傾奇魂 -かぶきだましい-

猫道一家の猫道が日常の諸々を斬る!

いつかギラギラする日

2007-05-05 22:47:02 | ライブレポ
猫道ロックフェス'07、一人の死者も出すことなく無事終了しました!
ご来場くださった皆さん、感謝観劇っ。
お客様だけでなく、対バンしてくれた平均D・DULL-COLORED POP・
小櫃川桃郎太一座、愛すべきスタッフであるふな蔵さん、masakic、
踏み絵ちゃんにも感謝の意を表します。



話は変わって、ロック。 ロック!ロック!萩原健一!
イベントが終わって久しぶりのオフである今日。ロックの巨匠、
深作欣二監督の異常な娯楽映画『いつかギラギラする日』を観る。
ギラギラを補給すべく稽古期間からチラ見していたのだが、
本当に非道い映画だ。芸術性の欠片もない。最高だ。
何十人ものヤクザ、何十台ものパトカーが入り乱れ、
主演の萩原健一・木村一八・荻野目慶子・千葉真一・石橋蓮司・
原田芳雄・八名信夫など必要以上に濃い役者陣が
現金をめぐってひたすら撃ち合うのだ。そしてけっこう死ぬ。
全員必要以上に凄みがあり、動きのキレやテンションが尋常ではない。
食えんティン・足らんテーィノじゃ足らん。深作の方が傾いている。
猫道一家にとってライブの場がいつも「ギラギラする日」
であったらいいと思う。



さて、イベントについて総評。初めてのNEKOMICHI ROCK FES、
猫道企画のイベントとして1年前より始まった『赤旗JAM』シリーズ
と比べると、劇団単位の対バンであるため良い緊張感があった。
「うちらにしかできんR・O・C・K」とは何か、猫道一家も考えました。
結果、出演した4団体とも持ち味をうまく活かして三色弁当のような
興行になったと思う。

特筆すべきは4団体ともに、体現したロック(作品)の「ひねり具合」
が近かったことであろう。「ひねり具合」という表現は抽象的だな。
「ひねり具合」とは、言い換えれば「世界を観る視点のユニークさ・深さ」
である。世の中を観る角度や表現手段は違えど、それぞれ変わっていて
俺には刺激的でした。以下レビュー。



■平均D …『胸キュンアイドル平均D ~first live~』

 リーダー・メアリの血液のような(=独自性たっぷりの)リリックと
 不条理ユーモアセンスの成せる業であった。皆、嬉々としてステージに
 上がっているが、どっか冷静なところがよい。全員高学歴なのも頷ける。
 短いパフォーマンスだったが、演出意図が隅々まで感じられた。
 俺の大好きな私立女子校的な「品ある歪んだ表現」が炸裂していた。
 もっと長時間のライブが観たいバンドである。
 (ちなみに俺の中では劇団カリフォルニアバカンスが「私立男子校的」)


■DULL-COLORED POP …『息をひそめて』

 主演 堀奈津美のナチュラルな存在感を武器に、ありのままの「人間」
 を表現。極限状態や特殊な状況下における人間の葛藤やらを描くような
 ドラマが多いイメージだったD.C.POPだが、「日常に潜むダルな瞬間」を
 巧みに切り取った。猫道企画内のパフォーマンスなのに『anan』読者にも
 自信をもって薦められる芝居だったといえる。(驚異的!)
 稽古期間が短かったこともあり、主宰の作家センスが役者達のプレイを
 上回っていた感(=脚本だけでも楽しめてしまう感)も否めなかったが、
 こんな外道のロックフェスで、装置を組み、会話劇を演るという試みがロック!
 主宰・谷賢一のロック度にたっぷり余裕をもってついていける役者が複数
 いたら、もっと強いグルーヴを産むロックバンドになるだろう。


