JUNSKY blog 2015

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孤立無援の取調べで“自供”に追い込む

2006-06-08 19:54:08 | 事件・事故
「秋田小1児童殺害事件」の報道
そろそろネタ切れだった。

今朝の『朝ズバッ』では、警察あがりのコメンテイターが、昨日と全く同じコメント(今こそ、地どり捜査が重要)をすると言う「ていた落」であった。
それでも、みのもんた氏の人権無視の悪罵はエスカレート。昨日は「天罰が下る」と言っていたが、今日は既に紹介した「母親失格」など言い尽くした悪罵を繰り返し、犯人と断定した発言を繰り返していた。
この人は、『ズバッと解りやすく』話すことと、“安易に”犯人扱いすることを混同している。

村上ファンドやシンドラー・エレベーターやシャッター下敷き事故など、度重なる事件・事故もあってか、「秋田小1殺害事件」の報道時間も短くなっている。
これら事件の多発も一因でもあるが、もう一方では“証拠らしき『事実』”のネタも尽きて、警察も進退窮まったというところであろう。

これまでマスコミにリークしてきた『確証にならない(証拠能力のない)』“証拠らしき『事実』”では、起訴や公判維持が難しいとあって、被疑者の“自白”が是が非でも必要となった。
もっと早く“自白”に追い込めると考えていた警察は、被疑者が『殺人容疑』を認めず、また決定的証拠が見つからない事態に、焦り・不安が頂点に達し、何が何でも自白を取るという手段に出たのであろう。

眠らせない、弁護士をつけさせない、被疑者の抗弁を無視する、脅迫的誘導をするなどなど、手を換え品を替え汚い手を使って迫ったであろう。

とうとう、本日夕刻(2006/6/8,18:00頃)「自供した」とマスコミに発表した。
マスコミは、どのような取調べが行なわれたか、質問する事無く、『自白』情報を鬼の首を取ったように報道を始めている。

私は、引き続き『孤立無援の』被疑者の立場で見てゆきたいと思う。

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日本国憲法
第38条【自己に不利益な供述、自白の証拠能力】
1 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
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「秋田小1児童殺害事件」-11   【連載第1回目から読む】
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4 コメント

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何も出来ませんが・・・ (田原)
2006-06-09 01:24:03
初めまして。田原と申します。

私も秋田の事件の報道のされ方には初めから疑問を感じていました。正直、あの容



疑者の女性が豪憲君事件の真犯人であるのかどうかは私にはわかりません。しかし



そもそも、マスコミ全体が、すぐに彼女が犯人であると決めつけ始めたらしい、そ



の根拠は一体、何だったのか?そして、どうしてあそこまで節操の無い報道を続け



るのか?その理由がわからない限り「本当に彼女が犯人なのか?」と却って疑問を



抱いてしまうのです。



たしかに彼女は亡くなった彩香さんにとって、けして良い母親ではなかったのかも



しれないし、近所の評判も良くはなかったのでしょう。しかしだからと言って、そ



のことと殺人犯であるかどうかということとは別問題のはずですが、いつの間にか



「あんな女だったら、近所の子供を殺していても不思議はないだろう」というよう



に決め付けられ、マスコミ各社が先走った取材をしていたらしいというのが、どう



にも嫌な感じです。



そして逮捕された今も、TVの報道番組では昔からの知人だという人を(顔は映さず



にですが)次々に登場させては彼女の過去に溯って、性格的にもかなり問題があっ



たかのように証言させ、バッシングを続けているのはなぜなのだろうと思うのです



。(近い将来、陪審制も始まることを考えれば、犯罪行為と直接関わりのないこと



で容疑者に対する予見を世間に流布させることなどはマスコミとしては厳に慎むべ



きでしょうに)



