皆さまご無沙汰しております。最近公私共々忙しく、ブログに取りかかれませんでした。
ところで今日は2月15日です。
昨日はバレンタインデーでした。
あたりまえのことですが、バレンタインデーはキリスト教のお祭りです。
私が小学生の頃には、義理チョコでハート型のチョコレートをもらったものです。今では日本中がお祭りムードです。デパートの特設会場は平日でも多くの女性がチョコを吟味していました。
さて、一夜明けた2月15日は何の日でしょう。
そういわれて、ぴんと来る人はほとんどいないのではないでしょうか。
今日は涅槃会です。
涅槃会は、単刀直入に言うと、お釈迦様の亡くなった日です。当然2500年前のことですから、正確にこの日が命日というわけではありません。中国で旧暦2月15日と決めたのが日本に伝わり、今では新暦(要するに今のカレンダー)で2月15日に、多くのお寺で涅槃会が行われます。
どのような宗教においても、教祖のお誕生日とお亡くなりになった日は大切な日であり、それなりの格式のあるお祭りが行われています。
キリスト教では、クリスマスが誕生祭であり、キリスト教最大のお祭りである復活祭は、キリストの受難(要するに死んだ日)とその後の復活を祝う祭りです。
ところで、私たち日本人の多くは仏教徒ですが、実際、涅槃会を体感している方はほとんどいません。
もともと涅槃会は、とてもポピュラーな行事でありました。お寺では涅槃会に涅槃図を飾ります。近隣の子供達が集まり、お釈迦様の最後の場面のお話しを、お坊さんがしてくれたそうです。地方によっては団子が振る舞われる習慣があったそうです。
涅槃図というものはご存じでしょうか。お釈迦様が沙羅双樹のもとで身体を横たえ、その最後の瞬間を見届けようと、多くの仏弟子や菩薩、天人や動物までが集まり、悲しみに染まっている絵です。
どのお寺でも涅槃会が行われていたので、涅槃図は仏教絵画のなかでは日本で一番多いテーマと言われています。
私たちは、この涅槃図を見ることで、ブッダでさえ死ぬという、諸行無常を教えられるのです。
そして、人の死が、多くの人を涙させることを悟るのです。
涅槃会は誰もが辿り着く「死」を考えるお祭りなのです。
バレンタインデーの翌日は涅槃会と心にとどめましょう。
今日はここまで
煩悩即菩提 南無