i saw a film today, oh boy

心の1本を探す~私的・映画鑑賞記録

ロスト・イン・トランスレーション (Lost In Translation)

2005年11月07日 | 最高の1本
★★★★★★(S) 

2004年 最高の1本。

公開当時、映画館で3回、DVD購入後には、ゆうに20回以上の鑑賞。
部屋で寛いだり片付けをしたりする時にも、DVDを流しっぱなしにする。
作品の中にどっぷりと漬かり込んだのはもちろん、
溢れ出した分が自分の生活の中にも流れ込んできた。

日常的な、普通の情景の中に、ドラマを見出している。
その視点が、あまりにもロマンチックだ。
けして特殊な設定というわけでもない。
おおむね良識的なアメリカ人が、おおむね良識的な恋愛をする。
優雅でうらやましい話ではあるのだが。

ヒロインに扮するスカーレット・ヨハンソンの、クールな表現が素晴らしい。
ひそやかに蓄積された感情が、ラストのラストで涙となってほとばしり出る。
新宿西口界隈って、こんなに絵になるロケーションだったっけ?と思ってしまう。

音楽も秀逸だ。オリジナル曲の作曲も、既存の楽曲のセレクションも。
サントラを1日中流しっぱなしにしていても飽きない。というか、苦にならない。
端麗なアイリッシュ・ロックとUKロックが抑制の効いた激情を奏で、
ヒロインが出会ったある日の東京の憂鬱を、映画の舞台に昇華させる。
ラストシーンでは、80年代のUKを代表する不滅のポップチューン
‘Just Like Honey’のひび割れたギターの残響が、
穏やかな感動を湛えた胸にじんわりとしみこむ。

何がそんなにいいのかと言えば、フンイキ、としか応えようがないかもしれない。
けれど間違いなく、04年のみならず、
これまでに出会ったすべての映画の中で、至高・至福の1本である。

                           (シネマライズ渋谷)


2 コメント

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はじめまして☆ (cetn)
2005-11-14 03:21:12
コメント&TB、どうもありがとうございました。



私もスカーレット・ヨハンソンの演技力にすごい惹かれました。

ラストの抱き合うところで、不覚にも涙が…。

繊細な気持ちが、表情一つでここまで伝わってくるんだなーって思いました。



あと、やっぱ音楽がいいですよね♪

『ヴァージンスーサイズ』も音楽のセンスがすごく良くて、サントラ買っちゃったんですけど、それ以上に今作は良かったです。

ソフィア・コッポラのセンスに脱帽してしまいました。



この映画、真剣に見るんじゃなくて、何気ないときに流しっぱなしにしていてもよさげですね。

音楽DVDとかと同じ感覚で見れそうで、私も買ってしまいそうですw



これからもどんどんレビュー書いてくださいね。

また覗きに来ます!

よかったらオススメ映画とかも教えてもらえると嬉しいです☆
ありがとうございます☆ (just-like-honey(まちゃのぶ))
2005-11-16 01:36:29
cetnさま。



遊びに来てくださり、どうもありがとうございます!

「ヴァージン・スーサイズ」は僕もレンタルで見ました。

自分自身も10代の男の子に戻ったような気分で、

どうしても覗いてみたい、振り向いてもらいたい、

でも絶対に踏み入ることのできないとはっきり分かっている

「世界のもう半分(=女の子の世界)」への

後ろめたい憧憬みたいな感覚を、

甘苦く(笑)思い出しながら。



女の子は、いつまでもミステリアスなのです。

そうあってもらいたいという、男の妄想まじりの願望もこめて(笑)。。。



ソフィア・コッポラは、現在、監督第3作を製作中みたいです。

その名も、「マリー・アントワネット」。

主演はキルスティン・ダンスト(「ヴァージン・・・」や、

いま公開中の「エリザベス・タウン」にも出演してます)で、

噂によると、UKロックの次代を担うバンド「カサビアン」のボーカリストも

俳優として共演するとか。

次回作も、サントラはUK色が強くなるんでしょうかね☆



それにしても、こんどは歴史ドラマ。

来年公開だそうですが、今から楽しみです。。



ぜひぜひ、またいらしてくださいね。

僕もおじゃまいたします!