3歩目

2017-01-26 22:32:15 | 雑記
まただ。





目を開け、被っていた布団を開けると、眩しい光が両目に飛び込んできた。時刻は4:22分。太陽の光ではない。室内灯の光である。
昨日の記事を書き終え、本を読みながら床についているうちにまた寝落ちしたらしい。
ここ数ヶ月寝落ちすることなどなかった(しっかり電気を消して寝ていた)のだが最近電気つけっぱなしによる寝不足が悪循環を生んでいるようだ。
充電していなかった携帯とタブレットを充電器に繋ぎ、再び布団を被る。今日は部屋の入り口にある電気のスイッチを切りに行くガッツはなかった。


朝Ⅱ


目覚ましが鳴る。目覚ましが自分の振動で机の下に落っこちる音がする。体中が重い。もう少し目を瞑る。携帯の目覚ましが鳴る。止める。時刻は6:42分。
どうやら何回目かのスヌーズらしい。またしても出発したい時間だ。何故1度目に起きた時を起きるべき時にできないのか。毎朝思う事だが、睡眠不足で挑む一日も、早く出る事で巻き込まれる満員電車も、残業代が出ないくせに始業よりはるかに早い現場の朝礼に出るのも癪なのだと下郎の無意識は理解している、と思う。
社会人になってから平日も休日も寝る時間すら削って我武者羅に働いてきたが、得たものや施しがそれに見合ってるかというと全然そんな事はないと感じているので、あの頃のようなガッツで働く事ができないでいる。あの頃無料でしてきた無茶をここらで取り返そうとしている。だがそれは自らの生活リズムも責任感も蝕む魔の道である事を理解しなくてはならない。
損得を基準に動いているからだ。人の心を動かすものは、損得感情の遥か向こう側にある。頭ではわかっているが、心がもう膝をついてしまっている。
長くなった、要約すると下郎の心は早く起きる事を拒んでいる。会社の優等生たる事を拒んでいる。反抗期なのだ。その反抗期のガキを叩いてでも正しいレールに引きずり乗せる事が毎朝の戦いとなる。


今日もとても大きな坂を思いっきり登り、思いっきり下り、思いっきり登って思いっきり下る。そうして最寄駅に着く。
この坂が平だったら、実際の直線距離は大したことないのだ。だがそんなたらればに意味はない。平じゃないのだからただ登る。下りる。走って登る。走って下る。


現場


下郎の無意識の目論見通り、現場の朝礼に参加せずに9時に現場の様子を見に来た体で現場に到着。今週は全敗である。クソ野郎。
仕事がとんでもなく忙しかった去年一昨年はそんな事(寝坊)をしている余裕もなかったが、今は仕事がガツンと減ったので一気に気が抜けてしまっている。よくない傾向だ。つまりはちゃんと起きて仕事に行っていた頃は自分で律するのではなく、忙しさが下郎を突き動かしていたという事。外的要因だ。自分の内からそういった律する心が働いていたわけではない。
完全に折れてしまったそいつを呼び覚ます事、デッドマンから復活するのが当面の下郎の目標である。
ちなみにどれくらい仕事がないかというと、こんな長文の日記をこさえる事ができるくらいには余裕がある。まぁ移動時間で書いているのだがそれにしてもである。職人さんが食いっぱぐれないか心配するところでもある。


途中駅



GoogleMAPによるとここからバスに乗る。仕事柄バスは非常によく使うのだが、バスは苦手だ。いっつもバス停の位置がよくわからないからだ。
GoogleMAPに載っているのはざっくりした位置であり、時々全然違うところにあることもある。便利な世の中になったものでバス停の位置を調べるアプリなんてものも出ていて活用するのだが、同じ駅名が点在していたりする。事前にもっと厳密に調べればよいのだが、「大丈夫だろ」と高を括っている。そして失敗する。
また、このバス停だと思ったら反対方向だったり、系統も行き先も合っていたが経由が違うなど、バスは中々ひっかけ問題が多い。その癖時間通りに来ない、着かない当たり前。非常にピーキーな乗り物なのでなるべくであれば使いたくないのが本音である。2キロも3キロも歩きたくないので使うけど。
今日は快晴の青空だったこともあり、駅を出ると富士山の頭頂部が見えた。今年初富士山である。そういえば今年の初夢はなんだったかと思い返し、誰だったかに殺される夢だったなぁなどと思いながらバス停へ向かった。


