は足が多いので複雑な形状のものが多いです。
第二次怪獣ブームの時にもユニークなきぐるみの怪獣が数多くブラウン管に登場し、
それを見て育ったリアル世代でもある現行のソフビメーカーさんからも、怪獣軒さんから
シルバー仮面ジャイアントのエマー星人がリリースされ(劇中ではヒトデのたとえが出て宇宙海
星人といった肩書がついていますが形状はクモ)、ベアモデルさんからはこのたび
スペクトルマンのくも怪獣が2012年冬の新製品としてリリースがアナウンスされており
そしてこのゆたりさんのスパイダウロス。ソフビ製作面で昭和当時では製品化に向かない
複雑な形状だったり番組後半の登場なため製品化の俎上に上がる範囲になかったりで、
当時ではソフビプロダクツ化しえなかったキャラのアイテム化をインディーズメーカーが
マニア向けに果たしてくれていることで、あたかも版権ソフビ化の極限に挑むという感じで
メーカー各社さんとも一度はカタチとなって手に取りたかった怪獣ソフビづくりに
おおいに気を吐いている印象がありますね。

それぞれのクモ怪獣ソフビアイテムを手元で見比べると、昭和の怪獣ブームの熱気をまた
再認識できるのでは。

サイド・リアビュー。この角度から見ても決まってますね。流星人間ゾーンの恐獣は東宝
スタッフが、既存の怪獣ではすでに視聴者のテレビの前の子どもたち相手にそうそう
普通の怪獣では驚かないだろうなと見て、デザインやきぐるみの造形などでも試行錯誤を
続けた気配が見受けられ、Aの超獣でもおなじみの井口昭彦氏がデコラティブなモンスター
ビジュアルで健筆を奮い、造形スタッフも呼応して気合いを入れたのでしょう。
流星人間ゾーンは怪獣のきぐるみ造形を見る作品ということではひとつの到達点に達した
作品だったのではないかと確信しています。

背中の4本足がゾーンや援軍に現れたゴジラとの戦闘時にブルンブルンと動いていたんですが、
きぐるみは背中に足を多数持っているゆえスーツアクターさんも演技しながら時々位置を
直さないと相当に重かったのではないでしょうか。ソフビになってじっくり眺めつつ、本編キグルミのボディバランス感覚のあやうさがもたらす魅力もまた実感できる感じがします。
スパイダウロスが平成の世に立体物として、しかもソフビTOYになって手にとれる機会が来るとは思いませんでした。
ひきつづきゆたりさんにはガレージメーカーならでは可能になった、まだまだ曲者ぞろいの、
マニア泣かせでもあるゾーン恐獣の立体化をじっくりやっていって欲しいですね。

あわせてこちらはゾーン関係の当時物TOY、ヒロインのゾーンエンジェル。
色っぽい衣装、というのでもないんですが、妙にそそるコスチュームですね。
演じる北原和美さんは当時かけだしのグラドル的な位置づけだったと思うのですが、東映作品にも
よくゲストヒロインで登場して特撮ファンには忘れがたいヒト。芸能界での活動期間は短いですが
今も人気があり、ミュージシャン・中村ブン氏の奥さまとして健在が伝えられています。
お姫様カットの前髪パッツンロングヘアーでゾーンエンジェルを演じたことも北原さんの存在感を
大きくしたといえますね。

最近もケーブルで再放送が開始され、新しい世代のゾーンのファンが出てきて語り継がれて
いる「ゾーン」。第二次怪獣ブーム頃に濫造された特撮作品の中でゾーンは主人公の防人
一家の地球防衛活動が周囲の住民からどういう目でみられているのか?等作中では
曖昧だったり、今見るとプロット上でもいささかツメが甘かったりしますが、逆を言えば、
お客が自由に脳内補完して楽しめる余地がある作品になっているともいえますね。

 このドールは当時中嶋製作所から発売された「インタラクティブアクション」を導入した
アイテム。背中のボタンを押すとおじぎ、腹のボタンを押すと横に首を振るギミックが付いて
おり、カクカクと首が動きます。当時発売された同シリースの敵・ゴールドガロガにも
同様のギミックがついています。同様に同社オリジナルの(というかパチものヒーローの?)
アストロミュー5にもこのインタラクティブアクションが導入されており、頭部がカクカクと動きます。

ゾーンエンジェルは当時ミニソフビも発売されたのですが、着せ替え人形的なアイテムが
リリースされたのは画期的というか中嶋よくやった!でしたね。でも女の子が買うっていう
需要はあったのでしょうか。
ゾーンエンジェルは男の子たちにも人気があったのですが(ゴッコあそびでゾーンエンジェルを
演りたがる男の子がタコの周囲には割といた)人形を買うまでにはいたらない
感じがします。子どもの心理として、女の子のキャラクターのおもちゃを持っているのは
気恥ずかしいみたいな感じもあったでしょうからね。

キャラクティックスさんから発売された恐獣ザンドラと。このザンドラはアークのザンドラと成形色、
ブラシワークを同じにしているので当時感が良く出ていますね。本編のザンドラに
ついてない目をつけ、アークのザンドラを意識したものとなっています。
中嶋製作所のおもちゃは最近、タコブログでもタイガーマスクのレスラーたちを載せている
のですが、独特の質感やアレンジを持ち、今の目で見ても造形的な語り口が豊穣で、この
メーカーさんはブルマァクとはまた違うミリキを放つアイテムを多数残していますネ。

衣装は脱がせられるけど、衣装の強度も最近のドールコスと比較しても非常にしっかりしており
昭和ながら当時のおもちゃ会社なりに子どもたちに遊ばれても大丈夫なように仕立てられた
さすがのクオリティだと思います。背中のファスナーもステンレスのガッチリしたもので、
破損を考慮しています。ベルト部分のゾボットや銃の造形も劇中プロップに似て良くできています。
手袋だけ、実は自前で別の製品のパーツにしています。
首はインタラクティブアクションで動くけど、手足は可動としてみると服を着せた状態では
あまり動きません。
中の人(素体)は演じる北原さんとは似ても似つかない茶髪のショートヘアーのおなかの
ぽっちゃりした女の子が出てきます。というか同じメーカーさんのガッチャマンの「白鳥のジュン」
のドールを脱がしてみると、中には同じ茶髪の娘さんが。。。
そしてレインボーマンをおいはぎすると、同社の大鷲のケンそっくりのおにいさんが。。。
確認していませんが、たぶんゾーンファイターのドールも、服をキャストオフすると
劇中の、ヤマトタケシでもない大鷲のケンに微塵も似せていない、中嶋素体の彼が出てくる
のでしょう。


右のゾーンファイターはパチものソフビです。顔の造形が妙に几帳面に作られており、
かえってこわいですネ。

 この一連の中嶋製作所による特撮・アニメ系ドールは服が布製の部品を含むものは多くが
遊び倒されてボロボロになってしまったり茶色に変色してしまうことが多いのですが、
ゾーンエンジェルはピンクのタイツ部分も一体パーツのビニール製なので遊び倒されなければ
現存しやすかったのではないでしょうか。自分は箱ナシだったので古物としては比較的
安く入手でき、普段も飾っています。自分は最近の精密なドールも好きですが、やや甘い
つくりながらこのゾーンエンジェルも当時ならではのファッションドール風で最大限に作りこまれた
アイテムとして存在が色あせない感じです。

そしてゾーンエンジェルがリリースされている事実は特撮ファン的に
あらためて当時の怪獣ブームならではの物資面での豊穣さを感じずにいられません。
ゾーンエンジェルは子ども時分にゾーンを見て「親しみやすくもりりしいお姉さん」という印象が
強烈にインプットされた特撮ヒロイン、と位置づけるヒトも多いのではないでしょうか。

Godzilla Overture (流星人間ゾーンのゴジラ活躍・ゾーンとのトレーニングシーン)

http://www.youtube.com/watch?v=jnvf3_bzlkA&feature=related


ビリケン商会 大宇宙人展

2012年03月04日 | 特撮・SF

 

かつて銀河系にも地球人以外に他の知的生物が居ると思われていた。
そして人類はいまだその宇宙人、宇宙生物と真に邂逅は果たしていない。
しかし世界各地で宇宙人たちの目撃情報が報告されている。
そう、宇宙人は実在する!
そしてこの週末、ビリケンギャラリーの呼びかけで、南青山には
アメージング&アウスタンディングな宇宙人たちが続々集結している!

