物語エトセトラ

気分は小説家?時に面白く、時に真面目に、物語を紡ぎ出す

ゆうきのサバイバル日記(76)

2010-06-27 | Weblog
       俺の困惑をまったく無視して、他のやつらが大井を囲む。
       「奇跡だぜ、き、せ、き」
       「は、は、は・・。明日は雨かもな」
       「まだ、信じられないぜ、全くさ」
       「そうだ、そうだ。津田はきっと博愛主義者だ」
       「なんとでも言え」
       大井はおれの肩をガシッとつかむと
       「伊東、外野がなんて言おうが、無視だ、無視!    
        俺たち、いっしょに青春だもんな」
       と、潤んだ目で俺の顔を覗き込む。    
        「おおーー!!
         強気の発言じゃないか」
        「お前、舞い上がりすぎだぞ」
        「そうだぞ、メル友だろ。
         メル友。とりあえず」
        「バッキャローー!!
         いいか!?健全な高校生はだな、メル友から始めるもん
         なんだ。  なあ?伊東?」

       今まで、俺をほとんど無視して勝手に盛り上がって、最後は
      俺に振るのか?
       そうは思ったが、少ししか話が見えていない俺は、
        「まあ、そうかな?」
       と、言葉をにごしておいた。
        「だよな?
         お前が、相良とペアになったって聞いてさ、俺ひとり取り
         残されたらどうしようかと、あせったのなんの・・・・」
        「そのおかげで、思い切って津田に告ったんだから、よかった
         じゃないか」
        「しっかしさ、うまくいく確率は50%だったよな」
        「俺なんか、30切ると予想してたけどな」
        「いやぁ、十人十色とは良く言ったもんだな」
        「ほんと、感動モン!!」
        「うるさいんだよ。
         俺と伊東も、今日からはお前達と同レベルだからな。
         なあ、伊東?」
        「ひぇーー!?
         お前、いきなり、俺たちといっしょかよ?」
        再び盛り上がりを見せた時、またもやドアが。