現場


作業開始直前に到着。親方も下郎の殿様出勤には慣れたもので「こんな時間に来て〜」と茶化すのみ。これに甘えるからいけないのである。
予想外の経路で突入してきたトラックをなんとか迎え、製品を運ぶ。
本来管理費まではお客から貰ってないのでこの現場は弊社で管理する範疇ではない。下郎がここに来ることすらサービスなのだが、呼ばれた以上は運ぶ、手元補助、親方との打ち合わせまでやった。良い意味での惰性である。ここまで来たんだからという感じで朝は起きない癖に妙な責任感で仕事を全うした。妙な達成感がある。当たり前のことをしただけで感じていいものではないが下郎は魂の等級が低いので心の中で「よくできました!!」と自分を適当に褒めた。

余談だがここの現場はこの業界には珍しい女性監督がいらっしゃる。
親方を始め、職人のジジイ達は相手が女の子と見るや急におじいちゃん感を出し、大丈夫かい、やってあげようかなどと甲斐甲斐しく声をかける。さっきまでバカヤローコノヤロー言っていたのが嘘のようである。
この業界は9割8分はおじさんが占めているのでテンションが上がるのは歳を食っても同じらしい。下郎も「下郎丸さん!ダンボールゴミはあちらです!」と言ってもらえるだけでありがとうございます!!!という気持ちになる。ちなみに彼女が下郎の名前を知っているのは作業員のヘルメットには全部名前が平仮名で書いてある為。事故でその人が物言わぬ肉塊になった時の為のものである。血液型も書いてある。建築業界の知恵の一つだ。

コンクリート貼りの建物内は酷く冷える、ヒートテック二枚重ねに作業服、ドカジャンを着てても貫通してくる寒さにぶるぶる震えながらも親方達の作業を見守り、昼前に現場を出た。親方はコーヒーを奢ってくれたが、下郎はコーヒーが苦手である。乗り物酔いするのだ。せっかく奢ってくれたので一気に飲み干す。ありがとう親方。欲を言えば俺のコーヒー嫌いをそろそろ覚えて頂きたぁい!!!


移動


バスに乗り、次の現場、西東京を目指す。移動時間二時間近く。担当現場が分散されるのは勘弁して貰いたいが、営業さんは場所を選んで受注しているわけではないので営業さんのノールックパスを我々はひたすら捌いていくのみである。
今回のルートは尽くドラゴンボールスタンプラリーの対象外。非常に燃えない。

電車内の広告で東京タラレバ娘を見かけた。タラレバ、その単語だけでも耳が痛い。彼女らは下郎から見てだがしっかりとした社会性があって、人間としての地盤がちゃんとあってのタラレバ。下郎は、地獄の第四階層あたりでふごふごと蠢きながら吐き出すタラレバ。
いや、書いてて思ったが言うほど下郎はタラレバを口にした覚えはない。だのにタラレバという単語に耳を痛めているのは、口にはせずとも深層意識ではタラレバが燻っているからだろう。心の声には耳を傾けなければいけない。心から発露した本音を見て見ぬフリして強引に突き進むやり方は無茶を生む。今迄生きてきて、なんとなくだがそう学習した。
できるうちに無茶をする事も大切である。だが、下郎はこれまでで無茶をした後なので、今は心と頭の距離感を縮めていきたい。そんな年頃である。


現場


途中お腹が痛くなったりジョナサンで頼んだライスが少なめだったり、でもハンバーグはとっても美味しかったり週マガの表紙の桜井日奈子がめちゃめちゃ可愛かったり色々して現場についた。

この現場は苦手だ。何が苦手かを書くと色々角が立つので控えるが、できることなら一秒でも長くいたくはない。
着いた頃には施工は終わっていたので完了確認をするまでが下郎の仕事だった。
あとは監督に確認して貰えばベストだったが、タイミング悪く会議中、夕刻まで終わらないときたので監督に「終わったよ」という旨をメールで送ってその場を後にした。
ベストは、職人さんと夕刻まで残って確認してもらう事。でも皆そんなに暇ではない。完了メールを打って去るに至った。あとでなんで帰ったんだよという怒りの連絡が来ることに内心ハラハラしていたが、了解という返信が来たので心置きなく会社に帰った。
もうこれで終わりにして欲しい。どうせ今日の施工費も満足に出ないのだろうが、いいから早く終わって欲しい。


帰社


ほぼタメの職人さんと電車で帰った。同年代らしい会話ができていたかは不明だが親交は深めた。
帰ってからは、なにやら業界において悟空とベジータのフュージョン的な出来事が起き、我々クリリンの生存が危ぶまれているという話になっていた。
この会社の行く先を憂う。

ノー残業デーなので19時半に退勤したよ。


帰宅


ご飯を食べ、録画していたももクロChanを観る。尊き時間だ。仕事を一つやっていないと気がついたがもういい。私は帰ってきた。

まあまあな疲れを身にたたえ、私は床につく。さよなら世界。また明日。

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