上写真はイベント初日、さっそく会場で空の果て、成層圏にとどまる異星の船に
「わたしを銀河の果てに連れてって~」とよびかけ、リアル宇宙人召喚の儀式を開始した
ビリケンギャラリーのスタッフさんとお客さんたち(ウソ。空調を見てるだけです)

今回のビリケンギャラリーでのイベントはテーマが宇宙。One up.さんも宇宙がテーマの
ソフビイベントを開催。3日まで江戸川橋の酢飯屋さんで開催していた「妖怪食堂」には
妖怪が集結。
今年のひな祭りデーはヒトならぬ者たちが都内に集結して各地で祝祭空間を展開する大状況と
なっていた!SF怪奇宇宙人妖怪大決戦、とか書くと大伴昌司氏のグラビアみたいにいかにも
ものものしいですね。

ビリケンギャラリーでは、待望の新作ソフビ・ポケット宇宙人シリーズの初売りを記念して
懇意にしている作家さんたちによる2次元、3次元問わず、宇宙での饗宴が会場せましと展開!



デパートメントHでおなじみ、ゴッホ今泉さんのPOPでカッチョイイイラスト。
宇宙での戦闘要員を募集しております。

サンガッツさんの超ビッグサイズ、巨大宇宙人スタチュー!OLLIEの倍はあるぞ!
何日か前の妖怪食堂の時にお会いしたら作業はこれからです
とか言ってたけど、すごいインパクトのが仕上がりましたね。
しかし月末からサンガッツさんは妖怪食堂を皮切りに3つの展示会に関わってフットワークも軽く
新作を発表と大忙しでしたネ。

ドリームロケットさんのオリジナルエイリアン。表面のヌメッとした粘液感がたまらないと
評判でした。

ぬいぐるみ作家さんのCLICK CRACKさん。メタ●ナミュータント風のオリジナル宇宙人。
画像を行った先のソフビ関係のヒトに見せたら「うーん、ぬいぐるみもいいなあ」と言ってました。



ポケット宇宙人はスーフェスで原型が紹介されて前評判も高かったマーク星人のほか、
オープン寸前にジュプ星人なる新キャラも投入され販売されるビッグサプライズとなった。
命名はビリケンさんによるもの。星の名前マーズ、ジュピターから由来。
元絵にはないリアビューは原型師のハマハヤオさんがフロントのプロポーションや宇宙生物
としての器官のありようを考証しつつ新たに作り起こしたもので、
これらの宇宙人絵を見なれたヒトにとって仕上がりは見どころとなるところだろう。

タコの特撮豆ちしきで是非知らせておきたいのが左のマーク星人に関して。「ウルトラQ」の
有名キャラには人工生命M1号がいますが、さらに劇中でもういっぴき登場の可能性があった
「人工生命M2号」のデザイン画(成田亨さんが昔の宇宙人画をリライトしてデザインし、
M2号の名で登場させる準備をしていたが実現せず)が存在します。そしてM2号はマーク星人に
ビジュアルがほぼクリソツというかまんまだったりする。
そう、お持ちのM1号のソフビとマーク星人を並べれば、M1号と本編映像に出なかった幻の
M2号が揃ってソフビ棚に飾れることになったりしマス~。
。。。なんて聞くとさらにそのえもいえぬ存在感にモヤモヤしてくるソフビになることでしょう・

彼ら古えの宇宙人たちはレトロモダンな時代の創造物をいかにも思わせるもの。
特殊な惑星の環境で独自の進化をしたという設定のもとに地球の生物とはまったく異質な
形状をしておりますが、独自の文化を築いているまさしく知的生命体。
決して凶悪な侵略者だったりウルトラマン的なきらびやかな宇宙人ではないですが、
まだ宇宙が人類の脳内で未開ノセカイだった頃ならではのアメージングなビジュアルが
今見るとかえって新鮮であり、飾っているとじわじわとレトロSFなイメージがイイ味となって
脳内にここちよい刺激を与えてくれるのでないカナ。そう、彼らはその特異な姿で
われわれ地球人に宇宙のもつ多様性について、教え語りかけてきているのだ!
そして彼らこそ、これまでもレトロSFに造詣の深いビリケン商会さんこそが
製品化すべきであったシリーズであったことが確認できるでしょう。

タコ「昔の宇宙人の本はおっかなかったですよね」。
お客さん「何かというとすぐ、『宇宙人が攻めてきて地球が滅亡する』とか書いてあって
子どもの頃はビビりましたよ~:」
タコ「この本も裏表紙の絵で宇宙人がおしかけてきてて地球が滅びかけてますね(苦笑)」
お客さん「この本の出た当時はノストラダムスの大予言とか流行っていたころですものね・
子ども向けの冒険の本も怖いのがあったんですよ。無人島に辿りつくとどうなるかとか
書いてあるんですけど『冒険ハンドブック』みたいなタイトルがついてたんですが」
タコ「あー、それ、持ってますよ。読者を怖がらせるばかりで全然サバイバルマニュアルに
ならないような内容なんですよね。無人島で、『食べ物がなくなって、キミは飢え死ぬのだ』とか
きっぱり書いてあって次のページをめくると男の子が浜辺で座ってガイコツになってる絵の
載ってるやつでしょう。あと、家もないのでスコールに打たれているうちにガイコツになったり。
なんでも最後はガイコツに。食べ物探しをしていたら、ジャングルで猛獣に食べられたりとか」
お客さん「飢餓状態になったら虫を生で食べろとかムチャクチャ書いてあるんですよね」
タコ「(第二次大戦の現地残留兵だった)横井庄一さんも食べて生き残ってきたのだ!とか
書いてあるんですよね。サバイバルなんて戦後育ちの君たちには無理!って言ってるような
なんとも付き離した内容だったな~。あの本を読んで自分は冒険家になるのをあきらめました」

タコがちょうどもっていた子どもの頃に慣れ親しんできた宇宙人の本と、ビリケンさんが今回の
ソフビを製作するにあたって使用した宇宙人図版の洋書を見比べ中。今後色がついたときの
イメージはこんなカナ?とかお話してるとこ。

 



ビリケンさんの限定ソフビの塗装を担当しているおなじみ努さんがイラストで参加。
前に目の前で外人さんが怪獣の絵をババッと買ってった実績のある努さん。
デカいサイズでものすごいぞ!奥さんが原案なんだとか。レトロ宇宙人とか言ったら
努さんの真骨頂ではないですか。ビリケンギャラリーの出入り口にババーンと鎮座してるぞ!

