ちょっと変わった司法書士の毎日

ちょっと変わった司法書士・小牧美江と申します。

「消費生活論」の講義を終えて

2017-03-02 16:39:07 | 法教育としての消費者教育
昨年の9月30日から今年の2月3日まで、滋賀県立大学の非常勤講師として、2016年度後期開講の「消費生活論」(人間文化学部の生活デザイン学科、生活栄養学科、人間関係学科の1年生選択科目:全15回)の講義を担当しました。

受講者は3年生3人、1年生9人の計12人。最終課題としたレポート試験の採点もようやく終わり、昨日採点結果の提出も終わりました。これまでもたくさん大学生を対象に法教育、消費者教育の講義をしてきましたが、いずれも単発のゲスト講義ばかりで、正規の科目としてまとまりをもった講義をし、その理解度やレポート制作能力を「評価をする」というのは初めての経験でしたが、なんとか、全員に単位をとってもらうことができて、まずはほっとしました。

「消費生活論」って、何の学問ですのん? という感じでしょうか。簡単に言うと、大学生に対する体系的な消費者教育、というところでしょうか。一方で、選択科目なんですが、中学・高校の家庭科教員免許取得希望者は選択必修の科目だということで、家庭科教員養成の一環でもある、というところも念頭においた内容を目指しました。

プラス、これまで取り組んできた「法教育としての消費者教育」を大学生向けに実践する、ということで、消費生活を分析する視点として「法」と「人権」に着目し、「消費」を「契約」(法律行為)という法の視点から分析し直し、そこに登場する「消費者」「事業者」の権利と責任、関係性、消費者トラブルの実情と原因、消費者法・消費者行政が果たす役割、消費者の人権について考えていくことと、これらの知識も活かして消費者市民社会の実現をめざす「消費者市民」について考え、実践する場をつくる(グループ研究と発表の課題を与える)、といったことも目指しました。


学生さんたちの評価が終わったところで、私の実践の成果はどうだったのか、これからじっくり整理をしてみたいと思っています。
学生さんたちが何を学んでくれたか、については、レポート試験提出物のほかに、期間中に出題した小レポート課題、グループ研究課題の成果発表と評価・感想文、各回講義の感想メモなどがあります。自由記述物ばかりでどう分析するか、難しいところですが、またどこかでご報告ができればと考えています。

2017年度の後期もまた、「消費生活論」を担当します。今年の実践も踏まえて、同じ内容なのですが講義タイトルを少し修正して新シラバスを作りました。ご参考に、全15回のタイトルのみ、掲載しておきます。(来年度もこのくらい受講生がいるといいんですが。)

第1回 現代の消費生活(ガイダンス)
第2回 消費生活と法 -「契約」から「消費」を考える
第3回 消費生活と子ども
第4回 消費生活と高齢者・障がいのある消費者
第5回 消費生活とジェンダー
第6回 契約トラブル -消費者法・消費者行政の役割
第7回 意思決定過程と家計管理 -衣生活・食生活の諸課題
第8回 住生活の法律と生活設計
第9回 消費生活と情報・安全
第10回 消費生活と環境
第11回 消費者市民社会と消費者教育
第12回 学校教育と消費者教育
第13回 「消費者市民」を実践する(課題発表)
第14回 「消費者市民」を実践する(相互評価)
第15回 消費者市民社会の実現のために(総括)

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今年もどうぞよろしくお願いいたします

2017-01-01 07:00:00 | 日記
新年おめでとうございます。

昨年は、ブログの更新ができませんでした。

毎日毎日、次から次へと、日替わりメニューで悪政、圧政が続いていたような気がします。
この問題で何か発信しなければ、と考えているうちに、また次の大問題が持ち上がって・・・というように。
そうして、怒り、悩んでいるうちに発言するタイミングを逃してきてしまいました。

今年もさっそく「共謀罪」の導入がめざされているとか。
戦争への道、独裁国家への道、どれだけひどい国になっていくのか。

いえ、なんとしてもこの流れを止めないと。

もちろん、私ひとりではできません。

みなさんと一緒に。ぜひ、ご一緒に。この流れを止めましょう。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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新しい年をむかえて

2016-01-01 10:05:32 | 日記
新年おめでとうございます。

今年はサルのとし。といっても「見ざる、言わざる、聞かざる」の年にしてはいけません。

今こそ、「目をこらして真実を見て」「日本国憲法を実現する政治をしろ、違憲の戦争法制は廃止せよとハッキリ意見を述べて」「政権と癒着したり発言を有形・無形に制限されたりしているメディアから耳障りよく聞こえてくる情報だけではなく、大切なことを発言している様々な人・団体・政党の声に耳をすませて聴きとって」いくことが求められると思います。