娘の彩香さんについてはマスコミも初め「事故死とはおかしい」と言っていたのに



、今では彩香さんの死も母親の責任、さすがに「自分で殺したのだ」とまでは言わ



ないものの、それに近い仄めかしや、母親の仕打ちに耐えかねて自殺したのだ、と



いうような論調に持って行こうとする報道も見受けられます。



綾香さんの件で警察が事件としなかったものを自分から納得できないと騒いでいた



ことについては「常識では考えられない”異常な性格”の持ち主だから」というこ



とで、何とか辻褄を合わせようとしているようですが、まともな心理学者や精神病



理学者だったら、けして軽々には結論を出さないようなはずのことを素人のコメン



テーターたちに堂々と述べさせているのには呆れてしまいました。



この事件の前には、マスコミは娘を殺した(そして他の子供たちの遺体を何年も自



宅に隠していた)とされる中年女性のことをさんざん取り上げていました。そして



、彼女がやはり金と男にだらしない母親失格の女で、借金まみれなのにすぐにタク



シーを使い、しばしばステーキを食べに行ったりする浪費家であったというような



ことを鬼の首でも取ったように何度も得意気に報道していましたが、その一方で同



じ時に国会で大変な議論を巻き起こしていた共謀罪のことは渋々のようにおざなり



にしか報道しませんでした。



この国のマスコミは一体何をやっているのか?もはや、その意図に疑念を持たれて



もいたしかたないでしょう。私は自分のブログも持っていないし何も出来ませんが



、せめてこうしたことに疑問を持っている人間が、ここにも一人いるということを



ただお知らせしたくて、長々と書かせていただきました。

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Unknown (田原)
2006-06-09 01:28:07
すみません。改行を入れたので読みにくくなってしまいました。
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「鈴香はもともと悪い子じゃない」 (monica)
2006-06-09 02:33:47
毎日新聞から畠山さんのお母様のコメントが載っていました。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060608k0000e040084000c.html

お母さんは彼女が書いた手紙を弁護士のところに持ってゆくべきではないでしょうか?

「鈴香はもともと悪い子じゃない」とおっしゃるお母様。

本当にそうなんだと思います。



任意同行された日、誰かに迎えに来てと電話したが迎えに来てもらえなかった。秋田弁護士会にあてた手紙も弁護士に手渡されていない。日付は6月4日でもこの手紙はいつご家族に手渡されたのだろう?



こちらのHPを私のページからリンクさせていただきました。

このようなページを探されている方は意外と多いのではないかと思います。



この場をお借りして、皆さんとこの事件について深く考えたいですね。



マスコミが今までに書いてきた酷い内容に対して、私は全て反論できますよ。家庭状況が違えばその中からのベストは各ご家庭で違ってきます。貧しい生活の中で、それが彼女に出来るベストだったかもしれないのです。精神的にも苦しい生活の中で彼女に出来るベストだったのかもしれないのです。だから、お子さんはお母さんが好きでした。何不自由の無い自分達の生活に基準を合わせての評価を軽々しくするものではありません。
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ありがとうございます。 (開設者)
2006-06-09 09:08:03
田原さま

長いコメントをありがとうございました。

御賛同いただける方が、このところ幾つもコメントとTBして頂き、心強く思っているところです。



ご指摘の通り、国民全体にとって最も重要な問題、『憲法改定』(私は改悪と思っているのですが)やその露払いたる『国民投票法』『教育基本法』『共謀罪』などに関する『ズバッ』と論評する報道が無く、ジャーナリスト精神を忘れ、野次馬報道に走るマスメディアを見ていると、この国の将来を憂います。



monica さま

改めてのコメントありがとうございます。

【マスコミが今までに書いてきた酷い内容に対して、私は全て反論できますよ。家庭状況が違えばその中からのベストは各ご家庭で違ってきます。・・・】は、共感できるお言葉です。

程度の差はあれ、被疑者とされる女性のような行動は誰もがしていることで、男児行方不明の翌朝、新聞を買いに行くことまで疑わしい行動と言うのなら、多くの人が容疑者になるでしょう。



お二人の御意見を、本文の方に一部引用させて頂く事を御了承ください。

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