田中六大さんの作品。絵のタッチがホンワカしてます。友好的な宇宙人と街のヒトが
公園で交流を果たす、ハートウォーミング系SF映画の一シーンみたいで萌えですね。


今回のイベントはそれぞれの作家さんの頭の中にある自分のSF映画の一シーンを
のぞいているみたいな楽しさがあります。

花輪和一画伯の作品も見れますYO、農家の軒先にひょっこり現れたような
宇宙人という、何か等身大シルバー仮面の一シーンみたいでいかにも昭和的な場面選びが
花輪さんらしいところで楽しいですね。

逆柱いみりさんのイラストもちょうど到着したところでした。昨年のイベントは震災の後で
バタバタしてたから情報チェックが甘くて気がついたら終わっていた。。。一品モノジャンボゴゼラ、
間近で見たかったな~、逆柱さんというとテーマも宇宙といえば創作意欲的に切っても切れない
作家さんですよネ。
逆柱宇宙で空から飛来する空飛ぶ円盤は当然自作の「空の巻き貝」じゃないけど、御覧の通り
巻き貝のような、来迎図にある天空船のようなカタチをしてるんだ!

まだ会場には作家さんたちの全部の作品が届いていない。そしてこの週末に続々集結中だ!
行くたびに、ビリケンギャラリーにはきっとあなただけが目撃することができる、
新たな宇宙人たちとの接近遭遇が待っているぞ!

【大・宇・宙・人・展  銀河の果てへ連れてって】
会期 2012年3月3日~4月1日 ビリケンギャラリーで開催中
参加作家 石塚隆則/ ICHASU/大橋重信 /沖冲. /cavilll/ゴッホ今泉/コマツシンヤ/逆柱いみり/ザリガニワークス 坂本嘉種/ザリガニワークス 武笠太郎/さんがっつ(いちみや忠義)/たかくらかずき/タケヤマ・ノリヤ/田中六大/ドリームロケット/中野貴雄/NANOOK/野村康生/花輪和一/早川モトヒロ/ピコピコ/増山 努/MARUOSA/ミヤタケイコ/吉原宏紀/WORUZ 他


マーミットの2月受注ソフビ新製品

2012年02月04日 | 特撮・SF

 

 1月よりも2月のほうが寒いですね!まいったっす。福岡ねぎをガンガン入れた自作ミソスープで
風邪対策とってますがこれがなかなか効果てきめん。
こないだも書きましたが核シェルターみたいなところで仕事したら冷えたらしく、全身の解凍に
時間がかかりましたYO
寒くなるとソフビなどは硬化しやすいので壊れやすくなりマス。柔らかめなクリアモノでも堅くなると
ガラスみたいに細いとこがちょっと衝撃を加えるとパリーンといっちゃうことがあるらしいぞ。
ゾルの成形コンディションも関係しているとは思うのですが、この時期は予期せぬ落下や衝撃に
ご注意を。

ベアモデルさんの新作発表に続き、マーミットさんから2月のソフビ受注アイテムのリリースをいただいたので
ご紹介~。
ここにきて長年集めてきたファンには版権ソフビ関係老舗各社が新作発表して
気を吐いているのはうれしいですね。
今月も赤松和光オリジナルの悪魔軍団シリーズますます快調のアバドーン登場、絵本作家の長谷川集平
さんとのコラボプロダクツ・トリゴラスなど、初受注品も数多く用意されラインナップがとてもにぎやかです。
2月29日受注締め切り、5
月下旬発送予定とのこと。


アークデーモン アバドーン 税込5500円
先日の新春スーフェスでもお目見えしたカーズワークス新アイテムがさっそく受注販売。
未塗装未組み立てソフビキット。悪魔をイメージする昆虫と言えばイナゴ。
カーズワークスのオリジナル悪魔シリーズ第4弾・蠍の尾を持つ蝗の王。
尻尾はサソリだったのか。。。頭部と翅はクリアーパーツ。
平成以降のバッタモチーフの東映リアル系怪人やダークヒーローの系譜も取り込んだかの
ようなクリーチャー的ルックスがブラシワーク&筆作業映えしそうDeath。じっくりディティールに
手を入れると楽しめそうですね。



怪獣天国 トリゴラス(1期)税込5250円。全高約23センチ。文研出版刊・長谷川集平氏の
名作絵本「トリゴラス」「トリゴラスの逆襲」に登場。長谷川氏の完全監修のもと立体化。
以前タコブログでもこのトリゴラスを特集したのですが往年の東宝怪獣映画への
オマージュもこもった良作であり、トリゴラスのソフビ立体化は待たれていたというところでしょう。
昨年夏以降、長谷川氏の関わるアートイベントなどでも販売していたようですが遠方なので
なかなか手が出なかったヒトも多かったのでは。今回満を持しての受注販売となります。
リアビューも尻尾が長くボリュームがあり、かなり見栄えがします。
オリジナル鳥怪獣のソフビとして飾っても楽しめそう。絵本の中にもあるのですが
いきなり夜中に窓の外の暗い空にこんな怪鳥が飛んでいたら恐ろしい。これで窓を破って
襲ってくるんですから。バードンの団地襲撃シーンのような怖さがありますね。
長谷川氏の見事なイマジネーションで描かれており、この本を一種の
トラウマ絵本的目線で親しんでいるヒトも多いのでは?
トリゴラスという怪獣はラドンやラルゲユウス、ギャオスなどの怪獣でかつて描かれた映像的断片が
集合実体化したような存在なのかもしれません。手に取るといろいろ妄想が膨らんできそうな
ソフビとなりそうです。

【マーミット×長谷川集平 トリゴラス】
http://blog.goo.ne.jp/kadomiumtank/e/fe3e09a1375cdf06472e01ebdfea33b1

 リアルソフビ ピット星人(赤目、黄目)各6090円(税込) 全高約27センチ。
ウルトラセブン登場の変身怪人。2体同時リリース。キット版3990円もあり。
原型製作は浅川洋氏(アス工房)。服の質感表現などピット星人の決定版といえそうですね。
ピット星人を見ると思いだすんですが、地球防衛軍の計器類はメーターをフルにすると
火を噴くんですよね。恐ろしい・・・。

怪獣天国 ゴジラ(VSキングギドラ1991)税込5250円。全高約23センチ
前月のキングギドラに続いて相方のギドゴジ。タコの個人的イメージですが、平成ゴジラの華やかさの象徴
としてはバブル時代と言う社会的背景もあったのですが、このゴジラ対キングギドラと前作のVSビオランテ
の担うところが大きいのでは。特にギドゴジはゴジラのスパルタンな戦闘スタイルをもっとも体現した
「強くて怖いゴジラ」であると思います。中でも崩壊した新宿副都心をバックに仁王立ちし、第二次大戦中に
ゴジラ誕生の瞬間に立ち会った過去を持ち今は財界の王である運命の男、土屋嘉男氏と対峙する
ギドゴジのシーンは忘れがたいです。

しかし放射能の恐怖というものを、バブル時代のもっとも日本人が悩むことなく経済的成長を謳歌している間も
作品のテーマ中に常に横たえてストーリーを進行していたゴジラシリーズの映画界でも特異ともいえる
存在感は今日になっていやましに強いインパクトを増してきた感じがします。
放射能の隠喩である空想上の脅威、ゴジラ映画が活動を停めたことと、広島や長崎の原爆投下、
東海村の原発事故等でさんざん恐ろしさを知っていたはずの日本人にとってゴジラと入れ替わるように
忘れていた放射能が今そこにある脅威となっている事実
もどこか皮肉ではあります。
つまり、怪獣映画は作り手も意識しないでもなしに、どこかで風刺や社会背景を背に受けて
現実を照らし合わせる合わせ鏡のようなものでは、ということです。
水爆大怪獣ゴジラや公害怪獣ヘドラこそ、文明の業獣といえますものね。
新作では原発ネタを露骨に絡めないまでも、怪獣映画が社会的テーマをもって再度復活する社会的背景は
今、十分条件を満たしているのではないでしょうか。
ゴジラ映画は時代を超えて語り継がれるべきキャラクターであると改めて思います。
                                                                                                                      

