試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-821[ツヌ304F-2] (クハ103-819[元ラシ314F] 車体更新:クハ103-828 改番,旧クハ103-819 廃車)

2017-07-28 21:45:09 | 国鉄/JR103系
代替廃車。

KATO製103系クハ103-819,クハ103-826(元ラシ314F)は長期に渡り休車指定されてきた。
元ラシ314FはB形防護無線アンテナ付の国鉄仕様という隙間を突いた1986年11月がプロトタイプだった。
国鉄仕様を津田沼区へ呼称統一を図った際に転用先が見当たらずラシ314F廃止と同時に予備車へ廻っている。


国鉄103系元ラシ314F (1986/11)。
元ラシ314F:Tc819-M331-M'487-T501-M332-M'488-T325-M333-M'489-Tc826。

ラシ314Fの廃止は組成の手間も絡んでいた。
クハ103-819,クハ103-826のみの在籍で中間車は他編成に頼るバリエーション用だった。
モハユニット,サハ103-325はラシ315F-1と共用できたがサハ103-501はツヌ311Fから拝借していた。
バリエーション用とは言え2編成との車両共用は管理をややこしくさせる。
元々国鉄仕様の習志野区編成が少数派に留まっていた上に飽和気味の高運転台非ATC車だった。
そのため呆気なくラシ314Fは廃止されている。


クハ103-819(元ラシ314F)。

不運が重なったのはクハ103-819がクハ103-828(黄色5号)の塗装変更車だった事である。
4両編成の中古製品で回着したが2-4位側第一扉付近に瞬間接着剤のような塊があった。
これにより一旦休車とし他3両とは別の道を歩んでいる。
その後接着剤痕の剥離を行い黄色5号を黄色1号で上塗りしクハ103-819へ改番した。
一時期クハ103-576(ラシ337F-3)と組みATS-P形取付入場時のラシ314F(1989/5)を再現した。
その後新たに導入したクハ103-828(黄色5号)をクハ103-826へ改番しラシ314F(1987/4)を組成した。
黄色1号から黄色5号へ再塗装を施した後に再びクハ103-576とラシ314F(1989/5)を組んだがこれは短命に終わった。
再度クハ103-826へ相方を戻しラシ314F(1987/4)を復活させた。
しかしKATO製クハ103形高運転台非ATC車のJR仕様ではラシ307F-1と重複するのが最大の弱点だった。
塗装変更車のクハ103-819がただ見劣りするだけに感じJRマークを剥離しラシ314F(1986/11)へ改めた。
そのラシ314Fも上記の理由により廃止となった。
ラシ314F廃止以降活用の場を失ったクハ103-819,クハ103-826は休車が続いていた。


部品取名目で回着したクハ103-828。

KATO製クハ103形高運転台車はライト基板を除き慢性的な保守部品不足に陥っている。
元クハ103-278(元ミツ6F)の復旧を目指し旧LOT品のクハ103-828(黄色5号)を導入した。
このクハ103-828はジャンク車両で部品供出に未練は無い。
と同時にクハ103-819の車体更新が行えると気付いた。
これによりKATO製クハ103形高運転台非ATC車で唯一の塗装変更車を廃止できる。
作業性から元クハ103-278より先じてクハ103-819が入場した。


入工中のクハ103-819 (クハ103-828,クハ103-819)。

クハ103-828は方転され奇数向に変わる。
クハ103形0番代の車体は奇数向,偶数向とも同一でクハ103-819の車体更新を可能にしている。
クハ103-828は前オーナーさんにより黒染車輪化されていた。
道連れで休車となったクハ103-826は黒染車輪を持つ。
再び相方となるクハ103-826に合わせクハ103-819を黒染車輪化する。
床板との相性を考え台車交換は行わず車輪単独交換とした。


車輪を相互交換したTR62 (クハ103-828用,クハ103-819用)。

クハ103-819はB形防護無線アンテナを搭載している。
屋根板は流用が決定しておりクハ103-819,クハ103-828共に分解が必要になった。
この時側面窓セルも流用を選択している。
唯一前面窓セルだけはクハ103-828の状態が上回っていたため交換対象とした。


