備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

3.安仁神社

2008-05-23 15:17:32 | Weblog
安仁神社(あにじんじゃ)。
場所:岡山市東区西大寺一宮895。やや交通が不便なので、自動車で行く。県道「岡山牛窓線」で牛窓方面に向かうと、「神崎町」の交差点(「ほんぶしん」という宗教団体の巨大な本部施設がある)を左折してしばらく行き、県道234号に入るが、ここらあたりから案内看板があるので、あまり迷うことはない。広い駐車場もある。
備前国の式内社は21社あるが、名神大社とされたのは当社のみ。このことから、備前国の一宮は当社であるという主張もされている。ただ、諸般の事情を考えれば、一宮はやはり「吉備津彦神社」で、当社は二宮ということになろう。ただ、創建は古く、長らく主祭神不明となっていた。小生の妄想であるが、当社の南東約1kmに「綱掛石神社」がある。ここには神武東征の際に船のとも綱をかけたという岩があり、もちろん伝説にすぎないだろうが、磐座遺跡ではあるらしい。そうすると、本来ここが安仁神社の旧宮だったかもしれない。
神社名の「アニ」の由来については諸説あり、「玄松子」さんのHPでも紹介されている。そのほかでも、例えば志賀剛氏の「式内社の研究(第五巻)」では、アニはハニ(埴土)の転訛であろう、としている(当否は不明。)。ただし、少なくとも「アニ」=「兄」(神武天皇の兄)というのは疑問。現在のように「兄」を「アニ」というのは中世以降で、往古は「え」とか「せ」とかといったはずだからである。個人的には、「阿智使主」説を最有力としたい。近くに「阿智」という地名のほか、織部に関連の深い「服部郷」や「麻御山神社」(国内神名帳所載の古社)があることが傍証。

安仁神社のHP:http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hinoki/2541/

玄松子さんのHP:http://www.genbu.net/data/bizen/ani_title.htm

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