 

 

怪獣天国 クレッセント(1期)税込5250円  ウルトラマン80第1話登場の月の輪怪獣。
オーソドックスなスタイルの怪獣ですが、当時、ひさびさのウルトラマン実写シリーズ再開の開幕を
飾った名獣です。以前雑誌連動の受注通販という形式で販売したのですが、今回マーミットの受注通販品
として初登場しました。
コゲ茶の成形色。劇中イメージに準じたカラーリングとなります。

 怪獣天国 シーボーズ(2期)税込5250円 全高約23センチ。ウルトラマン登場の亡霊怪獣
 ライトグレーの成形色にモノトーンの彩色で劇中イメージに合わせたカラーリングとなっています。
番組内でも夕方、石を蹴ってしょんぼり歩いていたりキュートな姿を披露していたシーボーズでしたが
ソフビの後ろ姿にも哀愁が漂っていますね。

 怪獣天国 マザリュース(2期)税込5250円。全高約23センチ
ウルトラマンA登場の地獄超獣。
グリーンの成形色。超獣らしいサイケなカラーリング。
今回の2期はおもちゃらしい明るいカラーリングの1期と趣をかえて本編カラーっぽいカラーとなっていますが
マザリュースという超獣が独特に放つ毒々しいイメージは変わっていません。
劇中ではサボテンダーのきぐるみを改造している超獣なのですが、このインパクトのある顔の造形で
まったく別の超獣としての存在感を成立させてしまっています。

空からは血の雨が降り、自分のおかあさんが鬼女になり深夜の浜辺を笑いながら疾走して追いかけてくる、
深夜の公園で奇怪な誕生の儀式を繰り広げ、自分の子どもと称するマザリュースが奇怪な産声を上げるのを
賛美する母の姿を目撃してしまう、
そして富士山が爆発しその地下には炎を囲み笑いながら踊り狂うマグマ超人マザロン人。。。という
もはや
言語的理解を超越した問答無用なイメージが脳内へ無理やり踏み込んでくる、
昭和70年代という混沌の時代ならでは可能であったスーパーバッドテイスト満載の映像美。
胎内回帰願望と大人に成長することのためらいや恐怖とがないまじりになった、
思春期の少年が迷い込む超獣地獄をイマジネイティブ全開に映像化した、「A」中期屈指の問題作。
その映像体験の物証として、このマザリュースと同様にマーミットさんからリリースされたマザロン人は
ァンにとっていつか立体で欲しかったキャラクターであったと思います。


ベアモデル2012年冬新作ソフビ

2012年01月28日 | 特撮・SF

ちょうどベアモデルさんから本年冬の新作DMを贈っていただいてたのでご紹介~。
久々の新作ですね、よかった、スペクトルマン怪獣シリーズも続投ではないか。。。

①Gサイズキングボックル 税込10500円(初回70個生産予定)
②ナース辰年ver.税込6500円(初回40個生産予定)
③くも怪獣(スペクトルマンより)税込7000円(初回50個生産予定)
受付締め切り予定は2月25日。到着は3月後半頃。

ジャイアントサイズのキングボックルは昨年販売した福袋に入っていた未塗装品が
ビッグサプライズだったアイテム。今回期待を集めての正規リリースとなります。

宇宙人でなく地底人ですが、第二次ウルトラシリーズの知的生命体では第一次ウルトラの
空気を受け継いだ印象のある無機的なルックスのキャラクターとして人気の高い1体。
ブルマァクさんからもスタンダードサイズのアイテムが発売されていましたがジャイアントサイズに
なっても飾りがいのある洗練されたデザインです。
宇宙竜ナースは以前発売したアイテムの再販品。発売当時もマニアからの評判が高かった
アイテム。

アップ写真。スペクトルマンのくも怪獣リリースは嬉しいですね。
この名前、たしか最初の怪獣怪人大百科くらいから呼ばれていたように思うのですが、
エジプトのスフィンクスが突如怪獣化して歩きだし日本に出現、怪獣Gメンと死闘を繰り広げ
ながら徐々に姿を変異させていった末の最終形態にあたります。
スフィンクスはツタンカーメンの仮面、野獣風の2形態あり、B形態の獰猛な野獣の
顔を受け継ぎ、脚を生やした姿で登場します。



上はピープロ鷺巣富雄氏の著作「スペクトルマンVSライオン丸」(太田出版刊)
中に掲載された高山良策氏の造形アトリエ写真。本編きぐるみ造形過程の
スフィンクスとクモ怪獣が写っている。

くも怪獣の前身となるスフィンクス怪獣。山奥の原子力研究所に向かって一直線に突撃する
ヤバイヤツ。



第二形態であるスフィンクス怪獣B相手に見事なヤラレっぷりと空中戦を見せるスペクトルマン。


当初の公害怪獣編から番組中期に入って宇宙怪獣、ゴリの結託星人、人間の心の闇を映した
怪獣たちとの戦いへと新たな局面を移した頃の「スペクトルマン」の中でも
このくも怪獣は異彩を放っている一匹です。

第二次怪獣ブームのカオスなキャラクターの一体としてソフビ化は期待していたヒトが多いのでは
ないでしょうか。ソフビサンプルの写真を見る限り、凶暴な表情もよく再現されていますね。
怪獣軒さんから発売されたシルバー仮面のエマー星人のように蜘蛛を模した
多脚タイプの怪獣で、ソフビになっても複雑な形態を再現したパーツどりの妙が
手に取ったファンにとっても見どころになりそう。
スペクトルマンは後半戦もくも怪獣や以前同社からリリースされたカバゴンやノーマンをはじめ、
このほかにもユニークな怪獣が多いので、ベアモデルさんも本作怪獣のソフビ化では
定評があるだけに、気長にじっくりいいアイテムを選んで製品化していってほしいですね。

今回のDMには「数量限定のマイナーキャラのリリース企画進行中!まだまだ出したいキャラは
沢山あるので・・・」となっており、リクエスト随時募集しております、との話。
久々のリリース情報でベアモデルファンも胸をなでおろしたところではないでしょうか。
2012年も可能な範囲でとなるでしょうがベアモデルさん、マーミットさん、M1号さんと
いった老舗から新作が出ると版権怪獣ソフビの収集熱も再び盛り上がってくるところとなる
といいですね。第二次怪獣ブームの洗礼を受けたファンとしては本年の動向を見守りたい
感じです。


マーミットの2012年1月新製品

2011年12月31日 | 特撮・SF

例年だと年の区切りということでいろいろソフビ関係やトイイベントで起きたことなど
1年を総括したりするような時期なんですが、どうも今年はしっくりこない。
タコ個人の気分としてですが年末の大みそかになってもあまり区切りという感じが
しないんですよね。やはり3月に震災と原発事故があって、自分たちの
生活や社会に向けての影響も大きかった、いや、今も地続きであるということで。
一個前のコミケの記事にも
少し書きましたが、今年は非日常的なものと日常の境界
がなくなったような年という気がします。
そんなわけで年末年始も、通常通りのアトランダムな記事更新でいきますので
もう2時間もすると来年ですが、あらためて2012年もどうかよろしくお願いいたします。

