試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-212[ラシ305F-3] 車体更新,AU75B(M)冷房機搭載,マイクロエース製屋根板化 (モハ102-188 車体転用)

2017-09-20 21:28:49 | 国鉄/JR103系
再確認。

KATO製JR103系一般形サハ103-212(ラシ305F-3)は車体の破損により継続使用を断念した。
導入したばかりのモハ102-188(黄色5号:ジャンク車両)で車体更新を施し戦列に復帰させる。
マイクロエース製屋根板化は装着手前まで準備を進めていたため続行とした。


JR103系サハ103-212(ラシ305F-3)。

塗装変更車では中程度の仕上げに至ったサハ103-212の車体は念のため予備品とする。
かつて妻面窓サッシ成形を折損した際に廃車体から移設し復旧に持ち込めた例があった。
幕板破断箇所以外に問題は無く色挿しも施されており活用できる可能性が残った。
現在KATO製一般形サハ103形塗装変更車も車体更新対象とする計画がある。
瑕疵のあるジャンク車両でもサッシ折損程度ならサハ103-212の廃車体で対応出来るだろう。


モハ102-188(ジャンク車両)。

車体更新種車のモハ102-188はAU75冷房機が搭載されている他に色剥げや打痕がある。
ジャンク扱いは当然の車体状況だった。
それでも亀裂の走る塗装変更車体を持つサハ103-180(ラシ333F),サハ103-196(ラシ305F-3)よりは程度が良い。
モハ102-188(黄色5号)を活用し変則床板構造のサハ103形用を削減する計画を組んでいた。
車体更新は変則床板廃止後に行う予定だったため順番前後が幸いしている。


入工中の元モハ102-188。

ジャンク車両のモハ102-188へ目立った加工はAU75冷房機搭載だけで色挿しは施されていない。
KATO製一般形の車体更新はHゴム支持モールドと窓サッシへの色挿しが必要条件である。
これに時間を要するため状態の悪いKATO製103系一般形の現状維持が続いてきた。
今後車体更新を進めるには避けて通れない工程で苦手意識克服も課題となった。


黒Hゴム化した戸袋窓支持。

先ず分解前に[モハ102-188]標記印刷をラプロス式で消去した。
メーカー塗装ながら被膜は柚肌で消去痕は余り気にしなくても良さそうに思えた。
そこでラプロス#6000の使用は見送りラプロス#4000→消しゴム→磨きクロスで仕上げている。
サハ103-212は車両更新工事車だった。
よって色挿し工程は側扉窓支持Hゴム,戸袋窓支持Hゴム,窓サッシの3項目に分かれる。
各部に使用するインクの乾燥,定着度等から戸袋窓支持Hゴムより作業を開始した。


車両更新工事車施工車らしくなった側扉周り。

戸袋窓支持はマッキーで黒Hゴム化した。
マッキーのインクは乾燥こそ早いが定着度に多少の難がある。
しかし被膜の薄さが強味で再施工は容易であり剥がれにも即応出来る利点を有する。
手慣れた方式で最初の色挿しには相応しかったと言えよう。
次の色挿し工程は金属押え面支持化する側扉窓とした。
103系の金属押え面支持化はメーカーに関わらず油性ペイントマーカーで統一している。
耐性は高く再塗布を施した車両も生じておらず踏襲した。


色挿しを終えた元モハ102-188。

窓サッシは当初ガンダムマーカーを用いる予定だった。
マッキー,油性ペイントマーカーに比較して安定度や乾燥面で劣るため色挿しの最終工程に廻している。
ところが肝心なインクが殆ど残っておらずサッシモールドに乗せても灰色にしかならなかった。
このままではせっかくの車体更新効果が半減若しくはそれ以下になってしまう。
止むを得ずガンダムマーカーを塗布した上から油性ペイントマーカーで塗り潰した。
ペン先の形状から窓枠端部にインクを乗せるのは困難を極めた。
そこで油性ペイントマーカーのインクを爪楊枝で浚いサッシ全体の銀色化を行っている。
一部に塗り残しが生じたが原形を考えれば一応の到達点には達した。


KATO製AU75B(M)冷房機へ変更した屋根板廻り。

α-model製AU75B(H1)冷房機の塗装を前に実車データの再確認を行っている。
サハ103-212へのAU75B(H1)冷房機搭載はα-model製AU75冷房機採用拡大の一環で採用しただけだった。
未更新車時代はAU75B(S)冷房機搭載で見事に外れている。
しかし晩年のデータを追跡したところAU75B(M)冷房機へ換装されていたと判明した。
もしかすると車両更新工事施工時にAU75B(S)冷房機からAU75B(M)冷房機へ載せ換えられたのかもしれない。
実車に従い起用するクーラーキセはKATO製AU75B(M)冷房機へ変更となった。
幸いKATO製101系メイクアップパーツ1に含まれる塗装済AU75B(M)冷房機の予備品が残っていた。
塗装作業は中止されKATO製AU75B(M)冷房機は原形を保ったままマイクロエース製屋根板へ装着される。


位置調整を施したKATO製101系用AU75B(M)冷房機。

マイクロエース製屋根板はα-model製AU75B(H1)冷房機取付に備え2エンド側取付孔を拡大していた。
KATO製AU75B(M)冷房機に代わっても取付孔への加工は不要で2エンド側の位置は調整を要することなく決まっている。
マイクロエース製屋根板への固定はゴム系接着剤を主とする。
1エンド側取付脚と取付孔の径が合わないのはKATO製AU75B(M)冷房機も同じである。
クーラーキセ内部四隅及び取付脚へ微量のゴム系接着剤を塗布しランボードを目安に位置調整を行った。


