舌を握って踊る話

日記です。
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アンパンマンとこども

2012-11-01 14:51:36 | 読んだ本
やっと金木犀の香りが部屋に届いてきたなあ、
と思っていたら、何日かですぐ気温が下がって窓を開けっ放しにはできなくなった。

寒くなるのは嫌だなあ。
外に出るのはおっくうになるし、
やがてくる正月の恐怖…!!

私があまり熱心に言葉を教えないせいか、
息子はまだまだ喃語が旺盛で、
いつももじょもじょなんか言っている。
この喃語がかわいいので、まだまだ言葉はゆっくりで
いいかなあ、と勝手に思っている。
言葉の結びつかない世界
急がなくていいんだ。

唯一、彼のしゃべる意味のある言葉が、
あろうことか、「アンパンマン」で、彼は「あだ」と言う。
(喃語ってひらがな表記が難しい)
アンパンマンの服を着ている子どもがいたりすると、
すたこらさーと寄って行って、
その子の服を指し、「あだ」と言う。
面白いけど、困ったもんだ。

この間、息子が「あだ」と指差したアンパンマンの紙芝居を借りた。
その名も「アンパンマンとこども」
まんま直球…

迷子になったこどもにアンパンマンが自分の頭を食べさせて、
おうちに送ってあげる、おなじみの話ながら、
首のないアンパンマンがひょろひょろと飛んでいる絵には
ギョっとするし、
文章にはルビがふってあるものの、
子どもへの遠慮?配慮?がないというか、
ずいぶんと直接的である。
(しぬ、しんだ、という言葉が何度もでてくる)

最初に顔を食べるところなんか、
こどもが「ぼくはかおなんてたべられない」(そりゃそうだ)と
言うのを、アンパンマンが「さあ!」とごりごり押しで
食べさせるのだ!
しかもこどももちゃっかり全部食べてしまうのだ!
ぎゃー。


でもでも、
自分の顔がほかほかのおいしいアンパンで、
泣いている子どもに食べさせることができたら…
と思いついた作者のおじいさんの気持ちを考えると、
胸が熱くなってしまって、
涙がぽろぽろでてくるのであった。
しかもアンパンってとこがおじいさんっぽい!!

今や、商品化され、消費されているかのようなアンパンマンですが、
原作は、とてもあたたかい、慈愛に満ちた名作なのであります。

日が暮れる時間も早くなった。
夕焼けの空を眺めるのも密かな楽しみです。