そういえばゴジラ映画は今後作られると放射能とかの設定はどうなるんだろうな。
最近ケーブルを見ていてもゴジラ映画のオンエアがほとんどないし。
よくDVDで見ています。特撮ファンでそういうヒトは少なくないように思います。
ゴジラ関係に対する潜在需要はしっかりあるということですよね。
でもこうしてゴジラ関係の製品はソフビのセカイや
トイイベントでは変わりなく新製品がリリースされていたりします。
ある意味インディーズ業界というゴジラアイテムを販売可能な枠が講じられていて
市場を維持していたのはよかったのではと思いますね。
そういえば年が明けたらじきスーフェス開催ですね。。。

スーフェスにも出店するマーミットさんからちょうど2012年1月の製品受注リリースが
到着したので、年末ですが紹介しておきます。

 

ジャイアント・グドン(2期)。劇中のイメージに合わせたベーシックなカラーリング。
大きいのでこれは怪獣天国でも10290円。これはかなり飾り映えします。
最近グドンは「ウルトラゾーン」に登場したんですが、等身大になって一般市民相手に
しゃべったりマッサージ屋が舞台の話だったかな、何かコメディをやっててびっくりしました。
キグルミはメビウスの時のやつだと思うけどしっかりした出来だったのでなおさら。
でも不思議と違和感なかったです。しかしグドンとツインテール登場エピソードでは
オリジンとなる新マンの前後編5・6話を最近も見返したんですが、隙がなく飽きないですね。

 

 デスゴジ咆哮版。なんと通販初登場なんだそうです。デスゴジのカラバリは今までどのくらい
出ているんでしょうね。微妙なスプレー違いとか含めると多岐にわたると思います。
これは本編冒頭やビジュアルポスターで煙をもうもうとあげながら移動するゴジラの異常事態を
そのままブラシワーク表現した劇中カラーですね。
しかしゴジラがメルトダウンして暴走、ていう設定はこういう現状となった日本を前提に見てみれば
あらためてなかなか深いですね。あの映画のラストのような事態になって、
当面の放射能汚染は緩和されるが、実はメルトダウンし熱崩壊したたゴジラ以外に。。。という設定は当時荒唐無稽かなと思ったのですが、原案の大森一樹監督はいいところまでもっていって
ましたね。完成作品も悪くないけど、大森氏が監督も手掛けていたらどうだったのかな。
今見返すと1作目と「84」「ビオランテ」「デストロイア」あたりは核エネルギーや抗核バクテリア
などの設定がSFにポリティカルフィクションとしての意味合いを増しており当時と違った
新鮮味が増加していると思います。
そして、ゴジラ映画はやはり放射能という日本人にとっては重い設定とどこまでいっても
切ってもきれないな、と改めて思いますね。

                                                                                     

 

 

怪獣天国 シシゴラン(2期)  ウルトラマンA登場の獅子超獣。

正月にふさわしいキャラクター。やや
落ち着いたカラーリングですね。1期を持っていますが、
造形が民芸品がソフビになったみたいな面取りになっていて、特に着物の裾のようなサイドとリアにかけての
ライン処理が日本的で造形として面白いソフビになっているのではと思います。
しかし今、獅子舞なんて都内にいると下町とか年中行事をしっかりやる方針の企業の新年会などに
いけばやっているところがあるんでしょうけど、普通に暮らしているとなかなか見れないですよね。
鮮烈な思い出があるんですが、タコが子ども時分、親戚の寺に獅子舞を呼んでいて、親戚同士が
集まっての新年会
の最中に廻ってくる時間が来て獅子舞が上がってきたんですが、裸電球の
下がったお寺の居間で動きまわる獅子舞がすごく怖かった印象があります。
そう、「新マン」のテロチルスの回のゲストカップルたちが田舎で過ごしたなまはげの回想に近い
怖さでしたよ。
戦隊シリーズなどでは今も付喪神系の怪人とか出てくるんですが、こういう民話系の怪獣も
特撮作品の中で伝承していってほしいですね。

 怪獣天国 ゲスラ(2期)  ウルトラマン登場の海獣。紺色成型のメタリックグリーンの彩色。
確か1期は明るいグリーンのカラーでしたね。
 マーミットさんからゲスラは確かビニパラべビーも
入れると4回製品化していなかったかな。けっこう製品化に恵まれていますよね。
子どもの時、ゲスラ欲しかったな。ピーターのキグルミを流用した、エコタイプのキャラクター
なんですけどゆえに気になるんですよね。ビニパラではピーターとゲスラも
同じ造形ライン、サイズで出て、スーツバリエーションみたいに並べられるのでうれしかったです。
いきなりウルトラ怪獣でゲスラやモングラー出すってこのメーカーは一体なんだろう?と思った
ものですがその後のマーミットさんのマニアックなリリース展開を考えると序の口でした。
ゲスラは劇中で学術資料みたいな絵が出てくるんですけど、ああいうビジュアルがあると
立体モノも欲しくなるものですよね、怪獣ファンというのは。何か標本みたいなもので。
このゲスラはセミリアルのプロポーションでは申し分のない出来になっていると思います。
しかしTVではモスラのキグルミにとげと角をつけたパチ怪獣みたいなのが「ゲラン蜂の幼虫
ゲスラ」として当初出る予定だったんですが、イカモノ食いの目線としては、
あれはあれでちょっと見てみたい気もしますね。

 

怪獣天国 ガメロン&太郎(2期)。2体分なので7300円。
ウルトラQ登場の大ガメ怪獣。これは先に発売されたカラーライズ版Qに合わせたカラーリングとのこと。
そうか、太郎とガメロンは現在のカラー技術ではこんな色になっているのか。
1期の太郎は普通に半ズボンに素足だったけど、今回は劇中と同じで黒タイツを履いています。

じつは、タコはカラー版をまだ未見なんですよ。
このガメロンと太郎のソフビ、昭和のたとえるなら、「チロリン村」とか「ケロヨン」とか「びっきーちゃん(幼年誌で連載されていた人間界で生活する猿のソフビ)」みたいな妙なこってりとしたミリキがあるソフビですね。
ガメロンも1期は旧マルサンのアーケロンみたいな造形とカラーリングで手元に来たらニヤリとしました。
しかしウルトラQは長らく人物キャラクターのソフビ化が肖像権の問題で困難だったのですが、最近は
ぶたのはなさんが巨人をリリースしたり、マーミットさんが悪魔っ子セットやこの太郎をリリースしたりと
製品化上でかなり自由度が広がって
きたようですね。ぶたのはなさんのゴルゴスも背中に
登っているタケルが彫刻&彩色されていて受けました。
人物では一の谷博士なんて製品化したらどうじゃろう。
ミドルくらいでいいからいなずま号やあけてくれの幽霊電車も欲しい気がします。


マーミットの11月ソフビ新製品

2011年11月01日 | 特撮・SF

Shape of Dreams,  マーミットさんから11月新製品の案内が届きました。
1日から受注を開始しているようです。赤松和光オリジナルのカーズワークスアイテム
通販をはじめ、おっと思える懐かしい再販ソフビも目につきます。
同社の製品を長く集めているヒトにはつい買い逃したものをより凝った塗装で
手にできるチャンスにもなっています。

今回は赤松社長のカーズワークスブランド新製品となる、
9月のスーフェスで降臨したばかりの「サタン」がキットで早くも受注開始しております。
先先月の蠅魔王バァルゼブブに続き自分のオリジナル解釈で塗装して一品モノを
製作できますね。スーフェスで現物を見たのですがディティールが細かいので
エアブラシの吹き甲斐、筆の入れ甲斐がありそう。
バァルゼブブももうすぐタコ含むお客さんのところに届くので
オリジナルの蠅カスタムがネットのあちこちで見れるかもしれませんね。

