試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3160[3162F-5] 現行色 晩年仕様 動力ユニット更新 (KS-116非動力台車(51052)動力台車枠転用)

2017-05-10 21:55:40 | 京成線:3150形
山場。

グリーンマックス製京成3150形3162F現行色晩年仕様(3162F-5)の台車色変更は最後のモハ3160が入場する。
灰色成形KS-116動力台車枠が入手できず2個モーター搭載動力ユニット(DD-180)を維持出来なくなった。
そこでモハ3160の台車色変更は動力ユニット更新を併せて行う方向へ切り替えている。


京成3150形モハ3160 現行色 晩年仕様(3162F-5:動力ユニット搭載車)。

更新用の動力ユニットは当然ながらコアレスモーター搭載動力ユニット(5713)である。
グリーンマックス製京成3400形,3700形系列では既に動力ユニット更新実績があった。
しかし3150形では初起用となる。
DD-180動力ユニットとの互換性を持つため車体との嵌合には支障しない。
課題は製品化されていないKS-116動力台車枠をKS-116非動力台車(51052)で代用出来るかだった。
モハ3160の結果次第では3162F-5のKS-116台車を再びサックスブルー成形品へ戻さなければならない。


入工中のモハ3160。

モハ3160は当初TNカプラーSP擬2(グリーンマックスマウント)を使用しTNカプラーSPに対応させた。
その後3400形3407登場時仕様(3408F-1)の動力ユニット更新で捻出されたTNカプラーSP擬に交換して間もない。
しかし今回コアレスモーター搭載動力ユニットへ交換されるためTNカプラーSP擬も使用停止となる。
更新が成功した場合にはTNカプラーSP擬装着車の予備品とする予定である。


動力台車枠化されたクロスポイント製KS-116非動力台車枠(51052)。

クロスポイント製KS-116非動力台車(51052)は最後の1両分で側梁切り出しは慎重に行った。
ビス締結式非動力台車で内側のリブは少ない。
先ずニッパーでセンターピン部から切り離した。
その後クラフトナイフで凸部を削りある程度平面化した。
まだ張り出しが残るため#400のペーパー掛けを行った後にラプロス#2400で平滑化している。
ラプロスの番手を#2400まで下げたのは接着剤の絡みを向上させる狙いがあった。


平滑化した側梁内側。

次にコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP対応化へ移った。
カプラーポケット撤去までは3400形,3700形動力ユニット更新車と全く同じ措置を採っている。
3400形,3700形系列と異なったのは3150形のみいんちき黒染車輪化を施している事だった。
非動力車に釣られる形で動力車も輪心をマッキーで塗らなければならない。
動力台車を分解した経験が無い上にここで構造解析に時間を割かれる事を嫌った。
そのため輪心黒色化は分解せずに行っている。


一部を黒色化した集電板外側。

動力台車は車輪単独だけを回転させられない。
先ず動力ユニットから取り外した状態からマッキーの極細字側が届く範囲だけを塗り潰した。
その後ユニバーサルジョイント受を手動で回し塗り残した箇所が現れるまで車輪を動かした。
最初の色挿しで3/4ほどをカバー出来ており回転量は余り多くなく済んでいる。
動力台車のいんちき黒染車輪化を終えた時点でKS-116動力台車枠を仮合わせした。
すると軸箱上部の空間から集電板が見えると判明した。
急遽集電板外側の一部もマッキーで塗り潰し軸箱上部から目立たなくしている。


モハ3160用動力ユニット,更新用動力ユニット(TNカプラーSP対応化済)。

KS-116動力台車枠を動力台車と仮合わせした際に大凡の固定位置を掴めた。
上下方向に若干の取付余裕があり非動力車との差は最小限に食い止められそうだった。
多少の手応えを得コアレスモーター搭載動力ユニットの細工に移る。
床下機器の調達を怠ったため2個モーター搭載動力ユニットから移設する必要があった。
実車とは異なる機器配置だが3150形系列での統一感を優先し成形品のままとする。
2個モーター搭載動力ユニットの床下機器は3400形,3700形同様ゴム系接着剤固定でグリーンマックス製品では統一方式らしい。
幸い3400形,3700形系列ほどの粘度ではなく撤去作業は順調に進められた。


床下機器を撤去した2個モーター搭載動力ユニット。

3400形3407の動力ユニット更新では床下機器の最低地上高調節が項目に加わった。
その後3405前期仕様(3408F-3:再生産品)も同様の措置を施している。
一方3700形動力ユニット更新車は枕木方向の位置を揃えるだけで工程を終えた。
3150形はどちらに近いのか判らない。
そこでゴム系接着剤の残る床下機器をコアレスモーター搭載動力ユニットに仮固定しモハ3162と比較した。


