投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

築70年の家をリフォームする(4.要件決定)


 私は優柔不断な人間なので誰か後押ししてくれると事が前に進む。今回は妻の言葉で前に動けた。いつも妻の言葉で前に動いている気がする。感謝。

 直す目的だが自分自身のシェルターを作るというもの。逃げ場だ。

 自身の会社での立場は盤石とはいえない。ここ数年、毎年馘首を覚悟しながら勤めている。社長からは先日も65歳までは勤めてもらわないとという言葉をもらったが信じていない。もうすぐ還暦。息子も娘も借金無しで大学を卒業させ二人とも何とか食べている。今の会社にたいして魅力も感じていない。未練があるとすればまだ若い仲間の将来。彼らの進む道筋を作りたいとは思っているが、いらないといわれたらそれまで。

 今住んでいる神戸という街は自分も妻も気に入ってはいる。気に入ってはいるが双方の親は岡山に住み今は無難に生活している、将来はサポートが必要だ。そういう話はかなり前からしていて父の病気と他界で痛感することになった。結婚したのはバブル経済の絶頂期。なんの恩恵にも服したことはないが今から比べればべらぼうに高い値段の家を購入するには資金が無く、将来は岡山に帰ることにしてズルズルと賃貸暮らしを続けてきた。今仕事を辞めたとして高い家賃を払えるほどの転職先も無いだろう。家賃のことを考えるとそれが要らない実家に住めばアルバイト程度の賃金を得ても楚々とした暮らし向きなら生きて行けるだろう。倹しい生活を想像しながら思い立ったが吉日と相続した家の改築を考えた。

 しかしだ、築20年とかであれば事は大きくならないと思っていたが、なにしろ築70年。本当は部屋の機能を変えるより屋根や土台が心配でそこの方が優先するのではという思いが強かった。特に屋根は軒が明らかに緩く傾いていたり瓦は変色し微妙にずれがある。父は屋根も床下も苦労して手を入れていたようだ。工務店に下見に来てもらうとそちらを先にしようといわれるのではという思いがあった。

 それに加え自分と同い年の葡萄の温室が明らかに危険な状態になっていた。垂木も梁も朽ちかけておりはめ込んだガラスはところどころ割れている。世間様の目には家の内部は分からない。目に見えて危なそうな温室には目が行く。温室が先じゃないのかという外野からの雑音も聞こえる。

 用意した資金は限られているから、そちらに回ると内部は後回し。そうなると家は保てても住人には不便が続く。

 何から先に手を付けようかと思案した結果、何をするにもベースとなる場がそこを利用する者にとって快適でないと後が続かないと考え、家の内部の改築から始めることにした。

 最初の要件は漠然としたもの。予算は300万円。

 ・手を入れるのは家の北側半分だけ
 ・妻の部屋が欲しい。窓も付けたい
 ・家の北側の台所、風呂を直したい
 ・流し台、コンロ台、調理台は中古の業務用で良い
 ・手を入れる家の北側の床は面一のフローリング(今の台所は土間を少し床上げした状態。段差が多い)

 書き出すとこんなもの。でもずいぶん時間をかけて考えた。この程度の思いで工務店選びに入った。
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