ジェッシーの外耳炎

外耳炎から中耳炎、内耳炎、そして脳脊髄膜炎へと炎症が波及していったアメリカンコッカースパニエル、ジェッシーの通院治療記録

3月24日通院日

2012-03-28 21:07:55 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
前回に続き、また雨の通院日となった先週の土曜日。首都高は行きも帰りも、事故や伴う通行止めの影響で大渋滞。


病院に着くと、いつものようにたくさんのワンコが診察順番待ち。この日は同じ時間帯でアメコカだけでも5頭。それほど耳の病気にかかりやすい犬種であることがよく解る。


アリョーシャちゃん、キャンディーちゃん、バリケン内にモナカちゃん、ジェッシー、診察中の黒のアメコカちゃん


受付の女性に甘えるアメコカ軍団

キャンディーちゃん?アリョーシャ君?とジェッシー


この日は耳の内科的な治療に加え、前回切除したボツボツの病理検査結果も出ていた。


ボツボツは病理学的診断で、「慢性炎症を伴う耳垢腺過形成」。所見によると、「組織内には耳垢腺の過形成が認められ、増生した耳垢腺周囲の結合組織内にマクロファージおよび形質細胞の浸潤を伴っていた。」とのこと。

繊維乳頭腫ではない事がわかり、ヨクイニンを服用する必要が無くなったそうだ。


そしてマクロファージとは、Webで調べたところによると、動物体のすべての組織に出現する遊走性の大形細胞。炎症や外傷の際に活発なアメーバ様運動を示し、細胞の死骸(しがい)や破片、破壊されたさまざまの異物などを食べ込んで、組織内の清掃屋の役割を果たす。

免疫学的にはマクロファージは、食べ込んだものの抗原性に関する情報をリンパ球に伝える。分裂によっても増殖することができ、寿命は数ヶ月であるそうだ。

脊椎動物・無脊椎動物を問わずほぼ全ての動物に存在し、動物が病原体による感染から身を守る感染防御の機構において、その初期段階での殺菌を行うとともに、抗原提示によって抗体の産生を行うための最初のシグナルとして働くなど、重要な恒常性維持機構の一角を担っている。

ということは、あのボツボツが出来たらむやみに取らない方が良いということなのかもしれない。今度、先生に尋ねてみようと思う。


ところでこの日、なんと「衣笠山でおさんぽ」ブログに使用させて頂いている、「ジェッシーの外耳炎」リンク用のアメコカアイコンを作成している方にお会いすることができて感激。しかもその方が飼っているアメコカのアリョーシャ君がとてもイケメン。


アイコンモデルのアリョーシャ君


まるで王子様のようなワンコ。思わず、ジェッシーもコートを伸ばしてあげたくなる。



J「ボクは衣笠山でお散歩ですから、コートは伸ばしません」


待合室でオスワリしておりこうに待つ大きな秋田犬「大竜君」と、順番待ちのワンちゃん達

大竜君は自己免疫病が原因の脱毛が著しかったそうだ。通院でここまで回復したとのこと。


耳の中がボツボツだらけでオトスコープの出番がまだ来ないジェッシー。だけどこの調子だと2週間に一度の通院が3週間置きも夢ではないと、三枝先生から嬉しいお言葉を頂いた。全耳道切除を行わずに良かったと改めて思う。


次回の通院が待ち遠しいね、ジェッシー。


耳の疾患に詳しい獣医を求めて

2012-03-22 21:30:00 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
以前の記事と一部重複するが、改めて書き残しておきたいと思っていたことがある。それは、ジェッシーが耳を気にするようになってから、何度か獣医院に通っていたものの、投薬以外の処置があることを知らずに今まで過ごしてきてしまったことである。

そう、患ってから二年の間に、耳の穴を閉じてしまう全耳道切除を薦められるまでに悪くなっていたことさえ判らなかった。

過去に犬は何頭か飼育していて、このような耳の疾患で悩んだことは無かった。後に知ったアメリカンコッカースパニエルならではの罹りやすい病気。外耳炎を起こしやすい犬種としては、順にウエスティ、アメコカ、ゴールデン、フレンチブル、パグ、バーニーズ、ラブラドール...。ジェッシーは二番目。外耳炎を起こさないアメコカの方が珍しいのだと思う。


それから必死になって調べ尽くした、耳の治療が可能な獣医。間もなく、オトスコープという耳の内視鏡を使った最新医療があることを知る。内視鏡を使って、犬の耳特有の垂直耳道から水平耳道までの洗浄や治療が可能。鼓膜破損したケースでも、その治療で再生された例があることも知る。手術を宣告されたり、かなりひどい慢性的な外耳炎を起こした犬達の経過が良好であることも知り、期待出来るのではと感じた。

