JOCV(青年海外協力隊)スウェーデン在住OB・OGの会

現在スウェーデン在住のJOCV参加経験者の女性2名が、2015年に偶然出会った結果生まれたブログです。

スウェーデンのナショナル・デー

2016-06-11 20:51:27 | ネットワーク
先週の週末はスウェーデンでは3連休でした。6月4・5日の週末に続いて、6日がナショナル・デーだったからです。この6日は以前はただの旗日、つまり国旗を掲げる日ではありましたが、お休みではありませんでした。事実私Kは2003年の6月6日の金曜日に博士号の口頭試問を受けたのです。その当時はお休みではなかったからです。それがいつだったか正確には覚えていないのですが、6月6日はただ旗を掲げるだけの日ではなくて、お休みになったのです。その代わり、それまでお休みだったキリスト教関係の休日であるペンテコステ(聖霊降臨祭)がお休みではなくなったのです。つまり1年のお休みの数は変わりなしというわけです。

さて先週の3連休のうち、6月4日はストックホルム・マラソンの日でした。4月に日本人研究者の会があって出席した時、学術振興会のストックホルム・オフィス勤務のN氏がこのマラソンにエントリーしたと聞いたので、同じくこのオフィスに勤務するK嬢と一緒に応援に行くことに決めました。N氏はフル・マラソン出場は初めてということで、1時間に10キロくらいのペースを目指しているということだったので、大体3時間くらい経過して疲れが出てきたあたりで声援を送ろうということになりました。K嬢がマラソンのコースを調べ、3時間くらいの地点がどこか調べてくれたので、そこで待ち合わせてN氏が来るのを待っていました。

仮に1時間10キロのペースが少し落ちたとしても、そろそろ現れる頃だという時に、まさにN氏が走ってくるのが見えました。何しろ参加者17000人という大きなマラソン大会ですから、運が悪ければ見逃してしまう可能性もありました。幸い私たちはN氏をしっかり見ることができ、声援も送って、それに対して手を振った反応もいただけました。

そして6月6日のナショナル・デーは、少し気温が低めではあったものの、快晴の良いお天気になりました。この日は我が家から歩いて15分くらいのところにある、市民の憩いの大きな公園であるハーガ公園で、王立オペラが野外コンサートを開くことになっていたので、夫と私はこれに行ってみることにしました。一緒にマラソンの応援に行ったK嬢はバイオリンを弾く人で、その野外コンサートに行きたいという希望だったので、一緒に行くことにしました。

私は以前看護病棟に勤務していた時は、毎年この日は出勤に当たっていて、オペラの野外コンサートに行ってみたいと思っても実現したことがありませんでした。現在の職場は休日祭日はちゃんと休めるので、今年初めてこの野外コンサートに行くことができました。

この公園はとても広く、王位継承第1位のヴィクトリア王女とその家族が住んでいるお城も、この公園内にあります。野外コンサートの舞台がどこにあるかしっかりした情報がなかったので、人々が歩いて行く方向に歩いて行ってみることにしました。結局公園のかなり奥の方まで行くことになりました。

着いてみると、広大な芝生に覆われたところに仮設の舞台ができています。事前の情報によると、今年の野外コンサートのテーマは鳥だそうで、モーツァルトのオペラの魔笛からの抜粋とか、白鳥の湖の一場面のバレエとか、サン・サーンスの瀕死の白鳥のバレエ等が披露されました。芝生の上では子供たちが走ったり、音楽に合わせて体を動かしたり、仮設舞台の真ん前で踊ったり、楽しそうにしていました。

一番最後はスウェーデンの国歌で締めくくりでしたが、私はメロディーは知っているものの、国歌の歌詞を知らないので、来年のナショナル・デーまでには覚えておこうと自分に宿題を出しました。それまでみんな芝生の上に敷物を敷いて座ってピクニックをしていましたが、国歌斉唱では起立でした。私には、日本の国歌を歌うということを軽い気持ちでできないという心理があります。学校の入学式や卒業式での君が代斉唱に関しても、毎年のように何か問題が起こっています。そういう歴史を持ってしまったことは、やはりとても残念なことだと思いました。私は日の丸の旗にも抵抗を感じてしまうのですが、スウェーデンでは国旗はそこらじゅうにあります。夏になると自家用のボートでセイリングを楽しむ人たちがたくさんいますが、国旗をつけているボートの多いこと!国旗や国歌にどうしても何かうまく言えない抵抗感を持ってしまう心理の私からみると、楽しく旗を掲げて国歌を歌えるというのは少し羨ましく感じます。


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