J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

DMAT

2008年03月19日 | 地震関連・防災

DMAT。

ディマットと読む。
Disaster Medical Assistance Team。
災害医療の特別派遣チーム。

構成は、医師・看護士・薬剤師・事務。
大規模災害発生時に、現場の医療に携わる人員の不足を補うために、緊急医療に向かう。
固定されたチームではなく、それぞれの役割を誰とでもこなせるように、
共通のプログラムで事前にトレーニングを受けたメンバーが、隊員となる。

その時に、圧倒的に不足が懸念される医師、看護士、加えて薬剤師、そして現場での情報収集や調整に当たる事務方。

災害が発生してから人命を救うための早期医療は、48時間以内が勝負。
DMATは、機動性にも優れ、駆けつけた先での自己完結型の支援を行う。
自己完結型とは、飲食や休息など自分の身の回りも全て、自分たちでまかなうシステム。

現場に、緊急に必要な医療を届け、不足を補うことのみに専念した、スペシャルチーム。




阪神淡路大震災の教訓「避けられた災害死」を回避するために政府が企画したDMAT、
平成17年3月から研修が行われて来ている。

もしもの際には、到着が早かったチームが現場本部を立ち上げ、
その後到着するDMATと地域災害対策本部などとの指示系統を担う。
まさしく、自己完結型の精神がここにもある。

昨年には、新潟県中越沖地震が発生した際に、DMATが派遣された。
緊急車両で、全国から30以上のチームが集まり、医療とサポートに当たった。
行われた活動は、次のとおり。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・多数参集したDMATチームが被災地で効率よく機能するための医療調整と統括

・災害拠点病院での診療支援

・医療機能が低下した被災地内の病院では治療できないショックや血圧の低下した腹腔内出血、重症骨盤骨折、頭部外傷、
多発骨折、急性心筋梗塞など重症者20数名をヘリコプターなどで新潟市及び長岡市の救命救急センターへ治療しながら搬送。

・倒壊した建物から救出・救助するレスキューチームと合同して医療を開始(がれきの下の医療)

・90箇所を超す避難所の被災者の健康管理など日赤の派遣医療チームをサポートした巡回診療
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

手術のできる特殊な車両や、医療器具、医薬品、それらを扱う専門家、
大勢の被災者にも、被災地の医療従事者にとっても、随分と心強かったのではないだろうか。

もちろん、静岡からも派遣要請に備えていた。
十分な手が足りて、派遣には至らなかった。

それにしても、ありがたく、協力な専門家集団DMAT。
DMAT登録者は、みな、専門家であり、しかもDMATの研修を受けている。
ということは、通常は医療関係者だ。

静岡でのDMAT隊員、静岡県立総合病院の安田副院長に、
専門知識も技術もないけれど、一般の私たちはどんな手助けができるのか、聴いてみた。

まずは、存在を知って欲しい、という答え。

DMATは、災害現場にDMATと染められたジャンパーで入ってくる。
災害時に駆けつける中で、救急班もいれば、警察も、自衛隊やボランティアもいる。
それぞれに制服を来ている中で、DMATは医療のチームだという認識を持って欲しい、ということだった。

これは、案外大事なことなのだろうと思う。
ただでさえ混乱した中で、興奮した被災者にとって、分かっていれば精神的な安堵にもなるし、お門違いの要求をしなくなる。

スムーズに、一人でも多くの命を救ってもらうために、DMATは「災害医療派遣チーム」だと覚えておこう。



■DMAT
http://www.dmat.jp/

■日本DMAT活動要領 PDFファイル
http://www.dmat.jp/DMAT_active.pdf#search='DMAT'




もう一つ、私たちにできることがありそうだ。

それは、地理も分からず、緊急に災害地に来てくれる彼らを支援すること。
静岡では、新春早々にその活動を行おうという人々が支援隊を立ち上げた。

「今年1月6日、DMAT支援隊静岡が設立されました。
 目的は、東海地震で静岡に入ってくる他県DMATのロジスティックの支援です。
 がいづれは、他県に出動する静岡DMATの支援も視野に入れています。」

活動内容は、以下のように定められている。
これなら、私たちが心得てるべき項目として日頃の防災にも重なってくる。

1.情報提供
2.移動・搬送支援
3.診療支援
4.生活支援 :被災地域内の活動場所、交通情報
         :空路で入ったDMATチームの移動、医薬品、補給品、の搬送
         :仮設救護所の設営、医療資機材・薬の補充 
         :宿泊場所の確保、水、食料の提供


地域防災の一つに、またボランティアを集約するセンターの立ち上げ項目に、追加しておけばよさそうだ。

ちなみに、東海地震注意報が発表されると、DMATは、要請を待たずに待機となる。
医療の現場でも、その時を憂える従事者は多い。
その時のために、命を守り、負傷を避ける手立てをしておくことも、言外のできることなのだ。


■DMAT支援隊・静岡 ~NPO法人 災害・医療・町づくり
http://triage.web.fc2.com/dmat-sien.htm

■広域災害救急医療情報システム 厚生労働省
http://www.wds.emis.or.jp/







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