しかし残念ながら、住んでいるこの地域では、オトスコープ治療を扱っている獣医を見つけることが出来なかった。通える範囲で思い当たるキーワードでweb検索、現在、ジェッシーが通院している北川犬猫病院のホームページに辿り着く。皮膚と耳の病気に力を入れている病院。それだけでも十分に期待が出来た。

人間だって、目なら眼医者へ耳なら耳鼻科へ皮膚なら皮膚科へ行くのと同じに、動物もその分野の専門家が必要なはずである。しかしながら現在の獣医界では専門の科というものは二次診療施設か、眼科・整形・腫瘍などの分野でしか確立されていないようである。二次診療施設とは、二次的に、より高度な医療を必要とされる場合に紹介される診療施設のことで、高度な設備や技術を要する症例を扱い、獣医学生や獣医師の教育機関や研究機関としても機能している、高度医療センターや大学病院などを指す。

また、人間でも最新医療となればそれなりに治療費はかかる。それぞれの病状や検査・治療内容等でも異なってくる。動物も同じ。今回の件で、通院・治療が可能であるかが不安であったが、まずは診てもらわないことには何も回答は出てこなかった。

そして現在、ジェッシーは両耳の耳道上にあった3つの腫瘤状のものを入院&手術で切除、治療が継続中。通常の治療以外の医療が必要な場合などは、都度、前もって説明頂き、こちらも可能なことを伝え、安心して通うことが出来ている。


何よりジェッシーはここの病院が大好き。先生方やスタッフさん達が来院した犬猫達を見つけると、必ず名前を呼んで声掛けをしている。まるで人間の小児科へでも来たかのよう。女性スタッフ陣ならではの動物達への柔らかで温かい心配りを感じている。

この週末も診療予約日、ジェッシーが元気になっていく様子を見ていると、私も通院が楽しみになっている。

再び散歩が出来るようになったジェッシー

桜祭り準備中の衣笠山にて


愛犬の病気で悩んでいる方々が、それぞれが求める医療を可能にして下さる獣医師と出会えることを願って止まない。

露わになった繊維乳頭腫様のボツボツ

2012-03-13 23:22:55 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
3月10日診察日

退院後3週間が経過、この日の受診は短時間のみ鎮痛効果もある鎮静剤使用での治療となった。目的は耳の徹底した洗浄と、垂直耳道壁の手術で露わになった繊維乳頭腫様の無数の小さなボツボツとした出来物の一部を切除する為。注射を打つと間もなく、腕の中で眠ったようになったジェッシー。

切除したボツボツは検査へ提出。耳道の穴も塞がることなく、思ったよりも中が広く確保されていることが確認されて安堵。そして様子見となっている膝蓋骨への投薬も処方して頂いた。



洗浄液をシリンジで流し込む


3月10日受診日の右耳画像

赤丸の中にある繊維乳頭腫様の小さなボツボツの一部を切除


退院直後の右耳画像


画像の大きさが同じでないため比較が難しいが、退院直後に比べるとボツボツが小さく、数も少なくなったような気がする。

もしこのボツボツが繊維乳頭腫であればヨクイニンが効くかもしれないというお話を頂く。北川犬猫病院へ来院した患犬での前例があり、効果があったそうだ。次の診察日までに結果が出ていることを願い、帰路についた。


ところで、1カ月の入院生活で退院直後は一日中寝てばかりいたジェッシー。筋肉が落ちているため、帰宅後暫くは足に力が入らず。家の中のフローリングや滑り止めのある階段も足に負荷がかかっていると感じていた。

しかしながら入院前に左後ろ足の膝蓋骨辺りから聞こえていたコキコキという音はしなくなっていた。太り気味だったウェイトも正しい食生活でシェイプ、足への負担が軽くなっているのかもしれない。

そしてこのところは投薬の効果か、散歩に行きたいと訴えるまでに回復。誰かが何かを食べていると、まわりでソワソワチョロチョロと、睡眠三昧という生活から抜け出ている。フローリングでのオスワリも足が滑らず、家の階段も安定して登れるようになった。

とはいえ、無理は禁物。


毎日少しずつ距離を伸ばし、足に気使いながらのリハビリ散歩は、衣笠山公園内の整備された園路限定。このところになって、とてもしっかりとした歩調で楽しんでいるジェッシー。夕方散歩はボブ達と一緒にジェッシーペースで出かけるまでになっている。


病院へ行くたびに元気が出るジェッシー。耳の聞こえも手術前より遥かに良くなった。次の受診日は二週間後である。