■小櫃川桃郎太一座 …『番頭!皿屋敷』

 座長・小櫃川桃郎太のソロライブに近い演目。噺家の如く、観客を
 楽しくロックする柔和なプレイスタイルに改めて感動す。武道の達人
 とかそうだと思うんだけど、一見やさしそうでしなやか。
 尖った傾奇魂を胸の内に燃やすところが大人の渋さを感じさせる。
 脚本も情念とぐろを巻くいつもの小櫃川桃郎太一座とは一風変わった
 作風で興味深かった。人情ファンタジーとでもいおうか?
 主人公の老人が、気狂いにも悲劇のヒーローにも見え、幸せにも見え、
 玉虫色の結末に、想像が膨らんだ。解釈を観る側に委ねるあたりも
 「観客参加型」であった。4年くらい前から桃郎太さんのプレイを
 観ているが、同じとして敬愛している。


■猫道一家 …『三井ゆりの生涯』

 バンドのようにそれぞれのポジションが同じくらいの重要度で
 ライブを構築していた。党首としてメンバー全員を同じくらいの
 重要度で愛せた。こりゃグレイト。新生 猫道一家についての
 総括は長くなるのでまた後日。



 あ、また『いつかギラギラする日』に話が戻るんだけど、
 エンドロールで流れた曲が、偶然猫道一家で使用した
 『ラストダンスは私に』だった!
 なんか越路吹雪が歌うバージョンじゃねぇなって思ってたら
 萩原健一のボーカル!ショーケンはやたらギラギラしていた。
 無理矢理なカバーだった。
 映画の終盤。萩原健一に刺されて死ぬ前の木村一八が、現場に
 駆けつけた若い警官にこう言う。(最期の言葉)

 「お前ぇ、二十歳そこそこでそんな格好して恥ずかしくねぇのかよ。
 ロックしようぜ。」

 思想が、極めて偏っている。(ロック!)

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5 コメント

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Unknown (岩☆ロック)
2007-05-06 11:57:43
お疲れ様でした☆

俺にとっての猫道ロックフェスはパンクでした☆

かのTHE CLASHのヴォーカルのジョー・ストラマーは~Do It Yourself"と掲げ歌を歌っていました☆

それぞれの歌い方が激しくぶつかるフェスをこれからも是非続けて下さい☆

自分も岩☆ロック座の歌い方で歌い続けていきます☆

またご一緒したいですね☆有り難うございました☆

おお! (猫道)
2007-05-06 21:58:01
次回はそれぞれ岩☆ロック座と猫道一家の
バンマスとして戦場でお会いできたら素敵ですね!
こちらこそ有難うございましたっ。
こんばんは (小櫃川桃郎太)
2007-05-08 00:16:20
レビュー、どうもありがとうございました。
なんか、照れくさいですねー。

『実験』の場を与えてもらったのを、これ幸いとばかりに、色々やらせていただきました。
劇団河馬壱の演出である、中川さんが観に来ていたのですが、
「(あなたは)どこか壊れているよね。」と
笑顔で言われました。
・・・それもロックですかね?


本当に出演できてよかったです。

有難うございました!
ロックンロール! (ミサイル本人)
2007-05-08 02:53:53
おつかれさまでした。なぜか気がついたらスタッフでした。楽しめた感と悔しい感、なんだか単に楽しめるだけのものじゃなかったのが、ぼくには良かったです。みんなまだまだいけ!いっちまえ!いつかギラギラする日は何回観たかわからない。いつか舞台でやりたい。無理矢理やりたい。うん。なんか良かったぜ。来年のフェスには参加したい。ぜ!ロックンロール!
嗚呼! (猫道)
2007-05-08 19:52:22
岩☆ロック座の岩☆ロックと、猫道一家の猫道と、小櫃川桃郎太一座の小櫃川桃郎太と、吉田ミサイルの世界の吉田ミサイルがこうしてコメントを寄せ合うのってなんかいいですね。来年はこの4バンドでやる?何はともあれいい時間でしたねっ。

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