しかしこの赤松社長オリジナル地獄ワールドの悪魔軍団はどういう組織図になって
いるんでしょうね。早くも御大将のサタンが製品化されたわけですが、
昔ながらの悪魔図を思い浮かべると、何個師団か居るので、ルキフェルとか
プルトーなんてのも製品化するんでしょうか。サタンが居るならサタンの嫁とかも居そう。
というか色っぽい女怪人フェバリットの赤松社長が一番腕をふるいたくなるモチーフのような。
今後もカーズワークスの展開は気になるところDeath。

ビニパラで怪獣天国シリーズに移行してからでは初期のアイテムにあたる
えりまき怪獣ジラースがリリース。なんと10年経って2期目のリリースと書いてあります。
怪獣天国はセミレトロでリアルとレトロの中間くらいのところに斬り込む版権ソフビとして
作られているのでストライクゾーンが広いシリーズですね。特に怪獣天国最初期のものはその
中間のテイストがせめぎあっている仕上がりのものがあるから今見ても新鮮な気がします。
怪獣天国が出た頃はイベントも多かったな、そんな当時のことを思い浮かべつつ楽しむのも
アリかと思います。しかしある意味、初売りして10年もたってたら立派なクラシックソフビですね。

リアルフィギュア系では無印ウルトラマンの発泡怪獣アボラス(上)とウルトラセブンの
実相寺回でひょうひょうとした語り口で侵略する様子が伝説化しているペロリンガ星人(下)が
リリース。

「悪魔はふたたび」登場のバニラの好敵手、アボラスはレッドキングのきぐるみを
流用した怪獣でありながら、高山良策補正がかかっており、全身のバランスも
整っており、たいへんカッコイイです。
このリアルソフビもそのテイストをよく表現していると思います。
ペロリンガ星人は以前発売したときに知人が自分でペイント
していましたが、塗装派にはかなり塗り甲斐のあるディティールが細かいアイテムだった
と聞いています。彼の塗った現物も見たことがありますが、映像に登場したきぐるみの
元は没シナリオのキャラクターだった水棲人ピニヤのきぐるみを転用し
「サイケ宇宙人」というシュールな存在に転身させた時点で
全身のディティールがリイマジネイトされたキャラを、
このアイテムはディティール面でよく再現していると思います。
アボラス、ペロリンガは完成塗装品でのリリースです。

怪獣天国キングカッパー。今回は2期目。前回発売したのはグリーンの成型品で、今回は
写真を見る感じでは赤い成型ボディのようです。
やや濃い目の塗装が加わり戦闘的な雰囲気のキングカッパーになっています。
頭にある、北斗隊員が拉致されてアップアップしていたプールの造形もきっちり作ってあります。
劇中で水を頭からこぼされ、頭を地面に向けて水を吸い上げてリゲインするシーンを見て、
キングカッパーのソフビがあったらなあ、と思ったヒトも多かったのではないでしょうか。
幼少時のタコはマルサンオリジナルのトルトス海人をキングカッパーに見立てて
遊んでいましたが。
そんな子どもの時の本物のキングカッパーがほしいという夢を存分に満足させてくれる
アイテムとなっています。

関係ないですが、最近タコは、当時ダイナミックプロの蛭田充さんの描いた
ウルトラマンAのコミカライズをよく読み返しています。コミカライズに登場する
超獣の面構えが、カウラもルナチクスもものすごく凶悪な顔つきでよだれを
垂らしていて、荒っぽい描線で最近の漫画では出せないイイ味を出しています。
このキングカッパーも蛭田コミカライズに登場するのですが
なぜかコマによって目が垂れ目になっており、ちょっと情けない感じがたまらないです。
やはり我々世代は超獣という存在が
でおきしりぼ核酸にきっちりヤプール細胞に浸食されたかのように
刻み込まれているんでしょうね。

平成のゴジラVSメカゴジラのメカゴジラもリリース。重厚なボディ、この頃から東宝特撮映画も
アニメ的な有機的なフォルムを取り入れてきたことがよくわかり、非常にシャープなメカゴジラ
ソフビになっています。ここのところ、平成ゴジラ史を彩ったオルガやこのメカゴジラなど
名敵役たちにようやくスポットライトが当たっている感じがします。よりリアルロボットの
テイストが導入された機龍も良いですが、昭和メカゴジラと2000年代の機龍の中間で
メカゴジラの進化の中間にあったVSメカゴジラのデザインもここらで再評価したい感じです。

怪獣天国・ウルトラQ江戸川由利子。ベレー帽がトレードマーク、カメラを胸に提げて現場に
向かう、ボーイッシュな魅力のある由利ちゃんのソフビ化。
以前同シリーズから出ていたアンヌ同様、なごみ系の表情で製品化されています。
カラー化ソフトの発売が迫り、ファンタスティックなウルトラQ世界が幅広いファンを対象に
広げている気がします。

名前がなかなかおぼえられないんですが、この宇宙人がロボットのようでインパクトが
ありますね。「パスカグーラの宇宙人」。マーミット最初期の製品化アイテムで、3mの宇宙
人やグレイタイプのものなど、何点かリリースされたうちの1体です。テレビを見ていたら
世界各国に出現した宇宙人をあつかった番組で仮面ライダー555のたっくんこと半田健人
くんが「なぜ昔現れた宇宙人は昔のSFの本に出てきたような姿をしていたのだろう」と
なかなか興味深い指摘をしていました。不思議ですよね~。

このパスカグーラの宇宙人は73年にミシシッピで目撃された宇宙人です。頭部はヘルメット
で中にはヒューマノイドのようなほんとうの頭部があるんでしょうか。ザラザラした体表は
ザラブ星人みたいですよね。同社のミステリアスソフビは遮光器土偶といい、3Mの宇宙人
といい、ちょっと萌えアニメに出てくるようなオカルト研風味のミステリアスな部屋に
なっちゃいますが、奇抜なインテリアとして飾ってもなかなかオツな一品だと思います。

 

ビニパラリターンズ、バルザス、ピドラ、ゴアゴンゴンなどに続き、メガヌロンも
ビニパラファンのリクエストにこたえて(そうなのか!)久々にこのたび受注開始。
このメガヌロン、タコも14年前の発売当時なかなか買えなくて、当時マーミットさんの
販売代理店だった新宿の今はなきホビットに入荷したときにようやく手にできた
思い出があります。

当時はソフビムーブメント黎明期。
メガヌロンは東宝ゴジラのビニパラでゴジラバリエーションやメインの怪獣が製品化された
後で補完的に製品化された一体でした。ホビットの店頭に入荷すると、
東宝モノもマグマ大使ものも1点ずつくらいしか入らず、すぐなくなり、
都内のホビットや近県でマーミットのビニパラを扱っているホビー店をホビー誌の広告で調べて
あちこちハシゴしながら買い集めていた記憶があります。
静岡に仕事で出張した時に買ったアイテムとかもあったな。アイアンパワーだったか。
ホビットなど、模型店の軒先で吊るしで太田さんのどレトロなしかもマグマやジャイアントロボなどの
マイナー怪獣のスタンダードサイズのソフビがいろいろ売っていた風景は昭和の頃の
怪獣ソフビを求めに街の玩具店にいくときをほうふつとさせてワクワクしましたね。
太田造形はどこか古い頃に作られた感じがするのですが、そこも違和感がなかったでした。
アキバによく行くようになったのもソフビを2割引きくらいで売ってる個人量販店が
あったんですよね。そしたらそこで萌えフィギュアなんかも売っていて、現在のタコがこのブログで
いろいろ手がけているようなジャンルミックス・とりこじかけなマニア修羅道が
次第に形成されていき。。。以下略。というわけで今に至るいろいろ思い出が交錯しますね、
ビニパラを見るとそれまでマイナー怪獣が立体化されるようなことがなかったそんな渇望が満たされるソフビムーブメント黎明期のテンションの高まりはじめた頃のことがふと脳裏に浮かんだり。
時がたつのは早いもんじゃなあ。