車体更新中のクハ103-819。

戦列復帰にのためにはクハ103-819のままだと従来の起用方法しか出来ない。
そこでクハ103-821へ改番し自由度を高める。
印刷済の[クハ103-828]は何時も通りラプロス#4000→ラプロス#6000で消去した。
クハ103-828は古参LOT製品でなかなか印刷が崩れない。
ラプロス#4000を当てる時間は長目になったが成形色は出ずに済んでいる。
この後消しゴムと磨きクロスで塗装面を均した。


[クハ103-828]。

車両番号インレタは当初グリーンマックス製を用いる予定だった。
しかし気が変わりTOMIX製高運転台非ATC車High-Grade製品付属インレタを採用している。
TOMIX製高運転台非ATC車High-Grade製品はツヌ323F-1のみの存在で新製投入編成だった。
これにより1シートだけインレタを保有していた。
現在TOMIX製High-Grade製品クハ103形高運転台非ATC車はセットバラし品でも増備する予定が無い。
そこでインレタ劣化前に起用出来ないか内容を確認した。
するとブロックインレタの[クハ103-821]が存在していた。
バラ数字インレタであればグリーンマックス製にするつもりだった。
転写が容易な一方で転用が利かないブロックインレタの消費を選択している。


[クハ103-821]:TOMIX製High-Grade製品用ブロックインレタ。

やや劣化の兆しが見られたブロックインレタはフィルム周囲が捲れるように転写された。
クロスで中央から四方へ向かいフィルムを密着させた後にバーニッシャーで安定させている。
KATO製103系へのブロックインレタ採用は初で転写乱れは無い。
かつてはブロックインレタでさえ歪みを生じさせていた。
時間の経過したHigh-Grade製品用インレタはクハ103-123(←クハ103-61),クハ103-124(←クハ103-48)の改番時に使用した。
この際はバラ数字だったが思いの外上手く転写を終えた。
新品よりある程度劣化が進んだインレタの方が自分に合っているのかもしれない。


現行LOTベンチレーター化したクハ103-821。

最後の工程は現行LOTベンチレーターへの交換である。
元ラシ314F時代の名残でクハ103-819(→クハ103-821)はAssyベンチレーターを搭載していた。
最近は起用回数が減っていた現行LOTベンチレーターは若干の余裕があった。
続いて入場するクハ103-826(→クハ103-828)用も確保出来ている。
Assyベンチレーターは先日補充したばかりの1袋をほぼ使い切ってしまった。
ここで2両分を捻出出来るのは大きいと思う。




[53C 中野]を承継したクハ103-821。

クハ103-821(←クハ103-819)は車体更新により前面の輝くステンレス飾り帯が復活した。
クハ103-819の塗装変更は全塗装後に飾り帯モールド上の黄色5号を剥離する新方式を採用した。
油性ペイントマーカーで色挿しを施した車両とは一線を画していたがメーカー塗装には敵わない。
なお行先表示類は部品ごと流用しており更新前を引き継いでいる。


クハ103-821 点灯試験[53C 中野]:前照灯。


クハ103-821 点灯試験[53C 中野]:尾灯。

黒染車輪化を行ったため点灯試験を行った。
旧来の電球を用いたライト基板で光量は多くない。
現行LOT程ではないが初期LOT製品より輝いて見える。
車両更新とはせず車体更新を選択したのはこれが狙いだった。




クハ103-821(ツヌ304F-2:改番,車体更新,現行LOTベンチレーター化)。

車体更新と改番を終え新たにクハ103-821が竣工した。
プロトタイプはツヌ304F(1986/8)に据えた。
中間車は他編成頼りでクハ103-826の改番,ベンチレーター交換を終え次第出場を迎える。


元クハ103-819,クハ103-821 (元ラシ314F,ツヌ304F-2)。

一方KATO製クハ103形高運転台非ATC車で唯一塗装変更車だったクハ103-819を廃車にした。
ジャンク車両のクハ103-828(黄色5号)導入は予備部品確保が名目でその役割は元クハ103-819が引き継いでいる。
まだどの部品が再用出来るか詳しく調べていない。
取り敢えず組み立てを済ませ完成線に留置した。




廃車された元クハ103-819(元ラシ314F⇔クハ103-828:ジャンク車両)。

現在座席部品の転用だけは確定している。
事前に前後の台車を撤去しビス締結が可能かを確認した。
これで元クハ103-278を戦列に復帰させる目処が立った。
しかし色挿し等が必要で入場は暫く先になる。
それまで元クハ103-819は完成線で静かに解体の時を待つことになるだろう。

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