今年もそういう行動、発言を続けていきたいと思っています。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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今年もお世話になりました

2015-12-31 11:40:04 | 日記
激動の年となった2015年。ブログ更新も相変わらず低調となってしまいましたが、例年どおり、今年のキーワードで、こまきの一年をふりかえります。

【安全保障関連法案】
まずは、多くの異論を無視し、暴力的な手段を使ってまで強行採決された安保関連法案=戦争法案廃案のこと。こまきも様々に意見表明し、集会やデモ行動に参加し、出張の機会を利用して国会前での抗議にも参加しましたが、力がおよびませんでした。
この悔しさと、新たな闘いへの決意を込めて、強行採決の9月19日の日の思いを 「違憲の「戦争法」が「みかけ」成立した日に」 という記事に書き記しました。

あの日からデモや集会でコールされている「野党は共闘!」の声、新たな様々な草の根の運動に勇気・希望を感じながら、新しい年の闘いにも引き続き、全力で参加していきたいと考えています。


【女性の人権が侵害されつづける国】
12月16日、最高裁判所大法廷は、婚姻の際の「氏の変更を強制されない自由」は憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとはいえず、夫婦同氏制が合理性を欠くとは認められないとして、選択的夫婦別姓を願って闘ってきた原告のみなさんの願いを退ける多数意見判決を出しました。

同時に、「選択的夫婦別姓制度に合理性がないと断ずるものではない」ので国会でしっかり検討しなさい、という付言もされているのですが、その国会が、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正の答申を20年間無視し続け、女性差別撤廃条約に基づく国連女性差別撤廃委員会からの勧告も無視し続けているからこそ、司法の場に救済を求めたことを忘れています。この女性差別撤廃条約遵守義務違反(日本国憲法98条2項違反)も上告理由に該当しないと判断をしませんでした。

男性:女性=12:3という最高裁判所判事の構成そのものも、差別を助長するものだったのかという思いも感じました。

この日、同時に判決がだされた女性のみに課された離婚後の待婚期間6か月という民法の規定のうち100日を超える部分が違憲という判断についても、そもそも立法目的の「離婚後生まれた子どもの父の確定」について、離婚時に妊娠していない多くの女性には無関係、妊娠していたとしてもDNA鑑定など科学的な父の確定が可能となった現代においては、この100日すら不必要なものだというのは明らかなのに、ということも思います。

人権救済の最後の砦=司法の場がこの状況であれば、この国は「女性の人権が侵害されつづける国」なのかと、強い憤りを感じています。


【子どもの権利条約とGeneral Comment】
国際人権条約を遵守しない、ということでは「子どもの権利条約」も同じです。恩師のすすめで「子どもの権利条約」の学習会に参加するようになったのですが、国連子どもの権利委員会が条約の解釈の確定や積極事例の検討などをとりまとめ「締約国が人権を保障するとはどうすることか、何をどうすべきなのか」を明らかにするために(逐条解説的に)とりまとめている General Comment(一般的意見・一般的解釈)の学習を始めてみて、改めてそのことを認識しました。

今、「子どもの権利条約」から法教育、消費者市民教育を見なおす、という研究を始めています。その構想を、法と教育学会の分科会でも口頭報告しましたが、新しい年には、もう少し整理した形で研究報告ができればと思っています。


【健康】
この秋、うちの母親が病気になりました。経過観察をしながら、結果は要支援1でしたが介護保険の認定申請をしたり、家族総出で家の模様替えをしたりもしました。

おかげで以前の五十肩がぶり返して右肩に激痛が走り、整形外科にまた通うはめにもなりました。(模様替えのせいだけではなく、デモでプラカードを持ちすぎたせいかも・・・ですが。)

健康は、本当に大切なことだとの思いも強くしたこの一年でした。


ということで、新しい年にも続く課題、問題がたくさんですが。

今年もたいへんお世話になりました。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。

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違憲の「戦争法」が「みかけ」成立した日に

2015-09-19 11:55:17 | 平和 日本国憲法 
今日、午前2時20分頃でしたでしょうか。参議院本会議で、違憲の「戦争法案」(安全保障関連諸法)が可決され「みかけ」成立してしまいました。

前日まで列島各地で続けられた数多くの国民・市民の反対・懸念の集会・デモ・街頭宣伝の声、国会前では連日夜を徹して続けられ、今日も可決のその時までずっと続けられた抗議の声を無視し、自民党・公明党が少数野党を取り込み数の力で採決を強行した、この憲政史上最悪とも言われる暴挙を、私は忘れることは無いでしょう。

