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自転車の記憶

2009年10月05日 | サイクリング
 遠い日の記憶というのは、自分の思い込みであって事実とは異なる場合が度々あるように思う。そうやって、自分にとって都合の良いこと悪いことを拡大消去しているから、心が健康でいられるのかもしれない。
 それでも、今も思い浮かべる事の出来る断片的な記憶の映像がある。

 初めて自転車に乗れたのは、小学校一年の時だった。当時は高度成長期の真っ只中で、自営業の父がそんなこと出来るはずもないので、他の誰かが手伝ってくれていたのだろう。その頃の伊丹は今よりずっと田舎で交通量も少なかったので、直ぐに一人でどこかに走りに行っていた。
 フラッシャー付5段変速セミドロップハンドル一部ディスクブレーキ仕様自転車全盛の中学生時代に、フラッシャー無しドラムブレーキ仕様のサイクリング車を買って貰った。予算が無かったのと、人と違う物が欲しかったのと、両方のはずだ。一人での行動範囲が市内から市外に拡がった。
 高校一年の春、国語で「羅生門」を読み、同級生に誘われて二人で京都までサイクリングに行った。私はドラムブレーキ車、友人は「丸石エンペラー」のロード。国道171号線をひたすら走った。現在の向日市辺りで、友人が前輪を歩道の縁石に擦りつけ180度前転。ホイール修理のため、30分くらいは自転車屋を探して歩いた。羅城門跡に着くと、そこには立て看板があるだけだった。
 この後僕らの「京都行」が教室でちょっとした評判になり、何人かがロードを買った。そのうちの一人と三人で、もう一度京都に行った。相変わらず私だけドラムブレーキ車。帰り道で今度は私が転倒し、歩道脇の側溝にはまり込んだ。
 この、小学二年からクラブもバンドも結婚式前夜も一緒だった、色んな事で自分の世界に私を引き込んだ友人との「京都行」が、後々の「自転車旅」に繋がったことは間違いない。
 それからの高校・大学の間は自転車に関して大した記憶がない。受験や車やバイトや・・・そのほかの事で手一杯だった。
 次に自転車を手に入れたのは、バイトで貯めた金で「九州行」のために買ったマッドガード・サイドスタンド付クイックレリース無しのサイクリング車。4万円で今も世話になっているショップで買った。が、その事を店主も誰も覚えていないようだ。この自転車で、山陽~志布志とグアムと山陰を走ることになる。
 クイックレリースが無いのでモンキーレンチを携行し、帆布製フロント&パニアバッグにボーイスカウト時代の寝袋を結わえて、旅を始めた。


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1 コメント

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おおきに! (つる)
2009-10-06 06:15:58
やったー! 嬉しい
これからまた冒険が始まるのね。入院したおかげだな!

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