モハ3162,モハ3160 (非動力車,動力ユニット更新車:床下機器仮固定)。

直接床下機器を動力ユニットに取付けるとモハ3162より最低地上高が広くなった。
3150形の床下機器取付は3400形に近いと言える。
過去の3407動力ユニット更新を参照した上で床下機器取付方式を変更する。
3407では動力ユニット側にプラ板のスペーサーを設けた後に床下機器を設置した。
この方式ではゴム系接着剤の固着待ちがスペーサーと床下機器の2回となり効率が悪い。
モハ3162では床下機器へスペーサーを接着し固着待ち回数を減らす。


スペーサーを設けた床下機器。

スペーサーは3407と同じt0.5mmのプラ板を用いた。
省力化のため基部全体とはせず嵌合爪の前後だけに絞り流し込み接着剤で溶着させている。
床下機器は半永久的に使用するためスペーサーを溶着しても何ら不都合は無い。
動力ユニットへの固定はゴム系接着剤になるがスペーサー溶着化の分だけ作業時間が短縮されている。
なお端部までプラ板を延ばさなかったのは動力ユニットのプラスチック部が短い事に拠る。
これ以上延長しても余り効果は得られないと思う。


床下機器を取付けたコアレスモーター搭載動力ユニット。

床下機器取付は車体を嵌合させて行った。
参考にしたのはモハ3162で取付目安は車体裾内側だった。
スペーサーにゴム系接着剤を塗布し動力ユニットへ固定している。
ここまでの工程は床下機器取付位置を含め3407と同一内容で良かったらしい。
スペーサーの取付方法こそ変わったが動力ユニットから張り出す床下機器は3407そのものだった。


モーターカバーと床下機器の間に存在する空間。

当然ながら床下機器は動力ユニットに対し垂直とする。
但し取付位置都合からモーターカバーとの間に微妙な隙間が生じてしまう。
そのためゴム系接着剤が固着する前に何かが触れると内傾する。
完全固着まで微調整を行えるもののその後の取扱いには十分な注意が必要となる。
無用な接触を防ぐためKS-116動力台車枠取付は動力台車を取り外して行った。
動力台車単体での作業は仮固定まででその後は現物合わせを要する。
この間に少しでも床下機器が安定する時間を稼ぐ事にした。


完成したコアレスモーター搭載動力ユニット用灰色成形KS-116動力台車。

KS-116動力台車枠は動力台車の台車枠取付台座にゴム系接着剤を塗布し貼り付ける。
動力台車枠の軸受とピボット集電部には若干の余裕がある。
先ず上野寄動力台車へ大凡の平行を合わせながら台車枠を取付けた。
ここで一呼吸置きゴム系接着剤の粘度が高まるのを待った。
現物合わせを垂直方向だけの調整で済ませるため敢えて固着を進めさせた。
後は動力ユニットへ動力台車を装着しKS-116動力台車枠の位置を決めるだけとなる。


動力ユニット更新を終えたモハ3160。

KS-116動力台車枠は位置合わせ基準を動力台車そのものにした。
コアレスモーター搭載動力ユニットは僅かに車体高が上がるため車体裾を目安に出来ない。
ウイングバネ式軸箱支持台車という事も重なりバランスを取るのに苦戦した。
車体裾との位置関係,動力台車車輪の見え方,非動力台車との差異を考慮し最終決定している。
残る成田寄動力台車も無事KS-116動力台車枠取付を終えた。




モハ3160(動力ユニット更新,KS-116(51052)動力台車枠化)。

床下機器,KS-116動力台車枠の固着を確認しモハ3160が竣工した。
最低地上高の調整を図った床下機器は更新前に比べやや高い位置になっている。
ただ編成見附を乱す程ではなく誤差の範囲内と考えて良いだろう。
事実上の新性能化であり十分に納得している。
動力ユニット更新により低騒音化,安定化が実現し3408F-1(3408F-2)と同じ結果になった。


モハ3161+モハ3160 (非動力車+動力ユニット更新車)。

モハ3160はクロスポイント製KS-116(51052)非動力台車化入場第1号だったモハ3161に続く組成となる。
普段の回着整備とは逆順で最後に難関が待ち受ける珍しいパターンになった。
軽加工で竣工したモハ3161に対しモハ3160は過去の施工例を基に竣工に結び付けた。
対照的な2両が違和感なく連結される状態を迎えられたと思う。
僅かに腰高になったモハ3160だが灰色成形KS-116動力台車へ思わず目が行く。
台車色の変更は成功例に入れても良いだろう。
気分良く3162F-5が再出場する。
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