午前0時過ぎに再開された参議院本会議は、Yahoo!ニュースのインターネット中継で見ていました。外の国会前の抗議の模様は、ほぼ実況中継状態のTwitter情報を追っかけながら。違憲の「戦争法案」が強行採決されるかもしれないというとんでもない状況を(もっと言えばそこにいたるまでの様々な経過や法案の問題点すら)放送してこなかったNHKも最後は中継していたようですが、そんな放送は絶対見てやりません。

インターネット中継なので、登壇されている議員のお名前が分からない方もいたのですが、反対討論をされた各議員の討論は本当にすごかったっ。夜中なのに、私、「そうだっ!」「がんばれっ!」と思わず叫んでましたよ。同時進行で、国会前の人たちも「福山がんばれ」「小池はがんばれ」というようにコールをしていて。牛歩戦術を封じられてみなさん無念そうに投票に歩く中、議長に叱責され続けながら一人抵抗し続けた山本太郎議員の姿。最後の投票で、それぞれに抗議の声を上げながら投票された各議員の姿。

動画でも、文字起こしでもいい。今は、検索すれば議員のみなさんの討論、発言、行動、実際に見ること、聴くことができます。リアルタイムを逃したかたも、この連休中にぜひ、真実の報道を「しない」「できない」テレビや新聞の「伝聞情報」だけに頼らず直接見聴きしてみてほしい。国会で、国会前で、本当は何が問題とされ、どんないい加減な政府答弁が繰り返され、この違憲の「戦争法案」が強行採決されたのかを。


20歳前の学生時代から反戦平和運動の片隅に居て、卒論のテーマに「平和教育」を選び、革新懇や9条の会に参加し続けてきたおとなの一人として、この夏ほど、20代そこそこの若い社会人や学生さんや高校生の皆さんたちの活動や訴えに「教えられた」ことはありません。

若い世代の人たちに、法教育を通じて立憲主義や憲法のことを教えようとしてきた私が、逆に、若い世代の人たちに、立憲主義や民主主義、憲法の理念を目に見える形で、一人ひとりの生活や体験に根ざした輝く言葉で教えられました。

教育とは、子育てとは、学びあいであり、育ちあいであること、改めて心から実感しました。


日本国憲法98条1項は「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と規定しています。憲法違反の法律である以上、みかけ上成立したとはいえ「戦争法」は無効です。

また、そもそも本会議可決の前提となった安保法制特別委員会での委員会可決が「不存在」ないし「無効」であるという手続上の瑕疵もあります。


主権者である国民として、というか普通の一般市民の感覚として、委員長の議事再開宣言も含めて「聴取不能」と書かれた議事録しか作成できない、そこで何があってどういう採決がされたかは「委員長がそう理解したことを記録として再現して後から付記して書けばよい」というような議事が成立しただなんてまったく理解ができません。法案に反対していた野党議員は、総括質問の権利も表決権すら奪われた。それどころか、採決の前提として実施された横浜地方公聴会での4人の公述人の公述記録についての報告もされず、記録上は横浜地方公聴会は「無かった」ことにさえされてしまっています。

これから、この「戦争法」が違憲・無効であることを確認する法廷内外の闘争が続くでしょう。

違憲の法律を施行し、これに基づく行政執行をした結果、万一自衛官や他国の方が生命を失うことがあったならば、その行政執行を命令した行為は、殺人罪や傷害致死罪、教唆に相当する行為になるのではないですか。

そのような恐ろしいことが起こる前に、違憲の法律を運用させない、海外への派兵、武力行使を許さないための、これまで以上の国民・市民の闘いがわき起こるのではないですか。

そう考えたとき、そうそう簡単に、この「戦争法」を運用することはできないはずです。この夏の若者たちの、私たちの、みなさんの闘いは、確実に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こる」ことに対するブレーキになったと思います。

ただ、それに安心しているわけにもいきません。法案成立を見越して、自衛隊トップがアメリカ軍と様々な約束を先にしてきたのではないかという疑惑もまだきちんと解明されていません。軍部独走が本当に起こるかもしれません。10月1日には「防衛装備庁」という名の武器担当庁が職員1800人体制で発足する予定です。「戦争法」を使えるものにしていこうという政権・与党との闘いはここからです。

自分自身への決意を込めて、全国各地でこの夏ともに声をあげた全ての人々に連帯をしつつ、この日の気持ちを記しておきたいと思います。

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