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プレシャス

2010年05月04日 01時51分32秒 | 映画 は行
評価:★★★☆【3,5点】


こっちのメアリーは鬼畜にも近い母やね(汗)
同じ役名でも演じる役によって、こうも印象が変わるのが凄い!
因みに比較してるのは『やさしい嘘と贈り物』の聖母マリアのようなメアリー。



1987年のニューヨーク、ハーレム。
16歳のプレシャスは、極度の肥満体型のうえ読み書きも出来ず孤独に堪え忍ぶ日々。
“貴い”という名前とは裏腹の過酷な毎日だった。
この年齢にして2度目の妊娠。どちらも彼女の父親によるレイプが原因。

失業中の母親は、そんなプレシャスを容赦なく虐待し続ける。
妊娠が理由で学校を停学になった彼女は、校長の勧めでフリースクールに通うことに。
彼女はそこで若い女性教師レインと運命的な出会いを果たす。
彼女の親身な指導のおかげで読み書きを覚え、
次第に希望の光を見出し始めるプレシャスだった。
<allcinema>



そもそも、鑑賞前の彼女のイメージは、自分の容姿にコンプレックスを持ち
根暗で引きこもり的な、いじめられっ子風な感じでしたが
映画は、冒頭から彼女自身の憧れの空想映像を見せられると意外とそうでもなく
ただ単に、無口なだけで、決してクラスの子からイジメを受けてることもない。

じゃあ、焦点は16歳にして2度の妊娠!?に向かっていくわけですが
物語も、やはりそこを突いてくるわけです。
最初の子はダウン症。そして2番目の子もほぼ臨月の状態でも
家に帰れば、体たらくな母は事あるごとにプレシャスに命令口調で指示をする。
すこしでも反発したら、すかさず物を投げつける鬼母。

あんた!オーバースローで4~5メートル先の相手にフライパンを投げれば
大怪我するでしょ!しかも階段からは突き落とすわ、下でうずくまってる
プレシャスに向かって上からテレビを投げ落とす行為は狂気としか思えない!
しかも、赤ん坊を抱いてるプレシャスだったにも関わらずに!

ところが、教師との三者面談、ソーシャルワーカーとの生活保護での面談では
姑息な演技でその場をやり過ごす母親メアリー。
プレシャスはそんな母親を見て見ぬふりをするしかない。
しかしながらプレシャスという子は、そんな母親に決して手を返さない。
それどころか、それが日常茶飯事であるため習慣化されている。
それでも心の片隅には憎しみがしっかりあるわけです。
そんななか、フリースクールで偶然に出会った女神のような女性教師のおかげで
勉学が向上し出したのは、彼女にとって大きな事件といえるでしょう。

母に虐待されながらも、耐え忍んで生き続けられたのは
自分が産んだ子供がいることはもちろん、女性教師とのふれあいが
ひとりの女の子の未来に希望をもたらしたのは大きい。

ということで、とても良いお話ではありますが、映画的に見た場合として
本作はどうだったのでしょう?

ひとことで言って、大した盛り上がりがあるわけでもなく
割と淡々として話は進んでいきます。
プレシャスの母・メアリーを演じたモニークの鬼のような形相は
一見の価値はあったかと思いますが、それ以外でいえばプレシャス役の子は
ほとんど地でやってるような感じにも受け、まるで彼女本人の
ドキュメンタリー映画でも観ている感覚になったのが功を奏した?

あと、ソーシャルワーカー役のマライヤ・キャリーの入魂の1作とは
ちょっと思えなかったのも事実でしたね~。


おまけ)
・校長に呼び出され、「あなた妊娠してるわね」と言われたプレシャスが
 次の瞬間「フッ」と笑ったわずかな表情を見逃さなかった校長先生に1票!
 ワタシには、笑っていたのか泣いていたのか判別できなかった。

・来日記者会見でプレシャス役の新人女優ガボリー・シディベが、ことのほかに
 明るくて、実際は女子大生であるということが分り、かなりホッとしたワタシです。
 実は、観終わった後も、もしかしたら彼女は役のまんまの生活環境なのかと
 こころのどこかで引っかかっていたのでした(笑)

・女優ガボリー・シディベの次なる映画に興味津々。観る観ないは別として。

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監督:リー・ダニエルズ
脚本:ジェフリー・フレッチャー
撮影:アンドリュー・ダン
音楽:マリオ・グリゴロフ


出演:ガボレイ・シディベ/モニーク/マライア・キャリー/ポーラ・パットン


『プレシャス』

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4 コメント

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☆ミュージカルじゃないんですね☆ (TiM3)
2010-05-04 11:39:44
てっきり、ハーレム版の『ヘアスプレー』路線かなと思ってました・・っておいおい!
返信する
ミュージカル映画の方がいいかも (ituka)
2010-05-04 14:54:56
TiM3さん こんにちは。

あの『ヘアスプレー』に出てた子も体格よかったですね~^^;
結局、アレ1作で、それ以降音沙汰ないですね。

プレシャスはフライパンが首に直撃しても、ほとんどダメージがなかったです。
これは、格闘家にむいてるかもです^^
返信する
そうです! (オリーブリー)
2010-05-13 19:24:27
父親も母親もまさに鬼畜ですよね。
緒方拳主演の「鬼畜」どころじゃありませんわ(汗)

プレシャスのモデルは、何人かの少女が置かれていた事実が含まれているそうですが、こんな境遇の子供たちがいる事が恐ろしいです。
アメリカのハーレムで、日本では考えられないとは片付けれず、自分の身近では知らない…ただそれだけなのかも、と思ってしまいました。
返信する
緒方拳の『鬼畜』が観たい (ituka)
2010-05-15 00:00:56
オリーブリーさん こんばんは。

その映画が公開されてた頃は、もっぱらレンタルビデオばっかりで
劇場に足を運ぶことなんて考えもしませんでした。
なので、結局は忘れてしまってそのまんまという感じでした(笑)
そうか~!それよりも酷い両親だったんですね。
プレシャスもよく我慢したもんです。

>プレシャスのモデルは、何人かの少女が置かれていた事実が含まれているそうですが、

そうだったんですね!それは知りませんでしたよ。

ハーレムは一度行ったことがありますが、怖いところでした。
「コットンクラブ」に行こうとして結局は道中がヤバ過ぎて止めましたから(汗)

>こんな境遇の子供たちがいる事が恐ろしいです。

こういった映画が世に出ることによって世界が注目して改善されていけばいいんですけどね。
それと、自分の境遇が如何に幸福なのかが分っただけでも
ヨシとしようと思うワタシです^^
返信する

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