このメガヌロンは昭和の怪獣ソフビ原型師としてマーミット社で現在にいたって
地続きで製作してきた太田さんの造形で、頭部が大き目に作られていて、
サンガッツさんのテレスドン的というか
ヤマトのデフォルメモデル的な感じのプロポーション配分になっています。
でも「ラドン」のスチール写真を見るとこの前方の大き目なプロポーションは的を得たアレンジに
なっていると思います。メガヌロンがヒロインの住む民家の障子をやぶって日本間に出現する、
初めに画面に現れたインパクトをよく伝えている気がします。
宵闇迫る炭鉱町の庭やせまい路地を奇怪な鳴き声を発しながら移動し
鉱夫や警官たちが追跡するシーンのサスペンスは忘れがたいです。

この太田メガヌロンは炭鉱のボタ山のふもとで重機関銃で武装した警官隊と交戦し、
銃撃されて山を転がり落ちるシーンのギニョールのようでもあり、
映像の随所をイメージしつつ楽しめるアイテムだと思います。
スタンダードサイズでのメガヌロンはこの製品が初でしたね。(エクスプラスさんのリアルタイプ
箱入りのとけっこう同時期の発売だったカナ?あれはリアルフィギュアだと思うけど。
ちょっと発売時期の記憶が判然としないのであります)
太田さんのプロダクツはさらにポリ人形のようなデフォルメが入っているのが昭和感を横溢させ
今となってはそこがまたたまらんです。各足が分割したパーツになっており、
可動するなど、つくりが贅沢なアイテムだと思います。
メガヌロンというと劇中でラドンの巣のシーンで群れで出てくる場面もあるので、
当時発売したレンガ色のを買ったヒトも新たに並べて2匹で飾るのも一興かも・ 
ビニパラのエビラと並べて飾っても同じ太田造形
の甲殻類ソフビなので、映えます。なお今回は劇中イメージカラーです。


マーミット 超獣ルナチクス×ギーゴン

2011年10月27日 | 特撮・SF

ウルトラマンAの超獣を怪獣天国シリーズからリリースし続けるマーミットさん。ベアモデルさん
と並び超獣もかなりの数が平成の世にスタンダードソフビとして世に出たのだが、
有名キャラながら、意外にスタンダードサイズでは製品化してこなかったルナチクスが
ようやくリリースされました。



第28話「さようなら夕子よ、月の妹よ」に登場、
劇中で兎のようにとび跳ねながらお月見に涌く温泉町を襲撃するルナチクス。
月星人の天敵です。かなり明るめのイエロー成形カラーがおもちゃっぽくてイイ感じです。

当時から気になってるんですが
兎モチーフのキャラとしては唐突さのあるこの吸盤みたいなしっぽも忠実再現。。。

ルナチクスの登場回は南夕子が(唐突に)月星人であることが判明し故郷に帰ってしまう
というイベント話だったのですが、ルナチクスはその物語を彩る、兎のモチーフをデザインベースに
備えた超獣。

しかしAの路線変更について、今となってはすでにAは28話以降、北斗の単独変身する
設定で継続、完結した物語として存在してはいるのですが、
それを承知したうえでいえば、北斗と夕子がそのまま合体変身する設定で
全話終わっていたら、もっと違っていたんでしょうかね。「ベロクロンの復讐」など後期の
市川脚本回など見ている範囲では、市川森一氏がシリーズ当初のモチベーションを
もし維持していたら、南と夕子コンビの戦いの物語として完結していたのなら。。。
というのは今もあります。魅力的なヤプールの設定に加え、市川氏が作劇の根幹に
置いているキリスト教的ストーリーをメインに据えた
怪奇と奇跡のウルトラ神話になっていたのではないでしょうか。

ヤプールに関しては幸い「メビウス」で相当補完してくれたというのもありますが
(ルナチクスまで復活するとは思いませんでしたが)、
2人変身設定のままで新しい役者さんが演じつつ、新約Aと言う感じでオリジナルのスピン
オフ話とかもできるなら、もっと見てみたい感じがしますね。

そういえば今年はウサギ年だったな。ちょっと年始にほしかったルナチクス。
というわけでロボピョンも出してみたり。
毎年干支の怪獣とかロボットキャラクターのソフビを仕事場に飾ってたりする。
でもイノシシ年とかどうすっかな~。しかし今年ももうあとわずかですね。
春から地震、原発事故とあって特撮作品の登場人物みたいな気分で過ごし、
気の抜けない、たいへんな一年でした。

そして第51話「命を吸う音」に登場したバイオリン超獣ギーゴン。
初期Aの動物モチーフとはすっかり異なる展開になり、後半ヤプール細胞は
器物をも超獣化させます。このギーゴンも楽器に憑き、周辺の人々を操り自分を演奏させる
付喪神系の超獣。しかし最終回前あたりの超獣まで製品化されると思ってもみませんでした。

イメージとしてはピーコックのような鳥を楽器のイメージと組み合わせた感じのデザインライン
なのですが、ここまでくると怪獣というよりは妖怪に分類できそうです。
ギーゴンの前の形態で巨大なバイオリンが市街地の上空を飛び、タックアローがそれを
追撃するシーンがなんともシュールで忘れられないです。
劇中イメージでTAC隊員も演奏し歌い、踊ってもらいました。
北斗隊員「みなさん!どうしたんですか!!これは超獣のわなです!」
TAC隊員たち「しゅらしゅらしゅらしゅらしゅらら~♪(3話の宴会で歌ってたTACの一週間)」

このギーゴンは表面が木の楽器っぽいディティール処理になっていて、よく作りこまれている
一体だと思います。昭和の頃は幼児番組などで元のキグルミが木を切り出し磨き上げたような
TVキャラクターも多く、それらがソフビ化するとこのギーゴンのような質感をしていました。
なかなか写真だと質感がわかりにくいかもしれませんが現物を手にとる
と昭和的なレトロイメージをよく追及し、楽器の超獣という設定にも合っている、
面白いソフビだというのがわかると思います。
ちょうど今、2期のレッドを基調にしたカラーが受注中ですね。

ギーゴンは、「ウルトラマンマックス」に登場した、失明した女の子の楽器の演奏を見て
自分も楽器になってなごやかに音を奏で始めた究極生命体イフの
ご先祖様的なキャラクターという気もします。

しかし残りの超獣でほしいといったらどのへんでしょうね?さすがに誰でも知ってる、
いかにも売れ線といえるキャラはだいぶ少なくなってきたんですが、カイテイガガンや
超獣人間コオクス、今回のギーゴンみたいにマイナーな超獣もきっちり
作りこんだソフビになっていると手にできた時、うれしいですよね。
自分は超獣ではないんですが地球にパンダを盗みにやってきた
スチール星人のリリースをお願いしたいです。

モチーフも何もない、顔に箱状の機械をつけているような不思議なデザインの宇宙人ですが
新マンのメシエ星雲人とともに番組後期になるとウルトラが初期のデザイン的な制約を
超えて(まあ、ぶっちゃけデザインラインの統一をいつしか怠って?ともいえるのですが)
設定変更や番組のテコ入れなどカオスな現場状況ならでは生み出し得た
宇宙人として忘れがたい1体ですね。

