JOCV(青年海外協力隊)スウェーデン在住OB・OGの会

現在スウェーデン在住のJOCV参加経験者の女性2名が、2015年に偶然出会った結果生まれたブログです。

2017年第1号

2017-01-06 19:57:46 | ネットワーク
 皆様、明けましておめでとうございます。今年も出来る限りスウェーデンから色々なことをお伝えしていきたいと思います。よろしくお願い致します。

 毎週メールで、何人の方がこのブログを訪問してくださったかという統計が送られて来て、前週比270パーセント増などという時もあれば、160パーセント減などという時もあり、その上下のすごさに驚くのですが、実際の数字は2人から40人くらいの間を上下しています。でも読んでくださっている方たちがいるとなると、やはりあまりにもサボっていてはいけないと、自分を戒めています。

 さて年末年始のストックホルムですが、大晦日から元日にかけては穏やかな天候となりました。大晦日には毎年我が家でパーティをやっていたのですが、今年は元日の正午からお茶の初釜に招待を受けていたため、大晦日のパーティはやらないことにしていました。例年お客さんたちが帰って行くのは午前2時過ぎ。それからざっと片付けをして寝たのでは、初釜に寝不足で行くことになってしまいます。そういう事情で、久しぶりに夫とふたりきりで大晦日を迎えました。もうひとりのOGのFは年末年始日本に帰って、入院中のお母さんを見舞って親孝行をしているとのことでした。家の中でも帽子が必要なくらい寒いというメールが来ました。日本の一軒家は寒いですね。私の実家も同様で、集中暖房で家の中が暖かいのに慣れている私の夫なども、冬に日本に帰ると大変です。

 この晩はベルリン・フィルハーモニーのニューイヤー・コンサートを、映画館の大きなスクリーンで見ながら聴くというチケットを買っていました。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートは毎年楽しみに聴いていますが、今年は初釜で聴くことができないため、大晦日にベルリン・フィルのコンサートに行った次第です。映画館のスクリーンでクラシック・コンサートやバレエを見るというプログラムは最近よくありますが、初めて行ってみてなかなか悪くないと思いました。

 大晦日の料理などは特に作っていなかったので、コンサートの帰りにどこかのレストランで食事をして帰ろうと突然思い立ったのですが、予約などは全くしてありませんでした。ストックホルム市内のちょっと名の知れたレストランで、大晦日の晩に予約なしで食事しようというのは実に考えが甘いのですが、我が家の近くのイタリアン・レストランには時々行くので、スタッフも知り合いのため、なんとかしてくれるのではないかという期待を持って行ってみました。とにかく彼らは陽気でサービス精神に溢れたイタリア人たちです。レストランに入って行くなり、オーナーのアントニオが満面の微笑みでいらっしゃいと言ってくれます。そこで予約はしてないのだけれど食事が出来るかどうか聞いたら、普通のレストラン部分は満席だけれど、今夜は後ろの部屋を開けてあるから、もしよかったらそちらにどうぞと、商売上手のマリオが言います。私たちは大喜びで、調理場を通り抜けて後ろ側の部屋に行きました。

 そこでは8人くらいの若いイタリア人たちのグループがパーティをやっている最中でした。私たちはふたりで静かに食事をしていたのですが、彼らは陽気に騒いでいて、私たちのところに来ては何度もメリー・クリスマスと言います。静かな大晦日になるだろうと思っていたのに、なんだか陽気で明るい大晦日を過ごすことになりました。

 元日はいよいよお茶の初釜です。私はスウェーデンに来てから初めて着物を着て、この初釜に臨みました。実は数年前にも初釜に招待されたのですが、その時は着物を持って来ていなかったので、洋装で出かけて行きました。私は昔お琴を習っていたので、発表会などで着るために着物は何枚も作ってあったのですが、スウェーデンには一枚も持って来ていなかったのです。でもやはりあった方がいいかも知れないと考えて、昨年の春に帰国した時に、洗える着物をわざわざ買って持って来ていました。正絹の着物だと保管が大変だし、汚れた時に日本に送り返して洗ってもらわなければならないのが心配だったからです。そして元日、いよいよこの着物を着て出かける日がやって来ました。その準備として、ストックホルムの日本人会の中にある小袖クラブというクラブの集まりに行って、帯の締め方を習って来ました。昔母が自分で着物を着るのを見ていたので、手順はなんとなく知ってはいたのですが、日本で着物を着る時はいつも着付けをしてもらっていたので、自分で帯を締めたことなど一度もなかったのです。

 いよいよ本番の元日となったわけですが、帯を何度も締めたり解いたりしてやり直し、まあまあ満足がいく状態に締められた時には、もう2時間近くも経っていました。それでも誰の助けも借りずに自分一人で帯が締められたことで、大いに満足しました。ここでちょっとした問題があって、母が帯留めや帯揚げなどを包んで持たせてくれたのですが、なんと姪が七五三で使ったものを間違って入れたらしく、どちらも短いのです。幸い私はとても痩せているのでなんとかなりましたが、焦ってしまいました。その翌日、普段とは全く違う肩の痛みが一日中あったので、一体どうしてだろうと不思議に思っていたのですが、帯を両側にキュッキュッと引っ張って締めたのが原因のようでした。

 スウェーデンではお休みは元日だけなので、私は2日から仕事に出ていました。治療の患者さんの数も少なく、穏やかな仕事始めとなりました。お正月は穏やかなお天気でしたが、4日には雪が降り、翌日5日の私の朝の出勤時の外気は零下10度。今日6日の最低気温は零下16度と出ていました。今日はクリスマスから13日目の祭日でお休みなので家にいますが、比較的暖かいストックホルムでは、これほど気温が下がる日は1冬にそれほど多くはありません。

 前回の投稿でお知らせした、ずっと音信不通だった協力隊OGのNさんから新年のメールが来ました。彼女は現在JICA関係の仕事をしているのですが、彼女の同僚がストックホルムに研修旅行で来るということでした。その同僚の方は協力隊の参加経験はないそうですが、協力隊っぽい人であるということで、ストックホルムで会うことになりました。このNさんと連絡が再開できる仲立ちをしてくれたSさんがオランダにいて、私がストックホルムにいるので、ヨーロッパとは縁のなかったNさんは、是非こちらの方にも足を伸ばしてみたいとのことです。こうして途切れていた縁が繋がり、新しい縁も繋がっていく良き年となりそうな予感がしている今日この頃です。