あなたの人生の物語 ー 早川文庫 (映画:メッセージ)

2017年06月16日 | 本のメモ
あなたの人生の物語
クリエーター情報なし
早川書房


映画「メッセージ」を観た。

某日、久しぶりに仕事が嫌になり午前中の会議をキャンセル(^^;。どうせたいした内容の会議でもない。私が行ったから何かどうなるものでもない。たまには欠席しよう。1時間30分のためにわざわざ新幹線に乗って行くのも経費の無駄遣いじゃないか。駅のスタンドカフェでコーヒーを飲みながら色々自分で納得する。そまま休もうかと思っていたら午後遅くに来客があることを思い出す。午前中に1作だけでもと慌ただしく映画館に駆け込んだ。

映画はなかなか良い出来で難しい内容をうまくまとめていた。

個人的にツボにはまったのは12という数字。世界の12か所に同時に降り立った地球外生命の飛行物体の数が12。つまり「時間」だろ? 

12か所の国と地域を協力させるために12という数字をよこした? 

だったらもっと素直に12を示せよとは思った(^^)

12という数字を通して時間のことを伝えたかったに違いない。

なるほど、なるほど。60進法なのか・・・という思いが頭をめぐる。だから彼らの文字は円形なのか。ずっとそれを意識しながらエンディングを迎えた。

60進法といえばシュメール人。彼らは12、24、30、60、360という今に伝わる数字を見つけた。1ダース、十二支、12星座。英語の数詞は12まで固有名詞がついている。日本に伝わった干支は古くは60だった。12は今に続く特別な数。我々の世代はナイル、チグリス・ユーフラテス、インダス、黄河と四大文明を並列扱いで習ったがシュメール人が住み着いたチグリス・ユーフラテス川沿岸は他と比べて別格だ。シュメール人は偉大だ。彼らがいなければ我々の文明は今のレベルに至るのに1000年単位で余計な年月を費やす必要があったと思う。彼らが60進法を編み出したおかげで今に続く時間の概念が出来たしカレンダーも出来た。何より60進法よりもっと時代は遡るが彼らは回転運動を平面的な移動に変換できる車輪(歯車)を開発した。シュメールの影響外の新大陸は結局車輪を物にできなかったしアフリカ大陸にも当然無い。ユーラシア大陸の西から東までシュメールの影響下にあるといって過言ではない。

そんなことを考えながら夕刻に本屋へ立ち寄り原作本を購入。きっと60進法についてもっと何か書いてあるに違いないと思ったから。・・・何も無かった。12という数字さへ出てこない。ちょっと残念。内容も違う。

でも小説は別のことを考えさせられる内容だった。先ほどシュメール人がいなかったら今のレベルに至るのに1000年単位で余計な年月を費やす必要があったと書いたが、本当にそうなのか。全く違った形で技術が発展していたのかもしれないではないか。

小説にこういう表現がある。「逐次的認識様式」と「同時的認識様式」。我々人間は逐次的認識様式をとる。物事には順序があると思っている。原因があって結果がある。結果を制御しようと右往左往するがなかなか上手くは運ばない。努力もむなしく悪い結果になることもある。そういう風にしか理解できない。小説に出て来る異星人は「同時的認識様式」をとる。「同時的認識様式」とはなんぞや。物事が始まった時にもう結果が認識できているというもの。そんなことが出来るのか、とは思うがそういうお話しなのだ。我々の遠い祖先の誰かに知に対する認識が芽生えた時、逐次的認識様式をとってしまった。でも異星人の祖先は同時的認識様式をとってしまった。同じ事象を見ても人間と彼らでは見ているものが異なる。人間には今が見え、異星人には今も未来も同時に見えている。

分かってしまった将来はつまらない。分かっている結果が悪いものであれば止めるか回避するか出来る。そんなことも考えられるが起こってしまった事象は自分では変えられないと思った方が良いようだ。言葉はその結果に行き着くまでの行動として補足する。その結果がどうであろうと甘んじて受け入れ達観しながら生きることを強いられる。強いられるという表現自体が誤っているのかもしれない。

シュメール人の件、彼らがいなかったとしてもまた別の様式の文明へ発達する仕方があったのだろうと思い始めた。例えばシュメール人の影響を受けなくても1000年単位の時間を経ても車輪を物にできなかったインカ文明は旧大陸の人間と合うことが無ければ、車輪の影響下にある今とは違った形の技術を発達させていったのかも知れない。

車輪のない今とは全く異なる高度な文明世界。それはそれでどんな世界だったのか興味がある。
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