あと、ドリームギラスも悪夢にさいなまれる子どもを夢の中で追いまわすという設定に
合っていて童話に出てくる竜みたいで、ソフビになったらとても質感を楽しめそうに思います。
全身のいかにもヤプール細胞が増殖して生まれたっぽいイボイボ凹凸ディティールが細かいので、
原型を作るヒトはきっとなんぎでしょうけどね。あとはできたらオニデビルかな。
レオのオニオンとAのオニデビルはあったらちょっと節分の日に飾りたいソフビですね。
でもタロウのオニバンバをソフビ化スルーしたらきっと劇中同様にオニバンバ怒るだろうな(笑)。

つ【Stratovarius - Hold On To Your Dream】
ストラト基本好きだけど、この頃はほんとにパチハロウィン。。。

http://www.youtube.com/watch?v=wHeykkh3J_M&feature=related

つ【Stratovarius - Chasing Shadows

http://www.youtube.com/watch?v=BGTGeKk5AjM&feature=related


コスプレフェスタ東映特撮編

2011年10月22日 | 特撮・SF

よくできてるプロップ!本編顔負け!!液晶画面のアイコンもそれっぽいのがならんでたぞ。
「つかむぜ!宇宙!!」

 開催1週間経ってしまったのだけどまったりモードでルポといきます。コスプレフェスタTDC
その1。まずは東京ドームといえば特撮!東映作品を中心に熱演をご覧いただきたい~。
しかし雨が降ったりやんだりの中で、レイヤーさんも屋内退避があったりあわただしい1日
だったのではないかと思いマス。

雨が降ってくると、レフ板が即席の傘になったりしちゃう。

これはドームの野球のほうの席とりのハリガミ。こちらも選手の
イベントが開催されていて熱いセカイ!
ちょうど野球を見に来ていたおじいさんとおばあさん「向こうは野球、こっちはお化け大会!」
演技中のレイヤーさんも「うちらお化けかい!」と苦笑。

連邦軍の従軍カメラマンも。お疲れ様です!
ブライトさん、ガンダムUC4話でのしょっぱなセリフ「まさか首都を攻撃してくるとは!!」。
4話冒頭のダカール戦はとにかく燃えるぞ!今度は地球に降下してヴァル・バロ似の
巨大モビルアーマーと市街戦だ!

ゴーカイジャーが過去の東映戦隊のメンバーが毎回登場してくるお祭り的番組なので
気分は東映戦隊ファンイベント的な高揚感もあったコスプレフェスタ。
後楽園でぼくと握手!!
デンジマンのダイデンジンも登場!ワンフェスにも来ていたヒトカナ?

ダイデンジンときたら、デンジ星人の宿敵、ベーダー一族のヘッド、ヘドリアン女王様も!
お美しいヘドリアン女王様なのに、曽我町子さんの顔マネをしてくれるので、
ふ、普通の麗しい女王様もお願いします!とリクエストするタコ。

これなら女王様にぞっこんなヘドラー将軍も安心しますね。
ヘドリアン女王様「ほんとに部下にやさしかったですよね!女王様は」
ヘドリアン女王は東映作品のNO.1女王キャラクターだと思いマス。
しかし凝った衣装だよね。

 「ベーダー戦闘機隊出撃!!潰せ!!」マントを翻しキメてくれました。
ヘドリアン女王様は元々マーベルコミック作品の冥界の女王ヘラのデザインを
バトルフィーバーJのミスアメリカ、スパイダーマンの1話に出てきたマシーンベム・暴君竜や
鉄十字団首領のモンスター教授などのキャラクター版権といっしょにとって
デンジマンの時に敵として出したキャラなんですよね。
だからアメコミヒロインのコスプレみたいにも見えるのです。

本家東映のイベント看板。この場所で放映前の撮影会状態でファンがコスプレで
盛り上がる。これはテンションあがります。

ゴーカイジャーメンバーも1日演技しまくり、撮りまくり撮られまくりではりきってました。
お疲れ様でした!

2日目におられたトンボライダー&ゴン。キャラへの愛を感じます。
さすらいのカリスマメイクアップアーチスト。
役者さんのスケジュールの関係から途中であまり出て来なくなってさびしかったけど
無事に元気なまま最終回を迎えてよかったです、なんて話しながら撮らせてもらいました。

だまってステージでアトラクションやってたら気づかないで本物だと思いそうなフォーゼ。
番組が始まったばかりなのでコスプレ衣装もまだ市販されてないから、
制服や小道具などももちろん全部レイヤーさんたちの自作DEATH 。

おもわず30分後の番組枠のヒトが来て撮ってました。

仮面ライダー部結成式、みたいな感じで記念撮影。

1番組でそろえないで思い思いのキャラのコスプレをするのもコスプレフェスタの特徴的な
トコロ。2011年夏~秋の人気番組詰め合わせみたいなトリオ。
土曜日から日曜日にかけての番組グループと言うことか?

こちらはもう5話以降の美羽がライダー部に参戦している状態でのフォーゼメンバー。
本家の展開が早いのでこうなると番組内の展開が変わるか、
イベントでコスプレ再現するかの戦いですネ。
美羽は学校のみんなの前でうっかり楽屋でのきつぃ本音を晒されてしまい
クイーンの座を追われかけるのだけど、
人にあこがれてばかりで自分が何も変わらないことにはいつまでも
自分も理想に近づけないしシアワセにならない。という一言は名言でしたね。

それぞれが違う性格、考えのキャラがせめぎ合うフォーゼは本音を
ぶつけあうティーンの織りなす熱い人間ドラマで目が離せないですね。
作り手も何かをつかんでいるっぽいので期待大DEATH.無事完走してほしいな。

 

テレビに出てるキャラクターが撮影会してる!!通りすがりのファミリーもビックリ!

こちらはちょい耽美モード入ったフォーゼメンバー。ガーデン内でもの静かに
雰囲気を盛り上げつつ、淡い晩秋の光を背にカメコの女性が思い入れたっぷりで
撮影していました。

「TDCも最初からクライマックスだぜ!!」
とにかく子どもたちにも女の子たちにも大人気だったモモタロス!
お父さんがお子さんに「おい!モ、モモタロスだ!写真を撮らせてもらえよ!!」
とか言ってて自分もいっしょに映りたそうで、ほほえましかった。
「カッコイイなあ、俺!」とかハスッパじゃなくてすごく謙虚な感じで
女の子に「モモタロスなのに物腰が柔らかい!!」とか言われてました。

本編登場前のマスコミ撮影会みたいな雰囲気。
特撮系レイヤーさんにとってこの場所は聖地。
あのコミケでもここまでは楽しめません。やはりこの場所で撮ると皆、決まりマスネ!
次回のコスプレフェスタはまだ開催予定が未定のようですが特撮ファン目線からも
夢のようなイベントなので、是非これからも開催を継続していってほしいと思います。

東映じゃないけどこれは!!亀有の両さん!
や ら な い か!の人と「アッー!」

とっても明るい両さんと、タコは連載初期のハードコアな両さんが好きなので

 「なんだ~貴様!本官に逆らうのか!!
ニューナンブの餌食にしてくれるわ!!そこになおれ!!」
みたいなメーターふり切れた両さんも撮らせてもらいました。気分はコミックスから削除された
水元公園前派出所状態。

TDCに関係ないが妖怪人間ベムが実写になるのね。

【仮面ライダーBLACK RXオープニング】
ただ滑走路を走ってるだけ。異様にシンプルだけど何度観ても鳥肌が立つほどカッコいいOP。
http://www.youtube.com/watch?v=sPHoCOOwzZk&feature=related

【仮面ライダー555 オープニング主題歌】
平成の主題歌では一番好きかも。
http://www.youtube.com/watch?v=qwP2_rPXu20

(その3に続きます。次は萌え系カナ。。。まどか関係はまとめて行きマス!)