座席部品を交換したサハ103-212

KATO製AU75B(M)冷房機の固着を待つ間に元モハ102-188の組み立てに移る。
車体更新では種車部品流用が原則だった。
しかしサハ103-212の部品嵌合が芳しくなく一部は元モハ102-188からの転用へ切り替えた。
座席部品と側面窓セルは元モハ102-188からの転用品へ改め嵌合猶予を確保している。
床板はサハ103-212から流用したが台車締結が非常に緩い弱点を抱えていた。
台車旋回半径は360度を記録する上に脱落する事も多く対策を行う。
KATO製台車締結ピンは嵌合爪先端部が短く台車脱落の根本原因だと思われた。
これをグリーンマックス製台車締結ピンへ交換し嵌合強度を高めた。


台車締結ピンを交換したTR62 (グリーンマックス製締結ピン化,原形)。

AU75B(M)冷房機はほぼ固定され屋根板の取付に着手した。
マイクロエース製屋根板は車体に対し全幅が僅かに狭い。
見付を揃えるには両側板の張り出しを極力等幅に保つ必要がある。
ゴム系接着剤を車体両妻面内側上部と屋根板裏面ランボード付近へ塗布した。
屋根板を両妻面に合わせた後に車体中央に収まるよう圧着させる。
極僅かだけ長い屋根板を逆手に取りランボード付近を押さえゴム系接着剤の固着を待った。


ほぼ車体中央に固定されたマイクロエース製屋根板。

念のため5分程度押え続けたところ屋根板中央部の浮きが生じなくなった。
固定位置も大凡狙い通りに至り完全固着を待つだけとなる。
最後の関門である車両番号インレタ転写に取り掛かった。
使用したのはグリーンマックス製インレタである。
組合せは1-3位側:[サハ]+[103-]+[2]+[1]+[2],2-4位側:[サハ103-]+[212]となった。
当初は両側共に[サハ103-]+[212]での転写を進めたが1-3位側はインレタが崩れ継ぎ接ぎに迫られている。


[[サハ103-][212]]。

1-3位側のインレタ崩壊は[サハ103-212]と全く予想していない箇所で生じた。
[サハ103-212]とのバランス取りに苦戦したが2-4位側とほぼ同等の配置に持ち込んでいる。
崩壊を招くほどインレタの劣化が進んできたためそろそろ補充の時期に来ていると思う。
中古製品やジャンク車両での車体更新機会は突然やって来る。
インレタ不足で作業を中断させるのは効率が悪く早目に環境を整えた方が無難だろう。


側面行先表示器ステッカーを貼付したサハ103-212 (モハ102-864,サハ103-212)。

ようやく最終工程の側面行先表示器再現に辿り着いた。
側面行先表示器ステッカーはKATO製クハ103-281,クハ103-282高運転台ATC準備車付属品を起用した。
側面行先表示器はHゴム支持再現までステッカーに頼る必要がある。
切り出し目安で印刷された黒枠を残し切り出した。
ステッカーによる側面行先表示器再現のためモールド再現車より一回り小さくなる。
KATO製量産冷房車の雰囲気に近付ける一方で車体とのバランスも考慮した。
そのためサハ103-212の側面行先表示器位置はやや低くなっている。




サハ103-212(車体更新:モハ102-188 車体転用,AU75B(M)冷房機搭載,マクロエース製屋根板化)。

車体を破損させたサハ103-212は車体更新により復活した。
元サハ103-212の部品嵌合度合いが遠回りさせた原因である。
ただ注意を払えば車体破断を避けられたと思う。
完全なる失策でありモハ102-188(ジャンク車両)に救われたと言える。
竣工したサハ103-212はメーカー塗装車体に改まったが量産冷房車とは色温度が若干異なる。




サハ103-212+モハ103-709 (ラシ305F-3:KATO製一般形+KATO製量産冷房車)。

赤味の強い黄色5号ながら塗装変更車体より状態は格段に向上した。
マイクロエース製屋根板装着でスマートなランボードに変わり厳つさも消え去った。
現行LOTベンチレーター搭載を含め雰囲気は悪くないと思う。
ステッカー再現の側面行先表示器はもう少し厚みを抑えたいところではある。
しかしフィルムタイプの側面行先表示器でHゴム支持再現まで可能なステッカーは限られる。
よって現時点では最良の方式と考え変更は先送りとした。


更新機会を失ったサハ103-196(ラシ305F-3)。

モハ102-188(ジャンク車両)をサハ103-212復旧に充当したため車体更新用種車が尽きた。
よってサハ103-196は現状維持を迫られた。
塗装被膜は元サハ103-212より悪く車体も亀裂が走る等状態は芳しくなかった。
しかしラシ305F-3にはバリエーション用サハ103形が存在せず常時組成するしかない。
元サハ103-212の車体破損は痛恨の失策になってしまった。


車体剛性が極端に低いサハ103-180(ラシ333F)。

車両更新候補車のサハ103-180はグリーンマックス製床板組込のため補強梁を全撤去した。
亀裂は補強梁を失い軟弱になった車体へ各種細工を行った結果招いたものである。
再塗装時に妻面へ取り付けたプラ板の側面窓セル押えが補強梁を代役を果たし多少は剛性が戻った。
それでも中程度の塗装被膜からは伺えないほど状態は悪い。
サハ103-180も早急に車両更新を行いたい。
ただ肝心のKATO製一般形中間車(黄色5号)確保は厳しい状況にある。

劣悪な車体を持つサハ103-180とサハ103-196は更新優先度が付け難かった。
サハ103-212竣工でサハ103-196が筆頭候補に格上げされている。
ラシ305F-3のメーカー塗装車体統一に向けた動きと考えれば貢献した車体更新だったと思う。